nikoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

カナリア(2004年製作の映画)

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カナリアという鳥は、毒物に敏感である事から毒ガス検知に用いられるそう。日本でも1995年の地下鉄サリン事件を受け山梨県上九一色村の強制捜査の際、カナリアを携行している様子が報じられた。この作品のタイト>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.3

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淡々と続く乾いた現実と日常の中の非日常が混同している雰囲気が映画の中で終始漂っていた。オーバーフェンスというタイトルは、最後のソフトボールでのホームランのことなのか、それとも息苦しい現実から逃げ出した>>続きを読む

[Focus](1996年製作の映画)

4.2

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退廃的な90年代後半におけるステレオタイプのナード像を纏った浅野忠信の狂気的な演技。この映画は70分と短めだが、POV(Point of View)という映画編集方式を取っていて撮影しているカメラマン>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.7

この作品を観る上での前情報として撮影許可料が払えなかった監督や関係者は、警察から何度も圧力をかけられながら半ばゲリラ撮影という形で本作を完成させたと言うものが印象的だった。90年代前半のアメリカフロリ>>続きを読む

三月のライオン(1992年製作の映画)

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どのタイミングで一時停止しても写真作品として成り立つようなカットの美しさ、語られる言葉の少なさと極限まで研ぎ澄まされたその純度が良い

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.5

青を基調とした余白のある映像、その余白を埋めるかのように流れる音楽、無駄な会話を省いた一つ一つのカットその全てが良かった

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

3.6

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『アイズ・ワイド・シャット(Eyes Wide Shut)』を直訳すると大きく目を閉じろ!になる。「見てもショックを受けるだけで、意味のないこともあるぜ」という キューブリックの皮肉的なメッセージが込>>続きを読む

害虫(2002年製作の映画)

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朧げに揺れる思春期の少女の美しさと危うい刹那を若かりし頃の宮崎あおい演じるサチ子が端的に表現していた。ラストのナンバーガールがかかるタイミングは完璧に近い

Summer of 85(2020年製作の映画)

4.0

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冒頭は『君の名前で僕を呼んで』と比較してしまう部分があったがラストシーンを受けて抱くであろう感情が全く違っていた。今作品では、ダヴィドの死を乗り越えようとするアレックスがヨットで海に出ていく=物理的に>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

望まぬ結婚を控えた貴族の娘と、結婚の肖像画を描く為に屋敷に訪れた女性画家が交える「視線」 を巧みに描いていた。BGMをほとんど使わず、ドレスのこすれる音や床のきしむ音、風の音が聞こえるほどに静寂だった>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.2

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十年間もの昏睡状態から目覚めた主人公を若き日の西島秀俊が自然体のまま好演。少年と青年が混在した難しい役柄ながら常に異様な雰囲気を纏っていた。入れ違いで現れる家族との会話が自然なんだけど微かに滲む感傷が>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

4.0

会話劇における絶妙な"間"に惹かれた。「下北沢」という街は再開発が進み、昔といまでは雰囲気が大きく変貌し違う街になろうとしている。その狭間の期間を舞台にした『街の上で』では、街に別の空気が入り込んでい>>続きを読む

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

3.6

脚本的な要素は薄く全体的に、「場面場面の映像美」みたいなもので魅せていく作品という感じだった。デザインや色彩、音楽、服飾に些細なところまでのセンスの暴力的な要素が感じられ良い意味でも悪い意味でも"お洒>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.2

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音もなく淡々とした映像が続き、何が起こるかわからない強さというか不安感が常にあった。沖縄での幻想的な風景は主人公の幻想を暗喩してるようであると感じる

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019年製作の映画)

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終わったあとに充実感と同時に喪失感を感じた。映画における1つの大きな主題が「結果が出たからこそ『過程』が評価される」という非常に難しい問いかけ。これに対して久美子が過去の自分と対比しながら答えを模索し>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.4

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主人公にだけに焦点を当てるのではなく、関わる周囲のキャラクター達の視点からも語られ、それぞれの抱える悩みや素直な心情にも共感する部分があった。大人になった今、コミュケーションの方法とその難しさは改めて>>続きを読む

劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ(2017年製作の映画)

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アニメ二期をあすかと久美子の関係性を軸に再構築してた。シリアスなシーンでお母さんヒス構文が出てくるのはズルい

イノセンツ(2021年製作の映画)

3.7

題名である"The Innocents"の和訳は無邪気、潔白、純真。この意味に全てが詰まってたと思う。四人の少年少女の自然な演技と最小限の音楽と構図で魅せていた

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.1

冷たい家庭 ・無気力夫 ・浮気妻 ・親を嫌う娘 ・麻薬の売人 ・麻薬の常習者 ・未成年との恋愛・虐待 ・盗撮・精神病 ・同性愛・差別 ・殺人 そのすべて含んだアメリカ中流家庭を二つの家族を中心に対比的>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.2

主人公の主観と劇の外側からの客観の両方が映像化されているのが秀逸。人生って生きているうちに色んなものが沢山くっついて凄く複雑で煩わしくなっていくけれど、本来本当に必要なものはそんなシンプルなことなのか>>続きを読む

さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

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子供の頃の豊かな感受性を芸術的に表現した傑作だった。前半に挿入されるカラフルかつサイケデリックな映像は退屈させないし絶妙な選曲も最高。