似太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 48ページ目

白熱(1949年製作の映画)

4.7

【その男、凶暴なマザコン】

この映画でのジェームズ・キャグニー演じるサイコパス野郎は、映画史上屈指のキャラだろう。ラストの名台詞といい、どこまでも「アホ」の一言に尽きる作品。アナーキー・イン・ザ・U
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汚れた顔の天使(1938年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

これはもしや『スリーパーズ』、『ミスティック・リバー』といった犯罪✖️友情映画の源流???

スラム街出身の悪童二人組、ジェームズ・キャグニーとパット・オブライエンが対照的な役柄を演じたギャング映画の
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民衆の敵(1931年製作の映画)

4.7

ハリウッド映画の古典的作品。主演のジェームズ・キャグニーがヒロインの顔にグレープフルーツをベチャベチャ擦り付けるシーンは今尚、強烈。🍋

まだサイレントからトーキーに移り変わって間もない頃に、良くこれ
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パブリック・エネミーズ(2009年製作の映画)

4.3

結構、辛辣なレビューが多いネ…。😓

このサイトでの評価は低いが、かなり面白く拝見した。犯罪王ジョン・デリンジャー役のジョニー・デップとその愛人、マリオン・コティヤールが大恐慌時代に生きた「ワル」を快
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マシニスト(2004年製作の映画)

4.1

全体的にブラック・ジョークの効いたヒッチコック作品のような雰囲気。これぞ不条理スリラー。クリスチャン・ベイルが全身痩せ細った機械工を好演していてグッジョブ!。

ぼく自身も極度の不眠症な為、この人の気
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ダークナイト(2008年製作の映画)

3.8

今でも大人気のクリストファー・ノーラン監督によるクライム・アクション。ここまで来ると完全に『バットマン』臭がしない為、旧ティム・バートン版が無邪気に感じられる。🦇

たしかに面白いけど、ノーランの拘り
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.3

【なぜ人は人を殺すのか?】

🤡いわゆるルサンチマンが主人公の映画。ホアキン・フェニックスが誰からも嫌われて凶行に走るまでのプロセスが相当エグい。スコセッシの某映画に似てるようで似てない❓

🤡ぼくと
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

4.7

🐻奇才ヴェルナー・ヘルツォーク監督による「自称・自然愛好家」=「超ナルシスト」ことティモシー・トレッドウェルに焦点を当てた戦慄のドキュメンタリー映画。熊が好きすぎて熊に食べられてしまった男の顛末を描く>>続きを読む

ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)

3.6

✨「本作には映画に対する溢れんばかりの愛情が炸裂している!」…のか?🤔

監督の三谷幸喜のハリウッド映画愛はたしかに良く伝わってくる作品で、主演の佐藤浩市が架空の殺し屋デラ冨樫を怪演。全体的に演劇っぽ
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大脱走(1963年製作の映画)

4.6

🛵正直、脱獄映画の名作として名高い『ショーシャンクの空に』なんかを観るよりよっぽど為になる作品。巨匠・ジョン・スタージェスの演出が硬派で甘ったるくないだけ、安心して観れる。
長尺を全く飽きさせない、タ
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.6

本作が映画史上に残る「名作」であることに異論はないが、何かシックリ来ないストーリー展開だったのも事実。この手の脱獄もので他に優れた映画なんて山程あるし、演出が手慣れていない所為かまだまだ甘っちょろいと>>続きを読む

セブン(1995年製作の映画)

4.6

⛪️七つの大罪…。ブラピとモーガン・フリーマンの刑事コンビが活躍するサイコスリラー。今観ても十分面白い終末観てんこ盛りの作品。

😈ケヴィン・スぺイシーが演じる世界のリセット願望を抱く犯人はどこかオウ
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.3

狂❗️凶❗️叫❗️

どこまでも胸糞悪くなる惨殺リンチ映画。鬼才ミヒャエル・ハネケ監督の真骨頂だ。😱

でも、単なる悪趣味映画と違い、そのサスペンスフルな演出の巧みさに引き込まれる一作でもある。後半の
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.4

オエッ、気色悪…。🤮

その露悪的な描写の数々でゲボ吐きそうになる作品。ストーリーは不快、不愉快、奇々怪々。何を伝えたいんだかサッパリ意味不明である。可愛げのないパゾリーニか、ルイス・ブニュエルみたい
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アルゴ(2012年製作の映画)

4.1

別にアカデミー作品賞獲るほどの大傑作という感じはない。が、ベン・アフレックのその歪んだ映画愛と当時の社会情勢を巧みにリンクさせた脚本が割と功を奏した佳作。発想がとてもアメリカ的。🍔

まあ、わざわざ映
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

4.1

俳優のベン・アフレックは果たして監督として才覚あるか?と訊かれたらちょっと微妙なのだが、本作のようにオーソドックスなハリウッド映画を目指している姿勢そのものは買いたい所。

何だか往年のクラシック映画
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多十郎殉愛記(2019年製作の映画)

4.0

🏯やくざ映画の巨匠、中島貞夫監督が今は亡き伊藤大輔監督に捧げたリアリズム時代劇。主演は高良健吾。それなりに面白い。

🏯しかしここまで伊藤大輔作品をそのまんまトレースした邦画というのも珍しく、アナクロ
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下郎の首(1955年製作の映画)

5.0

個人的に尊敬する伊藤大輔監督の力作で、同監督のサイレント期の『下郎』のセルフ・リメイクでもある。新東宝作品。

封建社会の惨たらしさを描破した時代劇という意味で小林正樹✖️橋本忍の『切腹』の世界観にも
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スモーク(1995年製作の映画)

4.0

🚬タバコにまつわる話で、実にアットホームな庶民劇。雑貨屋のハーヴェイ・カイテルが燻銀の演技を見せる。原作、脚本はポール・オースター。

🚬作家、ポール・オースターと言えば『ムーンパレス』や『ニューヨー
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ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)

3.8

たしかに役者の掛け合わせは素晴らしいが、ロン・ハワード監督作品としてはそこまで褒められた出来ではないと思った。薄味もいい所。

テンポが総じて悪く「友情」「努力」「勝利」というキーワードが何だか少年ジ
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.7

🚘アッバス・キアロスタミ監督ならではの「ノロノロと車を走らせる」だけで映画として成立させてしまう手腕が素晴らしい。ロッセリーニの『イタリア旅行』にも通じる。

🚘会話→移動→会話→移動→終幕といったコ
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

5.0

【胎内回帰🧑‍🦼】

殆どの人が本作を観て「もうマーティン・スコセッシは終わった」とか「才能が枯れちっち」とかほざいているレビューを見て、腹が立つ自分。これこそがスコセッシの集大成であり映画芸術の最高
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黄金(1948年製作の映画)

4.3

故・淀川長治さんがある書物で本作について「シュトロハイムの『グリード』に似てる」と指摘していたが、たしかに類似点がチラホラある。
いや、むしろチャップリンの『黄金狂時代』にも近いと思うけど、この手のゴ
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グリード(1924年製作の映画)

5.0

巨額の製作費を投入して作ったシュトロハイム監督による「人間の汚辱の歴史」がここに。本来であれば9時間ある上映時間を無理やり2時間に短縮させたもの。💸

あの淀川長治さんが戦前に観て、衝撃を受けた映画な
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トカレフ(1994年製作の映画)

4.7

【男は太陽だけが欲しかった🌞】

阪本順治監督が北野武の作風に挑戦した意欲作。役者は総じて凡庸だが、キレッキレの映像美に魅せられるとても男臭いアクション映画。

全編ダウナーな雰囲気で物語は進むが、阪
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喜劇 女は男のふるさとヨ(1971年製作の映画)

4.6

主演の倍賞美津子と緑魔子が儚い名演技を披露するストリッパー巡業もの(そんなジャンルあるのか?)の秀作である。山田洋次が「水」なら森崎東は「火」といった感じ。アナーキーでカオスな演出が嬉しい。🥁

70
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十九歳の地図(1979年製作の映画)

4.5

いわゆるルサンチマンが主人公の映画。和製『タクシードライバー』であり『ジョーカー』。監督は柳町光男。原作は中上健次。

はっきり言って中上健次の小説は、昔は好きだったけど今はぜんぜん読まない。『枯木灘
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

5.0

👘鈴木清順監督の代表作で「大正浪漫三部作」の中の第一作目。極端に抑制された台詞廻しや、抽象的映像表現などアート的な感性を大いに刺激される作品。

👺脚本は名シナリオライター、田中陽造で内田百閒の原作小
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平原児(1936年製作の映画)

4.3

セシル・B・デミルは西部劇作家としてジョン・フォードやハワード・ホークスと比べ、何かと過小評価されている気がしてならない。🏜

🤠本作はゲイリー・クーパーとジーン・アーサー主演の正統派ウエスタンムービ
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ベン・ハー(1959年製作の映画)

3.8

🛡母親が子供の頃に本作を観てチャールトン・ヘストンのファンになったそうな。
ローマ帝国の闘技場での戦車レースシーンなどは『スターウォーズ』にも影響を与えた❓

この頃ハリウッドで大量生産された歴史劇の
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グラディエーター(2000年製作の映画)

4.0

00年代ハリウッドはラッセル・クロウの全盛時だったが、最近彼はどうしてるのかな❓
あまりパッとした映画に出てない気が…。

⚔リドリー・スコット監督のビジュアル・センスが光る一代史劇。内容的には『ベン
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トップガン(1986年製作の映画)

4.2

マッチョな軍国主義版『アメリカン・グラフィティ』という感じかな?
観る前は大して期待してなかったけど、なかなか面白かったです。

トム・クルーズ達がF-14戦闘機に乗り込んで空中戦を繰り広げる映像はま
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軍曹(1968年製作の映画)

4.2

🪖タイトルが『The Sergeant 』で邦題が『軍曹』。そのまんまなのが笑えるが、本作は単純な戦争映画ではない。ロッド・スタイガー演じる軍曹(同性愛者)のしつっこさがなかなかインパクトのあるヒュー>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.8

FacebookにTwitterにLINE…。いずれにせよ管理者がしっかりしてないと、個人情報がすぐに流出して厄介ごとやトラブルの火種になる。匿名で利用出来るサービスだから、尚更怖い。😰

何処でも誰
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(2006年製作の映画)

4.3

【そんな無茶な、な展開が良い?】

👻たまにギミックに走って何が何だか分からなくなる黒沢清のホラー作品だが、この映画はその中でもまだ見易い方。

👻冒頭場面を観ていれば「どーせこうなるだろう」といった
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めまい(1958年製作の映画)

5.0

【すべてのことが同時に起こる】

昔観たヒッチコック作品。この頃のテクニカラーによる美しい映像には思わず溜息が出る。50年代のLAの街並みがとても綺麗。🌆

ブロンドヘアーの美女、キム・ノヴァクに囚わ
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