なかさんの映画レビュー・感想・評価

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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.3

まさかビクトル・エリセ監督の新作が見れるとは。
記憶と記録をつなぐまさにまなざしの映画。
31年ぶり。監督自身の映画人生を投影させたような169分。こんな傑作を作ってくれてただただありがとう。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

ケリー・ライカート監督の「ファースト・カウ」森で出会った男ふたりの牛をめぐる物語。何もかも良すぎた。

獲るもの、獲られるもの、川を渡り、また同じ場所へと還る… 緻密な構造と見事な対比。余韻も物凄い。
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.2

ある共同体をベースにした寓話的なストーリーに、あらゆる表現で詰め込んだ74分間の悪夢。絵の中に閉じ込められたような感覚。ひたすら圧倒的でした。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

1年の締めくくりに出会えてよかった大傑作。

とある清掃員の日々の瞬間と反復。
言葉を交わさずともつながっている他者への眼差し。ささやかな日常と非日常の影。
突き刺さりまくりで思わず涙。

自分のため
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ドキュメント サニーデイ・サービス(2023年製作の映画)

4.2

『ドキュメント サニーデイ・サービス』
やっと見れた。

数々の苦難に出会いと別れ、コロナ禍での活動記録、何度も繰り返すスタート、そしてこれからも続いていくバンドの姿…
30年の歴史が詰まった145分
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

大好きなアキ・カウリスマキ監督の新作「枯れ葉」
劇場で再び監督の作品が見れることの幸せを噛みしめる。

ラジオからは悲惨な現実が流れる中でも
お互い支え合うことをひっそりと描く。
いつでもブレない作家
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

5.0

今年ベスト級の大傑作。
35年間監禁されてた男の外の世界へと触れる旅。
トンデモ映画と見せかけて、これからもずっと心に刻まれるだろう作品。
めちゃくちゃ食らいまくった。

キリエのうた(2023年製作の映画)

3.5

昨日は岩井俊二監督の新作「キリエのうた」を見た。
誰かと誰かへとつなぐ3時間の旅。

名前を変えながら生きていく人々を主体に喪失における無力さを描きながらも「うた」と共に歩いていく。

終わったあとも
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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.3

久しぶりの下高井戸シネマで
ジャック・ロジエ監督の「トルテュ島の遭難者たち」

すげぇ、最高。
ヴァカンスかと思いきやサバイバル状態。
無人島かと思いきや無人ではない。
延々と続く論争で島にも辿り着か
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PLASTIC(2023年製作の映画)

4.0

宮崎大祐監督とエクスネ・ケディによる「PLASTIC」やっと見れた!
2018年から2022年をかけての時空を通じた物語。

映画館、動物園、ライブハウス…
架空の話のようでいて僕たちの日常と場所を映
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ゲルニカの木(1975年製作の映画)

4.0

とんでもないカルト映画ながらも、
最後のまぶしさに打ち惚れた。

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.2

ウルリケ・オッティンガー特集で
「アル中女の肖像」(なんちゅう邦題😆)

ひとりの女性が延々と飲酒観光をする陶酔映画。現実なのか、夢なのか。享楽に満ちた空気感に酔いしれ、最強の美術と衣装にただただやら
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テクノブラザーズ(2022年製作の映画)

3.8

久しぶりの渡辺紘文監督作品。
(初のカラー作品!)

夕暮れ時に!真っ昼間の公園に!ハロウィン祭りに!大田原でツンテクツンテク鳴らしながら東京を目指す謎のテクノグループたちによる第1幕!(見た目もポス
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白昼の通り魔(1966年製作の映画)

4.0

大島渚監督作。
閉鎖的な村社会における結末までの流れに目に焼き付く。

少年と犬(1975年製作の映画)

4.3

荒廃された地上と管理下された地下世界を行き来する少年とテレパシーで喋る犬の映画。あと謎の女と白塗り人間もいっぱい出てくる。終始危機的な状況だけどユルい空気感。とんでもなく好みな傑作でした🐕

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

これまたかけがえのない夏映画に出会ってしまった。
限られた時間の中で描かれる少女が大人になる瞬間、父親の背中に揺らぐ孤独感。
ビデオテープに映る記録と心のカメラに映る記憶。あまりに刹那的で、あまりに愛
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コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

4.3

フドイナザーロフ特集で『コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って』を観た。

ゴンドラが幾度も行ったりきたりするように、近づいたり離れたりやっぱり近づいたりな関係。
どんなに世界が苦境であっても生
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アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

4.0

久しぶりの東京日仏学院で、
シャンタル・アケルマン監督特集。

「アメリカン・ストーリーズ / 食事・家族・哲学」カメラに向かって語り、歌い、演じるユダヤ人たち。
独白から晩餐へ。
ファンタジーと語り
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上飯田の話(2021年製作の映画)

4.0

とある街の、とある人たちの、とある話。

実際の街の住人も映画に入り混っていくさまに、自分もそこに生きているような感覚。

公園、人の家、車内、居酒屋…
場が変わるごとによって、映される関係性。とても
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NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇(2022年製作の映画)

3.8

『NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇』大好きな渋さのドキュメンタリー。

集団の中で、ひとりひとりが「個」であり続けること。
貴重映像と対話の中で映し出される数々の「場」にグッとくるもの
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二十歳の息子(2022年製作の映画)

4.0

ポレポレ東中野で「二十歳の息子」
ゲイの父親と養護施設で育った息子を映したドキュメンタリー。お互いの生活と考えから浮き出る"当事者性"に向き合った作品。カメラの存在を感じさせない撮り方にも印象が残る。
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セールスマン(1969年製作の映画)

3.7

聖書を売る4人のセールスマンのドキュメンタリーを見ました。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

極音上映💣💥

普遍的でシンプルなメッセージ性を
壮大な創作愛も含めたヘンテコカオスな大演出で包み込んだトンデモ傑作。

謎の特大カタルシスがいつまでも熱く響く。

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.2

農村で暮らす夫婦のお互い寄り添い生きる姿を丁寧に描いた映画。残酷な現実と格差の中でも淡々と続いていく生活。決してやさしさだけではない苦さと、美しい大地で育むふたりの愛が心に染み入る。

バビロン(2021年製作の映画)

4.2

「バビロン」極音上映💣💥
映画への愛憎と移り行く時代に対する刹那的なまぶしさ。

混沌とした狂乱に、虚構から現実へ。
オマージュの連続に、完璧なカット。
何もかもが詰まった3時間。

賛否は頷けるけど
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チョコレートな人々(2022年製作の映画)

4.2

障がいのある方もない方も
いっしょに肩を並べて働き、
そして活躍できる場所へ。

「失敗しても、温めれば、何度でもやり直せる」
喜びも苦さも赤裸々に映し切ったある事業のドキュメンタリー。心に強く残る傑
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