Automneさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.4

みんなやさしい世界でしとしと癒された🥹
会話と気まずいシチュエーションのセンス抜群。
与えられなかったものは取り戻せないから、ゆっくりとズレかけたレールが戻っていく様を見ていると、早いうちに美しい人生
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トランスフォーマー(2007年製作の映画)

3.5

初見なのですが思ったよりシリアスな感じでもなく、子ども向けな感じでもなく、ある程度真面目なストーリーありながらもちょいちょいシリアスにギャグ挟んでくるタイプの斬新さがありました。物語自体もガチガチの設>>続きを読む

再会長江(2023年製作の映画)

4.0

中国在住10年となりあちらでインフルエンサー兼テレビタレントとしてご活躍中の方のつくった長江流域に生きる人々にフォーカスしたドキュメンタリー映画。
10年前にNHK特集で制作されたもの、そこで出会った
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

3.7

伝説的映画音楽家モリコーネの人生を彼の作曲した音楽と関わった映画とともに紹介してゆく大河ドキュメンタリー。
ハンス・ジマー、タランティーノ、パゾリーニ、ベルベル、ジュゼッペ・トルナトーレをはじめ、彼を
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ANIMA(2019年製作の映画)

-

PTA×ThomYokeは控えめに言って最高、尊いです🥹
全編にわたって感性が爆発してたし、木の葉とゴミ屑の散らばる感じやレンズの光が虹のように入ってくる演出がトムヨークのアンビエントな音楽とマッチし
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さいはて(2023年製作の映画)

-

シーンの切り取り方、ふたりの間に流れてる空気感、手の演技、ふたりだけの世界の映画的写し方は良かった。
戯曲的台詞やリアリズムとは異なる物語世界は、少しだけ現実とは遠ざかるけれども、それはそれでその世界
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.2

NIKEの一世一代の大博打をハリウッド映画として楽しく見せてくれて最高でした🙌
『トップガン•マーヴェリック』あたりから始まった「やっぱりハリウッド大作バーン!!!も良いよね」の流れめちゃくちゃ良いと
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.3

"めっちゃ邦画"だけど故に邦画の良いところがたくさん出ている作品。
俳優陣も広瀬すずはもちろんのこと(李相日作品での扱いの不憫さ徹底してて辛い)、松坂桃李の存在感と「陰」の雰囲気が素晴らしい。横浜流星
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ファーゴ(1996年製作の映画)

4.1

コメディとクライムの共存した不思議なテイスト、それでもエグい部分はちゃんとエグくてなんとも言えない気持ちになった。ところどころの間の抜けたやりとりに笑ってしまう。
登場人物たちの絶妙な外し加減、衝動性
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.0

チェコスロヴァキア最後の女死刑囚の物語。
オルガ役のミハリナ・オルシャンスカが『パルプフィクション』のユマ・サーマンばりに最強ビジュで魅せてくれる。
正直言って情状酌量の余地はないし、物語は終着点に向
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

2.8

何が良かったのか全く分からなかった。なのに絶賛レビューばっかりでびっくりしている。笑

わりかし全体的に自業自得でいまの状況になった人間が自己を正当化するまでの物語。やっぱり経済的にも恵まれていて周囲
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.2

端正で洗練された映画だった。
トトロ的日常の延長にある不思議世界の探検。ジブリ的物語の萌芽が非アジア圏にも現れだしたのだなと改めて感じる。
幼い頃の名前も覚えていなくて朧げけれどどこかの誰かと遊んだり
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

3.6

王家衛フリークとしては絶対行くしかないと思って駆け込んだ映画館、2004年制作(『2046』と同年)とあって、好きだった『天使の涙』『ブエノスアイレス』『恋する惑星』『花様年華』とは違ったテイスト。>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.5

たばこを吸う人の奥深い魅力は、言い出せなかったことやできなかった物事に対して折り合いをつけるために煙を吸っては吐き、直面した何かしらの傷をも吸い込んでしまっているから。喉は神秘世界では表現を司るもので>>続きを読む

マーダー・ミステリー(2018年製作の映画)

3.3

ちょうど良い馬鹿さ加減で頭使わないで見れるライトなコメディミステリー、トリックの雑さや犯人秒で分かる感じとかはガチサスペンス好きなら卒倒しそうなレベルで笑える。ポランスキーの探偵もの見るのが100エネ>>続きを読む

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)

4.7

ひりひりとずっと痛かった。傷ついた魂どうしの言葉にならない関係性が美しい。
まるで最後に残った純粋性の砂の城を崩されないよう守るみたいに、強がって、今にも消えてしまいそうなくらいに、儚い。
『台風クラ
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.2

時代の波に揉まれて生き、家父長制の犠牲になった男の話だった。
曾祖父がフィリピンで亡くなっているので、私の祖父はこんな感じだったと聞いている。自己犠牲の精神を美徳とするのは映画にでもフューチャーされな
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.3

スリル満点で最後まで楽しめた😋
古い家で怪奇現象起こる系ホラー×憑依系ホラー×拘束拷問系グロ×探偵者サスペンス×SFみたいな複数のジャンルを横断した斬新な映画でした。
映画的なコマ割り/絵作りもめちゃ
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

様々なメタファーと風刺に富んでいる。短編としてのテンポ感と発想の勝利の感じがすごい。影や背中のみで親を親と見極められず躊躇なく殺害してしまう男の子が怖い。
けれど感覚的に考えれば、父親と息子の関係性な
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ボーン・アルティメイタム(2007年製作の映画)

4.3

めっちゃ最後まで楽しかった〜✌️🌟
終わりよければすべてよし、とか思っちゃうところがあるのでほんとに3部作のラストを締めくくるのに綺麗な終わり。
主人公の強さと有能さに裏付けられた安心感はBANANA
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ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)

4.2

ボーンシリーズ2作目もめちゃめちゃ楽しかった🥳✌️
安定のテンポ感に緩急、アクションも盛りだくさんで脳死でずっと観れる素晴らしさ。これぞ娯楽映画という出来。
本作からCIA側にパメラ加入で物語の良いス
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ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

4.3

テンポ◎アクション◎ストーリー◎
三拍子揃った理想的な作品。次何が起こるかのハラハラ感と、手を替え品を替え飽きないアクションの連続、ストーリーも続きものながらにラストはスパッとハリウッドらしく綺麗に締
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17歳のカルテ(1999年製作の映画)

4.5

"カミソリは痛い、水は冷たい、薬は苦い、銃は違法、縄は切れる、ガスは臭い。 生きてる方がマシ"

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.2

村上春樹のフォーマットにイチャンドンの狂気性とブルーワーカー要素が加わり、高度なメタファーとサスペンス性で魅せてくれた怪作。

ある種前半の三角関係とかはあーはいはいって感じだったし、村上春樹自体が"
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.0

淡々とした演出と安楽死というテーマ、哀しみの中にユーモアが混じったようなフランスらしい雰囲気がタイプでした◎
男は幻想の中に死に、女は現実を生きる。
余韻の素晴らしさに劇場を出た後もずっと包まれ、人生
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愛の記念に(1983年製作の映画)

3.9

父、母、兄との関係性の絶妙さ。父性が家庭から失われてからの崩れ加減とか、ここではないどこかを探し、死にたくなったり逆に”生きている実感”を手に入れたくなってセックスに耽溺してゆく。それでも行為が終われ>>続きを読む

ナイルの娘(1987年製作の映画)

4.0

淡々と過ぎてゆく毎日、彼女の目の前で悲劇が起こらないことの切なさ、終わる青春、消えてゆくつながり、ネオンばかりがまばゆい。
シャオヤンの憂いを帯びた目が好き。
妹のピンを探そうとしてこらえきれず泣き出
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.9

カロリー高いので2日に分けて見た。サイコパス倫理観ガタガタ映画なのだけど、シュール系ブラックコメディのテンションで見たら変な部分に気持ち悪い笑いが仕掛けられていて面白い。
"ラースの考えたさいきょうの
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.1

のっけから某"忖度ムーブ"やアメリカンジョークの悪いところしか出てない感じ、製作陣とギャグ線が合わなすぎてめちゃくちゃ心配になったけど、ギミックの斬新さと後半に連れて増してゆくカオスさ、それとヒューマ>>続きを読む

バハールの涙(2018年製作の映画)

3.8

中東情勢、IS、戦場記者、女性戦闘員部隊。
ババールの憂いを帯びた横顔が美しい。
荒涼とした景色や夕焼けが静かに撮られるショットや全員で歌う唄、弾込めたりするシーンが良かった。
多くの悲劇があり、それ
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

静謐。淡々と流れてゆく気の遠くなるような時間を、台詞で多くを語らずに内面を想像させるものにしているのが良かった。輪廻で循環するような構造は東洋的仏教的宇宙観で面白い。
映画としての余韻やドラマを重視す
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.4

心にぽっかり穴が空いているとき、世界で自分だけが疎外されていると感じるとき、ときに日々の風景や市井の雑踏がやけに美しく見えたりする。
喪失を乗り越えるのに私たちは記憶の忘却によって進むしかないのだろう
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白かった❣️
全盛期エドワードファーロングの最強ビジュ×サラ姐さんの成長×今回はシュワちゃんが味方という最強布陣。それぞれのキャラクターの行方と、新たな敵の絶望感、アクションの重なりから
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ターミネーター(1984年製作の映画)

4.5

展開、アクション、アイデアの3拍子揃ってて、みはじめてすぐに"わ、これおもしれーやつじゃん"と食い入るように魅入ってしまった。
そうですシュワちゃん、あんたは“おもしれー男”です🥳
因果の法則の外の話
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.7

時代の閉塞感、家族のプレッシャー、少年同士の抗争、発展途上の60年代台北の空気感がじっとり滲み出ていて最高だった。
ストーリーは私小説的でアジア90年代の王道という感じがして良い◎
ある種エドワードヤ
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