Automneさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

4.2

映画への愛にあふれていた。
撮影現場独特のせかせかした感じ、仲間になったと思ったらすぐに解散になる感じ、それにしても座組の中で人間関係ごちゃごちゃしすぎて笑う。どうにかこうにか完成させようとすること、
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

5.0

PTAの新作を劇場で観れるってだけでとても楽しみだったのだけれど、最初から最後までずっと楽しかったのでなおさら最高でした🥳🫰❣️
『パンチドランク・ラブ』のときの怪しいビジネスを転々としたりずる賢く儲
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.0

上映されているver.はフィルムの質感を残しつつ、低予算の“チープさ”をなくさないようにしていると冒頭にあって、その言葉通りカメラワークもセットも演出もある種“チープ”でありながら良い映画の雰囲気が出>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

3.5

マトリックス3部作の終焉。
メタバースとかフラスコ脳とか、よくホットな話題によく引き合いに出されていたので見てみたけれど、案外スターウォーズ的メタバース宇宙戦争みたいな感が強かった。
一応スミスの件と
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マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.5

2作目にしてスターウォーズ感とカンフー味が強くなった。惑星評議会的なのとか、選ばれしもの的なノリとか。
本作はゲームみたいなアクションが魅力なのかなとは思うけど、カンフーの立ち回りに力感がなさすぎてや
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マトリックス(1999年製作の映画)

3.7

古くは「胡蝶の夢」にさかのぼる 現実/夢 の認識の話にサイバーパンク的ネオアジア世界観が混じって王道でクールな感じの派手派手映画。
想像以上にビジュや世界観が「逃走中」だった。
黒電話、柔術、サングラ
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しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

3.9

良質なドラマ。血は繋がってないけれど母の愛。
心がほんのりとあったかくなって、ポジティブになれる。アドバンテージを抱えながらも沈黙は金、分かりやすく過去のしがらみやコンプレックスを吐露することなく、ひ
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

3.5

コロナ渦の庶民の暮らし。特に何も起こらないし、特筆すべきこともないのだけど、しっとりしてて画面も綺麗で見れちゃう感じ。体感は3時間くらいあった。
物語性を廃して生活を映す感じはアケルマン的、でもそれを
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.4

良質なオムニバス短編小説を読んだような気分。
余韻がものすごい。
3作品とも偶然と想像に導かれて現実が見えてくるようなつくり。現代の都会のぽつねんとした寂しさや空気感が上手く画面から伝わってきて癒され
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.0

YeとAlicia KeysとFivio Foreignの曲『City of Gods』のネーミングの元ネタになったであろう名作ストリート映画。
ブラジルのスラムのギャング抗争が執拗に描かれる。終わり
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

4.2

終戦記念日に🌅
日本降伏後すぐのイギリス領ビルマを舞台にした敗残兵を描く作品。言語が通じなくとも、"歌"と"竪琴"で想いの通じる序盤のシーンは圧巻。隊員の前で"仰げば尊し"を弾くシーンも凄い。“いまこ
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うたうひと(2013年製作の映画)

-

うーん、評価が難しい。
冴え渡るショットがときたま見られたり(鷲の話してるときに鳥が外飛んでたところがベスト)、民話を語りつぐこと、聞くことに対してフォーカスされているのは伝わる。

個人的に田舎生ま
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

-

とんでもなく壮大で流麗でカオスな戦争映画。コッポラ監督なだけあって絵が美しいのが大変な皮肉になっている。戦争の不条理とそれによって狂ってゆく人間がひたすら描かれる。見終わったいま、如何ともし難い心持ち>>続きを読む

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.2

70年代〜80年代ポルノ映画業界をテーマにした群像劇。ポルノ的モチーフを撮っても絶妙に上品な仕上がりになるのがさすがPTAって感じする。
物語として何かあるというよりも、鮮烈なイメージの濁流と長回しの
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人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

4.0

否定することなく肯定し人を動かすということ、精神疾患は心の病だからこそ“病は気から”のやればできる精神で優しく包み込み導く姿が素敵。
それでも全部上手くいくわけではなく、悲劇も含めて物語にしているとこ
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怪人マブゼ博士/マブゼ博士の遺言(1932年製作の映画)

4.0

ヒッチコック味とポランスキー味がある。
刑事ものとして謎の明かし方や展開はお手本の域。
終了後のトークショーでトーキーになってからすぐの音の単調さ(故の静寂や映像を見させるということ)が語られていて、
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.4

めーーーっちゃ良かった🥺✨
へっぽこ非モテこじらせダサ女子のフランシスが、ドタバタしながらなんとか生きてゆく。
グレタ・カーウィグが好きで見たのだけど、彼女の演技はもちろんのこと、作中のはじめから終わ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

とってもChillで身体がととのう作品。
犬可愛い、自然綺麗、犬可愛い、森空気良い、温泉気持ち良い、犬可愛い、みたいな映画。
行きと帰りで政治情勢やアメリカの社会問題をラジオとして取り上げることで、ふ
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

4.8

語り尽くせない。現在のBLMにつながる大きな流れの中で起こった痛ましい事件。
黙することの苦しみ。主人公も母親もどんなに苦境に立たされても決して腐ることはなかったし、出会う人すべてにリスペクトを込めて
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クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

4.0

悪夢のドラゴ再登場、暴走するクリード。
老いてゆくロッキーとクリードの若さの対比すごい。試合はめちゃくちゃ皮肉な展開になったけど、すべてを通して敵味方関係なく「父の愛」を感じた。人あれば歴史あり、その
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ熱かったな🔥
父の名を継ぐこと、妾の息子としての後ろめたさから解き放たれ、誇りを持って生きようとするクリードに勇気をもらえる。
父と息子という関係性をここまで多様に描いたシリーズも珍しいと
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ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

4.2

有終の美。5でやらかした悔しさのおかげで本作品とクリードができたとすると、あれは必要な失敗だった。何度でも立ち上がるのがスタローン=ロッキーの美学。
HBOなんて出てきたらリアル生放送って雰囲気強く出
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ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

3.5

回を重ねるごとにどう戦わすかorどう葛藤を作り出すかみたいなところがスタローン自身とも相まってテーマ性を深めているような気がする。
5作目にしてついにロッキー戦わず、リングの上ではなくて人生のその後を
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ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

3.5

アポロの死とソ連選手へのリベンジ回。冷戦のときにつくられたのかなと思ったら雪解けを受けてつくったらしくて謎、"対立煽りやめなー"ってダレノガレみたく言いたい。
アメリカ優位のマッチョイズムで平和を訴え
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ロッキー3(1982年製作の映画)

3.9

2より面白いかも。3作目ともなると様式美の確立+どこに新しい要素入れるかっていうのがはっきりしてきて良い。プロレス要素、弱い相手とだけやるチャンピオン(亀田興毅的)への葛藤、天狗になる人間臭いロッキー>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

3.8

1のその後を描く感じ、大金手に入ったからってすぐにロッキーは調子乗って使ってしまう感じ、人間臭くて良かった。仕事を探したりなんとかボクシング以外の道を探るも、不器用だからボクシングでしか生きてゆけない>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

4.2

実は初見。最近ニッチな映画見すぎたので、あくまでエンタメという感覚取り戻すために見た。
シンプルで熱くて、スタローンの身に近い作品。“チャンスは一度きり”の言葉通り、彼はこの作品でチャンスを手にした。
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.3

静かなる狂気。説明など一切なく犯人の人生を切り取ったような仕上がり。ずっと不穏であり、何か起こるようで起こらない。鑑賞体験として気持ちの良いものとは言えない。ある種生きづらさや障害が原因となったような>>続きを読む

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

4.1

ずっと白昼夢をみている感覚だった。
大麻中毒者の自称探偵のヒッピー主人公なんて怪しさ満点すぎて笑う。統合が失調して自他の境がなくなり幻影を見ているのか、それとも本当に現実で事件が起こっているのか。終始
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.4

憂いを帯びたその眼と、諦めることに慣れてしまった深い色。それでも少しだけ希望を見ようとして、見つかるとそれはそれで遠慮してしまう。
聾唖者の家族に生まれて、1人だけ耳が聞こえ話すことができるのに、その
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.0

人間讃歌って感じがしてとても良い作品だった❣️

地上に住む人々の肉体的感覚を理解できない灰色の世界に住む天使が、愛する人と出会うために降りてゆくってあらすじからして好き。降りたばかりの天使がこれでも
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.4

不思議な映画だった。
謎の妖艶な男との出会いによって、人間関係が変容してゆく話。
強いエナジーを影響されるほど浴びてしまった人間は、衝撃的な出会いによって人生を変えらざるを得なくなる。
はじめは性的、
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.3

夢も希望もないフォレストガンプだった。
心の気まぐれな声に従って、自分が好きなことをやるために背負う責任を放棄してしまった人間が、そのツケを食らってしまう物語。

するっと下ネタぶち込んでくる感じ、S
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

5.0

ウェスアンダーソンずっと楽しくて大好き。
ありがちなハッピーエンドじゃないのに、心がほんのり温かくなる。何気ない日々や当たり前への愛にあふれてる。
トラウマからの解放というテーマでありながら、少しずつ
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

3.4

劇版がめちゃくちゃ良かったので映画っぽい体をなしているドラマ作品。
ところどころ良さそうなシーンは登場する。
お墓とか、海とか、花火とか、車に乗るのとか、良いショットと音楽の組み合わせは成立しているの
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

IMAXで観たので脳死で楽しい鑑賞体験。ちゃんとしっかりハリウッドしてくれて嬉しいという気持ち。前作を予習してちゃんと行ったので、年月の経る切なさと哀愁を味わうことができた。
作り方はめちゃくちゃ王道
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