IとIIを観たところで東京での上映が終わり、梯子を外された感じだったが、大森で上映があり、ついに完走。
ユディトにまた会えて、変わらずにきれいでチャーミングでいて、嬉しい。カレンは映画好きな一人暮らし>>続きを読む
人間の自分勝手さがこれでもかこれでもかと繰り広げられる。
登場人物の振る舞いがいちいち大袈裟でかなわない。いない人の噂話のせいであらゆることが込み入った事情になるあたりコメディとして面白いんだから、抑>>続きを読む
カメラに向かって過去を語るロビー・ロバートソンが、嫌味なほど常識人のオジさんでちょっとシラけた。ちっともミュージシャンらしくない装いだし、口ぶりもビジネスマンみたい。パートナーだったドミニクが若い時も>>続きを読む
ゴダールのドキュメンタリー。偉大なるシネアストの生涯を105分で語ることはできない。大いなるこじらせ野郎なのだったのだったのだから尚更だ(とはいえ女性遍歴を見ることはできる)。私たちにできることは、彼>>続きを読む
ガミさん良い人すぎやん、神格化してどうすんねん思うたけど、これがヤクザ映画のお作法かもしれんから、つべこべ言わんでおくわ。終わりんほうで桃李くんの面構えがシャキッとしたけ、将来が楽しみやなぁ。ええ女に>>続きを読む
下北沢周辺に何十年も住んでいる者からすると、日常がそのまま写されていて小っ恥ずかしくなる。それは、元カノの今彼が朝ドラ俳優いう非日常性に違和感を覚えるのと似ているかもしれない。と言ってもここに映し出さ>>続きを読む
サシャは幼くても老成した感があり、疲労が付きまとっている。
サシャが通うのは私立のカトリック学校だと思う。父親が校長のことを金の亡者呼ばわりしていたし、全体的に保守的なムード。子だくさんのサシャの両親>>続きを読む
怖いという先入観があり過ぎたせいか、全然怖くなくて拍子抜け…。とはいえ美術的な手法や展開、台詞もすごく好みで魅入った。大人のための素敵な紙芝居という感じ。
コロニア・ディグニダに関してはNetflix>>続きを読む
日本人にとって「赦す」pardonner という概念は難しいと常々思っていたが、キリスト教信徒にとっても「許容する」permettre との境が案外曖昧なものなのだということがよくわかった。
結局のと>>続きを読む
レティシア・コロンバニの小説を読んで以来、気になっていたインドのダリト・不可触民の女性たちなのだが、このドキュメンタリーにおける記者である彼女らの生き方に悲壮感はなく、常に正々堂々としていて、仕事にお>>続きを読む
ラ・バヤデールの不穏な幕開けがスタイリッシュ。
主人公のダンサーの顔にどこか東洋的な面影があった。
鍛え抜かれたはずの身体には華奢な様相があって、目覚めていく芯の強さ(整体男に言わせれば軸?)が際立っ>>続きを読む
体を切りつけ合って血を流しても、痛くないならちっともエクスタシーを感じない。
臓器にタトゥーを施して摘出するのは、一回目はエキサイティングかもしれないけど、見慣れたら陳腐なショーになるので、アートとは>>続きを読む
夏の終わりにふさわしい映画。ポスターを見た時から切なさ満点だったが、実際見るとその切なさが立体的な記憶となる。主人公ソフィの11歳の夏を共有できたという喜びは大きい。あの夏の終わり、空港の出発ゲートで>>続きを読む
他に選択の余地がない幼い頃は仲が良くても、成長して自分の世界観や行動範囲の広がりを得るにつれて疎遠になる友達はいる。天使のような愛らしさを誇っていたレオだが、本質はマッチョだ(costaudな男になる>>続きを読む
運命に翻弄されてフランスの家庭に養子に出され、これまた運命のいたずらで母国の韓国にたどり着いてしまったフレディ。その流れの延長戦で、彼女の自我は強固になる。しっくりくるものとは直ちに馴染み、違和感を覚>>続きを読む
機会(口実)があれば、人は人を殺したがる。
人は自分より下層の人がいると嬉しい。バカにできるし、虐められるから。
そういった人々が複数になると連帯が生まれ、万能感が上昇する。
ジャーナリズムは事実を情>>続きを読む
前半で張り巡らされた違和感という伏線が、後半でサクサク回収されていく。結末の解釈だけは観客に委ねるという芸術的親切心もちゃんとある。私の苦手な安藤サクラのねちっこい演技がここでも遺憾なく発揮されていて>>続きを読む
のんさんが魅力的。彼女の中性的な存在感が素晴らしく、彼女が着れば学ランもダサいポロシャツもスタイリッシュ。
でも映画として面白いかというと、全然面白くなかった。他にも良い役者たちが出ているのに、もった>>続きを読む
前回裂けたお股から飛び出した恐怖の巨大ベイビーが、超絶巨大化して、その重みに骨が耐えられなくて死んでしまったが、実は善の存在であり、ホロリなのだった。一方悪の存在はやりたい放題だが、ずっこけてばかりで>>続きを読む
心情を表すのにふさわしい言葉を選びながら紡がれるジェーンのフランス語が尊い。ひとつの文学になっていると思う。楽天的かつ悲観的。人々に寄り添う術を知りながら、自分の娘たちへの接し方は不器用だった人。>>続きを読む
ホロコーストを生き延びて政治家となり、中絶法を勝ち取り、移民、エイズ患者、囚人らの人権と健康を支援して、欧州議会の議長にもなった人。既婚で3人の子の母でもある。彼女の心身を塞ぐ惨事の記憶がどれだけ大き>>続きを読む
元凶は、法学から哲学に転部したいと言った娘に仕送りを打ち切った父親だと思う。ロランスは学籍がなくても熱心に聴講に通っていた訳だし、彼女の人生をネガティブな方向に舵を切ったのが、白人でもアカデミック社会>>続きを読む
主人公も相当痛いけど、従姉妹を紹介して焚き付けて煽りまくる女友達が罪深い。
とは言え恋する女性の内面は万国共通で、脈ないって薄々わかっているのに、クヨクヨしながらも付きまとってしまうのよね。
フランス>>続きを読む
アコギ修行者としては疑問も多い。音響装置がない場所で他の楽器の混じった状況の中、ギターソロの音がしっかりと聞こえたのだろうかとか。
逆に音量補うためにジプシー音楽に複数のギター奏者がいた意味はよくわか>>続きを読む
1〜2話で蒔かれた種が3〜4話でめちゃめちゃ面白くなるという一気見しがいのある4時間半。(ついウトウトした1〜2話だが、ここを読むととそういう方が多いので、睡眠効果のある化学物質がスクリーンから放出さ>>続きを読む
どの瞬間も美しいので、もしかして死ぬってこんな感じ?と、思わされる。
人が死ぬ場面もコンピューターが無力化される場面も、時間軸が渾然一体である宇宙に溶け込むプロセスの中なので悲壮じゃない。
結局、本作>>続きを読む
『突然炎のごとく』で掴みどころのない文学青年役のイメージが強かったオスカー・ウェルナーが、この作品ではやはり掴みどころはない上に薄気味が悪い感じもあって、存在自体がSFだ。
車やポストの赤や制服のデザ>>続きを読む
地球外生命体があるとしたら、それは人間が知覚できない全く異次元のものだと思っているので、こんなに見えて聞こえて文字まで理解できるなんて都合良すぎると思う。宇宙船も生命体も安っぽく感じる。
時間の進行が>>続きを読む
東洋と西洋の静かな融合が全編を貫く。素材の感じられる衣装、スタイリッシュなインテリア空間、穏やかな物腰。
小津が大好きな監督だが、日本でも西洋でもない外部の眼に映る小津の美意識を認識させられる。
内容>>続きを読む
数日かけて完走。胸熱。
次に動物を飼うことがあったら、ジョジョと名づけよう、と思う。
ビリー・プレストンの登場で楽曲がグンとよくなる。
リンゴ・スターのチャーミングな笑顔が素敵だった。
ジョージ・>>続きを読む
映画人の自己愛、身勝手、傲慢さなどを滑稽に描いているが、それは多かれ少なかれ一般人にも当てはまることばかり。むしろなりふり構わない主人公の破れかぶれが爽快だ。美青年は写真だとモサっとムチっとした感じだ>>続きを読む
欧州はクルド問題に積極的に関わっているけれど、日本では殆ど意識されていないなと、常々感じていた…
この映画は日本におけるクルド難民の実態を伝えているが、それだけではなく、思春期の少女•少年の描かれ方>>続きを読む
ケイト・ブランシェットの全ての動きがエネルギッシュで美しくて、目がスクリーンに釘付けになりっぱなしの158分だった。彼女は常に至高の音楽を目指していて、自分にも他者にも厳しく妥協がない。饒舌で、時には>>続きを読む
坂本龍一のチャーミングさがぎっしり詰まっているドキュメンタリー。あ、良い音だなと感じる瞬間が同じで、普遍的な感性を持った人なんだと思った。彼はメチャクチャ笑顔になるのでわかりやすい。
彼の作る映画音>>続きを読む
原題のUn beau matin(美しい朝)は、哲学教師だった父親が日記につけていたタイトル。
仕事、子育て、介護、そして恋愛でいっぱいいっぱいのシングル女性の姿が、本当に等身大で描かれている。観て>>続きを読む
音楽にまつわる映画なのに、音楽の魅力が感じられない。クラブシーンの話なのに、クラブの楽しさが伝わってこない。流行りのDJが主人公なのに、プレイ中のノリがモサっとしている。しょっちゅうコカイン吸ってるけ>>続きを読む