hydrangeaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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空白(2021年製作の映画)

4.0

鑑賞後の後味がやけに良いんだけど…?
芸術って素晴らしい的な…?

娘が走って逃れようとしたのは、バレた時の父親の叱責だろう。空白って、短気だった男が娘の死を経て、平静な心持ちを得るまでの時間ってこと
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パリのナジャ(1964年製作の映画)

4.0

プルーストを研究する留学生のナジャ自身が書いたテキスト。素晴らしい。その辺のフランス人よりよほどフランス語の表現力がある。
Cité Universitaire のモダンな建築や広々とした空間もいいけ
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ヴェロニクと怠慢な生徒(1958年製作の映画)

3.8

母親も持て余す子供に勉強させなければならないマドモワゼルのヴェロニク。彼女だってやる気満々なわけじゃなくて、靴脱いだりお行儀悪いし、時間になって「帰っていいんだよ」と子供に言われれば喜んで帰る。でも子>>続きを読む

ベレニス(1954年製作の映画)

3.8

美しい。屋敷も庭も人物の振る舞いも趣がある。
ジャン・コクトーの作品みたい。
晩年の時代劇につながる系譜。

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

3.8

雪景色の中歩く3人の男女というだけで、すでに美しい。
女の食事が肉だけというのも簡素で良い。

ある現代の女子学生(1966年製作の映画)

3.8

スーツとバッグで通学し、勉強に励む理系女子大生は、食事もちゃんと摂って、遊ぶことも忘れず、ボーイ・ハントにも励む。卒業したら研究所に勤務して、ボーイフレンドと結婚して育児もこなす。
つまり理想的な若い
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モンフォーコンの農婦(1968年製作の映画)

4.0

セーターの青い色がおしゃれ。
田園風景や農家がのどかで美しく、農作業も興味深い。
そんな農場での暮らしを気に入り、堪能している主人公の女性だが、最後は辛辣だった…

偶然と想像(2021年製作の映画)

3.8

一話
タクシーの中の恋する女性の話しっぷりが可愛い。まさかそんな偶然が起きているとは知らずに…
小悪魔的女性が幼すぎるビジュアル。

二話
メールアドレスの打ち間違い(segawa → sagawa)
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.8

肝となるのは、[疑わしきは罰せず]と、[偏見は真実を曇らせる]だろう。
確信がないのに有罪のジャッジを下すことはできないという主人公の示す方向性に、他のメンバーが短時間であれよあれよと同調していくのも
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ある男(2022年製作の映画)

2.8

夫婦の馴れ初めの描写がおざなりで、説得力がゼロ。在日とか親が犯罪者とかいう理由で当事者が生きづらいのが現実ならば、それは社会と教育が悪い。安藤サクラの演技がねっとりと過剰で、やり切れなかった。男の最期>>続きを読む

マチルダ・ザ・ミュージカル(2022年製作の映画)

2.0

よく作り込んであるのは、わかる。
しかしストーリーとして、最終的に主人公の超能力で校長先生をやっつけるというのは容認し難い。子供たちの知恵だけで解決するべきでは?
主人公の想像の物語が現実に繋がってい
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

岸井ゆきのの面構えがとてもよい。そこにいて息をしているだけの彼女ですでに愛おしくなるのだから、ボクシングや手話のシーンは何をか言わんや。荒川の河川敷の茫漠とした風景がこんなにも彼女に似合うとは。
弟や
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あのこと(2021年製作の映画)

4.2

原作を原書で読んでいたので何もかも了承済みでの鑑賞。

主人公の意志の強い眼差しから目を逸らすことはできない。不条理を不条理と訴えることもできない不条理さの中で、自分の人生の決定権を決して手放さない姿
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スパークス・ブラザーズ(2021年製作の映画)

3.8

エドガー・ライトがスパークスの本質をがっつり掴み、歯切れの良い編集で、腕によりをかけて作った映画。
パペットや紙芝居やアニメも愛にあふれ、過去の映像やインタビューなどの処理も手際よく、スパークスのクー
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.4

時間の順行と逆行が同時に起きるという考え方が面白い。
時間の流れのそれぞれのポイントに人生の大きな決断があり、それが時間を遡ってさらに過去の人間関係に影響を及ぼすなど、その入り組んだ感じを友情で一気に
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.6

性の目覚めと青年としての自意識の芽生えをティモシー・シャラメが熱演。
アメリカ男は、いかにもアメリカ男という感じで、嫌な風味満載。
北イタリアの自然が美しい。
両親の知性と感性が素晴らしい。

あのこは貴族(2021年製作の映画)

2.5

ちょっとカリカチュアされている感は否めない。階層があんなに極端に二分化されてなどいない。松濤に実家のある友人もいるけど、もっと常識的な感じ。むしろ地方の名家の方が縛りがきついんじゃないかな?

(本当
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聖なる証(2022年製作の映画)

4.0

閉鎖的な村での、宗教や盲信や児童虐待や誤魔化し、そして催眠術による脱洗脳。
風景も室内も暗く澱んでいるのだが、カラフルな衣装がよく映えていた。看護師の生命感溢れる食欲や存在感と、華奢で儚げな少女の神秘
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

4.0

ティルダ・スウィントンが、衣装が、舞台装置が、全てが美しい。金物屋までもがスタイリッシュ。ペドロ・アルモドバルの色彩感覚には神が宿っているとしか思えない。
こういう短編映画をオムニバスでいろいろ見られ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

2.8

前半はなかなか面白くて、どんな展開になるんだろうと期待したが、終わりに向かって失速していった。が、ティモシー・シャラメは良かった。
未曾有の危機って、いつ起きてもおかしくないし、実際コロナや、ウクライ
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冬の旅(1985年製作の映画)

5.0

公開時に観て30年以上経った今も私の中に余韻を残すこの映画を、今再び観ることができた。あと30年、余韻を残すだろう。私の中にいるモナが、時おり、私の心に強い痛みを感じさせるだろう。

字幕翻訳が雑すぎ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

エール!を見ていたので追体験的な鑑賞となった。
主人公のヤングケアラーとしての苦悩や家族のあり方はそのままに、随所がブラッシュアップされていた。
音楽も素晴らしい。
ジョニ・ミッチェルの名曲はもちろん
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.0

登場人物たちの心情や会話に共感したり、ニヤニヤしたり、そうかな?って思ったりして楽しめた。この感じは、ウッディ・アレンの映画を見るときと似ている。
人の感受性は様々なので、パートナーの浮気を知っても何
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.8

アメリカの3姉妹バンドHaimのメンバーが主役の青春ほろ苦コメディ?

全編通してgood musicがかかっていて、登場人物たちがよく走るのだが、デヴィッド・ボウイのLife On Mars?をバッ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

発達・学習障害の少女を描いた映画で、原作の小説を以前読んだ時にかなりえぐられたので、覚悟して行ったのだけど、やはり相当心にこたえた。

大人の俳優の演技も良いが、あみ子役の少女はもはや神の領域というく
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愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)

4.0

印象に残るシーンがたくさんあって、エンドロールの頃には、胸がいっぱいで胃が痛くなった。
役者たちの演技もすごく良くて、医師役の人は実際に医師だそうだけれど、にじみ出るヒューマニティーが尊い。息子役の青
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.6

ちょっと胸がえぐられる。
伊藤沙莉の声がいい。
演技は、ちょっとわざとらしい感じがそこここに。

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.3

少女たちの体格にずっしりとした重みがあって、これは空想や幻想ではなく、本当に起きている出来事なのだという説得力があった。
私は3年前に母を亡くしているので、登場人物の感情や振る舞いが自分の体験に重なっ
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.6

のんがドスの効いた声を出している。地味めにしようとしても、スタイルが良いのでオーラが出てしまう。
イタリア人の妻となった橋本愛は、完璧過ぎて、見惚れる。
林遣都は、ちょっと嫌な感じ。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

見応えあった。2人の眼差しの強さが印象に残る。
堕胎シーンを再現して絵に描かせるとか、28ページの絵とか、肖像じゃない絵も良い。オルフェを解釈する言葉も優れている。
ただ、エロイーズ役のアデル・エネル
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さがす(2022年製作の映画)

3.8

ストーリーテーリングが凝っていて、あれよあれよの展開が面白い。
伊藤蒼の演技に気迫があって素晴らしい。
岬の兄弟よりもコミカルでエンタメっぽくて、普通に楽しめた。

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.0

役者2人の演技とか表情とかが、とにかく素晴らしい。妹は老けて見える時とあどけない幼さがみなぎる時があって、見惚れてしまう。
兄も妹も優しいと思う。こんなことになってしまうのは、悲しいけど宿命。
海外の
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女優 原田ヒサ子(2019年製作の映画)

4.0

女優の仕事をする娘の姿を間近で見てきて、それをまるで自分が経験したことのように思い込むお母さん。優しい孫たちはそれを決して否定せず、散々お世話になった娘はその夢を実現させる。原田美枝子って素敵だ。石橋>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.5

モテキもそうだったけど、ダサ目オタクが似合う森山未來。当の本人はキレッキレのダンサーなのにね。
オザケンの音痴スレスレの歌声が苦手なので、流れるたびに居心地が悪くなった。

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

ロビーに貼ってある映画評のうちにネタバレがあったので、何もかも承知で鑑賞。その分冷静に音と映像に集中できたと思う。絶妙な編集で主人公の心象風景が映し出され、鑑賞者は彼女にそっと寄り添う。喪失感に苛まれ>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

登場人物たちの表情や存在感が万引き家族に似ていて、イ・ジウンが松岡茉優と重なった。旅を続けるうちに親密な関係が築かれていく様子は、物語の細部にリアリティがないせいもあって、ファンタジックだ。ソン・ガン>>続きを読む