これぞフィクションの力というか。静謐で美しい映画だった。とにかく音がない。人気もない。何よりみんな退屈そうだ。それが最後にゆったりと満ちていく。開けた山頂のあの景色を見たときの胸が広がる不思議な爽快感>>続きを読む
あんまり何か言いたくないというか、フェチは本当に人それぞれありますね、みたいな割とよくある話なのだと思います。自分も一度物語にされればかなり変だとされるだろうそういうものは持っているので感覚としては乗>>続きを読む
『楽しいしゅうまつを!』
単純な被害者と加害者の二項対立に持っていかないのがとにかく良いと思う。当然、ブラピやらトラックの運ちゃんやらレイピストやら彼女たちを貶める加害者たる男性陣も大概最悪なのだ>>続きを読む
『The Power of The Sun,In The Palm of My Hand.(太陽の力が、私の手の中に。)』
さもありなん、爆発とは最も映画的な事柄の一つだろうが核爆発となるとその強>>続きを読む
『蛇頭竜尾』
静止した静寂な漫画の映像化の難儀さを身をもって知らされた。1〜3巻辺りの内容をまとめた部分は全体的に苦しい。浅野いにおの、『デデデデ』の「終わってくれない日常」「それに甘んじる私たち」>>続きを読む
ハドソン夫人、ドラテクと射撃制度は勿論だけど何よりリフォームスキルがエグすぎてヤバい。
『What I've Done』
ジョナサン・オスターマンが大衆向けに分かりやすく映画を作ったらこんな感じだと思う。浅い被写界深度。並列思考のオーバードライブ。
観測する者たちのもとへその甚大>>続きを読む
これほど音に拘った作りでありながらタイトルに一切の反映が無いのは何事だと見進めていたら末尾で全て納得した。どれだけ誇りや敬意を持ち、精神性が純朴であろうとも戦場には"血と砂"それしか残らないのだ。劇画>>続きを読む
身体の獲得。走るという削ぎ落とされたプリミティブな運動の快楽。あるいは水の心地良さ。閉じ込められていることの貧しさと閉じていることの豊かさ。秘密と沈黙。それでも帰らなければならないこと。それでも走るこ>>続きを読む
綺麗な映画だ。いわゆる「一難去ってまた一難」の作劇を無理なく筋通してやっていて恐れ入った。冒頭はエレベーターで縦軸の一方通行、中盤はバスで横軸の水平移動と来て、終盤は列車で一方通行と水平移動のかけ合わ>>続きを読む
抑圧と解放、激震と静寂のミルフィーユ構造を包括する、厳かな制御による支配(=コントロール)。無機的に均した演出構成が広大な砂漠に映える。
活劇、躍動、情動、暴力、復讐、本来エネルギーを増大させ乱れ>>続きを読む
音響が一部変更。イナズマダブルキックの回転。バイノーラルを意識した音使いになっている。追加シーンによって別バージョンの『トップ2!』と言った趣。ただ話はどうしたってブツ切りなので特に感心せず(厄介な原>>続きを読む
サスペンスとリラックスの間というか。それをサスペンス(宙吊り状態)と呼ぶのかもしれないのだけれど。「関心がどこまで続くか」という緊迫の続く玄関口での会話の応酬は白眉。フィルム撮影の美しさ。自転車の移動>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『貯水池の犬たち』
劇場で数年ぶりに再鑑賞。とても良かった。ぶっちゃけ映画としては中盤あたりから破綻してくんだけどアバン〜ブロンド登場まではすごく綺麗。時系列のシャッフルでダレ場を無くしつつ、その>>続きを読む
『保護者』
レフンっぽい、レフンっぽいと言われていたのでどんなもんかなと思って観てみたら本当にレフンっぽかったです。『オンリー・ゴッド』を思い出しました。ああいう静謐でシュールなニュアンスが好きな>>続きを読む
こういうロイヤルロードの作品にナイズされてるのがちょっと悔しいような気がしつつ、どうしても心躍ってしまう。アーキタイプ的な。
『哀れなるものたち』
仰々しいまでの0・100の戯画化で進行していく狭窄な作劇。有り得て欲しくない事、有り得て欲しい事(そしてそれは有り得ない事)の総体としてこのフィクションは構成される。大袈裟な>>続きを読む
『激突』
不謹慎な話だが轢殺は画になる。人体が車体によって横薙ぎにされる刹那には理不尽で一方通行な暴力と権力関係が現れる。それも強制的に。車体が大きければ大きいほどこれは頑強になっていく。
この>>続きを読む
レストア版をIMAXで2回鑑賞。なるほど非常に映画的だ。ファーストショットの照明・構図の作り方から痺れる。足元の動きが終われ、目線が上がるとデヴィッド・バーンの顔がデカデカと画面を埋める。この一連の動>>続きを読む
トーキング・ヘッズサイコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
すげえ分かりやすかった。無邪気さ→好奇心→三大欲求の発見→知識への傾倒→政治的な思想形成と実践→自己規定、とサーっと捌かれてカチッと終わった。細かいところを難しい顔しながら沢山語れるだろうけど大まかな>>続きを読む
これを観たあとにフリードキン版を思い返すとあの作品が如何にダイナミズムに依存しきった支離滅裂で出鱈目な(のに成立している不可思議さを持っていた)産物だったかが分かる。それほどまでに、丹念で緻密な積み立>>続きを読む
『完璧な日々』
人はこれを目指し、ルーティーンのように日々をこなす。早起きして布団をたたみ、観葉植物をケアし、小銭を切って安いコーヒーを飲み、職場での道のりでカセットを再生する。洗濯物が溜まるとコ>>続きを読む