故ラチェットスタンクさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.6

『フリキリ』

普通に劇中のアニメが普段私が観ていたら何となく観終わるか挫折するかのアニメに見えてしまいどうにも「二強の覇権候補!」という所にノれなかった。

SNS描写についてもイマイチ「?」が浮か
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

2.2

※ショックの反動で酷いことを書いています。レビューではないです。クレームの殴り書きです。

『ソフトタッチ』

良くも悪くもぼーっと観る人向け。作業用映画かなあと思ってしまうほど集中させてくれない。
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バビロン(2021年製作の映画)

3.6

『デミアン・チャゼルが、ハリウッドの闇と"キセキ"を起こす。』

"サイレントからトーキーへの移行期、業界人たちの栄枯渇水を描くデミアン・チャゼル最新作!!!"
と言うことで、「おう、それもう100回
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.7

『This is why I never had kids.』

なーんてどっかの山羊髭博士の愚痴が聞こえてきそうなほどにマイボーイ!マイボーイ!マイボーイ!(訳:薬キメたんかなってぐらいハイ)なピノ
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

『白黒付けんかい』

クローズアップで撮ったラストのキスと講義中に生徒たちが騒がしくなっていく場面が好きだった。
画面割りも上手く機能している。必然的でよろしい。

問題を抱える人物たちの関係と感情が
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.7

『Behind The Mask』

クローネンバーグに全く触れてこなかったので息子さんの方を先入観無しで楽しめて良かった。
大前提凄く面白かった。

摩天楼を傾けた画角でズームしていく絵が多くて「海
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.9

『大関れいかさん?!』

と言うのが、(vine時代の大関氏を知っていて、最近見かけないな、と思っていた私の誠に勝手な)初手の驚きだったのだがそんなことはどうでもよく、しっとりとした恋愛映画として大い
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.9

『にっこにっこに〜』

単純な宗教とか単純な性的欲求によるものに分けてこの映画を語るのは、ややズレているかもしれない気がした。どちらかと言うと、強い信仰心と強い性欲が極限状態になって混ざり合う話なので
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.2

『ランナーズ・ハイ』

PTA作品は映像の中で弾けて錯綜する情報が全く完結せず、密度が濃すぎかつ渋すぎるため、毎度放心状態になって「あれ?凄かったけど結局何の話だったっけ…」と翌日辺りにようやっと正気
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

『白夜の娘』

すんばらしい。しっかり感動した。
作品と自分の価値観が割と近い感じもしたので良し悪しってより「好きだ!」という感情が先行している。心地良いのでこのまま。

ファッションを嗜み、勉学に励
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『スティッキー・フィンガーズ』

色々と考えたけど隠してるとあんまり話せることないなと思ったのでネタバレでガンガン書こうと諦めた。

事件ではなく、それを取り巻くキャラクターたちのアクションとリスポン
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.6

『Zで始まるやつ』

性悪説ホラーとしてはそこそこ楽しくて良かった。
さっきまで正常だった国のお偉いさんが突然ゾンビ化したり、感染者達同士では襲いあったりしない理由が掴めなかったり、ルールがそこまでわ
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フェイス/オフ(1997年製作の映画)

3.9

『逆ぅー!』

この時代のアクション映画の絵柄が何故か(本当に何故か、何故なんだ。)生理的なレベルで受け付けない人種なので鑑賞中胸焼けがして苦しかったのだが、それでもちゃんと面白いので「観れてよかった
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

『ヴァルハラ・ライジング』

ロバート・エガース監督初のビッグ・バジェットかつ王族の話と言うことで「ウィッチ」「ライトハウス」にあった卑近さが喪失されていて「ちょっと遠くへ行ってしまったな…」とインデ
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ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013年製作の映画)

4.4

『アドレナリン』

私にとっての「マイケルベイ映画」は行動主義礼賛のお花畑マチズモ(言い過ぎ)映画だったのだが、今作を経て認識が改まった…かもしれない。

運と行動力だけはある素人たちがド壺にハマって
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バイオレンスアクション(2022年製作の映画)

2.0

『おままごと』

言うほど別に酷くないと言うかこのレベルの映画別に五万とあると思うけど、それでもこの映画が”シネフィル界隈”で叩かれているのはやはり「大怪獣のあとしまつ」よろしく、寒いギャグを詰めた身
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.8

『真実の行方』

イケイケドンドンなライアン・ジョンソン監督のズッコケ探偵映画2作目

「ミステリー映画ですよ!知的ですよ!」的な主張の激しい、いかにもなスコア進行、舞台設置、人物造形であり得ないぐら
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あのこと(2021年製作の映画)

4.0

『やあ、来ちゃった。』

中絶が罰される当時の世相で自分の未来を掴むべく中絶をする若者の話

「女性映画」である以上に「若者映画」としての側面が強いので問題なく多くの人に触れられるでしょう。
ひたすら
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.4

『耳をすませば』

冒頭5分、音と音が積まれていく様にのめり込みながらも動揺する。
ケイコとは圧倒的に隔絶された『音のある世界』に置かれてしまい、否が応でも我々と彼女の間にある壁を実感させられるのだ。
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.0

『女に甘えるな』

アレックス・ガーランド×ジェシー・バックリー×A24とか言う私得でしかない企画を通してくれてありがとうございます。

ジェシー・バックリー氏は今作でも相変わらずとても良い。
①現実
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.1

『首と共に去りぬ。』

時代劇×ファンタジー×ホラー
というジャンルミキシングの食い合わせが良すぎてガツガツ被りつけた。

中世ヨーロッパの時代劇は基本的に苦手な私が、最後までとことん飽きなかった時点
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.6

『無限ループって怖くね。』

「うる星やつら」の座組みの中で可能な限り押井守がフェチを詰めていて笑った。
元から原作のすっからかんな感じも押井守の延々とスカしてる感じもイマイチ乗り切れてこなかった身と
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.3

『水の巻』

凄すぎて何が凄いのか全く分からないというか、認識がおかしくなる変な映画

「なんだ、ナヴィ族と人間の俳優集めてパンドラ行ってロケ撮しただけじゃん」と錯覚するぐらい凄い。
前作は物の細部が
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アバター(2009年製作の映画)

3.3

『土の巻』

久々に見直してみてやはり作りは上手いよなーと思って最初の方は楽しめてたけど終盤に向かうにつれご都合感、というか急ごしらえ感が強くなって右肩下がりでゴールイン

13年前なのもあってかやは
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.0

『かため濃いめ』

世間の言う「これでDCU復活!」って正気か?と思うぐらい出来は芳しく無かった。

とりあえずアクションが既視感強いわ手品少ないわその上ドカ盛りだわカロリー高いわで少し胃もたれしてし
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.9

『セッション』

3DCG作画×スポーツ映像のフレッシュさ。スムーズにアクションを見せられる利点を最大限活用して試合の臨場感を作り出している。
肉体の躍動、空気の揺れを絵と動きに起こすCGアニメの可能
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彼女と彼女の猫 -Everything Flows-(2016年製作の映画)

2.6

『リメイクの意義って何でしたっけ?』

新海誠的な優れたレイアウトがあるわけではなく、99年版特有の深みを感じるモノローグやノスタルジーは完全に喪失されていて、良くも悪くも癖のない大衆向けの落ち着いた
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.0

『キラキラ系』

ラストで急に日本アニメらしい2D作画になるのは「精神と器」が同調したから、と言う解釈で良いのだろうか?

ツルンとしたCGらしさ強めのアニメーションが展開されるが慣れて仕舞えばそれほ
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サマーゴースト(2021年製作の映画)

3.7

『新海誠?』

オレンジがかった色彩とか
抑え目で控えめな演技とか
ダウナーな物語進行とか
時間が止まったような(文字通り停止することもあるけど)ノスタルジーとか
凄く新海誠的に映った。

若者は辛い
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.7

冬の兵士さん『文字通り「一本」取られた。』

配信企画としては、ベストアプローチではないでしょうか。
薄味のホッコリ人情噺なので物語としてはそこまで映像化の意義は感じず、ヨンドゥの話なんかもvol.2
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ゴジラ(1954年製作の映画)

4.1

『亡霊の産声』

特撮の微笑ましさもそこそこに、構成の上手さに度肝を抜かれる。

状況を動かす当事者(政治家)たちから、見極める批評家(ここでは研究者たちの事であるが)、語り伝える報道者から、被害を受
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RRR(2022年製作の映画)

4.1

『パワー!ハッッッ!!!』

画面から溢れ出る熱気に圧倒され続ける3時間
主食だけを詰め込んだような驚異的カロリーのビジュアルをたらふく身体に叩き込まれる快感

・水と火の旋回
・縄の端と端がグッと引
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『虚しさに包まれたなら。』

セラピーのフェーズ4、最後の最後にようやくフェーズ3までの作品群への明確なアンチテーゼを掲げてくれて嬉しい限り。
立派に「エンドゲーム以後のヒーロー映画」としての存在価値
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

『私たちは大丈夫か?』

んー…難しい点もありますが、動きと音を駆使した「アニメーションの快楽」を2時間に全搭載した娯楽大作としては傑作です。それも圧倒的傑作。

「君の名は。」「天気の子」と比べてよ
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