こじろうさんの映画レビュー・感想・評価

こじろう

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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.0

これが底辺なのかはわからないけど
下流社会を生きる人たちの物語。

親は新しい男に夢中で
こんな田舎出て行きたいけど
出て行くお金がなくてどこにも
行けない少女。
薬を売る親子。
"頭が足りない"息子
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太陽の墓場(1960年製作の映画)

4.0

人間界の食物連鎖を見ているよう、、
命を使い捨てながら
生きていく人たち。

優しさを持ったら生きていけないような
みんな警戒しながら
常に臨戦態勢でいるような
そんな世界で、心を痛めたり
誰かを思い
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愛と希望の街(1959年製作の映画)

4.0

映像演出キレッキレでカッコいい!!
昔のものなのに全然新しい。

富裕層と貧困層の決して埋まらない溝。
個人ではどうにもできない構造。
どうしようとできなくて
どうしようもなく抗いたいラスト。
でも、
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

悪はこの世界にボールみたいに
その辺に転がってたり浮いていたり
していて、誰かが跳ね除けたり
避けたりしたら四隅の壁にでも当たって
今度は違う誰かに回っていく。

まさに英題の"悪の出口はない"。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

全体通して"生きている"を
撮るのがうますぎる。
肉体とか呼吸とか、体温や肌触りまで
伝わってくるようだった。

映像で語るって
こういうことなんだと思った。
雄弁で余韻がしばらくまとわりつく映画。
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波紋(2023年製作の映画)

3.5

女の情熱の行方が描かれた作品。

誰かの妻になることも
母親になることも
なんて虚しく張り合いがないものかと
彼女のケアと労働を通して思う。

その中で煮えたぎる怒りとか
ふと顔を覗かせる攻撃性、
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から彼が拠り所にしている言葉は
かつて唯一受け取った娘の思想だった。

恋人を作って家族と別れた父。
娘はそんな父への愛情、寂しさ、悲しみを
消化しきれていない。
相反しながら入り混じる内心の
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

すっごいエンタメしてるけど
潜入捜査官2人の潜入が
自傷行為のような痛みを伴うことで
人種差別の切実さが伝わる
秀逸なストーリー。

人種差別の果てしなさ、
ラストの憎しみに居場所なし
の言葉が響く。

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.5

つらい、、
負の歴史を背負って生きた人たちが
巡り合って自分の罪と向き合う。
それが見事にサスペンスに昇華されてる。

なんとなく読めてしまったけど
色んな仕掛けがうまい。

エゴイスト(2023年製作の映画)

3.5

悲しすぎる、、
恋を濃密に描ききっているからこそ
そこにある愛がマイノリティのもの
だろうとマジョリティのものだろうと、
何も差異はないのだと突きつけている。

一方で、彼らが置かれてる状況には
確実
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.0

映画の世界、
しかも若松さん周辺の世界
がベースということで
閉じた世界の物語かと思いきや
とても開かれた作品でびっくりした。

とても気さくで軽快で楽しい。
音楽の入れ方もセンスを感じる。

ぐっと
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ヤクザと憲法(2015年製作の映画)

4.0

面白かった。
ヤクザに生きる人たちの暮らしを通して
人権を問いながらも、
ヤクザの反社会性も映せる限りを
映し出していて。

最後、川口さんが言った
ヤクザでしか生きていけない
みたいな言葉、その言葉
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

大義のために死ぬことが
正義とされた戦争時代。

家父長制の犠牲になったさよちゃん。

弱き者を踏み潰してる人間が
未来を語る。
そんな「未来を語るな!」側の人間の
未来の利益のため、繁栄のために
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.0

田村健太郎演じる夫のダルさが秀逸。

夫婦なのに息苦しくて
夫婦だからどこまでも他人で、
不倫だけどドライで
不倫だから自由でって感じの男女関係。

私たちは大人もそうだったけど
恋愛は何かを犠牲にし
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

母の死を受け止めきれない少年が
無自覚の加害(父権)に晒されて
悪意を宿す。
アオサギに導かれたあの場所は
悪意を宿し、そしてそれを自覚している
人だけが惹かれるんだろうか。

その世界で生まれること
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.5

寝ている間に乱暴された
女たちが男たちと戦うか
村を去るか、赦すかを
ひたすら話し合う。
本当にひたすら話し合う。

だけど小さな村の話は社会の話で、
男と女の分断に帰結しない
スケールの大きさを持っ
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バービー(2023年製作の映画)

3.0

色んなことへの解像度が
決して高い訳ではないのに
ファンタジックな設定で
成立してしまうの上手い。

バービーやケンの描き方が
表層的で、でもまぁ人形だからって
ことで許容範囲って感じ。

フェミニズ
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

仕掛けも演出も面白かったけど
後半の感情的なシーンたち
なんか薄ら寒かった。
タイムループから抜け出したくて
必死、という名目でギリ許容範囲だけど
善意の暴力に冷めて
あんま乗れなくなってしまった

怪物(2023年製作の映画)

4.0

見終わったあとの
消化不良感としんどさ、、

母親パート、教師パート、
子どもパート、それぞれが
交差しながら物語は姿を変えていく。
(子どもパートがめちゃくちゃよい。
とてもしんどいし痛いけど
子役
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私のプリンス・エドワード(2019年製作の映画)

3.5

結婚しないでいられるのは
デキる女だけ。
とか、面倒ごとが嫌で
男と結婚しちゃった、とか。

結婚しないでいられることが
女性にとって特権になっているのは
日本も変わらなくて、その根源である
社会構造
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.3

ひとごとに思えない世界。
お年寄りは集団自害とか
言ってた人は、これを見て
どう思うんだろう。

お年寄りっていう記号としか
見なさない世界観の中で、
個人の寂しさや孤独、美しいものを
美しいと思う心
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.0

しんどさのスパイラル…。

貧困と、強者に都合のいいルール。

期待して裏切られて
ルールに弾かれて
弱者に寄り添うものなんて
まるでないような社会の理不尽。

色んな描写が過剰というか
あざとく感じ
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.5

"届ける"って熱意に突き動かされる
気持ちのいい映画。

柄本佑&吉岡里帆、
尾野真千子&中村倫也、
それぞれのプロデューサー&監督の
コンビがめちゃくちゃよい。

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.0

ブルーバレンタインを
思い出すような構成で
物語の運びが巧み。

彼女の妊娠を巡って
これまで誤魔化してきた歪みが
浮き彫りになるカップルの話。

ただそれだけなんだけど、
まーーーきつい、、
所々、
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.0

やっぱり吉田恵介さんって
こういう人間の意地汚さみたいなの
描くのめちゃくちゃうまいよなぁ。。

全てをコンテンツとして
消費するYouTubeって場を舞台に、
承認欲求の泥試合。

自分のためじゃな
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.0

気軽に見れるホラー。
ストーリーがしっかりしてて面白かった

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

4.0

めちゃめちゃ面白かった〜!
結婚式に参加する人たちの思い思いが
交差して巻き起こるエンタメ!
最高〜

女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.0

多様性が叫ばれる時代に
不自由な性癖をどう描くんだろう
って思って鑑賞。

「心とは一体なんなのでしょう」。
多様性からこぼれる、倫理や道徳に
反する欲望を持つ主人公のそばに
心を見つめ続けるカウンセ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

種明かししていく順番が巧妙すぎる!
面白かった〜
搾取への立ち向かいって思わせておいて
その裏には人間ドラマがある仕掛け、秀逸

華麗なるリベンジ(2015年製作の映画)

3.5

面白かった〜〜〜
カン・ドンウォン演じる詐欺師が
最後まで正義感とか持ち出さず
ダメ男のままのらりくらりと
ゴールに向かう徒然なる関係性が
なんか心地よかった。

ヤンさんも正義感ありながら
自分のた
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