野中知樹さんの映画レビュー・感想・評価

野中知樹

野中知樹

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

神木くんが泣きながら特攻。
これしかなかったんじゃないと思うくらいドラマパートがマイナスだった。
あとあの手紙はデリカシーなさすぎるだろ

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.9

There is no something without nothing.

クローンではなくテクノと呼ばれるAI(ヤン)の故障をきっかけに、記憶映像の断片から、彼の「不在」を見つめていく物語。
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

タイを舞台にした「来る。」のような悪魔祓いモキュメンタリー。

何者かに蝕まれていくミンの描写と芝居がとにかく秀逸。田舎町の農村には似つかわしくないほど洗練された美しいミンは、ビジュアルと身体的にも、
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狂武蔵(2020年製作の映画)

2.5

付け焼き刃になってしまったワンカット

宮本武蔵と吉岡一門門下生総勢500名との死闘を、77分間ワンカットで描くアクション映画。

諸々の撮影事情で急遽、主演俳優坂口拓の提案で決定したワンカット撮影。
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.0

苦しくて、悲しくて、切なくて、
そして美しい。

宣伝では、若者の再生の物語と謳われていたが、むしろ家族の呪縛と再生の物語だった。(ヘレディタリーを描いたA24ならではといったっ感じ)

フロリダで
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

4.3

滑り落ちたスマートフォンから
いまだニュースは生まれている。

ISISとアサド政権の紛争地帯ラッカの市民記者団RBSSの創設と戦いを描いたドキュメンタリー。

残虐極まりないISの虐殺行為に命をかけ
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パーフェクト・センス(2011年製作の映画)

4.1

Life goes on.
不安な今だからこそ、
見返してよかったと思えた。

感染症学者とレストランのシェフのカップルを中心に、嗅覚、味覚…と感覚(センス)が一つずつ失われていく謎の病気によるパンデ
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ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」(2019年製作の映画)

5.0

圧巻。ただただ圧巻。
芝居、音響、演出。三拍子にぐうの音が出ないほど圧倒される4時間。

2008年に劇的な倒産を迎えたリーマンブラザーズ社の、19世紀から21世紀の100年以上の歴史を舞台化したナシ
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.5

戦地で生まれた赤ん坊の瞳は、
日本の赤ん坊と全く同じだった。

シリア・アレッポでジャーナリストの妻と医師の父親のもとに生まれた娘。その3人の姿を、妻のカメラで追ったドキュメンタリー。

革命運動から
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

映画が終わった瞬間、
劇場中が一体感に包まれた話。

別れかけのカップルが人類学科の研究を兼ねて訪れたスウェーデンの田舎町で、90年に一度の奇祭にトリップする物語。
『グリーンインフェルノ』を彷彿とさ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

ポップでフィクショナルな妄想と
狂信的なナショナリズムの共通点

無垢な男の子・ジョジョの目線で描かれる第二次世界大戦下のドイツ(ベルリン?)の物語、

映画全体に溢れる、まるで絵本のようなポップでコ
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.0

「彼らは生きていた」
これに尽きると思える邦題

第一次世界大戦のイギリス陸軍の記録映像を高画質カラーで復元し、帰還兵のインタビュー音声とともに再構築したドキュメンタリー。

白黒の世界が鮮明なカラー
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メランコリック(2018年製作の映画)

4.6

この瞬間が一生続けばいいと思えるために生きている。

ウダツの上がらない東大出身のフリーターがアルバイトをした先は、殺し屋の後始末をする銭湯だった。

このストーリーだけでもこの映画の企画としての完成
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

上から下へ。寄生して、何が悪い?
今年の"観るしかない映画"

丘の上にそびえる高級住宅地の一家に、貧困街の一家が「寄生」していく物語。序盤は、抜け目ない貧困層の一家が富裕層の一家に、家庭教師、運転手
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.6

「暴力を全面否定できるのか」
現代社会を舞台に誕生したジョーカーは、危うすぎる問いをぶち当てる

心優しい道化師アーサーが悪のカリスマ「ジョーカー」へメタモルフォーゼしていく様を描く本作。

ホアキン
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.8

宇宙服ごしの宇宙

ブラピ演じるアメリカ宇宙軍の少佐が、行方不明となった父親を探しにネプチューンに行く物語

宇宙空間の壮大さはオープニングから圧倒される。成層圏ギリギリからのダイブに始まり、月面カー
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プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

鑑賞後のものすごい虚無感に襲われた話
「知られなければならいこと」と、
「知らなければならないこと」。

スリランカ、イラク、アフガンなど、激戦の紛争地帯で取材を続けた戦場記者のメリーの半生を描く。
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

4.0

「ダサくていいじゃん、生きてるって感じ」

荒んだ生活を送るCMディレクター砂田が秘密の友達清浦と大嫌いな地元・茨城に帰省する物語。

物語のテーマは「帰省」。
仕事の顔、親に見せる顔、祖母に見せる顔
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.2

右でも左でもないが、
1人の映画ファンとして嬉しいのです。

内閣府のスキャンダルに迫る新聞記者と官僚の物語。

シム・ウンギョン、松坂桃李、岡山天音、北村有起哉、本田翼らキャストの冷静な熱演にほんと
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.0

「One day you will be dead!!」
若気の至りのロマンと
ゲロまみれの現実

大学生4名による実際の図書強盗事件を、映画化した1本。

スタイリッシュな映像、当人を劇中に登場させ
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.3

かいじゅうがね、カッコいいの。
がおおおていう声がしゅごいの。

ずっと心の奥底に眠っていた5歳児レベルの感受性が核爆発していた。

とにかく本作は怪獣がカッコいいのだ。中でも、それぞれの登場シーンは
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ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

4.3

息づかいまで見えるワンカットと
腹に響く銃声の生々しさ

2011年ノルウェーで実際に起こった銃乱射事件をドキュメント風にワンカットで描いた本作。

まずは銃声の怖さが印象的だった。文字通り腹に響くそ
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.8

目覚まし時計と、アイスと、「ありがとう」

吃音症の高校一年生「志乃ちゃん」とまわりで葛藤や孤独を抱えるクラスメイトとの高校1年間を描いた一作。

まず最初の目覚まし時計のワンカットから圧倒された。6
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ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間(2018年製作の映画)

4.0

CG大魚と母ちゃんのダンスとジャムパン

【カニー二とカニーノ】
河原に暮らすカニ(人間?)親子の物語。小川を見下ろすショットから、そのミクロな世界で壮大な物語を繰り広げる。「借りぐらしのアリエッティ
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

4.1

酒とタバコと優しい死

事故物件に入居して、部屋をクリーンな空き部屋にするルームロンダリングを生業とする少女の話。その少女が実は霊感がありまくりというところから、話が転がっていくのだが。。。

ホラー
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.5

靴とおにぎりとナンバープレート

1980年代韓国、軍部弾圧下の光州事件を題材にした本作。

ソンガンホのぶっきらぼうで大人気ないけど、根は優しいタクシードライバーのキャラクターを冒頭で余すことなく描
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ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

4.5

ストーリー良し、映像良し、声優良し!
いい、いいぞ!ボスベイビー!

7歳の男の子ティムの元に突如現れたおっさん赤ちゃんボスベイビーがペット会社の陰謀に立ち向かうコミカルな1本。

一見突飛なお話だが
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坂道のアポロン(2017年製作の映画)

4.0

もう、知念くんと大志くんが付き合えばいいと思う。

ジャズに青春を捧げた2人の男子高校生とヒロインの女の子との三角関係を描いた物語

小松菜奈演じるりっちゃんとの淡い恋の行方も美しいんだけど、知念くん
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.5

自慰とセックスとシャンソンと。

言葉が喋れない女性と魚人の恋をど直球に描いたサイレントなラブストーリー。

テレビでみたタップを廊下でしちゃうとか、イライザのピュアでキュートなキャラクターに惚れ惚れ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.7

好きだよ!好きだからガッカリしたところ。。。

アップテンポでパワフルなミュージカルナンバーの数々、クラシカルな世界観のサーカス、本当に見どころてんこ盛りで大好物だった。だからこそ、試写で見てからまた
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

※食後2時間以上空けてから服用してください。

失神者が続出したっていう触れ込みもあったけど、実際劇場でも悲鳴が漏れてた。

おフランスのベジタリアン箱入り娘系女子大生が、新歓コンパで口にした肉の味
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.0

被害者遺族が建てた、たった3つの看板。
この要素だけで、アメリカ南部の田舎町を舞台に、人々の感情が目まぐるしく展開していく。

被害者遺族のやり場のない憎しみが、また新たな憎しみを引き起こして、根深い
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

5.0

ただただ名作。

ラストシーンの息子の笑顔に号泣した。悲しいとか、切ないとかじゃない、本当に幸せな気持ちで涙がでた、、、。だから、笑い泣きっていう方が近いのかも。

映画史上、主人公のグイドというキャ
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くも漫。(2017年製作の映画)

4.0


風俗店にてクモ膜下出血で倒れた男の実録映画。

等身大の病床日記を、コミカルタッチで描き、男のみみっちいプライドも、ヒトの温もりも、生と死も詰まった90分。

主演・脳みそ夫のナチュラルな芝居に人の
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.8

映画館で観れる時代に生まれて来てよかったぁぁぁ!!!!

新宿ピカデリーにて試写。
100分の上映時間、体感は10分。

緊張感の糸が途切れることのないダンケルクという戦場に、身体一つポンと投げ込まれ
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メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

3.4

ファンタジー世界の面白さ、伝えたいメッセージ性は分かりやすかった。

しかし、全体的に詰め込みすぎていたのか、展開やキャラクターの感情のグラデーションが唐突に感じる部分も、、、
(例えば、メアリがピー
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