NORAさんの映画レビュー・感想・評価

NORA

NORA

映画(891)
ドラマ(0)
アニメ(0)

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.7

『ドラえもん』を下敷きとしながら、日常と同居する非日常を、時にユーモラスに、時にグロテスクに描いた青春SF。浅野いにお独特の空気感は色濃く再現されており、オフビートなギャグに彩られた会話劇、生き生きと>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.5

死ぬほど回りくどい暗号と賑やかしの爆発とともに繰り広げられるほのぼのラブコメ。舞台がコンパクトでさほどシリアスな展開もないので肩の力を抜いて観られるのは美点。歴史的背景も踏まえつつご当地ネタを活かした>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

まずは、アメリカ資本の大作映画でここまで「アメリカの罪=原爆」に踏み込んだ勇気を買いたい。とはいえ、本作をノーランの新作とかアカデミー賞といった箔に釣られて観に行くのは勧めない。登場人物や用語がとにか>>続きを読む

ザ・ハッカー(1999年製作の映画)

2.7

別に有名な映画でも面白い映画でもないんですが、ネット黎明期におけるギークとしてのハッカーが題材として取り上げられているってことで、今にしてみればレトロな雰囲気が味わい深い一作。『マッキントッシュ・ハイ>>続きを読む

きょうのできごと a day on the planet(2003年製作の映画)

4.3

日常を、日常としてそのまま放り出してしまった映画。舞台はとある春の一日、大学院生の引越し&合格祝いに集まった仲間たちと、壁の間に挟まった男、海岸に打ち上げられた鯨という2つのニュース。ささやかな伏線回>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.8

苦笑い。それ以外にどんな反応をしろと。いや、前半はホアキン・フェニックスを適切に虐待していく感じがちいかわっぽくてそれなりに面白かったんだけど、まあ3時間は長い長い。劇団のくだり以降はアリ・アスターの>>続きを読む

28日後...(2002年製作の映画)

3.6

走るゾンビの元祖ってこれだっけ。一応ゾンビ映画のフォーマットに沿ったつくりではあるけれど、後半は完全に人間vs人間だし、ゾンビのゾンビっぽくなさ(走り疲れて肩で息してたりするし)含めてそんなに怖くはな>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

旦那を転落死させたのは果たしてその妻か?という命題のみで引っ張る2時間30分。法廷シーンは確かに画面に見入ってしまったので見ごたえはあるんだけど(特に検事役の人のウザさがGOOD)、ミステリでなくあく>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

4.2

子供向け映画とは思えない、凝りに凝った壮大なオープニングにビビった。音楽をテーマとするだけあってか、分かりやすい悪役は登場させない(勝ち負けの物語にしない)という成約の中でどうサスペンスを練り上げるか>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.1

ガイ・リッチーに社会派映画を撮らせるとこうなるのか~という発見。いつものオサレなオープニングとか軽妙なウィットは鳴りを潜め、戦争映画らしくシリアス一辺倒ではあるものの、テロップや音楽のセンスでなるほど>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.9

寺生まれのTさんならぬ韓国生まれのマブリー(マ・ドンソク)が拳ですべてを解決していくシリーズ第3弾。マ・ドンソクが現れて悪い奴らをボコボコにしてはい一丁上がり!という水戸黄門級のワンパターンではあるも>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.5

清々しいまでのポスター詐欺で草。なんつーか、いろんな意味で人に薦めづらい映画ばっかり作ってきたマシュー・ヴォーンが、ここに来て初めて万人向けの娯楽作を繰り出してきたなという印象。ほどほどに悪趣味、ほど>>続きを読む

彼方に(2023年製作の映画)

3.4

主人公の表情や仕草は、家族を理不尽に奪われた喪失感が伝わってきてとても良かった。話も18分という枠にそつなくまとめているが、最後の展開はちょいと安易。あと、自分の子供と一緒にいた人がいきなり呻きながら>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.3

うむ、面白い!一応、実在の人物が登場したりする歴史ものでありつつリアリティライン自体はさほど高くない(登場人物の服装が綺麗すぎる、現代的な言葉遣いが多用されるetc)のだが、見ごたえのあるアクションと>>続きを読む

おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.7

「こどものけんか」の調停のために集まった2組の夫婦。話し合いは穏やかに終わり、さあ解散しようとした矢先、 Carnage(原題:修羅場)の火蓋は切って落とされる。余計な発言が巻き起こす気まずい沈黙とピ>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.4

小難しい話かと思いきや、弱き者たちが一致団結して権力者を打ち負かすというストレートな勧善懲悪もの。実話ベースだが、株価が上がれば勝ち、下がれば負けというシンプルなルールが貫かれているので、金融知識がな>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.3

ゾンビを恐怖でなく笑いの対象とする向き自体は以前からあれど、ゾンビコメディというジャンルを確立させた立役者は、何をおいても本作が筆頭だろう。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』(1978)を下敷きとし、ブ>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.6

中学生(毒舌関西弁)がヒロインかと思いきや、実は綾野剛(ヤクザ)こそがヒロインだったという事実だけでさまざまな感情が乱舞するハートウォーミング映画。カラオケを通じたヤクザと中学生の友情というストーリー>>続きを読む

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

4.6

マイゴジのモノクロ版ってことで、神木隆之介や浜辺美波が完全に昭和顔に見えたり、ゴジラが初めて都心に上陸するシーンなんかは「ああ、初代の衝撃とはこういうものだったのか」と思わされたりと、原点回帰的な作風>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.8

「思い出す」という作業は、われわれの脳の奥底から過去の情報を引き出してくるかのようなイメージを持たれがちだが、実際には「思い出す」たびに脳内では新しい「記憶」が生成されているのだという。つまり、われわ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

朴訥としたトイレ清掃員の男を主人公に据え、繰り返される日常の端々で出会うーもとい、「通り過ぎていく」人たちとの交流を通じ、人生の苦味、喜びの瞬間ひとつひとつを切り取っていく。
東京に点在するおもしろ公
>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

やること成すこと行き当たりばったりなティーンエイジャーのままならねえ日々を描く青春グラフィティ。若き日のスカヨハが出てることで有名だけどダブル主演とかじゃなく、あくまで主人公はソーラ・バーチ演じるイー>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.9

閉校間際の地方公立高校の、最後の卒業式までの2日間を描いた群像劇。閉校といっても別に過疎学級ではなく、おそらく行政の都合(合併)による閉校なので、悲壮感や濃厚な人間関係があるわけでもなく、大した事件ら>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

ミステリとは銘打っているものの、原作が原作だけにリアリティラインが相当ぶっ飛んでいるストーリーだが、それでも物語に説得力を持たせられ、大人の鑑賞に耐えうる作品に仕上がっているのは、ひとえに高橋一生演じ>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

2.6

これ一応実話ベースって触れ込みなんかい!なんか一部での盛り上がりようから、てっきり西洋版寺生まれのTさんとか、祈りよりも拳で語るタイプのマッスル神父様を想像していたんですが、普通にスタンダードな悪魔祓>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

4.1

筋は一本道、話の展開もスローペースで、特に複雑な展開とかもないので、問題提起映画としては良くも悪くも「わかりやすい」作り。シンプルなぶん役者の演技が見せ所だが、芸達者な主演二人を完全に食ってしまう柄本>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.2

映画史上最凶クラスのクソ村案件。グロとかどうこう以前に、倫理的に「攻めた」描写が多いので苦手な人はガチで注意かもしれない。本編の前日譚として上手くまとめられており、鬼太郎の基本的な設定を知っていれば一>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.9

♪サンタが殴りにやってくる〜オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!!
てなわけで聖・ニコル暗黒伝(ウィーウィッシュアメリクリスマス!!って言いながらボコボコにするあの画像です)みたいな展開を
>>続きを読む

テトリス(2023年製作の映画)

4.3

テトリスの権利を巡る、世界を股にかけた攻防戦。ゲームボーイの誕生が重要なファクターのひとつとして登場するなど、黎明期の家庭用ゲーム機業界の内幕を垣間見ることもできる。マジで権利関係って大変なんだなあ(>>続きを読む

名探偵コナン コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー(2016年製作の映画)

3.6

海老蔵なのに被害者でも犯人でもないのか…という文句はさておき、お正月スペシャルの割には謎もなかなか入り組んでいて、コナンが生命のピンチに晒されるなど、もう少し派手にすればそのまま劇場版としても使える豪>>続きを読む

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

2.2

要はきったねぇブレアウィッチプロジェクトなんですが、舞台はコロナ禍のロックダウン下、主人公が反ワク迷惑系YouTuberというありそうであまりない設定。まぁ前者はほとんど意味ないんですけどね。怪異に負>>続きを読む

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

3.3

もどかしい映画。いくら息子が人質に取られてパニクってるとはいえ、主人公が明らかに無意味な行動を取ったり、あげく事態を悪化させていくので少々イラつく。この手のスリラーは多少嘘臭くてもいいから主人公がクレ>>続きを読む

あたおかあさん(2020年製作の映画)

3.0

別に「あたおか」ってほどではなくて、単に少しズレてるだけの人のような気もするが。ちょっとしたひねりもあったし、10分にしては楽しめました。

つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.2

台詞のない、ごく短いアニメなんだけど、ちょっとウルッときちゃった。「積み木の家」というモチーフも面白いが、何より多くを語らずに人生を12分間に凝縮した脚本が素晴らしい。すこし哀しいけれど、あたたかく、>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.0

やたらめったら「村」が量産されたと思ったら今度は「島」かと半ば呆れつつ、今回は趣向を変えてVRネタである。でもやってることは似たような感じ。今や国内外ともにいくらでも良質なホラーが生まれている昨今、こ>>続きを読む

>|