NORAさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

3.5

タランティーノ映画の副読本みたいな内容。本人密着とかではなく関係者インタビュー中心なので音声解説みたいに気楽に観られるしトリヴィア的な面白さは随所に見られるが、なんとなく浅い印象。H・ワインスタインの>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.4

大正浪漫を醸し出す雰囲気作りは、美術、VFXの出来を含め非常に良い。そこに溶け込む俳優たちも(演技の質に差はあれど)なかなかサマになっている。女ダークヒーローを主人公に据えた本格ピストルオペラを日本で>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.2

きわめて暴力的でありながら、それ以上に叙情的でもあった北野ヤクザ映画を、一転してエンタメに振り切ってみたらこうなったという作品。『ソナチネ』のような死の臭いは本作からは漂ってこない。ただただ、観客を楽>>続きを読む

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

4.0

態度の悪い店員、街のチンピラ、差別主義者、ファーストフードの写真詐欺、無駄な道路工事といったこの世の理不尽を、限界中年男性がひとつひとつ粉砕しながらゴールを目指す限界ロードムービー。だんだん武器がパワ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.3

曖昧な陰謀と曖昧なミッションのせいでトム・クルーズが体を張る羽目になるお馴染みスパイ大作戦も、本作を含めて残り2作。もうストーリーがどうこうというより、頼むからトムよ死なないでくれ、これ以上無茶をしな>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.2

与謝野晶子はなぜ力道山を殺さなかったのかみたいな映画。要は、「われわれ」にとっての意味などない。あくまで宮崎駿の個人的な物語。伏線の回収とか整合性などあってないようなものだが、『ハウル』以降、まともな>>続きを読む

僕達急行 A列車で行こう(2011年製作の映画)

4.0


監督の森田芳光は本作の完成後にC型肝炎で急逝、遺作となった。あまりに突然の死ゆえ本人も予期せぬことだったであろうが、不思議なことに本作は、森田が最期に残す映画としてはあまりに「らしい」、これまでの集
>>続きを読む

ペントハウス(2011年製作の映画)

4.1

巨悪をくじくため、弱き者たちが結束して立ち向かう。古典的な勧善懲悪の筋立てだが、シリアスに偏るでもなく、さりとて横道に逸れすぎることなく、軽妙かつ洒脱に話を運び、キャラクターを掘り下げつつ、ハラハラす>>続きを読む

シン・タイタニック(2022年製作の映画)

1.3

はい、お察しのとおりアサイラムなので突っ込むのも野暮なんですが、これパニック映画じゃなくてホラー映画です。たぶん。タイタニックのCG自体は思ったよりちゃんとしてて逆にムカつきましたが、昭和の定期フェリ>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

この映画の公開から10年近く経つが、男と女は究極的には分かり合えないのではないか、という疑念は、僕の中でも、あるいは世間を見渡しても、ますますその存在感を高めつつある。オラ結婚なんていやだ、一人で生き>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.8

小学校で起きたとある事件を、母親、教師、子供、それぞれの視点から語り直していく。語り手が交代しながら少しずつ隠された真実が明らかになっていく、いわゆる羅生門スタイルの作品だが、事件の全貌が見えたとき、>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.6

ホラー映画というかバトル映画、あるいは無双映画。後半どんどん作り手の悪ノリが加速していくのがたいへん愉快でした。ミーガンネキ、怖いを通り越してカッケェっす。どちらかというと笑えるシーンのほうが多くて、>>続きを読む

ラスト・シフト/最期の夜勤(2014年製作の映画)

2.0

よくある安っぽいホラー。オチだけちょっと印象的だが、あえて特筆するほどでもない。これを最恐映画みたいな触れ込みでTwitterでバズらせた人のマーケティングの手腕のほうが怖い。

アシスタント(2019年製作の映画)

3.6

ブラック企業の新入社員つらいですって話。クソ電話受けたりボスに罵倒されたり同僚が他人事だったりコピー機が詰まったりする日常を淡々と描く。全体に起伏の少ない映画だが、中盤のカウンセラーとの対話シーンの">>続きを読む

探偵マーロウ(2022年製作の映画)

2.2

R・チャンドラー(の世界観)の映画化ってことで確かに画面からそれっぽい雰囲気は漂ってくるのだが、いかんせん脚本が結末決まらないまま撮り始めたの?ってレベルのお粗末さで話にならない。なんかノワールっぽく>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

4.4

思った以上にマルチバース&思った以上にやりたい放題していておじさん嬉しくなっちゃった。観客が絶対これ観たいだろって要素をこれでもかと詰め込んで、それでいて胃もたれしない絶妙な満腹感で決着させたのは本当>>続きを読む

最終絶叫計画(2000年製作の映画)

4.2

原題の雰囲気を残しつつタイトルを邦訳するなら『こわいえいが』とかが正しいんだろうが、当時の流行りのホラー映画のタイトルを適当にくっつけた(最終(ファイナル・デスティネーション)+絶叫(スクリーム)+計>>続きを読む

氷の微笑(1992年製作の映画)

2.6

これは映画のせいでもシャロン・ストーンのせいでもなく僕のせいなのでこのレビューも適当に読み流して欲しいのだが、何を隠そう、僕はシャロン・ストーンにまったく興奮しないのである。それはもう性癖とか嗜好の問>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

4.4

言わずと知れた元祖貞子。ジャパニーズホラーブームの火付け役となっただけでなく、その後の世界ホラー映画史に少なからぬ影響を与えたことで知られる。
90年代邦画らしい粗雑さ、チープさは全編にわたって散見さ
>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.3

人生を謳歌するダメ人間の話。なんか見たことある顔だなあと思ったら最終絶叫計画の3作目で死体に電流流して爆発させてたあんちゃんでしたか。主人公どころか周囲の人間含めてほぼ全員クズでポンコツだらけなんだけ>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.9

ファンムービーとしては必要十分。すなわち豪華絢爛な二次創作。あちこちに仕込まれた小ネタ、ちらりと顔を出すキャラクターを見つけるだけでも楽しい90分。もっとも、この映画をクサしたくなる評論家の気持ちも分>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.2

次々と積み上げられていくToDoリストとマルチタスクに翻弄される岡田准一。序盤、スマホが鳴るたびにパニクる岡田准一を見てるだけで笑いが込み上げてくる。笑い?そう、ノワールっぽい見てくれだが、本作の中身>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.9

ストーリー的な関連性は無いので前作未履修でも大丈夫(前作の事件がネトフリでドラマ化されてるという設定はクスッとした)。相変わらずよく考えられた脚本で、とりわけ実在する各種ガジェットやアプリの「この手が>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.3

ルッキズムと資本主義と承認欲求をグチャグチャに叩き潰して排水溝へと流し込む意地悪エンタテイメント。ってか『バビロン』より汚いんですけどなんですかこれ。というわけで家族やカップルで観に行くと間違いなく気>>続きを読む

大学での出来事(2020年製作の映画)

3.8

大学で銃乱射事件が発生、講堂に逃げ込んだひとりの女子学生の恐怖の20分間を描いた短編映画。カメラは固定、演者はほぼ一人芝居というミニマムな舞台装置ながら、主演女優の力演もあって臨場感あるサスペンスに仕>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

ワイワイ賑やかでテンポも良くて楽しい娯楽大作。原作未履修でも問題なし。おちゃらけた雰囲気だけど、そんな中でふと出てくるセリフが意外と胸に刺さります。歴史に残る大傑作という箔を付けるタイプの映画ではない>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.8

マイケル・ジョーダンの物語ではなく、マイケル・ジョーダンに賭けた名もなき人たちの物語。自分の仕事が生み出す価値とは何なのか?人生を賭けてでも信じられるものはあるか?スクリーンの向こうから矢継ぎ早に繰り>>続きを読む

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.6

歴代コナン映画の中でも相当「踏み込んだ」作品であり、展開も予想以上にシリアス。安室や赤井、キッドといったサブキャラに頼りがちだった近作とは異なり、主人公・江戸川コナンの純粋な格好良さを堪能できるという>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.1

コスチューム・ロケーション等、ヴィジュアル面はめちゃくちゃいい。リアリティにこだわる箇所とあえて無視した箇所のメリハリが絶妙。ニュークラシックな雰囲気でかっこいいと思う。一方、話は頑張ってまとめたダイ>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

ここんとこ「普通に面白い」作品が続いてたシャマラン、久々に強烈なザ・シャマラン印が襲来。もはや宗教に片足どころか両足突っ込んでる気がしなくもないイカれた展開は、とりわけキリスト教的価値観からは程遠い日>>続きを読む

映画刀剣乱舞-黎明-(2023年製作の映画)

3.5

基礎的な設定だけ用意されてあとの解釈はお好きにどうぞ、というフリーダムさが良くも悪くも刀剣乱舞というコンテンツの特異なところではあるので、そういう意味では世界観の中で好き勝手してる、「らしい」続編。あ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

映画クレヨンしんちゃん的ノリが全編にわたって炸裂していて笑う。どうもインタビューによると監督は湯浅政明監督の『マインド・ゲーム』を観ているようで、マジでクレしん映画をヒントにしてないか?と思っちゃう。>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

2.7

それなりの映画愛、ニコラス・ケイジ愛は感じた。でもさ、ニコラス・ケイジがニコラス・ケイジ自身を演じる、って聞けばどう考えても期待は高まるわけじゃん。ところが蓋を開けてみると、なんかすげーーーヌルい作り>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

4.0

説明過多な演出とクライマックスのあっけなさを除けば、望んだものが観られて概ね満足な一本。意外といろいろな要素があれもこれも詰め込まれているせいか、1クールのドラマを完走したかのような不思議な充足感があ>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.7

タイトル自体をハッシュタグにしてしまうアイディアは面白い。最小限の舞台とほぼ一人芝居で進行するシンプルなシチュエーションスリラーで、終盤、ネタを割られて以降は少々脱力してしまうが、最後まで楽しめる味わ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.5

「良い包丁を作ったらそれが殺人に使われ、包丁を作った人間が逮捕される」という、理不尽きわまりない事件の映画化。7年にわたる一連の騒動により、日本のIT技術は決定的な打撃を被ったとも言われている。
吉岡
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