ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

オレンジ・ランプ(2023年製作の映画)

4.1

夫が39歳で若年性アルツハイマーの診断を受けた家族の物語。
実態があまり知られていない、この病気の啓蒙的な視点で作られた作品で、どこまでも「いい話」に描かれている。
突然の宣告に対する、夫婦の戸惑いと
>>続きを読む

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.3

キャラクターの行動が皆エキセントリックすぎて、引いた。
場地さん完全にイカれてるし、一虎は何をどう考えたらああいう思考になるのかさっぱり分からない。
そもそも後先考えない殺人犯やん。
あっさり許すって
>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.3

ストップモーション+実写モキュメンタリー。
とある家に住み着いた身長2.5センチの知性を持つ貝マルセルと、家を借りたアマチュア映像作家。
意気投合した二人は、2年前に行方不明になったマルセルの仲間たち
>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.5

なるほど、賛否両論になるのも分かる。
色々言いたいこともあるけど、私的には絶対的に賛。
まずマンゴールドのスタイルと、このシリーズとの相性は良いとは言えない。
頑張って寄せようとはしてるのだが、スピル
>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.5

ダメ人間の人生に、光がさすまで。
宝くじに高額当選するも調子に乗って全てを無くし、酒浸りの生活を送る中年女性レスリーの物語。
アパートは家賃滞納で追い出され、離れて暮らす息子を頼るが、ここでもやらかし
>>続きを読む

大名倒産(2023年製作の映画)

4.0

なかなか面白い。
江戸時代の後期、ひょんなことから越後丹生山藩の藩主となった庶民出身の神木隆之介が、期限内に100億円の借金を返すために四苦八苦する物語。
現在の問題を過去の世界で比喩表現する経済時代
>>続きを読む

うまれる(2021年製作の映画)

4.3

娘を虐め殺された、安藤瞳演じる母親の復讐譚。
30分ほどの短編なんだけど、熱量がすごい。
事故死として処理されていた一人娘の死の真相を知った時、お母ちゃんがブチ切れる。
もしこれがあなただったらどうす
>>続きを読む

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

2.7

大人になったクリストファー・ロビンが100エーカーの森に戻ってきたら、クリストファーに捨てられて絶望したプーとピグレットが、森に近づく人間を殺しまくってた・・・って話。
まあ、あんまり期待してなかった
>>続きを読む

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

4.5

これは素敵な映画だ。
不眠症の奥平大兼が、使われてない高校の天文台で同じ悩みを持つ森七菜に出会う。
二人はいつでも自由に天文台を使えるようにするために、天文部を作ることにする。
最初は単に昼間の寝場所
>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.6

Netflix。
クリヘム演じる死にたがり傭兵の物語第二弾。
これもムッチャ面白い。
ちゅうかものすごく金かかってるけど、これ配信スルーでいいの?
前作で救出対象の少年と、擬似的な父子関係を結んだこと
>>続きを読む

アシスタント(2019年製作の映画)

4.7

胸が痛くなる映画だ。
ジュリア・ガーナー演じるジェーンは、プロデューサー志望の優秀な女性で、五週間前に大手映画会社で会長のアシスタントとなったばかり。
夜明け前から会社に来て、誰よりも遅く帰る日々。
>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.5

こりゃあ面白い。
上田誠脚本、山口淳太監督の「ドロステ」コンビの新作。
貴船の料理宿の客と従業員が、突然2分間のタイムループに閉じ込められ、何とか脱出しようと四苦八苦する。
この2分という短さがキモで
>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.3

ノワールじゃ無いけど、ノワールのテイスト。
オスカー・アイザック演じる主人公ウィリアム・テルは、流浪のギャンブラー。
彼は8年間服役した過去があり、その間にカードカウンターというテクニックを独学で身に
>>続きを読む

探偵マーロウ(2022年製作の映画)

4.0

久しぶりのニール・ジョーダン。
リーアム・ニーソン演じるLAの探偵マーロウに、ダイアン・クルーガーが死んだはずの男を探して欲しいと依頼する。
彼の死の真相を捜査するマーロウは、いつの間にか30年代ハリ
>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

3.2

南の島にラボを構え、島を丸ごと再現した仮想世界を作っている研究グループ“シンセカイ”。
ところが、島の伝説にある悪霊が仮想世界を通って現実世界に出現してしまう。
サーバーの中に現実そっくりだけど、命の
>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.9

こっちもむっちゃ面白い。
冒頭からヒーローの孤独を徹底的にフィーチャーし、シリーズを通してのテーマである「大いなる力と責任」から、「大切な一人を助けるか、世界全体を救うか」というこの世界のトロッコ問題
>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.7

むっちゃ面白い。
ザック版「ジャスティス・リーグ」と並ぶDCEUのベスト。
亡き母を救うために、フラッシュがちょっと過去をいじったら、世界が破滅しちゃう。
単体作品と言うより、DCEU以前の歴史をも網
>>続きを読む

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.3

ひたすらネコが可愛い。
とあるシェアハウスに住むことになった高校生の大西利空が、先住者の広瀬すずと出会う。
ところがこの二人の親が、過去にドロドロの昼メロ状態だったことが分かり、物語が動き出す。
原作
>>続きを読む

ザ・マザー: 母という名の暗殺者(2023年製作の映画)

3.5

Netflix。
ジェニファー・ロペス演じる凄腕の元殺し屋が、安全のために手放した我が娘を救うため、再び修羅の世界に足を踏み入れる。
ユニークなのは、単に救出するだけじゃなく、自分のいない世界で娘が生
>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.5

いやー面白かった!
実写版のポイントは重層的な対称性。
基本プロットはオリジナルに忠実だが、王子パートを拡充して、アリエルと王子を共に未知の世界に憧れを抱いているが、過保護な親に束縛され、親離れ子離れ
>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.1

事故で両親を亡くした少女に、ロボット玩具開発者の叔母が開発中のお友だちアンドロイド、ミーガンを贈る。
ところが少女を守ることをファーストプライオリティに設定した結果、思いっきり暴走しちゃう。
タイトル
>>続きを読む

テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.4

デイミアン・レオーネ監督の悪魔のピエロ、アート・ザ・クラウン シリーズ。
今回は天使の羽を持つバトルヒロインが、不死身の殺人ピエロと戦う。
クラファンを使って、前作の10倍近い製作費(それでも3千万円
>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.6

2010年。
非道な性暴力が蔓延する、メノナイトの村。
男たちが、保釈金を払うために街の裁判所に向かい村を留守にした日に、女たちが会議を開く。
自分たちは、今度どうするべきか。
選択肢は三つ。
「何も
>>続きを読む

渇水(2023年製作の映画)

3.7

日照りが続く真夏の前橋で、料金未払いの家の水を止める、水道局員の生田斗真が主人公。
彼自身の心も渇きを抱えているのだが、ずっと流れに逆らわない生き方をしてきて、人生を変えるには何をしたらいいのか分から
>>続きを読む

ブラック・デーモン 絶体絶命(2023年製作の映画)

3.7

異色の巨大サメ(メガロドン)映画。
米国の石油会社の技術者のジョシュ・ルーカスが、かつて手掛けたメキシコ沖の洋上リグを家族と訪れる。
しかし賑わっていた沿岸の街はすっかり寂れ、リグは何故か廃墟状態。
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.9

ブログ記事:
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1616.html

二周目。最初観た時に「あれ?」と違和感を感じた箇所がだいぶしっくり来た。
>>続きを読む

はざまに生きる、春(2022年製作の映画)

4.3

雑誌編集者の小西桜子が、宮沢氷魚演じる発達障害の画家の担当になる。
主人公は社会人3年目で空気を読むのに疲れ、色々行き詰まってるのがポイント。
彼女は恋人がいるにも関わらず、忖度とか態度の表裏のない画
>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.9

恐竜時代でサバイバル♪
これはじまった瞬間にメンションされるからネタバレでは無いと思うが、主人公のアダム・ドライバーは地球人ではなく、なぜか英語を話す他星文明の方なのね。
てっきり「猿の惑星」の逆バ
>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

これは沁みる映画だ。
時代設定は2000年ごろだろうか。
イギリスに住む11歳の少女ソフィが、離れて暮らす父カラムとバカンスを過ごすために、トルコのリゾートにやって来る。
二人はお互いにビデオカメラを
>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

4.7

素晴らしい。
3.11から始まる、シニカルなヒューマンブラックコメディ。
震災直後の放射能パニック下で失踪した夫が、数年後に末期癌を患って突然帰ってくる。
主人公の筒井真理子は新興宗教にのめり込んでい
>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.5

面白い。
ルーヴル美術館に所蔵されているという、250年前に日本人絵師が描いた「世界で最も黒い絵」と、露伴が10代の頃の謎めいた記憶。
基本的には原作のプロットに忠実だが、謎解き要素を大幅に膨らませて
>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

4.5

面白かった。
ボクサーを引退したアドニスの前に、ずっと封印してた少年時代の傷が現れる。
このシリーズの面白さが、作品ごとに違う個性。
クーグラーらしい人間ドラマが光る一作目、脚本を担当したスタローン色
>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.9

5年ぶりの続編。
組織の秘密施設からもう一人の“魔女”が解き放たれ、それぞれに思惑を抱えた二組のグループが彼女を追う。
第三部へのブリッジの役割を差し引いても、過度に世界観を広げてプロットが複雑化して
>>続きを読む

宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

4.1

焼肉屋の次男の中村倫也が、突然土星人宣言する。
この手の日常系宇宙人の元祖は、やっぱメトロン星人なんだろうか。
大友克洋の漫画もあったな。
ともあれ、主人公は1ヶ月後に土星に帰るのだが、その時に家族を
>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.7

これは凄い。
ブラムハウス制作の異色ホラー。
幼稚園教諭の主人公は、街の女性たちと「アーリア人の団結をめざす娘たち」なる団体を立ち上げる。
序盤の30分は、教会で開かれる和気あいあいとした最初の会合。
>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.3

ジェームズ・グレイが、自らの少年時代の経験をもとに作った作品。
主人公は小学6年生のユダヤ人少年。
彼は新学期に学級の問題児の黒人少年と友達になり、調子に乗った結果あることをやらかし、厳格な私立校に転
>>続きを読む