ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.2

レア・セドゥ演じるシングルマザーのサンドラの、限りなく普通の日常。
娘を育てながら通訳の仕事をし、難病を患って壊れてゆく父のケアも。
そして、偶然再会した旧友のクレマンとの恋。
映画はどこにでもありそ
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.3

宮沢賢治の生涯を、役所広司演じる父親の政次郎目線で描いた作品。
賢治は知ってても、質屋のお父さんの話って面白いの?と思ったが、成島出と坂口理子だから作りが非常に手堅い。
超過保護な子供時代から始まって
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テリファー(2016年製作の映画)

3.3

アマプラ。
続編が公開されるので、一作目を。
ピエロの姿をした殺人鬼が、深夜に人を殺しまくるスラッシャーホラー。
序盤はまあまあ面白かったんだが、犠牲者たちがあまりにもバカばっかりなので、途中から怖さ
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.5

沁みる映画だ。
1984年アルプス山脈の過疎の村で、都会から来た少年ピエトロと地元唯一の子供ブルーノが出会う。
彼らはそれから数十年に渡って、切っても切れない縁で結ばれた、ある種のソウルメイトとなる。
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

端的に言って最高!
ジェームズ・ガンは外さないとは思っていたが、アベンジャーズ系からのゲストも無しの、見事な「GotG」三部作の大団円。
話的にはロケットが主役で、悲しい過去を持つ彼が、真の自由を獲得
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.9

実写版。
天涯孤独な星矢が、ショーン・ビーンにいきなり「お前は聖闘士だから女神アテナを守れ」って言われて修行する。
まあまあ面白かった。
元々1ページにバーンと一枚絵があって、全然話が進まない車田正美
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.8

ああ、これ大好き。
ここ10年ばかりの阪本順治作品で一番かも。
幕末の安政年間、若者たちの物語はミニマルなんだけど、スクリーンの向こうに「世界」を感じさせるスケール感。
基本モノクロスタンダード、全九
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.5

劇場版。
この激戦GWにあって、「マリオ」「コナン」に引けを取らない動員を見せていると聞いて、ちょっと驚きだったのだが、なるほどこれはよく出来ている。とても面白いよ。
横浜ランドマークタワーが放火され
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プーチンより愛を込めて(2018年製作の映画)

3.8

1999年の大晦日、エリツィンの辞任と共にプーチンが大統領代行に指名され、彼の広報ドキュメンタリー映画の監督となったのがビタリー・マンスキー。
プーチンは何も公約を掲げないまま、3ヶ月後に大統領となる
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べネシアフレニア(2021年製作の映画)

3.8

ベネチアに遊びに来たスペイン人の若者たちが、観光客はペスト菌と同じだと忌み嫌う仮面の秘密結社に襲われる。
スペイン映画なんだけど、冒頭からイタリア製ジャッロ映画、それも7、80年代頃のアルジェントやフ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.6

お客さんが観たかったマリオ。
最初は原語版にしたかったので通常スクリーンだったが、これは絶対4DX3D案件だ。
まさに映画館でマリオたちと冒険へ出て、スーパーマリオにドンキーコング、マリオカートと任天
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.6

ポルノ界の自称スター男優が、落ちぶれてホームレスになり、テキサスに住む別居中の妻の元に転がり込む。
ショーン・ベイカーの映画の主人公は、いつも人生どん詰まりにいて、必死に抗っている。
本作の主人公も金
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

4.3

潔いくらい途中で終わってる。
まさに「前編」だ。
とりあえず、前作で成功したかに見えた武道の日向救出作戦は、失敗していたことが分かり、再び過去の世界へ。
なぜいくらやっても東卍は極悪組織になってしまう
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.5

とある架空の村を舞台とした寓話劇。
かつてゴミ処理場建設を巡り住民たちが対立し、殺人事件まで起こった村で、犯人の息子として生きる横浜流星の物語。
彼は父が命がけで反対した施設で働いている。
人々に後ろ
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サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

4.2

不思議な手触りの作品。
霊能力のある坂口健太郎が、田舎町で恋人の市川実日子の家に居候・・・ちゅうかヒモ状態で同居している。
彼は彼女の娘の世話をし、食事の用意をし、たまに霊視の依頼を受け、ゆったりとし
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.5

うう、メルヘンなタイトルに騙された。
こんなしんどい内容だったとは。
京都の大学に進学した恋愛感情が分からない細田佳央太が、同期の駒井蓮と友だちになり、ぬいぐるみとしゃべるサークルに入会する。
二人は
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.8

カーペンターによる第一作から直接続く、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督の続編三部作完結編。
2018年の第一部は「事件」が描かれ、21年の第二部は街の人々の集団心理によって、ただの人間だったマイケル
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.4

イランの聖地マシュハドで、2000年〜2001年に娼婦ばかり16人が殺された連続殺人事件をベースに、イラン出身のアリ・アッバシ監督が描いたクライムスリラー。
犯人探しのミステリではない。
アヴァンタイ
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.5

立川譲絶好調だな。
静野孔文時代の「純黒の悪夢」以来の快作だ。
あるテクノロジーによって、灰原とコナンの正体が黒ずくめの組織にバレそうになり、大ピンチに。
主に二人の間の人間ドラマが主となり、破壊スペ
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.3

面白い!
全編PCやスマホの画面で展開する、人探しスリラーの第二作。
一作目は娘を探す父親の話だったけど、今回は逆。
恋人と海外旅行に出かけた母親が帰国せず、残された娘が行方を探す。
ほとんどの個人情
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

事故で盲目となった主人公が、娼婦ばかりを狙うシリアルキラーに狙われる。
10年ぶりのアルジェントなんだけど、80代になってもこの人の作風は全く変わらない、と言うか進化が無い。
アルジェントの興味の対象
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ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)

4.3

2019年に起こったノートルダム大聖堂の火災の日、その場にいた消防士、司祭、職員、市民、政治家を描く群像劇。
劇映画としてはかなり異色で、主人公を設けずに、当時の映像と俳優が演じる部分が混在する、いわ
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

4.8

紀里谷和明監督の傑作であり、邦画の暫定年間ベスト。
伊東蒼演じる天涯孤独の高校生が、謎の政府機関から夢で見たことを教えて欲しいと依頼される。
アカシックレコードみたいな不思議な本によると、世界は後2週
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

2.8

ゲイの夫婦と娘がバカンスを過ごす山小屋に、4人の武装した人々がやってきて、もうすぐ世界は終わるんで、お前ら3人の誰かが生贄になって、終末を阻止しろと言われる。
どっかの終末カルト宗教の教祖が書いた様な
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.5

社会現象を引き起こし、スポーツの歴史を変えたナイキのバスケットシューズ、「エアジョーダン」誕生の顛末を描いた群像劇。
さすがオスカー監督ベン・アフレック、軽快でテンポ良くお仕事映画として凄く面白い。
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.3

人生行き詰まってるタクシー運転手の主人公が乗せたのは、介護施設へ入所するという93歳のおばあちゃん(演じるリーヌ・ルノーは今年94歳!)。
パリの端から反対側の端の施設まで、高速で行けば1時間もかから
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アレックスとチュパ(2023年製作の映画)

3.9

Netflix。
息子キュアロンこと、ホナス・キュアロンの米国進出第一作。
アメリカ育ちの少年アレックスが、メキシコの祖父のもとを訪ね、そこで不思議な生物と出会う。
チュパカブラってこんなんだっけ?な
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

4.5

フィリピンから韓国まで、船で大量の凶悪犯を移送する作戦中、狡猾な囚人たちが護送警官の隙を突き反乱を起こす。
てっきり脱獄もののバイオレンスアクションかと思っていた。
実際物語の序盤1/3くらいまでは、
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.5

前作のラストから続くパート2。
上方への旅の途中、彦次郎が見かけたある男が、燻り続ける過去の因縁に火をつける。
前作以上に金で人を殺す仕掛人の業が強調され、悲壮感漂う作り。
今回も現在の葛藤の全ては過
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.8

ダーレン・アロノフスキーの人生どん底の人シリーズ最新作。
ボーイフレンドの死で心と体のバランスを崩し、一人で立ち上がれないくらい激太りしてしまった男の、人生最後の1週間の物語。
これは一世一代の名演を
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

4.4

面白い。
1980年代の夏休み、地方の小六キッズたちの青春を描く群像劇。
乳がんの母の心配もそっちのけで、塾に入れられることだけ心配してる主人公が、ある日友人が虐められてるのに見て見ぬふりをしたことで
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映画 ネメシス 黄金螺旋の謎(2023年製作の映画)

3.2

テレビ版は何話か観たはずだが、殆ど覚えてない。
とりあえず広瀬すず演じるアンナが、特殊能力を持つ人類初の遺伝子編集人間で、彼女が隠してるデータを世界の超富裕層たちが狙ってるってことを抑えとけばOKっぽ
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.5

アフリカからベルギーへとやってきた、ティーンの少女ロキタと幼い少年トリ。
海を渡るボートで出会った二人は、血縁でもなんでもないが、生きるために姉弟を偽っている。
しかしビザは却下され、頼れる者のいない
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.9

素晴らしいリメイクだった。
スタンダードの画面に、まるで50年代の作品のようなクラッシックなオープニングタイトル。
プロットそのものは、黒澤明のオリジナルとほとんど変わらない。
時代設定がオリジナルの
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.7

たのし〜!
来年50周年を迎える、名作RPGの映画版リブート作。
前回の映画化の時はぶっちゃけ酷い出来だったが、今回はお見事な快作だ。
吟遊詩人の泥棒、蛮族の女戦士、パラディン、魔法使い、ドルイドがチ
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.3

アメリカ版の赤んぼ少女、エスターの前日譚。
前作でコールマン家に引き取られるまで、彼女がどうやってアメリカに来て、孤児院に入ることになったのかの物語。
これ多分、殆どの人の想像とは違った話になっていて
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