ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 84ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

ジェサベル(2014年製作の映画)

4.0

特徴的な顔立ちの主人公は、「プリデスティネーション」のサラ・スヌークだった。
事故で彼氏とお腹の子を失い、実家に帰った彼女を超常現象が襲う。
亡き母の遺したビデオテープに記録された占いの謎。
夜な夜な
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唐山大地震(2010年製作の映画)

4.5

20世紀最悪の震災といわれる唐山大地震によって、引き裂かれたある家族の、32年間に渡る喪失と再生の歴史。
本来2011年3月に公開されるはずが、3.11の発生で無期限延期の憂き目に。
なるほど都市破壊
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妻への家路(2014年製作の映画)

4.1

文化大革命で離れ離れになった家族の物語。
20年ぶりに夫が帰宅すると、妻は重い記憶障害になっていて、夫が誰だか分からない。
夫の若い頃の面影だけを記憶し、すっかり歳をとった今の彼を受け入れられないのだ
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風に立つライオン(2015年製作の映画)

3.9

南方仁先生、今度はアフリカの紛争地医療に。
超正攻法で作られた重厚な人間ドラマで、2時間20分の長尺も見応え十分の力作。
1980年代のスーダン内戦から現代日本に繋がる物語は、実話ではないものの実在の
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ナイト ミュージアム エジプト王の秘密(2014年製作の映画)

3.2

このシリーズ大好きなんだけど、さすがにそろそろネタ切れか。
一作目の父子ものテーマをもう一回持ってきても、息子がハイティーンではねえ。
舞台は大西洋を超えて大英博物館になったものの、騎士ランスロットが
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暗殺教室(2015年製作の映画)

2.1

久々に「絶望的」と形容したくなるほどつまらない映画を観た。
まず最初から続編ありきならば、観客への責任としてその事を告知しろよ。
ヒットするか分からないから、とりあえず一本だけ作ったのなら、最低限のプ
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

4.5

なるほど、これはホーキング家の“時間小史。”
1963年のスティーヴンとジェーンの出会いから山あり谷あり、およそ四半世紀の二人の長年の化学反応を経て、家族にとっての“theory of everyth
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.9

おおお、なんて切ない映画だろう。
解読不可能と言われた独軍の暗号マシン、エニグマに挑んだ数学者A・チューリングの話なんだけど、観る前は暗号解読の為のマシン、bombe開発の秘話かと思っていたが、そうで
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幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦(2015年製作の映画)

4.4

元々ドキュメンタリー的な構造を持つ映画を、更にドキュメント。
ももクロの5人が、平田オリザさんの演劇ワークショップを経て、濃密な撮影現場を経験する数ヶ月間の青春の記録。
本広監督の言葉を借りれば「熱が
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イントゥ・ザ・ウッズ(2014年製作の映画)

4.0

面白かった。
魔女の呪いを解くため森へ入ったパン屋夫婦を軸に、シンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木、ラプンツェルの登場人物が絡み合う。
全然違う話を、よくぞこれだけ違和感無く組み合わせたものだ。
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パリよ、永遠に(2014年製作の映画)

4.0

連合軍によるパリ奪還前夜。
ヒトラーからパリの“完全なる破壊”を命じられたドイツ軍司令官と、彼を思い止まらせようとする駐仏スウェーデン総領事の、丁々発止な一夜のやり取りを描く歴史秘話。
第二次大戦は関
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パーフェクト・プラン(2014年製作の映画)

3.2

ひょんな事からギャングの金を手にした善良な夫婦が、欲を出した事からドツボに嵌って行く。
似た物語の入口を持つ映画には、ライミの「シンプル・プラン」とかコーエン兄弟の「ノーカントリー」など傑作が並ぶが、
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くちびるに歌を(2015年製作の映画)

3.6

いい話だと思う。
しかし私的な不幸は、「幕が上がる」に似過ぎていて、どうしても観ながら比較してしまった事。
田舎の学校、部活の芸術、Uターンのスペシャリスト教師。
丁寧に作られた本作には心動かされたけ
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花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)

4.2

これ前日譚なのね。
なるほどアニメなら俳優が歳を重ねても逆に時を遡れる。
元々画的に決め込まれデザイン性の高い岩井俊二の作風は、アニメ表現との親和性が高く、二次元でもまごう事なき「花とアリス」の世界観
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アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)

3.2

あの「死霊館」の冒頭に出てきた実際の人形が、なぜ悪霊の憑代になったのかを描くスピンオフ。
ウォーレン夫妻の手に渡る前の話なので、二人は出てこない。
まあまあよく出来てるが、割と話が単調で読みやすいのと
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

4.5

なかなか面白い。
原作はハインラインの短編SF「輪廻の蛇」。
ある意味タイムパラドックスものの究極型とも言える話ゆえ、何を書いてもネタバレになってしまうが、完全にまんまでは無いので、既読者でも目眩く物
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幕が上がる(2015年製作の映画)

4.8

期待を遥かに超える傑作!
相変わらずのうどん偏愛は置いといて、私的本広克行監督のベスト。
高校演劇の全国大会を目指す生徒たちの、一年間の青春の葛藤は、モノ造りとは何か、なぜ自分は物語るのかという、全て
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きっと、星のせいじゃない。(2014年製作の映画)

4.2

癌患者の若いカップルを描いた難病ものだけど、所謂“泣かせる映画”とはちょっと違う。
明日がいつまであるのか分からない中、初めての恋を通して自分たちが生きた意味って何だったんだろう?という問に答えを出す
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.2

予想通りに、どよーんとした気分の映画。
オリンピックの金メダリストでありながら、伝説的な兄ディヴの栄光に隠れ日陰人生を送っている弟のマークが、大金持ちのパトロンに巡り合う。
ところがこのジョン・デュポ
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

5.0

凄えわ。
題材的に「ハート・ロッカー」と被るのではないかと思っていたが、アプローチが大きく異なる。
これ基本的に西部劇なんだな。ブラッドリー・クーパーのメンタルは無法の荒野の保安官。
神と国と家族を守
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ハン・ゴンジュ 17歳の涙(2013年製作の映画)

4.1

痛い映画だ。
実際に起こった女子高生集団レイプ事件を元にしたドラマ。
何も悪くないのに、なぜか被害者の方が転校を余儀なくされ、素性を隠して暮さねばならない。
それでも主人公ハン・ゴンジュは決して諦めよ
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ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

4.1

ならず者一家に両親を殺された男の復讐劇。
出所した犯人を殺したものの、今度は自分と姉親子が狙われ、男は司法の外側で始末を付けざるを得なくなる。
主人公が乗る、ボロボロの青いポンティアック・ボンネビルに
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娚の一生(2015年製作の映画)

4.0

恋に破れて田舎に戻って来た女と、彼女の亡くなった祖母の元カレだった年配の大学教授との奇妙な恋。
これは榮倉奈々と豊川悦司のキャラクターの勝利だ。
特に教授の方は、トヨエツでもないと説得力出ないだろう。
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

4.6

いやあ、腹が減る映画だ。
東北の小さな村に1人暮らす、いち子の四季を描く後半二部作。
育て収穫し調理して食う。
ぶっちゃけ、前回からただそれだけを繰り返してるだけなのに、なぜこんなにワクワクするのか。
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味園ユニバース(2015年製作の映画)

4.2

記憶喪失のヤクザもんが、音楽を通して自分の居場所を見つける話。
泥臭い作品世界なのに、劇場が女性でいっぱいでビビった。
主演の渋谷すばるのファンて事か。
「エイトレンジャー」はつまらなかったが、今回の
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ラブストーリーズ エリナーの愛情(2014年製作の映画)

4.0

崩壊しつつある一つの愛の顛末を、男女双方の視点で「エリナーの愛情」と「コナーの涙」と言う別々の映画に仕立て上げた異色作。
要するにイーストウッドの硫黄島二部作の恋愛版で、国家間の最大の葛藤は戦争だが、
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ラブストーリーズ コナーの涙(2013年製作の映画)

4.2

崩壊しつつある一つの愛の顛末を、男女双方の視点で「エリナーの愛情」と「コナーの涙」と言う別々の映画に仕立て上げた異色作。
要するにイーストウッドの硫黄島二部作の恋愛版で、国家間の最大の葛藤は戦争だが、
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劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス(2014年製作の映画)

3.8

原作の挿絵のテイストを色濃く残す手描きアニメーション。
サブタイ通りムーミン一家がムーミン谷を離れリビエラでバカンスを楽しむのだけど、ショートエピソードを細かく繋げたような構成。
まったりとヤンソンの
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ミルカ(2013年製作の映画)

4.3

評判に違わぬ面白さ。
今から半世紀以上前に世界最速を誇ったインドの陸上選手、ミルカ・シンの伝記映画だが、いきなり敗北からのスタートに意表を突かれる。
1960年に始まる物語は、「ペパーミントキャンデー
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ミュータント・タートルズ(2014年製作の映画)

4.0

ドカーン、バカーン、ボカーン、ああ楽しかった!
安心のマイケル・ベイ印の亀忍者リブート。
ぶっちゃけ旧作の三部作はあんまり面白くなかったので、今回の方が良かった。
ニッケルオデオン作品なんで基本キッズ
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チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(2015年製作の映画)

2.0

評判悪いから期待値MAX下げてたんだけど、ハリウッド映画でここまで絶望的に酷いのは久々に観た。
緩急の全然無いデタラメな話、痛過ぎるキャラ、緩いアクション、滑りまくるギャグ。
観たことを後悔するレベル
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.6

素晴らしい!
昨年末の「あと1センチの恋」に続くミニシアター系クリーンヒットの予感。
恋に破れたシンガーソングライターと人生崩壊の音楽プロデューサー。
負け組の二人が出会った時、不思議なケミストリーが
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マンゴーと赤い車椅子(2014年製作の映画)

3.2

タイトルはなんかイラン映画っぽい。
ある事故で車椅子生活になった、秋元才加演じる主人公の再生劇。
「きつね」の仲倉重郎監督、実に33年ぶりの第二作はさすがの力作だが、少々描きたい要素が多過ぎたのか、全
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

2.6

一言で目と脳に悪い映画だ。
右目と左目に違う映像を映したり、片方だけフィルターかけたり、視差の現界超えちゃったり、とにかく3Dってオモチャで遊び倒して、その狂いっぷりは爽快な程だけど、観てる方の目はか
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ジョーカー・ゲーム(2015年製作の映画)

2.5

本格スパイアクションかと思ってたら「ルパン三世」(実写の方)だったよ。
いやもうどこから突っ込んでいいものやらと困惑するくらい、シナリオがボロボロだ。
海南島の隣に、中国っぽい架空の国をでっち上げた時
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エクソダス:神と王(2014年製作の映画)

4.0

誰もが知ってる旧約聖書の出エジプト記。
王子として育ったモーゼが自分の出自を知り、ヘブライの民を導いてエジプトを脱出するという基本的な話はさすがにいじりようが無いので、ドラマの軸は兄弟の様に育ち、運命
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