ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 85ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年製作の映画)

4.5

素晴らしい。
KANOとは1931年に甲子園に出場した台湾代表、嘉義農林の事。
日本人だけで固められた他校と違い嘉農野球部は日本人、漢人、先住民の混成チーム。
彼らが民族の違いを乗り越えて、一つのフィ
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さよなら歌舞伎町(2015年製作の映画)

4.1

新宿歌舞伎町の裏通りの、とあるラブホテルを舞台にした男と女の群像劇。
ラブホの店長とミュージシャンの彼女、オーバーステイの韓国人カップル、時効まであと僅かの逃亡者カップル、不倫中の刑事カップルetc.
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

4.2

巨大な目の少女の絵は知っていたけど、その裏にこんな話があったとは。
才気あふれる独創的な絵を描くが商売っ気はない女と、絵は描けないが商才はある男が出会ってしまう。
題材的に佐村河内氏のゴーストライター
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ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)

4.2

どっしりとパワフルな人間ドラマ。
42年間判事として勤め上げた男が、妻の葬儀の日に故意に人を轢き殺したとして捕まる。
弁護を担当するのは長年の確執を抱えた息子。
判事は本当に人を殺したのか、単なる事故
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ジミー、野を駆ける伝説(2014年製作の映画)

4.2

これって「フットルース」やん。
いや、もちろんケン・ローチがダンスムービーのリメイクをした訳じゃない。
1930年代、アイルランドで労働者のために活動した名も無きリーダーの真面目な話なんだけど、その対
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スパイ・レジェンド(2014年製作の映画)

4.1

邦題はダサダサだが映画は面白い。
ピアース・ブロスナンの元敏腕スパイが、一度だけの約束で現役復帰したら露大統領の椅子を賭けた陰謀に巻き込まれ、CIAやらロシアの殺し屋とかと戦う羽目に。
しかも追って来
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トラッシュ!-この街が輝く日まで-(2014年製作の映画)

4.3

スティーヴン・ダルドリー監督、リチャード・カーティス脚本コンビはさすがに手堅い。
リオのスラムでゴミを拾って暮らす3人の少年たちが、ある秘密を秘めた財布を拾った事から、街を牛耳る巨悪と対決する。
設定
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アップルシード アルファ(2014年製作の映画)

3.7

タイトルでわかる様に、これはデュナンとブリアレオスが理想都市オリュンポスにやって来る以前のエピソードを描くビギニング。
最終戦争後の荒廃したNYで、ヤクザ者の傭兵に身を落とした2人が、なぜオリュンポス
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

4.3

いやあ挑戦的!ポランスキー若いわ。
マゾッホ原作の舞台「毛皮を着たヴィーナス」のオーディションに、一人の女優が遅れてやって来る。
劇場に残っていた脚本家は、自分が相手役を務めてオーディションを始めるの
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海月姫(2014年製作の映画)

2.5

正直、観ているのが苦痛だった。
原作コスプレ状態なんだろうが、キャラクターも世界観もアリエナイ感満載で、作品に全く入れない。
いやファンタジーでもいいけど、それならそれで世界観の中で納得させてくれない
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96時間 レクイエム(2015年製作の映画)

2.6

前からそうだったけど、雑さに拍車がかかり、もはや物語と言えるものはほぼ無い。
今回は全二作とは直接繋がりがなく、舞台もアメリカ国内。
主人公は、妻の殺人事件から陰謀に巻き込まれるのだけど、自分も敵もそ
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シン・シティ 復讐の女神(2014年製作の映画)

3.9

去年の「300 帝国の進撃」と同じく、エヴァ・グリーンが全てをさらって行った。
全体のオムニバス的作りは変わらず、今回は邦題が示唆する様にファムファタールに出会ってしまった男たちの話なのだけど、明らか
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オズ めざせ!エメラルドの国へ(2014年製作の映画)

3.2

フランク・ボームのひ孫のロジャー・ボームが書いた、オズ・シリーズの一編の映画化。
本国でも壮絶な大コケをした上に批評家にも酷評された作品なので、公開されたのが奇跡。
配給権も叩き売りだったのだろうが、
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

4.2

年末から地味に大ヒット中。
これは気恥ずかしくなるくらいキュンキュンだ。
主人公が美男美女の幼なじみで、お互いが好きなのに煮え切らず、つい違う相手に流れてすれ違い続けるって、完全に少女漫画の王道パター
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真夜中の五分前(2014年製作の映画)

4.5

新年実写一本目。素晴らしい。
幽玄の魔都、上海を舞台にしたミステリアスなラブストーリー。
プールで出会った謎めいた美女と、恋に落ちる日本人時計職人。
彼女には、全く見分けのつかない双子の姉妹がいる。
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映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(2014年製作の映画)

4.1

すげー楽しかった。
かわいいねこ妖怪いっぱい出てくるし、BTTF的昭和レトロだし、精神年齢が低いので、う◯こネタにも反応してしまって十分笑えたw
テーマの部分はもうちょっと追求すると、「ヒックとドラ
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ガガーリン 世界を変えた108分(2013年製作の映画)

4.0

面白かった。
1961年のボストーク1号の打ち上げから帰還までのミッションを軸に、時系列を行き来してガガーリンの半生が描かれる。
綿密に描かれる人類初有人飛行のディテールは興味深く、ソ連のクラスターロ
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サンバ(2014年製作の映画)

3.2

珍しくシャルロット・ゲンズブールが普通な人をやってるなと思ったら、やっぱ鬱な役で、「ニンフォマニアック」のパロディ的な台詞までw
フランス社会の縮図を一気に表現したファーストカットは秀逸だが、それ以
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バンクーバーの朝日(2014年製作の映画)

3.6

日中戦争が激化し、日本脅威論が力を増す'30年代、カナダに存在した日系人チーム、ASAHIを描く群像劇。
貧困、差別に戦争まで加わり、誰もが希望を失う時代に、若い二世たちが文字通り希望の朝日となる。
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宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟(2014年製作の映画)

4.7

良い意味でサプライズとなった快作!
テレビシリーズの24話と25話の間の話というのも冒険的だが、まさかこれほどスケールの大きな“宇宙神話”とでもいうべき領域に突入するとは。
旧シリーズの遺産を受け継い
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.7

エクセレント!
今年は安藤サクライヤー!
人生負けっぱなしのダメ人間引きこもり女子が、32歳にして目覚める再生劇は、一人暮らし、就職、恋愛、そして拳闘の濃すぎる青春のラストステージ。
「0.5ミリ」に
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チェイス!(2013年製作の映画)

4.3

面白かった!
「ルパン三世」の作り直しはこのスタッフでお願いします。
マジシャンで金庫破りの主人公vsインドからやってきた凹凸コンビの刑事の騙し騙されのコンゲームを、007ばりの派手なアクションでデコ
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パンク・シンドローム(2012年製作の映画)

4.2

面白かった。
フィンランドで活躍するパンクバンド、ペルッティ・クリカン。
ライブでは大人気でレコードデビューもしてるし、ヨーロッパツアーも大盛況。大統領府のセレモニーにも招待される。
唯一他のバンドと
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

予想してた内容と全然違った。
妻が失踪して、はたしてベン・アフレックが殺したのか否か?という話だと思ってたら、まさかの展開。
これは一般的な意味でのミステリーものではない。
ある意味、結婚という制度の
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ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

5.0

ああ、もう終わっちゃうんだなあ・・・ずっと観ていたかったよ。
結果的に全6作をP・Jが監督してくれて良かった。
これは彼流のトールキンの再解釈だし、デルトロが撮ったらそれはそれで面白かっただろうが、こ
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ランナーランナー(2013年製作の映画)

3.3

オンラインカジノのイカサマで文無しとなった大学生が、胴元に抗議しに行ったら雇われちゃう。
ミイラ取りがミイラになった訳だが、主人公は胴元逮捕を狙うFBIにも脅されて、いっそ両方を騙して脱出してやる!と
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超能力研究部の3人(2014年製作の映画)

4.2

本編の存在しないメイキング、と言う設定のドラマ。
乃木坂46のメンバー3人が、映画の主役にオーディションで選ばれ、初の女優業に挑むと言う、所謂モキュメンタリー。
しかしこれ、実に良く出来ていて、フェイ
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滝を見にいく(2014年製作の映画)

4.2

四十を超えたら女は皆んな同い年じゃあ!ってww
大長編青春クロニクルだった前作とは対照的に、今回は上映時間90分ほど。
ツアーの途中で道に迷った7人のおばちゃんのプチ遭難物語。
しかし、いい年したお
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

4.2

弔いとは死者、生者どちらの為のもの?
独り身としては身につまされる話だった。
主人公は孤独死した人の身寄りを探し、身辺整理し、葬儀を出す民生員。
苦労して身内を探しても殆どの人は葬儀にすら来ない。
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ザ・レイド GOKUDO(2013年製作の映画)

3.5

前作と比べると、随分複雑な話になったが、結局見せたいのは肉弾戦なんだなw
ぶっちゃけ話の方は穴だらけだし、潜入捜査ものと言う前提も全然生かされてない。
極道役の日本人キャストは、せっかくキャラ立ちす
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紙の月(2014年製作の映画)

4.7

これもまた驚くべき傑作である。
一体今年の終盤はどうなっちゃってるんだ。
銀行に勤める平凡な主人公が、大学生との逢瀬を重ねるうちに、顧客の金に手をつけてしまう。
まあありがちといえばありがちなのだけど
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

5.0

なんと新鮮な映画体験!
2002年から2013年の実に12年間、4人の俳優が家族を演じる。
出会いと別れを繰り返しながら、子供だった姉弟は大人に、まだ若々しかった両親はいつの間にかくたびれた中年に。
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寄生獣(2014年製作の映画)

4.7

予想通りの絶妙なところで終わった。
まあまだ前半だけだけど、とても良く出来てるんじゃないか。
前後篇4時間と考えれば、脚色の取捨選択はこれ以外無いと思える。
ある人物をバッサリ切ってるのも、母性を巡る
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マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014年製作の映画)

4.1

クローネンバーグ最新作は、ハリウッドの星々を巡る火と水と罪の神話。
顔と体に火傷の痕のある少女が虚構の街に降り立ち、二人のスターの家族の覆い隠された罪のロジックが動き出す。
前作でリムジンの後席に乗っ
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フューリー(2014年製作の映画)

4.8

135分の長尺、ドッと疲れた。
だが出来は素晴らしい。傑作だ。
これはデヴィッド・エアー版の「戦争のはらわた」であり、戦車映画における「U・ボート」のポジション、即ち今後このサブカテゴリーの最高峰の地
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西遊記 はじまりのはじまり(2013年製作の映画)

3.7

Gメン75の曲は日本版予告だけと思ってたらまさか本編もとは。
しかも使い方までドラマと同じw
なぜ? Gメンは半年に一度くらい香港スペシャルやってたから、もしかしてシンチーも子供の頃観てて思い入れあ
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