それまで、細田守や新海誠を重点的に観ていた時期に、本作をはじめて観たため、正直いまひとつのめり込めなかった。
ただ、あの靴のシーンは一瞬ゾクっとしたものを感じた。それは言葉では上手く言い表せないが、>>続きを読む
実は「君の名は。」を見た次の日に早速レンタルしたのだが、あれとまんま同じシーンが出てきたので、ひっくり返った。
初期の作品だけあって、まだ語り口がしっかりしていないように感じた。
冒頭より、現実世界>>続きを読む
2000年代、それまでアニメ映画の独壇場の感だったジブリ作品に、それ以外にも見るべきアニメ作品はあると世に知らしめた画期的な一本のように感じた。
のちの細田監督作品と比べても、本作が一番良く出来てい>>続きを読む
冒頭のシーンで、本当のミュージカルがスクリーンに帰ってきたと確信した。そしてラスト、本作が本当のミュージカルのレクイエムであることがわかり、ふと涙が流れてしまった。
技術的にはMGM黄金時代に比べれ>>続きを読む
主人公同士の対面をたった三回しかさせず(しかもその時間も10分も満たないだろう)、壮大な永遠に続くラブストーリーを成立させてしまったのはまさに驚嘆である。
新海監督の素晴らしい点は、作品を発表するご>>続きを読む
観賞後、「北條一家に幸あれ!」とついエール(どこかで聞いたような文句ですが)を贈りたくなる程、感動してしまった。
これは、究極の人間讃歌を描いた作品といっても過言ではないと思う。
キャプラの「素晴>>続きを読む
作家ハーパー・リーがアメリカ南部で育った幼少時代を題材に描いた社会派映画。
1930 年代、白人女性をレイプした罪で逮捕された黒人男性の弁護を引き受ける父と彼の子供たちの物語である。
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「汚名」の凄さはあまりお金がかかっていなくてもサスペンスが成立している点である。
豪華な屋敷が出てくるが、どっかの豪邸でロケしちゃえば、砂をつめたワイン瓶、キーホルダー、コーヒーさえあれば、この映画>>続きを読む
「チャップリンの独裁者」や本作が凄い点は、まだヒトラーが存命で戦況がどうなるかわからない時期に完全にナチスを茶化した作品を作ったことである。
ナチスドイツに占領されたポーランドを舞台にしたエルンスト>>続きを読む
キッド以降の長編だと、家族愛、飢餓、文明批判、戦争批判といった明確なテーマがあるが、本作品はあまりメッセージ性がないせいか、短編の延長線上にあるような印象を受ける。
ラストにはいつもの哀愁さが漂って>>続きを読む
ハリウッドのラブコメの礎を作りあげた作品。「極楽特急」「今晩は愛して頂戴ナ」「晩餐八時」とか既にあったが、ほとんどヒットした舞台劇の映画化で、こっちは短編小説を原案としたほとんど映画のオリジナル作品。>>続きを読む
最初から最後までまったく救われないストーリー。この世の不条理をこれでもかと見せつけられた感がある。
できればこれをもっと多感だった十代後半の頃に観とけばよかった。あの頃観ていれば、内容はよく理解でき>>続きを読む
ゾンビ映画の神様ジョージ・A・ロメロが死の間際に、自身が大好きであるこの映画を見ながら旅立ったという。
この映画のラストを観ながら死ねたら、どんなに幸せかと思う。
ラストシーン、ひとりひとり登場人>>続きを読む
今から10年前にショーン・ペン主演でリメイクされたが、元は1949年のアカデミー作品賞を獲った社会派映画。いかにも骨太の作品といった感がある。
日本でも知事のスキャンダルが最近話題になったが、本作も>>続きを読む
原作は、脚本家ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーの当たり狂言「フロント・ページ」。31年に「犯罪都市」として最初に映画化されたあと、40年、ハワード・ホークス監督によってリメイクされたのが本作。>>続きを読む
アメリカ国内にとどまらず、現在のグローバル化社会で生じる問題を、擬人化した動物たちの姿を通して、あらゆる年齢層にわかりやすく伝える技術の高さには、「さすがディズニー!」といった感である。
か弱いウサ>>続きを読む
宿場町を守るために出資金を苦労して集めるまでのプロセス、阿部サダヲと妻夫木聡扮する兄弟のわだかまりが氷解して、阿部が成長するストーリーが絡み合っているため、最後まで楽しめて観ることができる。
「ちょん>>続きを読む
所作の見事さだけでファンになった俳優が何人かいる。「お熱いのがお好き」のジャック・レモン、「情婦」のチャールズ・ロートン、「マダムと泥棒」のアレック・ギネスがそれにあたるが、ここ最近はそんな俳優さんや>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
シネマヴェーラ渋谷で鑑賞。(目当ては同時上映の「女たち」のほうでした)
以前も観た作品であるが、劇場で見ればまた印象も違うのかなと思ったものの、やはり中途まで、どうしてもだれを感じてしまう。
シャ>>続きを読む
戦前の、リアルタイムで観た世代の人たちにとって、本作「モロッコ」は異様に評価の高い作品で、脚本家の猪俣勝人さんによると、当時の映画通でこの映画を1回しか観たことない人はまずおらず、大抵の人は2回3回は>>続きを読む
楷書体で描かれたB級映画、いやB級というジャンルでは最高峰の作品ではなかろうか。古い白黒時代のSF映画だからといって(そして邦題の古めかしさからといって)、この映画を甘く見てはいけない。
冒頭、放心>>続きを読む
”タップの神様”フレッド・アステアと”タップの女王”パウエルがはじめて組んだMGM白黒映画時代の代表作。
「ビギン・ザ・ビギン」ばかり取り上げられている感があるものの(致し方ないけどね)、そのほかの>>続きを読む
むかしむかし…といっても1941年、アメリカの西海岸のとある町に、サミュエル・ゴールドウィンというプロデューサーがいました、ハワード・ホークスという映画監督がいました、ゲーリー・クーパーとバーバラ・ス>>続きを読む
1939年は、「駅馬車」「大平原」「砂塵」といった作品が公開され、それまでB級あつかいされていた西部劇が一気に花開き、再び表舞台に立つようになった記念の年というイメージがある。
さてその「砂塵」(コ>>続きを読む
かつて伊集院光さんが「週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」で本作品のチャールズ・ロートンを評し、「過去にこんな人がいたのなら、俺はどんなに努力しても、一生、デブの世界一にはなれないなと思った」と>>続きを読む
ジーン・ケリーが怪我したことで、引退していたアステアが代役で出演し、再び脚光をあびることになった記念碑的な作品。
脚本はなんとシドニー・シェルダン。この時代からキャリアがあった人なのだ。
作品の全体>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷で鑑賞。
凄いや、こんな古い映画なのにお客さん結構入ってる(苦笑)
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの黄金コンビによるミュージカル映画のなかでも、ひときわ傑作と言われるの>>続きを読む
観客はシアターの半分ぐらい埋まっていて、ほとんどが社会人だった。
火星にひとり取り残されて、知恵をしぼって、困難に立ち向かうというストーリーに目新しさはないけど、それを補うぐらいディテールはしっかり>>続きを読む
若き日の銭形平次である。主演は当時、大谷友右衛門だった中村雀右衛門、京屋さん、通称ジャッキーである。
火打石の代わりにライター使ったり、投げた銭がもったいないからゴムで指にくくりつけたり、全編にパロ>>続きを読む
たとえ~どんな人間だって、こころのふるさとが~あるのさ~♫
当時の銀座の情景を見ているだけでも十分に満足。映画自体はG.Mのサインの油絵をマクガフィンにして、東京の屋根の下に住むそれぞれの人間模様を>>続きを読む
今まで観た映画のなかで、最も戦時色の濃いハリウッド映画だった。
第二次大戦中、住宅難となった首都ワシントンを舞台に、部屋を間借りしたくせ者おじいさん(チャールズ・コバーン)と長身の若者(ジョエル・マ>>続きを読む
3人のはみだし軍人たちが、殺戮を楽しむインドの邪教集団と対決する痛快アクション映画。
監督は、のちに「ママの想い出」「陽のあたる場所」「シェーン」「ジャイアンツ」「アンネの日記」を手がけ、家庭ドラマ>>続きを読む
本作品が公開された1931年のハリウッドは、「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」といった古典ホラー映画の当たり年。
知名度から言えば他二作の方が遥かに上だが、現代の目から見ると、最も内容や形式>>続きを読む
ウディ・アレンが「史上最高の名画」と評したとかしないとか。
ビリー・ワイルダーの出世作であり、脚本はワイルダーとあのレイモンド・チャンドラー。
保険外交員(フレッド・マクマレー)が人妻(バー>>続きを読む