ノストロモさんの映画レビュー・感想・評価

ノストロモ

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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.5

曲も演奏もかっこよく、また演奏シーンの映像演出や音質は流石に力強く作ってあって素晴らしいの一言。特にラストの演奏は圧巻。

ただ全体的な物語の流れ、また音楽のとらえ方については原作漫画を読んだ時にも感
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.8

復讐三部作の二番目。脚本や美術、演出など総合的に三部作の中でよくも悪くも、一番きれいにまとまっていると思う。
復讐の内容も肉体的というよりむしろ精神的に凄惨で、人によってはまともに観ていられないだろう
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復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

3.8

復讐三部作の一作目。
そもそもそんなに悪気があったわけでは無いのに、ほんのわずかなすれ違いやボタンの掛け違いみたいなことが、けれども思いつく限り最悪の形で連鎖してしまい、関わる誰も彼もが真っ直ぐに転が
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アカルイミライ(2002年製作の映画)

4.0

悽惨な事件も起こるが社会派の作品ではなく、青春の閉塞感をダーク且つファンタジックに描いた葛藤の作品。遠いどこかへの脱出、葛藤の旅路とその終焉のイメージが、都会の地下で秘密裏に繁殖する毒クラゲに仮託され>>続きを読む

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.6

映画というものがある時間をとどめるものであるなら、これほどストレートな作品もないだろう。
ある男がふと目覚めるとそこは帝政時代のエルミタージュ前だった。まるで導かれる様に入館した男はほどなく、真っ黒な
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.0

面白いながらそんなに印象的な作品でも無いのだが、何故だかたまに無性に見たくなってしまう。主演二人の粋なカッコよさと、あとは広い荒野を馬で移動するシーンが気持ち良いのかもしれない。
凄腕の追手に追われる
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

いつも通りのアキ・カウリスマキでいつも通り最高。とは言え、ここまでストレートにラブ・ストーリーなのは珍しいかも? 「愛しのタチアナ」も直球ロマンスだった気がするけど、今作はより作風が具体的でロマンティ>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.4

全編モノクロ。独身中年のホアキン・フェニックスが妹夫婦の事情で9歳男子をしばらく預かることになる。「菊次郎の夏」、「都会のアリス」、「グロリア」その他多くの作品でこすられてきた「孤独な中年と子供がひと>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.3

何度となく観てきてそのアホらしいところも含め、どうしようもなく好きな作品。今回Filmarksによる再上映企画で初めて劇場にて鑑賞。
画面作りやファッション、音楽など、本作はよくお洒落映画の文脈で語ら
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

小さなボクシングジムを舞台にしたよくある青春群像劇かと思いきや、やや変化球だった一作。
本作が珍しいのは「結局ボクシングに出会った事は彼らにとって本当に幸福だったのか?」というある種究極の問いに対し、
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

全体的に低予算な雰囲気であることは否めないものの、やれる範囲で非常に健闘している秀作。
コミュ障で世渡り下手だが格闘術がめっぽう強いまひろと、世間慣れしており思いやユーモアを言葉にする事、また銃の扱い
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ミシェル・ヨーの壮快なSFアクションを期待していたが、どちらかというとぶっ飛んだマルチバース描写を軸に描かれる超アクロバティックな人生讃歌、そして母と娘のお話だった。
数々の並行宇宙の描写を通して、あ
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バレリーナ(2023年製作の映画)

4.2

主演女優の一重三白眼が最高。作品世界にあまりにも似合っている。
彼女の佇まいの格好良さ含め、アクションは素晴らしいし、インテリアや衣裳などの美術も凝っていて楽しい。特に主人公の部屋が良い。
物語の大筋
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.8

原作漫画は未読。
アクション目当てで見たが、多分5、6回ある戦闘シーンはどれも見応えあるもので、迫力とスピード感を併せもち、且つ見せ方もうまいので十分に満足。全体的にCGらしい軽さはあるものの、それも
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.0

夜の真っ暗闇に静かに雪が舞い散る冒頭から、心を掴まれる。
苛められっ子の孤独な少年が人外の少女に恋をするという典型的なボーイミーツガールだが、北欧の暗い夜を主な舞台とした静謐な映像美や、また怪物譚とし
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.5

20年越しで日本版ブルーレイが発売されたので久々に観賞。
当時は自分も若くてイーニドに共感する部分が大きかったが、今見ると彼女は彼女で結構にべもなくさしのべられた手を振り払う、若さゆえの傲慢が目に付く
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.0

前作が良かったので楽しみにしていた。

脚本や演出等、一本の映画作品としては前作の方が地味ながら練られていて高級感があるが、ドラゴンボール的派手派手サイキックアクションとしては今作の方が大盛りで、また
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

フィンランドといえばアキ・カウリスマキの作品が自分は好きなのだけど、画面の雰囲気やテンポがやはり同国の映画だなと感じる。
90年代を舞台にしているという事で、どいつもこいつもやたらに煙草吸うのが何だか
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.6

ホラー成分もあるが、グロテスクな残虐表現がメインなのでそこは注意。ただ徹底的に理不尽な暴力や残虐をこれでもかと描いている割には見終えた後、どこか淡々とした上品さや静けさの余韻も残る。その辺りは、やはり>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.8

70年にこれ一作のみ監督・脚本・主演し、その後50歳手前で病死したバーバラ・ローデンが唯一世に残したもの。バッファロー66に驚くほどプロットが似ている。当時流行のアメリカン・ニューシネマ色が本作も色濃>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.2

60年代のチェコ映画。東京・下高井戸シネマでの再上映時に観賞。
13世紀のボヘミア王国。王に派遣された軍隊や野良盗賊の一団が争う土地の領主の娘マルケータは、諍いの混沌の中で盗賊の息子ミコラーシュに拉致
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呪詛(2022年製作の映画)

3.8

「ブレアウィッチ」や「REC」シリーズなんかに倣ったファウンド・フッテージ形式の低予算ホラー。

上記以外にも「リング」や、定番の都市伝説などから色んな要素をかいつまんで器用にまとめたような作品で、独
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ノベンバー(2017年製作の映画)

5.0

特に画作りの面において相当緻密に作り込んでおきながら、一本の映画としては、広く偶然や誤解混じりの解釈も余裕で抱き込んでくれるような、荒っぽい器の大きさをも備えた作品。この繊細さと粗雑のバランスするとこ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

16mmの粗い質感に古びたジムの緑色の壁、グローブの赤、時折映る主人公のマニキュアが映える。主人公の日々の生活とその心模様を中心としながら小さなもの、ささやかなものどもを丁寧に捕捉しつつ、しかし淡々と>>続きを読む