こりんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

荒野にて(2017年製作の映画)

4.0

深く、深く先の見えない荒野。

A24と組んだ作品としてずっと観たかった。アンドリュー・ヘイ監督作品のトーンは暗くも明るくもなく、ぼやけた孤独が宙に浮いている。

チャーリー・プラマーの眼差し、最後の
>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

3.7

小津作品を観よう。

美しい構図、思想やセリフの哲学、綺麗だった。観てると、さらさらと作品を通り抜けた感覚になる。

空中にずっとふわふわした気分。

アデュー(2019年製作の映画)

3.8

一人暮らしを始める娘と、
引っ越しを手伝う父親。

ショートフィルムでは勿体ないくらいもっともっと眺めていたくなる。お互いを想う気持ちや、照れ臭さ、距離感の取り方。全てが好きだった。

パリのワンルー
>>続きを読む

ラ・ブーム(1980年製作の映画)

3.5

だらだらとのんびり眺めて、おやすみの日の気怠い気分にピッタリ。

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.8

どんな暴力も語彙力の少なさに帰結する。それが露呈するだけで、権威を示そうものなら暴力で破滅する。世界中の人を想い合うなんて到底むりに等しいのか。(過去の自分の文章を引用…)

それぞれの家庭での顔は皮
>>続きを読む

小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.6

新年1本目はゴダールを。

手持ちカメラのカメラワーク。ブリュノがベロニカを撮影するシーンがとても好きだった。

政治運動の盛んな時代の物語が、突然【FIN】で終わりを遂げる。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.3

柔らかく、スローモーションのようにつづく繊細な作品。心地いい時間がずっと流れる。

今年の映画館納めはこの作品でした。
映画館で観れてよかった。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.5

12/1 " 映画の日" にこれを。

視覚がとても潤う。

心の部分では中々共感できないが、
セリフに飲み込まれる。遠い世界線の話。

散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.5

この色調、語り手のない無骨さ、ハマりつつある。この監督は、観る者を取り残す事によって、より一層滑稽に描くのが上手い。

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.8

喜と悲のタイミングは人それぞれでも、共に暮らしてゆく、混沌とした人類たち。様々なコントラスト。

ワンシーンワンカットが良い。
北欧の空気感がたっぷり味わえる色彩と、ナレーションに乗せて進んでゆく物語
>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

3.7

軽いものでも時として重くなる。

あえて迎合したくない気持ちや、もう時既に遅しな気持ち…分かる分かると思いながら観た。

大自然の中の建築物ヴィラ・マラパルテの存在感の中、繰り広げられる。これだけで観
>>続きを読む

間奏曲はパリで(2013年製作の映画)

3.6

「命の洗濯になる」

イザベル・ユペールの出演作はいつも表情に余白がある。

夫婦の距離感、不器用さ、他の人々との関係性、が映像を通してやわらかに味わえる作品。

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.8

アニエス・ヴァルダがすき……

始まった瞬間に「この作品すき…」となったのは久しぶり。タロット占いのOPだいすき。

無声映画をみるシーンでアンナ・カリーナ、ゴダール夫妻が出演していたり。

この時代
>>続きを読む

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

3.7

どんな人でも能動的に生きていける社会だといいな。排除だけの世界では共存は出来ない。

人権と尊厳。
人口あたりの精神科の病床数が世界一多い日本。社会的なケアが進んでいく日はまだ遠いのだろうか。

ニューヨーク・ストーリー(1989年製作の映画)

3.5

3人の監督によるオムニバス作品。
舞台はどれもニューヨーク。

どの作品も音楽が良い。
三者三様テイストが別物だがニューヨークという通ずる部分からか、出会いや別れが目紛しい。

スコセッシ作品が一番好
>>続きを読む

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.7

エネルギーに満ち溢れた作品。

LGBTQ・エイズ・売春、様々な社会問題が組み込まれながらもビビットに描く。

痛みや衝動や喪失。永遠に不可知でありつつ、いつか完璧な楽園になることを想って。

不完全なふたり(2005年製作の映画)

3.8

詩的で、カメラワークも好み。

即興演出なセリフ。何より感情そのものの空気を映し出した映像美に陶酔。

二人であり、一人である。もがきながら、不完全ながら一緒にいるのである。

パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

3.6

重さ、軽さ、そんな計れないものも、命が関わってくると本当にどうしたらいいんだろうか。

ここまで脅かされて生きる人々が、まだきっと地球の上にいるんだろうなと思うと、私1人に何が出来るのか。本当に大きな
>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

3.7

A24手掛けるオールアジアキャストの物語。ニヤニヤと笑ってしまうお話。

東洋と西洋での嘘に対する宗教、文化、考え方の違い。

こういう個人的で、普段見ることの出来ない一つの家族の話、、本当にすき。
>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

3.7

ゾクゾクした。

ある意味ホラー映画より精神的ダメージ量では勝つ。表現的に怖い描写があるわけではないが、結局は人の心の変貌が、1番人観ている人の心を動かす。

最後の表情、忘れられない。
人生って自身
>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.6

不穏な空気感、作られた光、この監督の作品を初めて味わった。

普通か異常か、その線引きは誰の手によるかで変わり得る。

嘘をつけないから何も語らない、それは嘘よりも重く、いわゆる空論だ。知ってしまった
>>続きを読む

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.6

皮肉、皮肉、皮肉。

現実世界と小説世界が混ざり合う。
翻弄の加速が止まらず行き止まる。

昇華の仕方がいい。
フロイトの「夢は現実の投影であり、現実は夢の投影である」。

ヒース・レジャーの恋のからさわぎ(1999年製作の映画)

3.5

ヒース・レジャーにこんな役が。

若かりしジョセフ・ゴードンが、、、

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.7

A24×Apple×ソフィア・コッポラ

画の撮り方がとっても好み。洗練された映像と、マーレイの演じる父の男の生態雑学あれこれ、娘の愛憎混じりの台詞たち。

ストーリー展開的には物足りない気もしたが、
>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.8

死って重くて軽いなあ。

出来るだけ多くの人が観た方がいいと思う作品は久しぶりだった。

シリア最大の都市アレッポ。紛争の激化と独裁政権。ジャーナリストのワアドによる生々しく苦しい映像。

残虐的な苦
>>続きを読む