淀川コーエンさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

淀川コーエン

淀川コーエン

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タイムリミット(2003年製作の映画)

3.5

ある策略に巻き込まれる警察署長。が、かなり後ろめたいことが、というサスペンス。

無駄なくテンポ良し、100分少々という尺も良し。

ドリンキング・バディーズ(2013年製作の映画)

4.0

マンブルコアのジョー・スワンバーグのメジャー作品。と言っても作風は変わらず。気の利いたセリフなんてない。"好き"の近辺でウロウロしてしまう微妙さがイイ。そしてクラフトビールが飲みたくなる。

サスペリア(1977年製作の映画)

4.5

幼子だった公開当時、キャッチコピーの"決してひとりでは見ないでください"に震えた記憶しかなく絶対に見ることはないと思っていたコレ。見た。

めちゃくちゃオモロイやん!
アートやん!美術センス!音楽、音
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トゥルー・カラーズ(1991年製作の映画)

3.5

出世欲にかられ友だちを裏切り裏切られる。当時は爽やかだったJ・キューザックと嫌味曲者ハンサムのJ・スペイダーがそれぞれ逆のイメージで演じる人間ドラマ。

今やそのイメージから脱し個性派となったお二人。
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ピーター・セラーズの愛し方 〜ライフ・イズ・コメディ!(2004年製作の映画)

4.0

ジェフリー・ラッシュ演のピーター・セラーズの伝記映画。
こんなにも複雑で厄介で孤独な人だったとは。60〜70年代のセットや音楽、出演作の再現シーンが面白。S・トゥイッチ演のキューブリック監督が◎

MAMA(2013年製作の映画)

2.5

好きな人は大好きなギレルモ・デル・トロ(本作は総指揮)のホラー。

そこまでして母性を求める?男、都合よく退場しすぎじゃないっスか?下の子のこと、このあとどう説明すんだろ?という超現実的でフェミ的な感
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セカンド・アクト(2018年製作の映画)

2.5

お仕事系ロマコメ。
経歴詐称よりももう1つの秘密のほうがアレなのに、そこはサクッとクリアか。誰も悪者にならない、傷つかない今風の仕上げ。
あんなにゴージャスなのに量販店の店員がハマるJ.Lo好き。ヴァ
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クラッシュ/ワイナリー殺人事件(2015年製作の映画)

2.5

こんなワイン映画があったとは!

舞台はオーストラリア。落ちてきたワイン樽で頭を打って死んだ父。そのことを不審に思った過去に訳アリの長女がー、という2時間ドラマ風サスペンス。

思いのほか血みどろ。も
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.5

財宝探しのため拉致される陰キャのロマンス小説家とこれを助けようと奮闘する小説の筋肉系カバーモデル。

冒険ロマコメではあるものの冒険<ロマンス<笑いの力配分かw。タイトなキラキラ衣装を着こなすサンドラ
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エスケープ ナチスからの逃亡(2019年製作の映画)

4.0

ナチスのユダヤ人狩りから逃れるため男子になりすまし、ある一家に匿われるがー。

対ユダヤ人だけでなく、あらゆる迫害があらわになった戦時下。
声もそのままで華奢な主人公がおよそ男子には見えない。が、そこ
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

昔から宇宙のことを考えるとその巨大な世界が怖くてしょうがない私には何度見ても難解な映画。

好奇心や探究心と背中合わせの恐怖心を刺激されるし、うちのアレクサや話題のChatGPTがhalみたいなことに
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

ザックリとしたイメージとヒット曲しか知らなかったプレスリー。バズ・ラーマン監督のド派手演出で鮮やかに蘇り、喰い散らされ、再び葬られる。気の毒さしか残らない。

ステージシーンほかオースティン・バトラー
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エルヴィス&ニクソン/エルヴィスとニクソン 写真に隠された真実(2016年製作の映画)

4.0

1970年ホワイトハウスでの1枚の写真の裏話。歌唱シーンが一切ないプレスリーをM・シャノン、例の盗聴を始めた頃のニクソンをK・スペイシーが演。時代背景とだいぶアレな2人がオモシロい。どこまでがホントの>>続きを読む

あの胸にもういちど(1968年製作の映画)

4.0

昼メロみたいな邦題だけど原題はThe Girl On A Motorcycleとカッコイイ。新妻がオートバイで走りながら愛人との逢瀬を回想する。

サーモグラフィ風エフェクトと粗い合成が主人公のマゾヒ
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天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

4.5

戦時下に製作された芸術レジスタンスの傑作。魔性の女に優男と野心家、ヨゴレ、大富豪が絡み、その陰で泣く女、というドラマ的見どころも充分で3時間超の尺を感じさせない。オープンセットのスケールと大勢のエキス>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.0

全セリフに節がつくことと有名なテーマ曲、悲恋ものでドヌーヴが超絶美しいということは知っていたもののー。

借金のことまで小鳥のように歌い散らすあの独創的な世界最後までに浸れなかった。

ロマンチストに
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アフリカの女王(1951年製作の映画)

4.0

アフリカの現地の人々とともにー、的なヒューマンドラマがと思いきや全然違ってた。まさかの冒険活劇。"女王"はK・ヘプバーンのことじゃないし、初めてボギーをかっこいいと思ったし予想外に面白かった。wiki>>続きを読む

大いなる陰謀(2007年製作の映画)

3.5

原題"LIONS FOR LAMBS(愚鈍な羊に率いられる勇敢なライオン)"が意味するように机上の空論で多くの犠牲者を生む現代の戦争と政治家の野心を描く。そしてそのことに無関心でいいのか、と訴える。>>続きを読む

英国万歳!(1994年製作の映画)

3.5

かなりキツめのブラックコメディ。18世紀の英国王ジョージ3世。その暴言や奇行に対して行われるのはとにかく拘束するという荒治療。のちに"だったのでは?"と言われるポルフィリン症を裏付ける糞尿にこだわる医>>続きを読む

夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.5

アメリカ南部で起きた殺人事件。都会から来た理知的な黒人刑事とレイシズムが染みついた地元警察が捜査にあたるがー。
S・ポワチエ演じるデキる黒人に対する差別は白人社会の自己崩壊のよう。差別することでしか自
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パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

4.0

ウォターゲート事件がもみ消そうとされていた頃に製作された本作。アラン・J・パクラ監督はこのあとに『大統領の陰謀』を撮った。

上院議員の暗殺と現場にいた人たちの不審死。真相を追うジャーナリストがー。政
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

5.0

実は見ていなかったアメリカン・ニューシネマの代表作。めちゃよく聴くあの歌はこの映画の主題歌だった。

虚飾と欺瞞に満ちた都会の現実に打ちのめされる2人。考えが甘い、と自己責任論では切り捨てられない。虚
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

4.0

なかなかの官能サスペンス。これがお茶の間(金ロー)で放映されたというし、"殺し"の真相は今のポリコレ的には絶対アウトだし、捜査は雑で強い娼婦とコンピューター少年の活躍という時代感。やっぱり80年代はど>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.0

耳の持ち主はどうなってるのか、が早々にどうでもよくなるほどの暴力と変態性癖。

露悪的というよりむしろ人間や社会の暗部への示唆か。見終わる頃には"古き良き"の風景のほうが気持ち悪く見える。

I・ロッ
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主戦場(2018年製作の映画)

3.0

慰安婦問題を描くドキュメンタリー。無関心でもなく「美しい国」にも洗脳されていない身としては、この問題の理解のためにここまで偏った保守系の意見を聞かされるて、だいぶグッタリです。終盤登場の加瀬氏の破壊力>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

出ずっぱりのデイモンと朋友アフレックのコンビ。ベイトマンの80年代の違和感のなさがすごくて音楽も◎ 

残念なのは自分がM・ジョーダンの凄さをよくわかっていないこと。エア・ジョーダンもあのロゴも当たり
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撤退(2007年製作の映画)

3.5

2005年のイスラエルのガザ撤退を着想にしたアモス・ギタイ監督作。

父の死にもどこかフワフワした前半から一転、ガザでの現実に直面し佇まいまで変わってしまうビノシュの人間味が凄い。

正直どこまで遡っ
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.0

ストーリーは王道のエクソシストもので思ってたよりかなりエンタメ寄り。それが好きかどうか。

個人的には何もかもがビジュアル化されていてちょっと興醒めした。

嘆きのテレーズ(1952年製作の映画)

3.5

病弱な夫と過保護な義母との暮らしに嫌気がさし、駆け落ちを迫る不倫相手とともにー。

不運と不遇が染み付いちゃって、ちゃんと周りも不幸に貶める悪いオンナのS・シニョレさんが最高にクールで美しい。

なぜ
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さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.5

NYが舞台のいわゆるエディプスコンプレックスもの。S&G、ボブ・ディラン、書店とか小説とか美術館とかNYらしいテイストはあるものの、思いのほかウエットでベタ。まさに"無難"。

見どころはスーツマジッ
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マドンナのスーザンを探して(1985年製作の映画)

4.0

平凡な主婦がお尋ね者のスーザン(マドンナ)と間違えられるコメディ。

数十年ぶりにやっと見直すことができた。ラストの映画館で彼氏にもたれて前の座席に足上げてポップコーンを食べるシーンに憧れた。実現でき
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.5

初めて見たときは戦中日本のグロい精神性を全否定した。が、今も得体のしれない"日本的正しさ"にがんじがらめになっている。そんな自分と和解することが文化や信仰を超えた他者を理解することに繋がる、と言われて>>続きを読む

インベージョン・デイ-合衆国陥落の日-(2013年製作の映画)

2.0

スクート・マクネイリー見たさで。評判どおりのB級映画。
中国のサイバーテロによって陥落する合衆国。といっても主要都市の映像ひとつなし。山奥で極悪保安官と渇水との戦い。デマでもパニックは起きるよ、という
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

孤独と狂気を抱えた主人公を死なせなかったラストに社会の狂気を見るよう。そんな社会の中で生き続けるよりー、と思うのは日本人的死生観なのか。

見るたびに気が重くなるNo1映画かもしれん。

コーマ(1977年製作の映画)

5.0

相次ぐ手術中の昏睡。不審に思った女性研修医が真相を探る、というサスペンス。

面白かった。SF感漂うの収容所で吊るされてる昏睡患者のビジュアルが強烈。マイケル・ダグラスのにじみ出る曲者感にミスリードさ
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

5.0

ちゃんと見るのは初めて。ダンス青春映画と侮ることなかれ。
それぞれの上手く行かなさをより弱い立場にぶつけてしまう普遍的な苦悩が胸を突き刺す。

残念ながら現在のトラボルタを脳内から全消去できず、カッコ
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