淀川コーエンさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

淀川コーエン

淀川コーエン

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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.5

なるほど、これはネタバレ禁。
サラ・ポールソンがプランテーションの鬼畜妻を演じた『それでも夜は明ける』が頭をよぎる中、随所に『ゲットアウト』的違和感がー。

黙秘(1995年製作の映画)

4.0

メイン州の小島で起きた富豪老婦殺し。容疑者はメイドのドロレス。

冒頭の『ミザリー』のイメージの拝借、現在と過去との転換、日蝕の不穏さなど映像演出が出色。ベイツ、リー、プラマーらの演技も凄い。ストーリ
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(1961年製作の映画)

3.5

M・アントニオーニ監督が描く愛の不毛。
超美女(ヴィッテイ)を噛ませても三角関係にすらならない夫婦(マストロヤンニ、モロー)の冷え感がたまらん。何もかも虚しい。せめてどっちかキレてくれよ。 

愛と裏切りのゲーム 殺人連鎖(2000年製作の映画)

3.5

ネタバレ禁系のサスペンス。20年ぶりに会う同級生たち。

混沌とする善悪。キャストを見ても誰がどうなるのか予想できないB級ならではの面白さが◎

カプリコン・1(1977年製作の映画)

5.0

事前情報ナシで視聴。
レトロチープなSFものと思ったら、全然違ってた。 ポリティカルサスペンス、大好物なヤツ面白い!

そんな、な設定のあげく窮地に追い込まれる主人公たち。 その1人はあのO・J・シン
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8月の家族たち(2013年製作の映画)

4.0

毒を吐きまくるメリル母とジュリア長女のバトル。マーゴ・マーティンデイル叔母の曲者感。こんな実家には里帰りしたくない(笑)

それでも家族だから、って思えるのか、を叩きつけてくる。もう2割くらい笑いを足
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アメリ(2001年製作の映画)

3.5

見るたびに己のファンタジー力のなさを実感するこの映画。ファッションもインテリアも好きなんだけどやっぱりイラつく。ごめん。

ロスト・ソウルズ(2000年製作の映画)

2.5

悪魔祓い系オカルトホラー。スピルバーグ作品の撮影監督ヤヌス・カミンスキーの初監督作。

いかにもオカルト的な映像演出を控える一方、銃で、って、どうなん?ホラーが苦手な私としても物足りん。ウィノナ闇カワ
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フローズン・リバー(2008年製作の映画)

4.5

子どものたちとの暮らしのため国境を越えて犯罪に手を染める2人の母。人種や民族、貧富の格差を描きながら、この母親に弱者に収まりきらない不穏さを抱えさせている。冒頭の指輪がちょっとゆるい手もとに色々と想像>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

以前原作を読んだワインスタインの性犯罪告発の裏側。
被害を映像ではなく証言で表すあたりに原作同様、告発者に対する細かい配慮と誠実さを感じる。今さらだのポリコレだの大コケだのと言われるけど私はこの映画を
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赤い靴(1948年製作の映画)

4.0

田嶋陽子さんの著書『ヒロインは、なぜ殺されるのか』で紹介されていた映画。

バレエ「赤い靴」で成功を収めたヒロインが恋かキャリアかの葛藤の末ー、という悲劇を幻想的な色彩美で。

どっちも選べなかった、
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ウォー・マシーン:戦争は話術だ!(2017年製作の映画)

2.5

実在の陸軍大将をモデルにアフガン駐留中のアメリカ軍の裏側を描く風刺コメディ。

ブラピの役作りはやり過ぎで笑。狂言回しの記者にナルコスのDEAスクート・マクネイリー。

2021年8月、この映画が案じ
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ブラック・シー(2014年製作の映画)

2.5

スクート・マクネイリー出演作として視聴。

黒海に沈むUボートから金塊を引き上げ一攫千金を目論むがー。

金か命かをめぐるサバイバル。最初から上手くいきそうにないメンツが予想以上の泥試合を展開。ラスト
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恋のミニスカ ウエポン(2004年製作の映画)

3.0

スクート・マクネイリーが端役で出演。さすがにこれは見るチャンスはないかなと思っていたらNetflixでまさかの配信。
D・E・B・Sはもれなくカワイイし敵の女スパイとのラブも◎ サラポのパートナー、ホ
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ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

5.0

スランプの小説家の前に現れた小説の主人公ルビー。理想の相手との恋のはずがー。

兼脚本のゾーイ・カザンとリアルパートナーのポール・ダノ。

小説、冴えない眼鏡男子、犬、インテリア、私の好きが渋滞してる
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リーディング・ハウス(2017年製作の映画)

3.5

週1で開かれるイイ男同伴必須の文学クラブ。その実態はー。

エイジズムやルッキズムを女だけの世界で描くブラックコメディ。

やたらお掃除にこだわる意味が(笑) 仏頂面のヒロインがカティ・オウティネン風
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マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)

3.5

ノア・バームバックが描く機能不全家族もの。

散々人のアラを挙げ連ねたあげくの「私も私が嫌い!」はキツい。当事者にとっては悲劇でも他人には喜劇、というのはままあるけれど、これはその逆。当人たちは案外ケ
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.5

自分はスーパーヒーローと信じ精神科の治療対象となる男たち。

ラストの種明かしに余念がなく畳み掛けるクドさ。しっかりシャマってて満足。前2作も必見。

読書する女(1988年製作の映画)

4.0

30年数年越しの鑑賞。
美声を活かして訪問朗読をする女性。が、顧客は曲者揃いで朗読以上のニーズにー、というチョイエロオシャレインテリコメディ。
極めつけはジジイが試しに読んでと差し出すサドの『ソドム1
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.5

『ミスター・ガラス』前作のひとつ。特殊能力を持つと目覚めていくくだりがほぼヒューマンドラマで地味すぎる。オチもシャマラン味が足りない。

先に『ミスター・ガラス』を見たうえでだけれど、続編のフリ以上の
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サイン(2002年製作の映画)

3.5

突如現れたミステリーサークルほか宇宙人侵略を告げる"サイン"

神の啓示を信じるか否か、というセリフとだいぶアレな宇宙人の造形にホラーではないという意図が見えるまでが面白い。アビゲイル・ブレスリンが既
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ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡(2011年製作の映画)

4.0

映画『サイン』の影響で"啓示"にハマるニートの弟とそれぞれに行き詰まり感のある兄、母を描くコメディ。

いちいちグッと寄るカメラがウザいけれど、不思議な見守られ感のあるデュプラス兄弟作品。

信じたい
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I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

3.5

エイミー・マン、ベン・フォールズ他によるビートルズのカバー曲目当てで視聴。音楽は良かった。映画のほうはテーマ的に苦手。素直に感動できない何かが……。ローラ・ダーン安定の泣き顔が◎

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.0

9.11の容疑者として裁判もないままグアンタモナ基地に長期収容された実話に基づく。

容疑者の手記と軍のナマ記録によって尋問の実態が明らかになるシーンは映像的にもかなりしんどい。"赦し"に至る気持ちも
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スプリット(2017年製作の映画)

3.5

『ミスター・ガラス』前作のひとつ。多重人格者からなぜ"ビースト"が生まれたのかを描く。マカヴォイ七変化。監禁ものとしても見応えあり。『ミスター・ガラス』では少々唐突に見えたケイシー(アニャ)の存在もな>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.0

立て続けに見た締めのシャマランはやっぱりコレ。
大ドンデン返しで有名なあのラストを知っていても、いや、むしろあのラストが示す"救い"を求めて見る価値アリ。単なる謎解きに収まらない傑作。O・ウィリアムズ
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GO!GO!L.A.(1998年製作の映画)

4.0

初ミカ・カウリスマキ。
主演2人の誰?に対しV・ギャロほか脇が豪華なロマコメ。ジョニデ、スコリモフスキ、弟アキ作品のオマージュも見どころ。

男女4人で車に乗る『愛しのタチアナ』とは真逆のテイストなの
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シング・フォー・ミー、ライル(2022年製作の映画)

4.0

この手のファンタジー実写アニメは苦手だけどスクート・マクネイリー目的で。泣いたよ。大泣きよ。まさかワニにこんなに泣かされるとは。
エンドロールの絵もカワイイ。ヒゲなしの爽やかマクネイリーも◎ めちゃス
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リミット・オブ・アサシン(2017年製作の映画)

3.0

リタイア中の殺し屋(イーサン・ホーク)を復帰させた裏にはー、というクライムアクション。 

戦うイーサン、傷だらけのイーサン、混乱するイーサン、良き。
が、この映画のキモでもある蘇生技術が何ソレな違和
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人生はローリングストーン(2015年製作の映画)

4.5

自死した作家デヴィッド・フォスター・ウォレス。成功し脚光を浴びることで歪められていく自意識や自尊心の葛藤。
「毒性で体が硬直するほどトラウマ的な自意識」ほかグサグサくるセリフの中、J・キューザック演じ
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脱走王ナイムロ(2021年製作の映画)

3.5

民主化運動時のポーランドに実在した大泥棒とその仲間、追う警察のコメディ。

実在かどうかは不問なほどブッ飛んだ演出が微妙にダサくて大好き。音楽も良き。

ドラマ『泥の沼』のダヴッド・オグロドニクが主演
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ディファイアンス(2008年製作の映画)

3.5

第二次世界大戦下、ユダヤ人狩りから多くの人を救ったビエルスキ4兄弟の実話に基づく。

共同体として生き延びていく人智と困難、人間の醜さを映し出す非戦闘シーンが◎ ラストの映画的演出はちょっとクサイ。『
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

デヴィッド・フィンチャー✕マイケル・ファスベンダーのノワール!と期待してたこれ。ちょっと違ってて途中から期待を逆手に取られたと気づく。見事にしてやられた。ザ・スミスの音楽ともマッチ。綿棒呼ばわりされる>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

小品好きなのでマルチバースだなんだのと見る気が引けてたコレ、やっと見た。やり尽くした感のある"家族の再生もの"にこういう描き方があったとは、斬新。ド下ネタも◎

バード・ボックス バルセロナ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

サンドラ・ブロック姐さん主演作のバルセロナ版。アレを見ると自殺してしまうディストピア。主人公の行動にえっ!となる序盤が最高にイイ。が、そこから尻すぼみ。宗教的な展開にもハマれなかった。ラストもな。