Noveさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

これはサスペンスではない。
夫婦の、親子の、愛犬との愛の物語だ。
小説家である夫婦、子どもの視覚障害。
小説と事実との共通点。
夫婦の会話、行動、争い、色んな断片的を繋ぎ合わせると、真実にたどり着くの
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北の桜守(2018年製作の映画)

3.3

終戦時の樺太からの引き上げ、網走で暮らす親子。シベリアに送られた夫を待ち続ける親子。
芝居の舞台を織り交ぜ、当時の状況を再現していくところは面白味があるが、唐突でもある。
そしてその後、成功した次男と
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バーブラ・ストライサンド: ミュージック・メモリー・マジックツアー(2017年製作の映画)

4.0

バーバラ・ストライサンドのコンサート映像。
映画の主演、監督も手掛けた劇中での歌と映像、今でも変わらずに歌声が響き渡る。
その中でもやはり『追憶』は、その時代と共に生きた人たちのドラマが、今でも続いて
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カタオモイ(2023年製作の映画)

3.6

いくつになっても家出はできる。
別の生活をしてみると、今まで見えていなかった世界が見えてくる。
朝早くには、不思議な出逢いの機会もある。
親で苦労している子どもは、どこの街でもしっかりしている。
美味
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.5

アインシュタインの述べた言葉を忠実に再現したドキュメンタリードラマ。
ナチスの迫害を逃れるべく、イギリスの郊外に身を隠す世界一有名な物理学者は、戦争へ至る状況も、終息するための手段も見えていたのであろ
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.0

韓国版ソウルメイト。
こちらの題材は絵画。
理想と現実の狭間で、二人の気持ちは揺れ動き、助け合い、ぶつかり合う。
それでもいつも分かち合い、信頼していた仲は、どれだけ距離が離れても、会えない時間が長く
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彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

4.0

サスペンスタッチであり、二重三重構造に構成されたシナリオに、いくつもの戸惑いを抱かせ、最後にスッキリさせる展開に、映画の面白さがある。
マスコミ報道による被害から、哲学的な追求へと導く。
究極の映画が
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その鼓動に耳をあてよ(2023年製作の映画)

4.0

「断らない救急」この言葉を聞いた患者の安心、それを支える救命救急センターの医師、スタッフ、そして名古屋掖済会病院が守ってきたこと。
どれをとっても凄いことだ。
医師は神様ではない。
時間がなくてもお腹
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(2022年製作の映画)

3.6

手はその人の感情を物語る。
ある日、おじさんになった時点で、世の中の女性からポジティブな印象はなくなる。
趣味としておじさんを観察し、その行動原理を写真に収めることで、街のおじさんの真理が読める。
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

4.0

あえてタブーに挑み、社会的問題と個人としての感情に切り込んでいる。
眼の前にいる人間は、何を考えて、何を思っているのだろうか。
言葉として発することと、行動の差異。
言葉にすれば嘘になる。しかし、言葉
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.4

曖昧な男とは、長続きはしない。
逃げれば追いかけ、寄ってくれば突き放す。
本当の気持ちがわかる頃には、既に遅い。
相手が誰であれ、結果は同じこと。
何人もの女性が登場するが、描写が雑なところが気にかか
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

映画から教わることは、まだまだたくさんあった。
遠くの国に行かなくても、大きな災害が起こらなくても、毎日を苦しんでいる人は身近にいる。
人間は機械ではない。
すべてが論理的に効率を優先し、それについて
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Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)

3.6

卒業まで1年を切り、全てが楽しい高校生活だった。
このまま順風に、高校生は終わらせようと思っていた。
カミングアウトするのは、カリフォルニアの大学に行ってからでいい。
それが、自分の意志とは別のところ
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花腐し(2023年製作の映画)

4.0

映画という魔物に取り憑かれたものたちは、そこから逃れることはできない。
足掻けば足掻くほど、沼地へと沈んでいく。
その花が美しいほど、突然散っていく。
そして腐り、忘れ去られる。
愛した人を語り合うう
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恋は光(2022年製作の映画)

3.8

恋を論理的に解明しても、机上の空論でしかない。
恋は体験して、初めてわかること。
いつも側に居てくれる人、憧れの人、積極的に奪いにくる人、これもまた恋のかたち。
そんなことを真剣に考えていられる大学生
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とらわれて夏(2013年製作の映画)

3.9

深い悲しみと幸せな家庭を失った母と息子には、ぽっかりと空いた心の穴を埋めてくれる人が必要だった。
レイバーデイ、その日に訪れた男には、頼もしい働く父親の姿をみた。
穏やかで静かに流れた日々が、奇跡のよ
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OUT(2023年製作の映画)

3.6

暴走族グループでの話だが、バイクや車は暴走せず、ひたすらケンカに明け暮れる。
どちらかと言うと、日本版ダークヒーローアクション青春ドラマ。
昭和の暴走族ものが、また流行っている?

Here(2023年製作の映画)

4.0

これは五感を通じて体感する映画。
木のざわめき、緑の葉の色彩、苔の観察、雨の雫、人は自然の一部であることを意識できれば、この映像と音の豊かさに気づくであろう。
出逢い別れ、鉄道の駅ができるずっと前から
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日々ロック(2014年製作の映画)

3.5

理屈じゃない。
歌いたいロックンロールを歌うだけ。
君に届けた曲を作るだけ。
ひとりのためのどしゃ降りライブ。
ひとつだけ確かなことがあるとしたら差入れは、ひよ子と言うことだけ。

コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.5

裏の裏をつく騙し合い。
マルタ島でいちばん悪いやつは誰か。
英雄を名のるものは、常に自分に酔いしれる。
最後に笑うのは、つちのなか。

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

4.0

洞爺湖・中島、八丈島、大阪・堂島を波で繋ぎ、激しい飛沫が降り注ぐ。
この三箇所にも大きな意味がある。
3つのオムニバスを独立したエピソードとして捉えるか、ひとつの物語として観るかは、観客に委ねられてい
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幸せをつかむ歌(2015年製作の映画)

3.8

自分の夢を追いかけ続ける母親がいる。
子どものために夢を諦める母親もいる。
子育てを生きがいにする母親もいる。
子どもにとっては、いつも側に居てくれる母親が幼い時には慕われるが、大人になるにつれて変わ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

映画は歳をとらない。
その時の状況を鮮明に留める。
映画監督と主演俳優であり古き友が、撮影中に突然失踪したことで、全ての時間は停止した。
友の生存、映画の上映も出来ず、映画監督として、その後映画を撮る
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.5

三人の男女が、無人島での共同生活。
夢の話を共有し、安住の地に行けることを願い、浄化している。
そして歪みが自然に発生する。
怪しげな信者たちの行動が、実は二人だけの安住の地であったのかもしれない。
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わが母の記(2011年製作の映画)

3.6

日本の戦後の家族。
父親の権威が強かった時から、徐々に娘たちの主張が尊重される時代へと変わっていく。
戦前に生まれた祖母は、息子との過去を愁いつつも、家族に囲まれ自由に暮らす。
作家である息子からみた
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ベスト・セラーズ/小説家との旅路(2021年製作の映画)

3.6

ベストセラーは容易く生まれない。
よい小説でもプロモーションしなければ、手にとって読んではくれない。
人生の逆転をかけた作家のハリスと、父親の出版社を引き継いだルーシーとのロードムービー。
過去の栄光
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なくもんか(2009年製作の映画)

3.6

悲しい時には笑うんだよ。
笑っていたら、誰にも悲しいなんて気づかれない。
いちばん悲しいのは、同情されること。
惨めな自分を悟られないように、いつも仮面を被っている方が心地よい。
だって、好きでやって
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

4.0

軍人とは、如何なる状況に於いても上官の命令を遂行する。
1944年戦争末期、ルバング島に送り込まれた小野田少尉に下された命令は「死ぬ権利はない」どんな状況下でも生き抜いて、島を死守することであった。
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アグネスと幸せのパズル(2018年製作の映画)

3.8

世の中には、凄い才能を持った主婦がたくさんいる。
その能力に気づいていないか、知っていても押し殺している。
ずっとモヤモヤとした気持ちを抱きつつ、なぜ周りの人たちは、簡単にできることをやらないのか疑問
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.0

どんなに辛い状況にあっても希望を失わない。
だって私は生きているから。
女性であること、黒人であること、貧しいこと、生まれた境遇で決められていた人生を、少しずつでも変えていく。
不屈の精神と、生きる希
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Gメン(2023年製作の映画)

3.6

昭和風令和ツッパリ学園ドラマ。
クールなところと泥臭い友情、いい加減と真っ直ぐが絡み合い、派手な格闘アクションあり。
横一線に並んで歩くのではなく、夕陽に向かって走りだせ。

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.0

1985年奇跡のレコーディングが行われた。
本当にこれだけのビッグスターたちが、ひとつのスタジオで、一晩で作り上げた「ウィー・ア・ザ・ワールド」のレコーディング。
この映像が観れるだけでも貴重である。
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声もなく(2020年製作の映画)

3.7

誘拐犯になってしまった口のきけない青年と誘拐された少女。
一日だけ預かれば、帰すはずだった。
家には、幼い妹がいる。
家庭をしらない兄妹に、生活を教える少女。
いくつもの偶然が重なり、いつしか家族の情
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.8

最悪な男とわかっても、また同じことは起こり得る。
泣いてないで早く出ていってよ!
つらいときには、ご飯を食べよう。
そしてもう一度考えたら…
そんな世界まで行ってしまうのか。
お米は、Amazonでも
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

ニューヨーク、大阪、パリ、撃ちまくり切り倒す。
追手はみんな片付ける。
全ての敵を倒しても、旧友との闘いが待ち受ける。
銃とスーツ、刀、ヌンチャク、殆どが格闘シーン。セリフはいらない。
この結果を受け
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絶対の愛(2006年製作の映画)

3.3

顔を替えれば人も変わる。
愛の本質はどこにあるのか。
顔を変えていくうちに、本当の自分が消えていく。
無いものねだりの愛は、お互いにたどり着けないすれ違いのループへとハマっていく。