Noveさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Nove

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そばかす(2022年製作の映画)

3.8

まだ自分の好きな生き方をしていたら、怒られる時代なのか。
窮屈な世界を飛び出して、広い自然と一体になれば、もっと楽しく暮らせるかもしれない。
そんな期待を抱いても、なかなか最後はうまく行かない。
実は
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なん・なんだ(2021年製作の映画)

3.6

いちばん好きな人と結婚するとは限らない。
寧ろ違う場合の方が多い。
好きなことは、いくつになっても忘れられない。
昭和の典型的な駄目な男の末路は、ひとり取り残されて消えていくのか。
変化に対応できない
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ピッグダディ(2021年製作の映画)

3.8

家族とはどんなものなのだろう。
父親がいて、母親がいて、兄がいて、弟がいて、妹がいる。理想の家庭があったならば、幸せに暮していけたのか。
それが体験できなかった兄弟に突然妹が出来たならば、きっと家族の
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ペタル ダンス(2012年製作の映画)

3.9

それぞれに悲しみを抱える4人の女性。
自分のこと、友だちのこと、好きな人のこと、その言葉にどれだけ耳を傾けてきただろうか。
あの時に言いたかったことは、何だったのだろう。
きっと言葉では伝えきれない想
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

純粋な目で見れば、人間はあまりにも不思議なことに拘り、争っている。
広義にはファンタジーだろう。
根底にあるのは、大きな社会の矛盾に立ち向かう戦士でもある。そしてみな哀れなものたちである。
コメディと
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フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

3.5

単に近未来のSFサバイバルアクション映画と、割り切れなくなっているアメリカの現在がある。
アメリカ全土が12時間の無法地帯とする、自由の復活を唱える制度が発令される。
白人至上主義の過激派組織によって
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獣手(2023年製作の映画)

4.0

壮絶な戦いの果てにも、救わなければならなかったものは何か。
短絡的な生活から脱却するために、出来ることは全てやったのに、逃れることができない怒りを何処にぶつければいいのか。
獣手が問いかける水平線の先
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

特別な能力を持っていれば金儲けができる。
そんな動機から身につけた能力だが、必ず儲かると分かってしまえば、やる気も失せる。
人は不果実なことだから、興味を抱く。
ただし目的が金儲けではなく、その金をど
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.4

地震によって無法地帯となったソウル。
雨も降らず水にも困る。
そして狂気の医師によってゾンビが作られていた。
そこに立ち向かう3人のハンターズ。
とにかく殴り倒して撃ちまくる。
シューティング・ゲーム
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

子どもの頃に思っていたこと、感じていた記憶がよみがえる。
声に出して話さなくても、たくさんのことを考えて、ちゃんと生きようと必死だったあの頃。
親や大人の顔色を伺って、先回りして考えていた。
静かな女
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本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

4.1

眼の前の困っている人を助けてしまう。
愛とは、誰にも優しくすることなのか、一人の人だけに優しくすることなのか。
社会で生きていくためには、誰もが表と裏の顔を切り替えながら立ち回る。
それが出来ない人は
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遠くへ,もっと遠くへ(2022年製作の映画)

3.7

結婚する前に、何のために結婚するのか確認するべきなのだろう。
子どもを育てるため。
仕事に専念するため。
家を建てるため。
目的は、それぞれ違う。
おそらく基本的な合意を得る前に、何となく結婚したこと
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60ミニッツ(2024年製作の映画)

3.5

試合直前に、娘の誕生日パーティーに来なければ親権を失い、一生娘と会えなくなる。
タイムリミットは60分。
実際の60分間で映画と同時進行で観せていく。
力ずくで連れ戻そうとする、追手との戦いが繰り広げ
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.3

幸せは他人の犠牲のうえに成り立っている。
幸せは限りあるものである。
大胆な展開と古川琴音の演技力に期待大であったが、B級ホラー映画で終わってしまった感がある。
無表情な祖父母など、それぞれが何らかの
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

1820年代、アメリカ西部開拓時代に一攫千金を夢見て訪れた者たち。
昔からその土地に住んでいた先住民。
貿易商で裕福な白人。
この時代の西部劇は、大抵は銃による殺し合いのシーンが登場するが、この映画は
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

マエストロ、非凡な才能を持つ指揮者と女優の妻の愛の物語。
前半の若い時は、モノクロ映像を交えミュージカル風の軽快なテンポでの躍動。
後半は、お互いの苦悩と葛藤の対立。
オーケストラがバランスを保つかの
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君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.6

本当のことを言うと怒られる。
そしていつからか、教えられた答えのみを覚え、解答することが勉強だと教わった。
戦後間もない時の映画人たちは、表現の自由を得るために戦ったが、いつしか日本の映画はイデオロギ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

改めて歌の力を感じる。
同じカラオケでも、その歌に込められた想いが感情を動かす。
ヤクザと中学生、合唱部とカラオケ、そして名作映画まで織り交ぜたシナリオの上手さが映える。
大人への階段を上がるときの不
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オーバーナイトウォーク(2019年製作の映画)

3.6

久しぶりに会った姉妹が、夜中に下北沢から新宿まで歩いていく。
特に理由はなく、とりあえず東京に来たら新宿でしょう!
関西弁の二人がフラフラと歩きながらの会話。
東京で売れない俳優の妹と突然訪れた姉。
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ダーク・プレイス(2015年製作の映画)

3.5

母親と二人の姉が殺害された幼少期の悲惨な事件、犯人は兄で既に済んだ過去のはずだった。
触れたくない暗い記憶、証言をしたことが嘘だったのかすら、わからない過去の自分。
何十年経っても、嘘をついていること
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緑の夜(2023年製作の映画)

3.5

ファン・ビンビンとイ・ジュヨンの共演。
抑圧の中で暮らす二人が出会い、惹かれ合い、共に走る。
それでも逃れきれない抑えつけられた過去と、断ち切りたい自由への望み。
緑の夜の闇は深い。
語りきれない背景
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カンフー・モンスター(2018年製作の映画)

3.5

香港カンフー風グレムリンとキングコングをミックスしたような怪獣映画。
チョウ・ドンユイのワイヤー・アクション&コメディに挑戦か。
超大作でも感動ものでもはないので、期待し過ぎずに、時間がある時に、宜し
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また蝶が舞う日まで/宮鎖沈香(2013年製作の映画)

3.6

中国宮廷を舞台に、チョウ・ドンユイの健気な宮女としての耐え忍ぶ日々。
不遇の中でも初恋の皇子に献身的に尽くす。
美しいシーンもあるのだが、テンポがゆっくりでもどかしさを感じる。
内に秘めた気持ちを描い
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サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

3.9

文化大革命下での農村学習で出逢った二人。
チョウ・ドンユイの映画デビュー作でもある事実に基づいた純愛物語。
まだ幼い素朴な少女が、母親の教えをしっかりと守って働く傍ら、淡い恋心を抱いていく。
しかしこ
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サッドカラー(2023年製作の映画)

3.9

悲しみを失うことは悪いこと?
悲しみを思い出させるために、深い悲しみを突きつけることは、悲しいことではない?
悲しみが無ければ、幸せになれない?
悲しみと正面から向き合った時に、何が見えてくるのか。
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夜のスカート(2022年製作の映画)

4.0

誰もが悲しみを抱えて生きている。
その悲しみを乗り越えるために、それぞれ独自の方法がある。
「大丈夫?」
「あなたこそ」
おかしなことなんて何もない。
それは必死で生きている証である。
悔やまれること
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ホゾを咬む(2023年製作の映画)

3.8

愛情の裏返しは疑念となる。
子どものいない10年目夫婦。
いつも家の中に閉じこもっている妻を、より強い独占欲へと至る、夫の行動がエスカレートする。
実験映画的な撮り方での長編映画に挑戦した作りての勇気
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

13歳から一緒に生きてきた親友二人の女の子。
お互いに日向と影のように対象的に生きていく。
27歳までの人生を小説にして描かれる。
時に入れ替わり、悩みながらも、二人の友情は変わらない。
若さとは、い
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僕らの先にある道(2018年製作の映画)

4.0

恋愛はゲームのようにリセットできない。
若い二人が夢を抱いた北京での幸せの時。
なんであの時は、いちばん好きな人と一緒にいると傷つけ合い、さようならも言わずに別れてしまったのだろう。
何年経っても、そ
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少女〜an adolescent(2001年製作の映画)

3.5

思春期の戸惑いと迷い。
大人に翻弄されて、少女を飛び越えて行ってしまった末路。
少女の葛藤からの決断。
壮絶な少女の生い立ちに焦点をあてて作られていたのならば、もっと評価も変わるだろう。
残念ながら、
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炎上する君(2022年製作の映画)

3.8

自己表現による抗議「君は何も間違っていない」
もがいてもがいて、炎上するほどの怒りが起きた時に何をするか。
先ずは高円寺から始めよう。
カッコいいとは、言わなければならない時に、ちゃんと発言できること
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はこぶね(2022年製作の映画)

4.0

静かにひっそりと暮らす、視力を失った男。
幼なじみとの再会が、微かな光を灯しだす。
ひとりで生きていきたいが、社会は視覚によって動くように作られている。
生きづらい人たちの抵抗は、どれだけの効果がある
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今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

3.6

80年代のツッパリを今風に再現。
ラブコメと学園モノをミックスして、何でもありの80年代に放り込んだところが面白い。
あの頃は、学ラン、スカートは長いほどツッパっていた時代。
とりあえず、笑って許され
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The Soul: 繋がれる魂(2021年製作の映画)

3.6

SFスリラー犯罪サスペンス。
近未来の画期的医療。
がんを患っている検察官の夫と、刑事の妻との愛の物語でもある。
魂と肉体が交錯し、混乱するシチュエーションではある。
本当の犯罪者は誰か、守りたかった
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この心亡き者(2022年製作の映画)

3.8

傷心の刑事が、偶然に死体を発見する。
愛する人を亡くし、自殺寸前の出来事。
結果的に死体に命を救われる。
新人の刑事と共に、女性二人による捜査へと進展する。
ハードボイルドタッチの台湾版サスペンス。
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冬薔薇(2022年製作の映画)

3.4

冬薔薇になりきれなかった男たちのブルース。
父親は、子どもに思っている本音を言わない。
子どもは、自分の気持ちを持て余し、本当の友だちを作れずにいる。
哀愁漂う昔話か、港町から逃げ去るか、臆病者同士手
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