高円寺ぱかさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

高円寺ぱか

高円寺ぱか

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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

5.0

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心を歪まされた天才が大学教授に発見される。/全員善人の世界。

自分は少年漫画脳なので、泣かせるものに対して防御癖があるのだが、本作はこれしかないという経路で胸を突き刺してきた。

ポイントはやはりシ
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.0

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ドイツ人と黒人奴隷の賞金稼ぎコンビが、残忍な富農から妻を取り戻す。/一枚岩でないこと。

タランティーノ作品としては非常にメジャー度が高いと思う。無駄話は驚くほど少ないし、緊張感を引き延ばす心臓に悪い
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デッドプール2(2018年製作の映画)

5.0

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マジキチが悲しみを癒すためにジタバタする物語/直截さと自分のための善行について

最高だった。

1ではデッドプールのマジキチっぷりのいきさつを語ることに費やされた。それがある種クレージーさを正当化し
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トランスポーター3 アンリミテッド(2008年製作の映画)

3.5

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冒頭からステイサムが2度可愛い。タルコニ警部の釣り竿に悪戯したり、帰ってからも釣り番組見ているのがポイント高い。

それに比べてこのヒロインの可愛くなさよ。この役者さんの、ミステリアスと不貞腐れた若い
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マスター・アンド・コマンダー(2003年製作の映画)

3.5

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1805年。ジャック艦長率いるサプライズ号は任務航海中。当直のホロムは霧の中にわずかな船影を認め、半信半疑で上申。フランス海軍アケロン号の奇襲だった。

窮地を凌ぐが修理のため停泊を余儀なく
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.5

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大変、人に勧めにくい映画だ。この結末は積極的に理解を拒む。それは悪くないが、僕個人の趣味と実益からは外れる。

その点から言うと、劇伴を排しキラキラとした日常をある種淡々と描く手腕こそ瞠目に値する。彼
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.5

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莫大な力を持った精神年齢:少女が戦争を止めに行く。/キャラクタ配置の妙について。

とても楽しめた。

先に言えば垢抜けないアクションには惹かれなかった。こう一括りにするのも気が引けるが、DC映画はそ
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スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年製作の映画)

3.5

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正反対の二人の同じ行動

カークとスポックの対称が燃える。「お前が俺でも同じことをしただろう」、無茶して救いに行く、馬乗りになって殴る…こういう呼応、EP7にもあったので監督の趣向なのでしょうか、とて
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REDリターンズ(2013年製作の映画)

3.5

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月並みな感想だが、サラの駄々っ子がキツイ。二重の意味でキツイ。一つは、この作品の醍醐味は老練が未熟を圧倒する痛快さなのに、老練サイドに未熟を加え物語を回すのは表現として後退しているように感じる。二つは>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

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現代の少女が読む今は亡き作家の聞いた没落したホテルのオーナーの語る最盛期の名コンシェルジュの冒険/古くて新しい。

ひと昔前の映画を観るときのあの感じが巧妙に再現されている。シンメトリーな構図や、わざ
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.0

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地元じゃ負け知らずの青年が先進的な価値観に触れ自身を縛る柵に絶望し羽化する。/70年代とはかくも遠いものか。

ステファニーが調子に乗りがちな社会人2年目のテンプレにしか見えないのだが、それは当時の人
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

4.5

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黒人差別に立ち向かったのは、見た目で差別されているダンスのうまい女の子だった/各人の動機について

「ジョン・トラボルタすげぇ…」8割くらい感想がそこに持っていかれるのですが、なんとか、それはそれとし
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マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)

4.5

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父親候補3人を全員呼んでみた、式前日に/大らかさの齎す最も美しいプラス

物語における多幸感とは少不幸感なのだと思う。マイナス感情の芽を摘んでおく。摘めば摘むほど客の同意を得るのが難しい。そのとき歌と
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.0

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世界一銀行強盗の多発する街、ボストン・チャールズタウン、通称"タウン"。銀行強盗のダグは仲間3人と完璧な仕事を成し遂げた。人質に取った支店長クレアがタウンの住民だったこと以外は。仲間のジェム
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

5.0

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自惚れ屋が同じ一日を繰り返すことになったら?/完璧な心理推移。

ループものにしろタイムトラベルものにしろ、主人公の特別さを打ち出しやすい仕掛けだ。過去に時空跳躍すれば、当時代人と視座の高低差は当然出
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.5

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シリーズの中でも、イーサンに振り回される仲間たちへのホッコリが強調された回だったように感じた。実はチームがいてもルーサー以外はだいたい影が薄い(特に3)ので、今回のようにメンバー全員が友情を理由にして>>続きを読む

ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

3.0

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CG時代に適合したアクションシーンというものがあると思うのですが、その塩梅をまだ模索中という印象。ビルの振り子のシーンがなんだか嘘くさくて…技術の進歩もプラマイあるものですね。そう考えるとゴーストプロ>>続きを読む

ライアー ライアー(1997年製作の映画)

4.5

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べらぼうに天才的なコンセプトの映画。

普遍的なテーマ(それは悪いという意味ではない)に対し、コンセプトがこれ以上なく皮肉が効いていて、これ以上なくフィットしている。そういうときはだいたいそうなのだけ
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

音楽がキレていて良い。1よりも音楽のノリがかっこいい。ここまでの正道は今では逆にやりづらいかも。



ネコルヴィッチ博士は自身にウィルスキメラを投与し旧友ディミトリ=イーサンに助けを求める。20時
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

4.0

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ピンチというのは非常に大事で、客をそこでハラハラさせられるかどうかが映画の成否を左右するといっても大過がない。ハラハラさせるためにはまず主人公が他人事でなくなっている必要があり、ピンチ自体は客に考える>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

3.5

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ウィリア・ブラントのジェレミー・レナーがかっこいい。素敵。こういう真っ直ぐな役柄、とっても似合いますよね。

ストーリーはい つ も のという感じ。良きにつけ悪しきにつけ。



IMFエージェント
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.5

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大変楽しく観た。

ただVRをこれほど見事に用いた物語で、結末が「リアルがいいよね」というのはやや陳腐な気もした。

…と書いて見たが流石に乱暴だったので追記。

ここで問題なのは「リアルがいいよね」
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.0

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風景の色味が目が醒めるようで、名探偵の青い瞳が爛々と輝いている。カットにもこだわっていて、とても洒落た配色の映画。

僕はエルキュール・ポアロとドルリー・レーンなら断然ポアロ派なのだけれど、その要諦は
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スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!(2012年製作の映画)

3.5

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ちょっと粗暴でまっすぐな金持ち息子(イケメン)、どこか陰のある村出身のクールな秀才(イケメン)、この作品を持って教科書と呼んでも差し支えない。何にも増して導入がカンペキ。ミュージカルの時点でアビの噂の>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

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どうしてくれんの、これ。次のガーディアンズは? 本編あっちでしょ! アベンジャーズにこんなことされちゃうと困るんだけど!

…ということなのですが、いやはや、超絶シリアス展開。サノス側の言い分がめちゃ
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.5

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ムーンの夢追い人としての側面を出すタイミングが巧くて、計算づくの印象。



ボロ劇場の支配人コアラのムーンは歌のオーディションで起死回生を図るが、秘書カメレオンのミス・クローリーの義眼がバウンドし
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ダイヤモンド・イン・パラダイス(2004年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

引退した凄腕の泥棒が彼女、FBI、ギャングの目をかいくぐりながら泥棒業を成功させられるか?

ピアス・ブロスナンだから観たのだけれど、ピアス・ブロスナンのせいで何をやっても前半はアクションの前振りを延
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

3.0

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過去と向き合いきちんと折り合いをつけること/ゲームセンターあらしは映画化可能か

大筋では「なにこれ?」。こういうリアリティラインが野放図なタイプは、主役への同化やテーマの普遍化などとってもわかりやす
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宇宙人ポール(2011年製作の映画)

4.0

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SFオタクを成長させるには宇宙人と旅をさせればいい/イカした宇宙人

一般人が謎の人物と接触し国家的陰謀に巻き込まれ逃避行の中で成長する…王道パターンをきっちりこなしているのがまず高得点。加えてこの謎
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

5.0

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"as little as possible."に抗えるのか/映画で本格推理は成立しうるか

めちゃくちゃ本格推理小説だった。

ミステリ的作法の完成度が極めて高い。解釈の誘導にカロリーがかかるという
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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

3.5

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悪を滅するために悪を用いた男の末路/夢も希望もないバディもの

「悪を殺すには悪を用いるしかないのか?」という問いかけの答えを見たかった。悪の食物連鎖に取り込まれるとより大きな悪に殺されるという当たり
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RED/レッド(2010年製作の映画)

4.0

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マッチョな主人公が並み居る敵相手に無双して合間合間で小粋なジョークを飛ばす…みたいなやつ。結構ありふれているようで、実はど直球となると貴重だ。うどんが食べたいはずなのに皿うどんが出てきたくらいの外し方>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.5

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このモチーフにして、作品は観客を英雄譚のレールに乗せようとする。すなわち「当然優秀だと了解されるキャラクタが非凡さを発揮することで回転する物語」だ。だから彼にある種の痛快さを覚える。それと現実の知識と>>続きを読む

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム(2007年製作の映画)

4.5

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マサラ上映なるものに初参戦しました。インド映画のダンスシーンや多用されるボケは、客側が体を動かし声を上げることで完成するのかもしれない。たしかに、このオームシャンティオームは踊るしかない。

物語はお
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スパイ・レジェンド(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この幕引きはアリ。犯人は誰かを曖昧にしつつ、その曖昧はそこまでのストーリーによって客の承認を得ている。上品で爽快なラスト。

さて、ピアース・ブロスナンがカッコよければなんでもいい、というくらいにチョ
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ブライト(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

いろいろあったはずなのだけれど、そんなになにかがあった気がしない。そんな映画。主人公、インファーニ、魔法捜査官、市警、人間のギャング、オークのギャング…加えれば主人公3人の中でも方向性が違うし、これほ>>続きを読む