高円寺ぱかさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

高円寺ぱか

高円寺ぱか

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キラー・エリート(2011年製作の映画)

3.0

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びりっけつの子より中途半端に悪い子の方が印象に残らない、そんな映画でした。

この主人公がジェイソン・ステイサムである必要があったのかどうか疑問だ。アクションに新味もなく、まんまとSASに捕捉される辺
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.5

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舐めてました。冒頭から完敗です。

お笑いを見れば「笑わないぞ!」、お涙頂戴を見れば「泣かないぞ!」、恋愛ものは「ときめかないぞ!」と無意識に盾を構えてしまうのが人間というめんどくさい生き物。本作はそ
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.5

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前作は端的だった。本作はテーマが広くなり、その分、端的さが失われたように感じた。あの端的さが好ましかった自分には残念だった。

ジョシが言及する「確かなもの」が本作のテーマだろうか。Kはアイデンティテ
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マダム・イン・ニューヨーク(2012年製作の映画)

4.0

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まあ、もう、ほんと、どストレート。でもお客が求めるのは「同じだけどちょっと違うもの」であって、このテーマは常に普遍的に人気がある。そして王道で直球だからといって簡単では決してないのだ。

シーンの配列
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ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-(2010年製作の映画)

1.5

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つまらなかった。いいカットも見られたが、セリフはすべて陳腐。最も悪いのがストーリーライン。

個人的なことをいえば、物語のエンジンを愚者の愚かさに恃む型の物語は嫌いだ。ビリーと妹がこれに当たる。とりわ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.7

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音楽がかっこいい。OPは正直惚れた。人選びそうだけど、全然受けてるなあ。



男。サーカス。<ザ・グレイテスト・ショー>貧しい少年バーナムは令嬢チャリティと恋をし、長じて駆け落ち同然で結婚。娘2人
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.5

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どこで読んだか忘れたが、神話ってみんな好き、だそうだ。古今東西、神話は無茶苦茶で、トンデモ展開の見本市だけれど、今日まで愛されてきている。これに連なる映画が本作。バーフバリは神話だ。

血筋の納得感っ
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.8

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青春はバカと親しい。青春ものはバカげ方を大いに問われる。そのクオリティが生命線だ。本作はセリフの細部に到るまで基準を余裕で満たしている。まずは大前提だけれど、ここが素晴らしい。

しかし本作の作話はバ
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リンカーン弁護士(2011年製作の映画)

4.2

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ミック・ハラーの職業観念が良い。フィクションにおいて弁護士は大抵嫌われている。犯罪者の味方だからだ。この作品でも多くの人間がそれを口にする。罪ある異常者を野に放つ愚行だと責める。ミック・ハラーは言い返>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.5

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キャリー・マリガンがクソ可愛い。

嗜好は合わないが、指向がビシッと決まっている物語はそれだけで気持ちいいものだ。静かな抑揚のなかで、暴力はあくまで暴力にするセンスは嫌いじゃない。嗜好が合わないのは、
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.5

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この映画が100分なのは奇跡。いつもの無駄話も十分に楽しめて満足(ビッグマックはフランス語で?的な)なのに、話のスジは実に整理されていて無駄がない。群像劇として極めて正しいことに各人の感情が把握しやす>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.3

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とにかく端的な台詞はカッコイイ。隅から隅まで台詞回しが光っていて、どいつもこいつもききのがせなくて疲れてしまうほどだ。

どうやっているんだろう、と不思議になるくらい映像が古くない。ブラウン管などはむ
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.8

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この街は汚くて自分は正しくありたい、そんな小さな棘のような些細な潔癖をじっくりと孤独が育み、やがて狂気へと変貌する様が詩的に描かれていく。ベトナムからの帰還と不眠症が大元にあるとはいえ、トラビスに起き>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

3.5

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マイケルの変容が圧倒的だった。アポロニアを喪った直後の登場で、もう子供をもうけるためにケイに声をかけている。インテリな甘いマスクが冷酷に見える。この按配はとても良い。カルロを問い詰めるときの顔半分が闇>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

3.6

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コリン・ファースの演技は言うまでもなく素晴らしいが、月並みながら、ジムの死の報に触れたシーンの表情は鬼気迫るものがあった。

こうした物語に対する語彙の少なさに我ながら情けなくなるが、ごくごく直感的で
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.8

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フィクションに頻繁にあらわれる"プロ"。彼らが物語の中で魅力を発揮するにはいくつも厳しい要件があるが、その最たるものの1つが"わかっている感"だろう。

まずは常識の埒外ではたらく彼らに共通理解を設定
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西部悪人伝(1970年製作の映画)

3.3

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サバタとバンジョーの関係はわりと素敵だったので、最後の最後でバンジョーを金の亡者のように落として描くことなかったのになあ…という残念な気持ち。




ドハティ。軍の資金10万ドルが預けられた金庫が
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フェティッシュ(1996年製作の映画)

3.6

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もともと30分だったこともあるのか、前半はどうしてもセットアップの色合いが強く感じられてしまい、どうにも退屈だ。そのかわり、夜の現場検証の下りからこの作品のやりたいことが一気に噴出する。ここからは実に>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.8

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数年ぶりに見た。

改めて見ると音楽が半端なくキマっている。中身は軽佻浮薄が身上のコメディながら、そこは間違いなく格好いい。

笑いどころがバッチリ笑えるのは言わずもがな素晴らしい。

ベンクマンとデ
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ホイールマン -逃亡者-(2017年製作の映画)

3.4

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密室会話劇。車の中からカメラを外さずに(一部例外あり)、主人公逃し屋とケータイ電話だけで1:28持たせたのはなかなかにすごいと思う。丁寧な音響も心地よい。



工場から車が運び出される。

逃し屋
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.5

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あまりにも最高だった。

えてして物語に隙がないことと、面白いかどうかは関係がない。本作も隙を探そうと思えばいくらでも見つけられるに違いない(他のエピソードに比べたら少ないかもしれないが)。けれどそれ
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オトトキ(2017年製作の映画)

4.5

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こういうの見慣れていないせいかもしれないのですが、非常に良かったです。十余年越しの復活のアリーナツアーという激動の中で、逆に劇的なことを言おうとしないスタンスには好感が持てます(最後の吉井へのインタビ>>続きを読む

キス&キル(2010年製作の映画)

3.3

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キャサリン・ハイグルとキャサリン・オハラの名演が光る。キャサリン・ハイグルのどこかズレたキュートさは完璧で、とりわけシメの誤魔化し笑いは一級品。キャサリン・オハラの存在感は抜群で、延々と酒を飲み続け、>>続きを読む

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)

3.5

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原作挫折クソザコ派です。だって全然わからないから…。けれど映像化されると流石にわかります。いろいろと設定は複雑だけど、そういう点への配慮としてこの映画は間違ってないと思う。

これぐらい素敵なハードS
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.1

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実に効果的な映画だと思う。

まずはルック。冒頭の依頼のシーンから既にカッコイイ。アップ、端的なセリフ、サングラスを使ったアングル。とにかくルックが決まっている。そのあとのジョーンズ戦は実に傑出。派手
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インサイド・マン(2006年製作の映画)

3.7

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人質の中にいる犯人が誰だかわかるシーンがあまりにもサラッとしていて、見直してやっとわかるレベル。取調のシーンが挟まるので人質の中の犯人当てが重要なのかと思ってしまったのだけれど、ここはおまけみたいなも>>続きを読む

ウォンテッド(2008年製作の映画)

3.7

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銃弾曲げの扱いがとても上手い。この技術の会得がフラタニティの資格として機能するため、前半では目を惹く要素として、中盤ではウェスリーの禊として、終盤ではフォックスの決意のシーンで有効に使われる。ATMや>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.3

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ギルの原稿とイアゾとの関係が、これはこれでいいような気がしつつ、消化不良のような気もしつつ



パリの街角。雨が降り、夜になり、朝が来る。

小説家への転身を夢見るハリウッドの脚本家ギルは婚約者の
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探偵はBARにいる(2011年製作の映画)

3.5

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松田龍平が良い。とぼけた調子は崩さず、確かな友情と感情を露わにする。

大泉洋のやや大袈裟な演技がひっかかるところはあれど、小樽から札幌に向かう特急でスピードを上げてくれと叫ぶシーンはなかなかグッとき
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

3.2

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橋本愛の手つきが明らかに成長している。前作のはじめのトングを持つ手つきなどはたどたどしかった。既に生活力のあるいち子像とはズレてしまうが、そこも許せてしまうのが本作の不思議なところだ。

橋本愛も良い
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リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

第一に、音だ。宮内悠里の劇伴、丁寧な生活音、橋本愛の声。まずはこれだけで十分。

そして、絵。四季折々の田園風景をあくまでクリーンに、美しく切り取った絵作り。橋本愛のしゃれた空気感が画面にすっぽり収ま
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