sotaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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友だちの恋人(1987年製作の映画)

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彼らが夢みる幻想も、彼ら自身も、輪郭が段々とぼけて風景に溶けていく。その抒情的な画や色彩のグラデーションに心奪われる。とくに湖でのシーン、ブランシュの繊細な心情を表すかのように揺らめく水面のさざなみが>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

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『海辺のポーリーヌ』とは対照的にドライで、ラストの朝陽が差すシーンなんかも暖かさがなくすごく寂しい。この映画もまた美術や色使い、光のニュアンスに心打たれたけど、寝室に飾られたマティスの絵がそうであった>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

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ポーリーヌもロケーションも最高〜!語りえない愛を語ってはそんなのなかったかのように矛盾していく行動。どこか浮ついた会話劇も、だんだんズレていく関係性も、酸いも甘いも一夏のアバンチュールであって、別にそ>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

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はたから見たら、まじでどうでもいいなって思う恋愛劇なんだけど、どこまでも身勝手でめんどくさく、その素直さがゆえの愚かさをそばでそっと肯定してくれるようなカメラがすごくいいな。だから最初は苛立たしい登場>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

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シーン毎のカフェや公園とか街の風景、すれ違う人々どれもすごくいいな。

このパリという都市で生きていくにフランソワはちょっと真面目すぎる。

あと男女の恋愛を描くメロドラマであり、かつ主人公の「疑惑」
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秋日和(1960年製作の映画)

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いい歳してどうしようもない初老の男たちに対し、躊躇なく問い詰める岡田茉莉子の姿がほんとに最高。あと、終幕間近の原節子が1人アパートで娘の旅立ちに物思いをふけるシーン、いつもついていたはずの廊下のライト>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

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小津のカラー作品での魅力のひとつは、やっぱり画面構成における色遣いや小道具、美術のもはや執着に近いこだわりだなと。内容的にはすごくコメディ調で、とくに京都人の母娘の軽快なトークは小気味好く最高に笑える>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

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電車が旅立ちと死という別れのイメージとして振る舞い、また東京を去る山田五十鈴が乗る電車の窓には結露が溜まり、他方で有馬稲子に襲う無惨な事故のシーンには寒く冷たい風が吹くという対比とこの温度感の操作に驚>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

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なんとも苦く教訓的な話。不貞はきっかけに過ぎず、すれ違いは些細なことの積み重ねだよなー。またそれを見事に演じる淡島千景の良さ!。あとは同じ電車にのること、会社に向かうこと、カヌーを漕ぐことの統率のとれ>>続きを読む

非常線の女(1933年製作の映画)

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小津ってノワールも撮ってるのか〜!
配置されたいくつもがこの先の物語を予告していく隠喩的な表現が贅沢。車のミラーに吸い込まれていく街並みのショットもよかったな。昼の地味なタイプライターから夜の情婦へと
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落第はしたけれど(1930年製作の映画)

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落第し落胆する斎藤達雄と卒業に喜ぶ背広姿の他の学生たちとの対比だが、その学生たちにもまた就職難が襲うという二重苦。全体的に楽天的な雰囲気で描かれているのだけれど、帰ってきたシャツや残された角砂糖の白さ>>続きを読む

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

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並ぶ巨大な煙突、敷き詰められた色とりどりの皿、電化製品、陽気な街にネオン、酒。とにかく映えすぎている画面と対照的に描かれる戦後社会の悲哀や寂しさが相まって、なんともいえない苦い気持ちになった。秋刀魚の>>続きを読む