颯空さんの映画レビュー・感想・評価

颯空

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かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

4.2

どこまでもピュアで、優しさに溢れた世界に、幸せと同時に悔しさが込み上げる。この映画のように、優しさだけが世界に溢れれば良いのに、戦争や組織での抗争などあらゆる場面で争いが蔓延る昨今だからこそ、こう感じ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

1あってのこれだったんだと、ついに本番が始まったドゥニ版DUNE、本当に素晴らしかった。
自分も惹き込まれていってしまうような、画の美しさは勿論これは言わずもがなだからあえて触れないけど、今作は物語に
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.8

凄まじい。とにかく凄まじい。
人間の底力を見せつけられたような、力強い作品だった。
物語にわかりやすく起伏がない分、とにかく一つ一つの画に印象的なものが多かった。オープニングの、施設で髪を剃られる少年
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

一瞬、「君の名前で僕を呼んで」の再来かと勘違いした自分を奈落の底へ突き落とすような大どんでん返しストーリー。

そういった類の筋は使い古されてはいるけど、ただのどんでん返しでは片付けられないほど、それ
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

4.2

80年代ゆえにテレビやその番組がキーとして扱われていたけど、知らずに内面を蝕まれ、行動を操作されるに等しい状況になってしまうという依存性や恐怖を描いていたという点において、現代ではそれがスマートフォン>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.5

母への深い愛と贖罪、焦りや不安、憤り。これら全てを内包したボーの心象風景にピントが合っては次々にぼやけていく。芋づる式のように連想されるものごとが具体性なく絡み合い、カオスという名の空虚を作り出した圧>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

ホラーがめっきりの苦手マンなもんでビクビクしながら観てた
自分が観てきたアリアスターの作品の中では正統なホラー色が強い作品だった(ホラー、スリラー系好きじゃなくてもアリアスターを観れるのは、そのいわ
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

以前再上映でミニシアターで観た時とは迫力が全く違った。冒頭のPsycho Killerの808のビートとデヴィッドバーンの弾くアコギのキレッキレなカッティング、めちゃくちゃ気持ちよかったな… Burn>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

詳しい説明もないまま、ある夏の父と娘のホームビデオが流される。時折現れるフラッシュや人に飲まれ溺れそうな人物の姿、ホームビデオには映らない、父の苦悩。全てが曖昧なまま、さながら記憶を遡るその時のように>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.6

異形の人情モノ。設定の大胆さやキャラクターの突飛なさに気を衒われるがベースはかなりシンプルでわかりやすかった。
全てがアイデア勝負というわけではなかったし良いカットはかなりあったけど複数鑑賞したいなと
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

ここ最近で観た映画では1番ってくらい素晴らしい作品だった
フェミニズムが作品の土台にあり、内容はかなり政治的だが、画や脚本、そしてキャラクター達ののコミカルでファンタジックな表現によってそれらを中和す
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ラスト サムライ(2003年製作の映画)

3.7

海外の人が描く日本の話はほんとに面白い着眼点があって興味深いけど、侍を描くうえで避けては通れない「武士道」を、切腹のシーンを描くことで散り際を大事にする美学や、その際に勇ましく散った者への敬意など上手>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.0

もうマジで大好き
初期ウェス作品は初めてだったんだけど、シュールな台詞回しの妙やキャラクター作りやその活かし方のうまさなどはもう出来上がってた。最近のウェス作品はかなりインテリジェンスでカルチャーへの
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.7

ホリデーだしほっこりするやつをと思い鑑賞オムニバス形式で描かれる登場人物たちの様々な恋愛模様、ピュアに楽しめるし成就する系の恋愛が多いが、中にはビターな話もあり(それも熟年夫婦の不倫)ちょっと胸がキュ>>続きを読む

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992年製作の映画)

3.9

ドラマでは明かされなかった、ローラ・パーマーが死に至った詳細な経緯が明らかになったけどもう、あまりにも残酷で…
今度は全国ネットのドラマじゃないからなのか過激でかなり画的に尖ったシーンがより多かった
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エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

3.9

自分の理解などとうに超えた作品で、体感としては、映像表現を浴びるという言い方が1番正しいかも。トリップする感覚の片鱗に触れたという感覚であった。そして歌舞伎町の描き方も凄く魅力的。ネオンで溢れる近未来>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.8

とんっでもない。凄い映画を観た。
ジャンル的にはサスペンス×カルト×ホラーといった体裁なのか、最初はSE7EN的なサイコサスペンスなのかと思ってたけど全くもって未体験な、日本の風土だからこそ成し遂げら
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[Focus](1996年製作の映画)

3.6

若き日の浅野忠信、そのナイスガイさを完璧に隠してしまうほどの憑依的なナード役のハマりにびっくり
予算ねえんだろうなーっていうチープな映像と突飛もないストーリー展開はB級って感じがして良かった、とはい
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スマイル(2022年製作の映画)

3.7

最悪や!!
Aphex TwinのRichard D. James Albumのジャケ写みたいな気味の悪い笑みに惹かれて見てみたらもうとことんバッドで、、
怪奇現象に囚われて人格がおかしくなっていく様
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.0

物凄く良い!既にあるセリフ、環境音などに繊細な注意を払いながらサウンドを調和させていくことはいわゆるポップソングの制作過程とは全く別物で勉強になるばかり
効果音や動物の鳴き声の制作は、前衛音楽的なエク
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ドライヴ(2011年製作の映画)

3.7

無口なライアン・ゴズリングもかっこいい
ストーリーはすごい王道でそこに面白さを見出せたかと言われたらまあ別にそうではないけど、色彩は良かったし、何よりカメラワークが群を抜いて良かったから、カメラマンの
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グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.7

ほぼ初のカンフー映画体験
閉鎖的な世界で物語の展開が繰り広げられてって話はわかりやすいし、単純にアツい話だった ミシェル・ヨーのカンフーの上手さに脱帽だし、そこから今年のエヴエヴに個人的に繋がってすご
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

どうしても他のフィンチャー作品がチラついてしまって、それに比べると大分個人的には肩透かしを喰らったような作品だった
単純にクライム系としては脳筋で楽しめるけど、それ以上はなかったな
スミスの楽曲が主人
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.2

相変わらず役者頼りではないもはや執念に近い画の魅せ方、脚本の捻り、最高。
今作もとことんウェス・アンダーソンの美学が追求された一作だった。 「アステロイド・シティ」という演劇だけを見せても面白いはずな
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.9

こちらもついに拝見。意外と呆気なかったっていうのが正直。だけど、徹底的に主人公の主観に置かれた作品の視点と、それによって強調される主人公のサイコな精神性からくる衝動に駆られる様は常に観ている側に緊張感>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.9

哲学!やっと観れて良かった まさに自分たちが普段虫とか小動物に行っているあらゆる行動を省みさせられるものだったなー、ただ最後は人間の知性をそれまで屈服しっぱなしだった種に対して身をもって認めさせるって>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.6

ホラーかと思いきや最後は怒涛のSF的展開で斜め上な意表をつかれた笑 設定をフル活用したカメラワークがめちゃ良かった 見入ってしまった
様々な解釈ができそうな最後だったけど、主人公目線でいくとハッピーエ
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

やっぱり脚本が素晴らしい
一つの流れで見たらとてもシンプルな内容だけど、要は見せ方だよなあと 予見できたこともできなかったことも巻き起こって終始画面に食いついてた あとやっぱ出てくるキャラ個人個人も超
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COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

3.7

世のアニメで1番クールなんじゃないかなほんとこのアニメは、古き良きロマンを上手いことアニメ世界に落とし込んだハードボイルドな世界はそのままに、映画的スケールとアニメより繊細な画力で、魅せられたな〜
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

まずとにかくびっくりしたのが、劇場内での圧倒的女性の多さ。男性の友達と観に行ったけど本当に浮いて感じるほど客層の女性比がとんでもなかった、プリクラかよと思ったわ

現実世界を男性性が支配する世界、バー
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.5

死ぬほど良い映画… ド天才の役ですらも持つ普遍的で基本的な悩み、それに苛まされる姿にシンパシーを抱いたし、それまで親からも受け取れなかった愛をああいう形で時間はかかったけど受け取れて、じわっとした
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

5.0

とんでもない作品を観た。日本にこんな作品があったなんて、というか、日本以外じゃ有り得なさそうな作品だった。言葉にするにはちょっと時間がかかりそう、それほど打ちのめされた

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

もしこれが遺作になってしまうのだとしたら、宮崎駿の作家人生はものづくりに携わる人間として本当にこれ以上ないほど理想的と言って他ならないと思う。素晴らしい作品だった。

宮崎駿100%みたいなのは友達か
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.7

ストーリーはわかりやすすぎるほどでそこの捻り的な問題で好み分かれそうやったけど普通に楽しく観れた
60年代当時の女性蔑視を同時に描いていたトーマシンマッケンジー演じる主人公が物語が進むにつれメンブレ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

振り返れば振り返るほど良いと思う作品だった。話の筋自体は極めて使い古された王道なものだけども、そこに現代社会的な捻り(SNS登場以降の監視社会、LGBTQエンパワメント以降の人々、主に若者の価値観)が>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

5.0

問答無用の満点だろこんなん、ストーリーは大雑把にまとめるとめちゃくちゃ単純なものだけど、異なるバースに生きる人物のキャラクターや設定などのかなり多角的な視点を融合させたり、とにかくアイデアの質と量でも>>続きを読む

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