荻昌弘の映画評論さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

荻昌弘の映画評論

荻昌弘の映画評論

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夢を召しませ(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

D級 (イヤハヤ流石にこれでは)
 客席はどう踏んでも九割以上異性ナンだ、テレたね。そいつがだナ、スタアが映り出すてえと途端に、キャアワアパチパチ、まさに『蛇の穴』よ。てもまあ聞きしにまさるスゴさだね
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乙女の性典(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

C級 (残念ながらこれが水準)
 性教育性教育と一つ覚えのお題目みたいに叫んでいるが、具体的には唯一回ひどく単純な性映画を劇中にインサアトするだけ、どうにも頼りない「性典」である。結局作者自身も未婚女
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妻も恋す(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

C級 (残念ながらこれが水準)
 例によって湿った古畳の上を歩くような薄気味悪い悲恋メロドラマ。ただ珍しくもすれ違い悲劇でなく、主人公二人が絶えず逢っている点珍重すべし。ヒロインが何の処置も執らずウジ
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遙かなり母の国(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

C級 (残念ながらこれが水準)
 場末のマアケットじみたセットの中でチンピラがツバ広の帽子を背負ってウロウロしてる発端が即ち南米。これには毒気を抜かれてややタジタジとさせられるが、話が母の国へ移ると餅
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女性対男性(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

B級 (見れば何か残ります)
 ♀が♂の上にあるでショ、この題名、よく見ていただきたいの。
 フム、「ケルメス・エロイク」かね。
 婦唱夫随のアイロニイをあたし達の生活の中で知的に描いてるの、文学的じ
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火山脈(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

B級 (見れば何か残ります)
 野口英世ハ貧シイ家ニ生レマシタガ、偉イ学者トナッテ国威ヲアメリカニトドロカマシタ。偉クナッテモ決シテ親ヲオロソカニハシマセンデシタ。ああさいですか。
 結構、たまには修
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春雪(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

B級 (見れば何か残ります)
 吉村監督にしては珍らしく華々しさのない写真だと、がっかりした方も多かろう。作者に代りその点いささか弁解を、などと言うと逆効果かもしれんが、正直、傑作でないことは確かなが
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栄光への道(1950年製作の映画)

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B級 (見れば何か残ります)
 「人生選手」に続いて菊島選手またもやヒット。かくて最近邦画で一番安心出来るのは「野球もの」ということに相成った。
 優れているのは、一人のプロ選手の家庭とグラウンドの生
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女の四季(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

A級 (これだけは是非)
 「貸間の情」の映画化である。住宅難という戦後的な現象をメスにしてさまざまの人間を解剖した冷静且つ戯画的なリポオト。映画はその人間像のいくつかを見事に形象化した。ここに、シチ
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ペン偽らず 暴力の街(1950年製作の映画)

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A級 (これだけは是非)
 「暴力の街」(日映演=山本薩夫)も、意欲の真剣さと活力が注目すべき結果を生んだ佳作。
『映画評論 7(5)』

また逢う日まで(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

A級 (これだけは是非)
 今月のトップは「また逢う日まで」(東宝=今井正)。これはズバ抜けて第一位だ。明らかにロマン・ロランの「ビエル・エ・リュス」を骨子としているが、翻案臭など全く感じられない程立
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母の調べ(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 シベリア帰りの佐田が、家族の温和しいのをいいことに訳の判らぬ駄々をコねまわります。まるで赤ん坊、但し色気のある赤ちゃんだけに女出入が絶えず、ついに人殺しまで事がコジれるという次第。それをまた何の批判>>続きを読む

一匹狼(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 相も変らぬ銀座裏の暴力。暴力はイカンという口の下からエイヤアと気合が掛るイサマシいお話で、ピストルと鉄拳が一通り存在を主張しない限り警察が鳴りを潜めているアナキズムも例の通りであります。
 植村謙二
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宵待草恋日記(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 「そうですか映画」というジャンルがあるとしましたら、これなど過不足なくその代表作として登録されましよう。少しでも“良識”などという厄介なるものをお持ちの方は、竹久夢二が美しいモデル少女と宵待草(もっ>>続きを読む

妻の部屋(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 一軒の家に住む二組の、それも仲々にしっかりした生活力のある夫婦を描いて、この作の目の着け所は決して子供っぽいものではありません。ここ辺りに邦画が成人の世界に踏込もうとする意欲の一端が見られるとすれば>>続きを読む

四つの自由(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 第二次欧州大戦の全般的戦況を極めて要領よく概観した記録映画として、今更のように全人類的大事件に対して映画が持つ機動力・総合的表現力を再認識させるのは誠に有意義なことと申さねばなりません。各ショットが>>続きを読む

女の流行(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 「花婿三段跳び」に引続き瑞穂監督が一心にギャグの製造と充実に力をこめて居られる点に何といっても好感がもてます。もっともそれが全部すぐれたものとは必ずしも言兼ねますが。
 第一に依然として間の延びが目
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魔の黄金(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 谷口監督は、圧力感を強く確かに打出すことの出来るで点、まさに邦画のホオプと思われて居りましたが、ここでは私達の期待を戸迷わせようとしています。残念であります。
 この作品がアメリカ映画「黄金」から直
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白雪先生と子供たち(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 清々しい情感を含んだ佳作であります。殺風景な世相の味気なさを無反省に誇張した形で復習している横暴無残な邦画の群れの中で、この作品は久振りに汚れのない心をきれいな気持で描いていることを思わせ、覚えずホ>>続きを読む

影を慕いて(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 イエ、幻燈じゃございませんの、これでも映画、ほら「あゝそれなのに」の懐しい古賀政男先生のメロディに乗って酔っぱらいが首を振って歩いて行くのが見えるでショ、筋とどういう関係もなさそうだけど。この話楽壇>>続きを読む

なやまし五人男(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 名だたる五人のヴォオドヴィリアン達は、しまりのない脚本と気の利かぬ演出の中で、テエマを与えられないイムプロヴィゼイションを無気力に奏なで、作者はその独奏者達の特技を見捨てて、常識的な倫理観では信じら>>続きを読む

母椿(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 夫たるべき男の社会的地位をはばかって愛する我子を男に渡し自らはドサ廻りに身をかくした女芸人の物語、時は昭和六年より流れ流れて十八年……とサスガ物覚えの良くない観客でもこれじゃあね。三條美紀がラストで>>続きを読む

花も嵐も(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ヒロインもヒイロオが一度どこかで逢えれば直ぐ片付く話が唯すれちがうばかりに須臾の間これほどまでにもつれこじれる所を見ると、そぞろ人間の運命の明日知れぬ恐ろしさに身の毛もよだつばかりナリ。
 所が大船
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東京カチンカ娘(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 作中人物が台辞で証明しない限りこれが銀座とは合点できぬ毎度の通りの銀座裏映画とござい。泡ばかりのビイルの如くアッケなきお話をこれだけゆっくり撮りながら雰囲気少しも出ぬとはこれいかに。あゝら不思議や野>>続きを読む

影法師 寛永坂の決闘(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 瓜二つの男二人というアイディアを料理しきれず、初めから底が割れすぎて曲のないこと呆れるばかりの話だから精々時代劇独得の情緒でも楽しみたい所だが、演出のまた尻の軽いこと!アクションドラマ的快速のつもり>>続きを読む

蛇姫道中(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 伊藤大輔調の字幕など使ってモノモノしき発端だから、これは!と思って膝を乗出すトタン、芸もない唯えんえんたる東海道の道行となり、?と考え直す間もなく屁のような結末がやって来る。顔見世が目的、話なぞどう>>続きを読む

私刑(リンチ)(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 最初の字幕で暴力否定を正面きって謳っているが、実はこれがないと何を言おうとしているのやらよく判らないというお写真。テキ屋の世界を中心として二十年にわたる出来事を描きながら、前後で劇の状況が真二つに割>>続きを読む

にっぽんGメン 第二話 難船崎の血闘(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 協力とか後援とかに名前を貸した海上保安庁とやらはいい面の皮で、全篇ひたすらギャング共の怒鳴り合い射ち合いに終始するばかり、景気のいいこと大したものだがやや殺伐すぎて、道学者ならずともこれに感激するで>>続きを読む

石中先生行状記(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 水準を越えたの飄逸なフモオルは宮田画伯の石中先生始め主要人物達に微笑しい人間味を与えることに成功したーーのは認めた上で、演出のまだるっこいクドさが短篇としての劇的なたかまりやまとまりを自ら押殺してい>>続きを読む

処女宝(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 女の宝はエゴイズム也とでも言いたげな脚本の中で人の好い上原謙がひとりぐにゃぐにゃと悩んで居ります。現実とはまさにこんなものかもしれませぬ。がスクリインに映されるとその頼りなさ空ぞらしさが今日の出来事>>続きを読む

歌うまぼろし御殿(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 「アリス・イン・ワンダア・ランド」のヴァリエエションとして、アイディア、プロットそして舞台面とも一応のまとまり。限定された枠を一杯に広げようとするお志は買えます。
 唯何とも困るのは隙間風の吹抜けそ
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エノケン・笠置のお染久松(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ギャグの盛上げや引締め方などまだラフで、笑わせるにもリズムが要るということにもう少し神経を細かく使ってくれたらと注文もつけたいが、丁稚の久松が寄ってたかって兄貴株からいじめられる筋道が納得できる笑い>>続きを読む

初恋問答(1950年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 丹念に突つき出すと至る所でオヤ?と首をかしげざるを得ないようなお話のデタラメさを韋駄天走りに押切ることで見事隠しおおせた喜劇、もっとも唯早いだけが身上で、リズムやスタイルをもたぬガタガタした感じが時>>続きを読む

夜の悪魔(1943年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 どうみてもジオドマアク作品とは思えぬぬるま湯につかっているような怪談で、これほど怖くなく怪奇映画を作ることもむつかしかろう。探偵劇的な分別くささがオカルティズムのヴェエルをひんむいてしまったのだが、>>続きを読む

熱血児(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 女にも喧嘩にも自信がありすぎるダグジュニアがひとりで得意になってアクロバットを演じているから、こちらは眠っていても安心。あまりいい気分で動きまわるのでこのサアのお道楽はいつも憎めないが、もうそろそろ>>続きを読む

ジャングルの王(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 タアザンものほどレディメエド化されていない点は好ましいが、われわれにはサブウに対するオリエンタル趣味がそれほど好奇心の対象とはなり得ないだけ、全体おっとりちんまりしたこのジャングル綺談の魅力はうすい>>続きを読む