荻昌弘の映画評論さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

荻昌弘の映画評論

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極楽ブギウギ(1943年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 このジルバ、一向にキックやパンチが利いていないこと毎度の通りながら、ともかくまんべんなく振りまかれたお笑いにのどかに嫌味なく乗せて行くのはやはり年の功、今どきの若いモンには真似できないか。二人でカ演>>続きを読む

拳銃往来(1948年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ボウエルがモソモソひとりで歩きまわっているうちに、事件は何とはなくふんぎりの悪い解決まで来てしまう。ウェスタンの中にデテクティヴ趣味や悪女を持込んだ所を見て貰いたいらしいが、独りよがりにゴチャゴチャ>>続きを読む

ホームラン狂時代(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 この火の通らないゴッタ煮みたいな喜劇は、近頃の逆上した野球熱に冷水をかけるつもりなのか、また更にあおり立てるつもりなのかよく判らぬ。判るのは、これが最近の他の多くの例と同様投げやりな態度でルウスな脚>>続きを読む

おどろき一家(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ファルスとも新派悲劇ともつかないこの一篇で、齋藤寅氏は存外神妙である。というより笑いの要素すべてをアチャコひとりにあずけて、あとは野となれとフィルムの回転に委ねきったと言う方が正確であろうか、入江た>>続きを読む

甲賀屋敷(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 吉川英治の「鳴門秘帖」の映画化と言われているが、タイトルに記載はない。子供の頃愛読したものだが、筋などむろん忘却の彼方に沈んで映画を見ても全然思出せぬーーのみかこれはひどく話の判りにくい映画で、一回>>続きを読む

獄門島(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 横溝正史原作の本格派探偵小説をまっとうに映画化した作品。
 瀬戸内海の封建的な獄門島で、名門の家族が探偵の目の前で次々と殺されて行く……というと「グリイン家の殺人」じみるが、悪い出来ではないにせよむ
>>続きを読む

人生選手(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 昨今の野球熱に当てこんだ際物と言つてしまえばそれまでだが、製作者の筈見氏が本誌昨年十二月号で宣言したように、これが例の二死満塁物におちこまず、野球=映画ファンに対して頂門の一針程度の役割を果すまでに>>続きを読む

女の顔(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 いろいろの面で多くの問題を考えさせ、それに値いする真面目な態度を作者が執っている点で注目すべき作品である。いわゆるアプレゲエルの典型とも言えるような青年が劇の導火線として登場し、彼をめぐる三人の女性>>続きを読む

凸凹ハリウッドの巻(1945年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 頼りない二人組がエイジェントになって撮影所で一もうけしようとする骨ぐみは悪くないが、スタジオ内部の描写は薄手で舞台裏覗きの興味は案外に満たされず、これでハリウッド見学をお手軽に済ませようと意気込んだ>>続きを読む

ターザン紐育へ行く(1942年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 古物だということが最大の強味という皮肉な作品で、メトロ調タアザンの本場物の味が特に前半横溢していて懐しい(42年製作) 。肝心の紐育ではタアザン君狭っくるしい活劇に閉じこめられて、珍のお株をチイタに>>続きを読む

王子と運ちゃん(1946年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 「カナリヤ娘」を連想させる民主主義礼讃が一応のテエマだが、それは刺身のツマだと思えば、このコメディ相応に楽しい。ロオドシリイズに対抗したというこのモオガン=カアスンチイムは、しょせんウオオナアのこと>>続きを読む

偽れる結婚(1948年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 ジェントルマンの典型とでも言いたげな誠実廉直な正義派医師の一代記を、山もなく谷もなく「一本調子」とはこのための言葉かと思われるような描き方で語るという、芸も曲もないこの作品こそ英国映画のある典型で、>>続きを読む

鐘の鳴る丘 第三篇 クロの巻(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 原放送劇は五百回を越して今なお放送をつづけているのだという。その事実さえ知らないぼくにはこの映画と原作の関係は全然見当もつかないが、また依然として浮浪児の幸福を願って努力されている原作者菊田氏及びこ>>続きを読む

母燈台(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 三益・三條の母シリイズは今や既に食傷の域を脱してノウトオリアスになったようだが、それに反比例して作品が器用にまとまって来たのは皮肉である。この作品の発端などテムポも早く、筋も「偶然」の最短距離を跳躍>>続きを読む

生さぬ仲(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 お客が“イカさぬ仲”と読むので宣伝子はくさったという。さもありなん。母よ母よと尋ね歩くプロット探しの御苦労は察するに余りあるが、ここまで来るといか程当節風のアド・リブでもさすがに壮絶の感を免れ難い。>>続きを読む

女殺し油地獄(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 御承知の如く近松門左衛門には「女殺油地獄」と題する世話狂言があるけれども、実をいえばこの映画がその原作から採ったものは題名と主人公達の名前だけだと言つていい。女などこの映画のどこでも殺されはしない。>>続きを読む

エノケン・笠置の極楽夫婦(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 引合いに出すのは失礼だが、この作品は例えば斎藤寅次郎や渡辺邦男が撮った場合の同種のオペレッタとは明らかに違っている。フレエムの中に収められた対象に向う神経が森一生さすがに細かいのである。但しこの作品>>続きを読む

花の素顔(1949年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 先ず要領のいゝテムポの快適さが実に嬉しい。絶えず小走りに走る人物、一瞬の凝滞もなくそれを追うキャメラの流動感、正にこれは他の言葉足らざるスロモオ映画への実証的挑戦である。平明・懇切且つスピイディな描>>続きを読む

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