子どもの頃から冤罪ほどおそろしいものはないと思ってきたので、監督が「最初は悪夢を語るというアイデアから始まった。もし⾃分の苦しさが誰からも理解されずに社会から取り残されてしまったら、どんな⼈⽣になるだ>>続きを読む
有村架純さんはミスキャストと思っていたが、どこか空っぽさを抱えた柔らかさは原作の主人公の核心をとらえているのかも。
やりがい搾取的な演出がフランス人俳優には通用せず、町田康の異質な存在感でまとめた、という印象。
これはスクリーンで観ないといけない。
映画館のスクリーンでないと映画として観られない。映画は芸術だ、と語っている。
子どもたちの家庭での様子は、学校での顔と違っていてはっとさせられる。ドキュメンタリーでありながら瞬間瞬間の人と自然のうつろいをドラマチックに撮る現場での構成力が凄まじい。
20年位前にVHSで観た時は撮影の眼差しの優しさにわしづかみにされたが、スクリーンで観て、年月のせいもあるかもだが、構成と編集の素晴らしさにあらためて感動した。この映画があるというだけで、良い。
タイムトラベルものをSF設定一切なくやろうとしているかのよう。ファンタジーを用いずにひたすら人間を見つめる胆力は、冗長さも含めて古典文学的。
主人公が男性ならよくある遍歴、成長ものだけど、女性が主人公であるだけでセンセーショナルになる現実。
色んな気持ち良さのある映画だった。
どうやって企画を通したのだろうと思うような、過剰さのない脚本と演出。芝居も音楽も。4対3の画面も。
音楽すばらしい。
海外の人からしたら日本のトイレは掃除が行き届いているので、公衆トイレに対するネガティブイメージは一切描かれていないのが、良くも悪くも、と思う。
事故や病気で働けなくなったらどうなるか>>続きを読む
テレビのチャンネルが変わったことに気づかず料理番組のつもりで鶏肉で体操する羽目になるブーに爆笑。
実際の裁判記録をそのままセリフにしている。フィクションの存在である主人公を通して、法廷での会話の文脈が埋められていく。作り手が自らの逃げを排した演出姿勢。
実際に起きたことで、しかも2010年ということに衝撃を受けている。
時代の空気感に潜む女性の気持ちをここまで汲み取れる監督は今でもあまりいないような。
理不尽で不条理な状況からユーモアを炙り出せてしまうのは知性というほかない
漫画の静謐さを再現できているのが本当にすごいことだと思う。タイトル通り、ふと映画のシーンが意識に浮かび上がってくる。音と色の演出も素晴らしい。
森達也は21年前にこの事件を知りTV番組の企画をどの局からも断られたが、本のエッセイに事件のことを書いた。それに衝撃を受けた歌手が歌を作り、その歌を聴いた荒井晴彦と井上淳一が映画を企画し…、さらに元を>>続きを読む
陽キャと陰キャというカテゴリでいうならおそらく陰キャな人はかなり楽しめる映画。空気読めないけど何か感じ取ってしまった瞬間がこれほど珠玉な映画になるとは!!
下北沢に思い入れがある訳では全くないのに、懐>>続きを読む
20年前に観たときの印象とがらりと変わった。
監督の記憶をそのまま焼き付けたような鮮やかさが印象的だったが、むしろ長年寄り添ってきた鬱屈のはじまりを、史料を扱うように丹念に記憶から取り出して再現したよ>>続きを読む
冒頭のアニメーションはこれまでの宮崎駿作品とは一線を画す刹那的な表現に魅せられた。
アニメーションは素晴らしいから、脚本の問題と思う。高畑さんは最近の宮崎さん作品には関わっていなかったのだろうけど、>>続きを読む
ランズベルギス氏のユーモアと、そのあらましを伝える映像の緊迫度とのギャップが映画をとても味わい深いものにしている。
編集はもちろん、音が素晴らしくて、群衆や雑踏としてひとくくりにされてきた一人一人の>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
原題 return to dust
中国が著しい経済成長を遂げる前の時代の話かと思いきや、2011年以降が舞台。
この映画が中国の若い世代を中心に大ヒットしたというのは、なんだか嬉しい。
心通わせた>>続きを読む
グルジアの古都クタイシを撮りたかったのだろうな。こんなにも無防備にカメラに写ってくれる街の人々!
ペレストロイカ前に検閲をくぐりぬけて制作できたことがまずすごい。完成後は発禁処分に。しかも破棄される恐れがあり、監督がコピーをとったビデオが、人から人へコピーされ広まったという。ペレストロイカ後に公開>>続きを読む
まともな人は狂人扱いされている。
革命前の因習根深い村の悲劇を描きつつも、どこか牧歌的な営みへの愛も感じられて、切ない。