大道幸之丞さんの映画レビュー・感想・評価

大道幸之丞

大道幸之丞

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ひまわり(1970年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

男女の間に「戦争」が横たわり関係が引き割かれるストーリー。

ただし我々にとって「戦争」はあまりにも想像が及ばない。
だから例えば長距離恋愛をしているなかで、相手が現地で窮地に陥りそこへ手助けをしてく
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DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

オウムをヒントにしたというカルト教団「真理の箱舟」が起こした殺人事件から3年経った状況。遺族達をドキュメンタリータッチで追うことで、鑑賞者に問う形をとっている。

主な場面は上九一色村と精進湖を参考に
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

2.5

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是枝監督は実験的な作品も好むようで、「ドキュメンタリータッチ」といえば褒め言葉になってしまうが、本作も真面目な人が慣れない冗談を言う場面のように硬い空気の作品になってしまっている。本当はどうしたかった>>続きを読む

英雄都市(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

「暴力都市のスタッフが再結集!」というのが宣伝文句。

巨大ヤクザ八龍会のボス、セチュル(キムレウォン)が正義感の強い女弁護士ソヒョン(ウォン・ジナ)にビンタをされたのを機にヤクザから足を洗う決心をす
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幻の光(1995年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

是枝裕和初監督作品。評価が難しい。

もし叶うなら主人公を代えてモノローグ基調で撮り直して欲しい。その理由は後述する。

——初監督にして、宮本輝作品を選ぶとは是枝氏の映画に対しての高い志と姿勢がうか
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ナバロンの要塞(1961年製作の映画)

3.5

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孤立したイギリス兵2000人を救助するためにナバロン島の難攻不落の砲台を破壊せよ!というストーリー。

時は1943年。連合国軍の時代。

ただし作戦を託された召喚兵達だが、成功の可能性はゼロに等しい
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犯罪都市(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「守護天使」でマ・ドンソクが気になり鑑賞。これは面白い。
ギャング/ヤクザ映画は銃を出してしまうと実はあまり迫力もないしエンターテイメント性からいうと個性も出ない。北野監督作品はまさにそれを悪い意味で
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デモリションマン(1993年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

気にはなっていてやっと鑑賞、30年前の映画だが面白かった。

制作のタイミングが1992年と Windows95もまだ登場しておらず、商用インターネットサービスも出始めたばかりというタイミングでもあり
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教誨師(2018年製作の映画)

3.0

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教誨師とは主に僧侶や牧師、神父がボランティアで死刑囚がいる拘置所で、定期的に信仰を説きながら、罪の反省を促したり、死刑を前に心の安定や、縋りつきたい心情に寄り添う存在で、死刑執行の場に立ち会う事もある>>続きを読む

ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年製作の映画)

4.0

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私はT4の続編を期待していたが、毎度の事で制作会社が変わりT1のリブート作品として制作された。

まずT1はそもそも「低予算映画」であり、キャスティングもそれに沿ったものとなり、シュワルツネッガーも当
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獄門島(1977年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

横溝正史ミステリーの角川作品としては地味な出来だ。

「獄門島」は元は「北門島」と呼ばれ、そのうちに「流刑地」となったさいに「獄門島」になまったとされる。

「本家と分家の骨肉を争う戦い」といえば格好
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シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

4.2

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フレーズをつけるとすると「それは“恋”だった」という感じか。

以前から知人に勧められており、やっと鑑賞。DVDを購入。

これは斬新な傑作だと思う。余計なデティールを削いだ恋愛映画の革命とも言える。
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ターミネーター4(2009年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

原題は「Terminator Salvation」でSalvationは「救い」の意味

私にとってはシリーズ最高傑作と評価したい。脚本がいい。

版権を買い取ったこれまでの3作とは違う制作会社。
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ターミネーター3(2003年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

第3作であり、そろそろストーリー展開が辛くなってきており、力点が「次はどんなターミネーターを出そうか?」に移ってきてしまって感じる。

次は老人型か子供型か。

そんな今回は女性形ターミネーターT-X
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

いつのまにか続編が出ているので、この際2から観直すことに。

今回の2ではターミネーターT-800がコナー親子を護るために未来からやってくる。コナー親子を消すために送られて来たのはリキッドメタルタイプ
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人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

簡単に言えば「アルゼンチン版“ブラック・ミラー”」
しかしブラック・ミラーほど洗練されていないし切れ味も良くない。ブラック風味の短編が6編のアソート構成

・おかえし
・おもてなし
・パンク
・ヒーロ
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裸のランチ(1991年製作の映画)

3.2

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ウィリアム・バロウズの同名の原作があるにはあるが、その原作もしっかりとした物語ではない。

キーワードとしてドラッグや倒錯した性愛、人間の恐怖の象徴としての害虫、昆虫類、化け物的存在が不条理とともに散
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インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

『インデペンデンス・デイ』から20年後の物語。filmerksで検索しても分かる通り『インデペンデンス・デイ』にあやかった別モノ映画が夥しく登場したがやっと本当の「続編」が本作。

当然前作の主要登場
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

英国で「ミステリーの女王」と呼ばれたアガサ・クリスティの原作。
名私立探偵のエルキュール・ポアロが登場するシリーズ。横溝正史の金田一耕助を連想するが、モデルは別にいるそうだ。

1883-2009年ま
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

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アメリカらしい「家族」を前面に出した作品。ただし設定は皆メキシコ人。

流れを観ていると最初の段階で「ははあ、ミゲルの曾祖父さんはエルネスト・デラクルスなのだな」と思ってしまうのだが、それはミスリード
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ハリウッド映画が無声映画からトーキーに切り替わった当時の様子を無声映画の大スタードン・ロックウッド(ジーン・ケリー)とリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)の視点から描いたコメディ・ミュージカル映画。>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これまたどえらい作品でした。ただし予算も惜しまず最新のSFデティールを見せつけてくれたという意味合いで。

未来の世界では「西側諸国」ではAIが禁止となっている。理由は発達したAI(この映画ではやたら
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バビロン(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これは傑作です。タイトルの「バビロン」はバビロニア帝国の首都というより「栄枯盛衰」と捉えるのがいいでしょう。戦争を挟んだ1920年代から1950年代の映画界を描いた物語です。

アメリカの無声映画時代
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.6

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謳い文句は「インディ・ジョーンズ最後の挑戦」とあり、スピルバーグは監督をジェームズ・マンゴールドへ譲り自身はプロデューサーに回る。

物語はナチス兵が溜まるどこかの洞窟。そこへナチスの将校服を来て頭か
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スティーヴン・スピルバーグの自伝的作品。それだけに構成は練られているものの、メッセージ性に乏しく感じられ、事実の羅列のような作品に思えなくもない。

母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)と父の親友ベニ
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あしたの私のつくり方(2007年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この手の映画が困るのは「これが2007年当時の中高生の感覚なのか?」と考えるとそうでもなくて、まず原作者真戸香は書いた時点で30才であり、監督の市川準は撮った翌年に59才で他界している。

この二人の
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大脱走(1963年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

原題の『The Great Escape』のほうが格好いいですね。名作中の名作です。

実はもう過去2回観ています。私はメモのように過去鑑賞作品でレビューは書きません。レビューを書くなら再度しっかり観
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きみがくれた未来(2010年製作の映画)

3.6

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以前観た『オッドトーマス』と似た構造がある。

それは主人公が霊を見る事が出来るというもので、キリスト教では本来「霊」の存在を認めていないので「シックスセンス」や「ヒアアフター」のように定義をむしろ映
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大統領の陰謀(1976年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

これは1974年に当時のニクソン大統領辞任のきっかけになった1972年ウォータゲートビル侵入をきっかけに発覚した、スキャンダルを追う実話を元にワシントンポストの2人の活躍を描くドラマだ。

既視感があ
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本陣殺人事件(1975年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

角川映画のシリーズに入る前の横溝正史原作の映画化作品。「金田一耕助シリーズ」の第1作

旧本陣の末裔一柳家の屋敷で密室殺人が起こる。一柳家の長男。当主であり将来を嘱望されている学者一柳賢蔵(田村高廣)
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悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

横溝正史と角川書店が(1976年〜1981年)に「メディアミックス戦略」として文庫と併せて映画を制作するアクションは当時大変話題になり文庫本と映画は大ヒットした。

その中でも横溝正史作品の映画化は1
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あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜(1999年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

新「尾道三部作」の三作目。つまり大林監督の「尾道シリーズ」完結編。

冒頭に「20世紀を生きたおじいちゃんと、21世紀を生きるこどもたちにこの映画を贈る」とあるが、大正生まれのおじいちゃんと孫の物語で
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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

同じ監督の「魔王」の理解を深める目的で鑑賞。

本作はともかくオスカル役のダーヴィット・ベネントの存在感とキャスティングが成功の鍵だと言える。

長い間カテゴリは「フリークス」に含められているカルト作
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魔王(1996年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ監督による作品。

よくこの映画を語る場合に主人公のアベルに対して「少年の心を持ったまま大人になった」と表現しているケースが多いが私の感想ではそうではありま
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LOOP/ループ -時に囚われた男-(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

私が知らなかっただけですが「タイムトラベルモノ」からドロップアウトしたように「ループもの」という一大ジャンルが形成されていました。

本作はハンガリー映画ですが、あの不及の名作『決死圏SOS宇宙船』の
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さらば愛しき人よ(1987年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

郷ひろみの事務所バーニング周防氏が30代入っていつまでも「アイドル」一本では無理になり「大人の俳優」としての途を開いてあげたような「我が子可愛さ全開」的作品。

ネタバレ前提なので言ってしまえばタイト
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