大道幸之丞さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

大道幸之丞

大道幸之丞

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ゼロの未来(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「12モンキーズ」以来のギリアム作品です。これはさりげない傑作だと思います。

原題は「The Zero Theorem(ゼロの定理)」です。これでは誰も観なそうですよね。

未来の管理社会のお話です
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.0

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プロを目指すピアニスト4人の切磋琢磨の青春群像劇。

簡単に言えば「ライバル」のハズが、お互いに自己を向上させる為に必要な存在となっている。まずキャスティングが良い。

4人が皆主人公と言ってもよいよ
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レプリカズ(2018年製作の映画)

3.0

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1995年の出演作「JM」を思い出してしまう作品だ。

神経科学者のウィリアム・フォスターをキアヌ・リーブスが演じる。
死後間もないドナーから「意識」を抽出しロボットへ移植出来ないかをトライしているが
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

キアヌ・リーブスのアクションモノを観たくなって選択。

本作はロシアマフィアとかつてそこに属していた「伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)」が家族のトラブルが元で復讐のために引退していたは
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愚行録(2017年製作の映画)

3.0

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「ある男」を観たのでこれを機会に石川慶監督の作品を遡って観ている。

本作は脚本の構成にミスをしたのか、冒頭から田中武志と、なにやら仔細はわからぬも「ワケアリ」な扱いをされている田中光子を追うところで
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ある男(2022年製作の映画)

4.5

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第46回 日本アカデミー賞最優秀作品賞作品。原作は平野啓一郎。よい作品といえる。

※これを読んでいる方々はすでにこの映画を視聴済みと判断し、概要は省きます。

まず谷口大祐/ある男X役の窪田正孝はい
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コーラスライン(1985年製作の映画)

3.5

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「マジック」つながりで監督リチャード・アッテンボロー作品の過去最大級のヒット作を視聴。もともとは人気ミュージカルを映画化したもので1985年公開。

場面はほぼステージのみ。総勢400名程度の志願者の
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わが青春のマリアンヌ(1955年製作の映画)

4.0

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多くのミュージシャンに影響を与えるミュージシャンを「ミュージシャンズ・ミュージシャン」と呼ぶが、本作はそんな位置づけに近い。

正直に言えば本作は今の感覚で評するならば実に不親切で「未完成」とも呼べる
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SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

3.0

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本作は誤解を恐れずに言えば2021年今泉力哉監督作品「あの頃」の女性版である。サブタイトルをつけるとしたら〜私のSWEET 19 BLUES〜だろうか。

ちなみに本作は2011年の韓国映画『サニー
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マジック(1978年製作の映画)

3.5

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1978年アンソニー・ホプキンス41才時の作品。おそらく1991年「羊たちの沈黙」から一連の「レクターブーム」に便乗した発掘作品なのかもしれない。

カードマジックを師匠マーリンから教わったマジシャン
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.0

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「どうか期待を壊さないで欲しい」とビクビクしながら観た(笑)

今や「窓辺にて」から私の今泉評は微妙化する一方だ。褒められる点はこの監督、ケンカはあっても絶対に暴力シーンが出てこないところ。

「こっ
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十九歳の地図(1979年製作の映画)

3.6

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映画化された「軽蔑」同様、中上健次原作の1979年の公開作品。

ちなみに舞台の「東京都北区王子」は今でもこの映画のような朽ちた一角が残る。訪れてみるといい。

——19歳の吉岡が主人公。恐らくは新聞
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.5

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1928年の長編小説の2度めの映画化。近年の戦争映画は「プライベート・ライアン」「ダンケルク」もそうだが、戦争に関わった個人に焦点をあて、その視点から描く構成が多い。

本作も学生パウル個人をフィーチ
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ミスト(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スティーブンキングの原作ありきなので、構成もいい。
ある日濃霧が街を包むがその霧に乗じて化け物が人を攫い出す。

——その正体は「我々の住む世界は異次元空間に取り囲まれているが、軍の科学者達がその“境
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天才ヴァイオリニストと消えた旋律(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず「ラーゲリより愛を込めて」を今後視聴予定リストに入れている方は見ない方が良いかもしれない。核心部分が全く同じだ。

原題は“The Song of Names”つまり「名前の歌」これはズバリこの作
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.0

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ソフィア・コッポラの初監督作品と聞いて「自分の手に負える映画だろうか」とやや身構えた。

バンド名に採用されてしまいそうなタイトルだ。

脚本も彼女とエンドロールにあったが、原作はあって『ヘビトンボの
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.5

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これは和製「羊たちの沈黙」か。レクター役が阿部サダヲ。

原作者も「ハンニバル」の世界観が下敷きにあったように思えてしまう。

24人の高校生を嬲り殺しにした連続猟奇殺人犯榛村大和(阿部サダヲ)から「
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラース・フォン・トリアーの「メランコリア」とアウトラインは似ている。
一応カテゴリは「ブラック・コメディ」しかし予算も潤沢で特撮も贅を尽くしている。

ミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)と助手で
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めし(1951年製作の映画)

4.5

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成瀬巳喜男の最初の出世作。普遍的な「結婚と幸せ」というテーマを描く。主演の原節子は東宝専属第1回出演作。

周囲からはうらやまれるような夫婦岡本初之輔(上原謙)と三千代(原節子)は転勤で大阪にくらして
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クインシーのすべて(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「マイケル・ジャクソンを世に出した人」というのが一番わかり易い紹介。

ジャズ界(ビバップ)からスタートしポップスや映画音楽までカテゴリを分けない活躍を15才からスタートしたクインシー。最初はピアノと
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分にとって初成瀬巳喜男作品。圭子役高峰秀子の魅力で引っ張る作品。

ストーリーは喫茶店のレジ打ちをしていた若い未亡人圭子を後にマネージャーとなる小松 (仲代達矢)にスカウトされて銀座のバーで人気ホス
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ザ・リング(2002年製作の映画)

3.0

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気になってはいたがサブスクで観られるならと鑑賞。つくづくオリジナルは 1998年だったんだなあと振り返る。スマホはおろかまだインターネットも一般普及とまで行かない時代だった。TVもまだブラウン管だ。>>続きを読む

ザ・ライト -エクソシストの真実-(2011年製作の映画)

3.5

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冒頭で「これは事実に基づいています」と断りのテロップがでる。

この映画の特異性は主人公のマイケル・コヴァック(コリン・オドナヒュー)が神も悪魔祓いも信じていないところ。

なのに神学校の教授陣が異端
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秋日和(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

現代日本ではすっぽり失ってしまった価値観と社会背景。

あいかわらす小津安二郎のカメラワークは「映画を決して誤解させないように」とばかりに、名人芸のカット割りがもはや芸術。鑑賞者はすっかり「囚われの身
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「シリーズ完結編」を謳う作品。初代「ジュラシック・パーク」から実に30年経過し本作品を追うだけでCGの進歩の歴史を追える。

世界中に恐竜が散ってしまい人類は嫌でも彼らとの共存を強いられている。

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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「ハンニバル」を挟んで本作は原点回帰。レクターに心酔する類似犯を追うために、FBIを退任したグレアム(エドワード・ノートン)が呼び戻され、投獄中のレクター(アンソニー・ホプキンス)に推論をたててもらう>>続きを読む

ハンニバル(2001年製作の映画)

4.4

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これはある種の「サイコ・スリラー」ではある。

それはすべて「レクター」の構成要因が完璧が故だろう。

・人体を知り尽くしているが故の趣味性が強い独特な攻撃・凶暴性
・世の美しいものを愛し、それが可能
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

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結論から言うと楽しめました。

タイトルの「貴族」は今回榛原家と青木家の両良家の結婚が話しの軸になっているから。

ところで榛原華子(門脇麦)を監督の岨手由貴子は冒頭から決して美しく撮らない。「アラ探
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

本作は「駄作」と言わざるを得ない。

そろそろ仕事を選んだ方がいいと思う。

それは「こっぴどい猫」の時に目をつぶった違和感がそのままこの作品で繰り返されているから。

「こっぴどい猫」での高田(モト
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電柱小僧の冒険(1995年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

塚本晋也事実上のデビュー作。1988年、28才の塚本晋也が8ミリフィルムで撮影した作品。名作『鉄男』とは商業デビュー作品という関係。

『鉄男』は翌年に撮影開始しているので、撮影手法に類似性と既視感が
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

何気ない日常を描くドラマに出るオダギリジョーの姿が好きです。

佐藤泰志作品の映画化をライフワークにする函館のミニシアター「シネマアイリス」支配人の菅原和博が『きみの鳥はうたえる』『草の響き』同様に企
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S.W.A.T. 闇の標的(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

SWAT好きにはいいかも。

ウォルター・ハッチ(ロバート・パトリック)に逆恨みされたポール・カトラー(ガブリエル・マクト)が命を狙われる。救助のプロであるSWATも逆に標的にされると弱い面もある。
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マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これは面白かった。視点がいかにも現代的で良い。

企業に雇われ、代わりに解雇宣告を実行する仕事のライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は多忙で連日国内を出張で飛行機で飛び回っている。仕事というより
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ワーニング その映画を観るな(2019年製作の映画)

3.0

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ぶっちゃけ、怖い映画ではありません。にたアプローチとしては「リング」になるのでしょうか。

ミジョン(ソ・イェジ)はホラー映画の脚本に行き詰まって、伝説になっているホラー映画「暗転」を追うことに。死ん
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.0

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物語は1962年のアメリカ。まだアフリカ系アメリカ人とイタリア系アメリカ人の差別が公然とまかり通っている時代の話。

「グリーンブック」とは黒人専用の宿が掲載されているドライブ用ガイドブック。

トニ
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トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

元々映画館配給公開予定であった本作はコロナ禍事情で配給権をAmazonに売却された作品。それだけになかなか質が高い。

「娘を救うためなら、地球だって救ってやるさ」

この映画は科学者の継承と父と娘の
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