大道幸之丞さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

大道幸之丞

大道幸之丞

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草の響き(2021年製作の映画)

3.5

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原作は『きみの鳥はうたえる』の早逝小説家佐藤泰志によるもの。

函館出身の佐藤の原作を同じく函館の市民映画館・シネマアイリス代表の菅原和博が惚れ込み企画・製作・プロデュースを手掛けている。今後も佐藤作
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裏アカ(2020年製作の映画)

2.5

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『裏アカ』。

SNSを扱った作品では『何者』があり、SNSに依存する中で自身が「何者」かを見失っていく。という内容だった。

本作も観る前に軽い緊張感があるのは、往々にしてSNSを扱う作品では監督・
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ライフ(2017年製作の映画)

3.5

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名作「エイリアン」の別バージョンと言えましょう。予算も充分でジェイク・ギレンホールなどいい俳優を起用しています。

しかし正直本作は「序章」ですね。

地球にたどり着いてしまった生命体がどうこれから暴
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軽蔑(2011年製作の映画)

3.5

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中上健次原作・遺作の映画化。

二宮一彦(カズ:高良健吾)がこれまでのイメージを覆すキャスティング起用に応えている。猫を思わせる女、矢木真知子(鈴木杏)もいい。

一昔前の原作なのでどうかなあと思って
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何者(2016年製作の映画)

3.5

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就活で心揺れる大学生の建前と本音がSNSを介し交錯する。朝井リョウの原作映像化

二宮拓人(佐藤健)のキャスティングでこの映画はうまく行ったも同然だったのかもしれない。就活でゆれる大学生の姿を彼一人で
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メッセンジャー(2017年製作の映画)

3.0

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太陽系から3つの謎の信号が届く。発信源の土星近辺にNASAは探索に向かわせる。そこでは謎の球体を確保するが3つ揃うと宇宙内での会話が交錯するようになる。私には以下の作品の悪影響(笑)があったと感じた。>>続きを読む

スパイダーヘッド(2022年製作の映画)

3.0

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『トップガン マーヴェリック』の監督が撮ったNetflixオリジナル。

スパイダーヘッド収容所は娯楽も用意され自由に過ごせる刑務所だが、唯一の条件は医療薬開発の協力を約束させられていること。

公的
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白夜行(2010年製作の映画)

4.0

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東野圭吾の長編ミステリー映画化。

質屋の主人殺しからドラマははじまる。そしてドラマは単に刑事が逮捕の為に追うのではなく、定年退職後も追うことになるのだった。

「純粋な子供の約束事」と言えば東野圭吾
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.5

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メキシコ。裕福な邸宅での結婚パーティー。しかし街では貧富の格差から起こったデモや襲撃が相次いでおり、ついには銃を持った男たちがパーティーにもなだれ込んで政治家である新婦の父親も撃たれてしまう。それを機>>続きを読む

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.0

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まず私はフィッシュマンズのファンでもなんでもない。このバンドの名前は聴いたことがあるが、ヤギのような声で歌うボーカルも性に合わずろくに聴いたこともない。

ただ時折彼らの熱烈なファンには出会う。実際彼
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フィーゴ事件:世界を揺るがせた禁断の移籍(2022年製作の映画)

4.0

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欧州サッカーファンなら誰でも知っている「禁断の移籍」の裏側を検証するドキュメンタリー。

スペインにはFCバルセロナとレアル・マドリーという半世紀以上続くライバルチームが存在する。

今回の主役は19
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Untold:AND1旋風と夢の跡(2022年製作の映画)

3.5

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ドキュメンタリーです。

1993年ニューヨークで若者3名が起業した『AND1社』彼らは“トラッシュ・トーク”という、ハーレムで交わされる若者の捨て台詞をTシャツにプリントし販売。これがヒットし注目さ
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.5

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傑作です。

本作は城定秀夫が脚本で、今泉力哉監督だが、『愛なのに』は逆に今泉力哉脚本、城定秀夫監督という企画で「姉妹作」という関係。どちらもR15+指定なのでそこそこ見ごたえあるセックスシーンがある
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

4.0

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エイリアンシリーズも6作目。1〜4はリプリーが登場する時系列がつながる作品だが、『プロメテウス』は1以前のエピソードとして設定されている。そして『コベナント』はプロメテウスの続編の位置づけ。そして各作>>続きを読む

カンパニー・マン(2002年製作の映画)

4.0

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1997年の名作『CUBE』を撮ったナタリ監督の次作。

女房にも尻に敷かれた冴えないサラリーマンのモーガンは無理めなハイテク企業デジコープに奇跡的に採用された。そこでの任務は産業スパイ。盗聴器も持た
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.5

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これは傑作です。

事前になんの情報なくリコメンドで観た作品。

デザイナーを夢見つつ専門学校に入るも野暮ったいセンスの彼女は同僚からもからかわれる存在。居心地の悪い寮から出て、老婦人が管理人のアパー
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私の男(2013年製作の映画)

3.5

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原作を読んでいないが、原作はきっと名作なのだろう。

それだけ映画化にあたり原作と置き換えた要素をいくつか感じた。

津波で家族を失った花を淳悟が引き取る場面で、話の行く末はおおかた予想がついた。お互
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.0

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本作は『アベンジャーズ』のドロップアウト的な位置づけにされている。

フォーマットは完成されてしまっている感じで、以後の2作も同じ監督によるもの。スパイダーマンは作品ごとのつながりはなくなり、制作会社
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ミミック3(2003年製作の映画)

3.0

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傑作『ミミック』の続編。

今回は“ユダの血統”自体はそのままで、「観せ方」を工夫したドラマ。
ストリックラー病の後遺症に苦しみ自宅療養しているマーヴィンは窓際に設置している一眼レフから向かいのアパ
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ミミック2(2001年製作の映画)

3.5

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監督は「ジーン・デ・セゴンザック」

「ユダの血統」事件から数年後、ある町で教師となった昆虫学者のレミ・パノスは以前スーザンの助手を務めていた。彼女の周りでは奇妙な殺人事件が起こっていた。

その死体
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ミミック(1997年製作の映画)

4.5

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「シェイプ・オブ・ウォーター」「パシフィック・リム」で成功したギレルモ・デル・トロ第2回監督作品。

「シェイプ・オブ・ウォーター」や「パンズ・ラビリンス」で醸し出される
ヌメヌメとした気持ちの悪さ、
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

2.0

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「都市伝説系ホラー」

「実際に2chに書き込まれた話を下敷きにしている」という触れ込み。

異世界に行ったことがあるはすみ(佐藤江梨子)を取材に訪れた堤(恒松 祐里)が異世界に行った規則性を発見し自
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エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略(2015年製作の映画)

3.5

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こういう戦争映画もいい。

戦争中の国家に面した国が、ある日突然戦争に巻き込まれる。その時の一般市民と軍隊の顛末が描かれている。

1940年4月8日デンマークとドイツの国境フレンスブルクが破られてナ
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.0

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クリント・イーストウッドによる『硫黄島2部作』の2作目。

日本側から描く本作の主人公は栗林忠道陸軍中将(渡辺謙)であり、本人の手記『「玉砕総指揮官」の絵手紙』に基づいた内容となっている。

そしても
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父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

3.0

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クリント・イーストウッド監督『硫黄島2部作』の1作目

太平洋戦争最大の戦闘であったと言われる「硫黄島の戦い」を日米両側から描く——とされているが、結論は微妙。

本作はアメリカの戦争参加への複雑な事
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ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.5

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『ソロモンの偽証/後半/裁判』考察。

本作品は“ミステリーの女王”と称される宮部作品としては「ミステリーの構造」の質自体は高いとはいえない。

残念ながら、原作者のネームバリューに期待し本作を意気込
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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.5

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なんだか「傑作」と言わねばならないような作品。しかしミステリー界隈では「素人探偵モノ」と呼ばれてしまうカテゴリ。

中学校で一人の生徒の死を『自殺』と断定する警察になんとなく腑に落ちない生徒たち。葬儀
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.0

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ベタですがやっと観ました。

メッセージは2つありました。

1.刑罰を受ける場所で忌み嫌う感情のある刑務所もやがて狎れが生まれ「ホーム」になってしまう

2.人間の幸不幸を決めるのは自分自身であり原
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

3.5

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昔からずーっと引っかかっていてやっと鑑賞できました。

フランスから密輸された麻薬捕物です。実際の事件がベースになっています。主役の刑事は"ポパイ" ことジミー・ドイル(ジーンハックマン)と相棒の"ク
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八日目の蝉(2011年製作の映画)

4.0

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現実の不倫では男性側が繰り返す「妻とは別れるつもりだから待っててくれ」を女性の側も直感で見抜き話半分にしか聞いていないものだ。

さて、本作の井上真央、永作博美といった実力派が揃うキャスティングは全体
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ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

3.0

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夏なので妖怪モノを観てみました。塚本晋也が「鉄男」の次に松竹富士よりの依頼で第二作目監督作品として諸星大二郎作品を撮った。元々塚本氏は諸星大二郎の大ファンであり「二つ返事で引き受けた」そうな。

諸星
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.5

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オダギリジョーファンなら堪えられない作品だ。最初から最後までベストコンディションのカッコいいいオダギリジョーを堪能できる。

母を亡くしワンマンに拍車がかかる父親早川勇(伊武雅刀)、好きな写真を仕事に
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

3.5

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中規模予算のタイムトラベルもの。

30年後の未来ではタイムマシンが発明されているが、法律で禁止され悪の組織のみが秘密裏に使用している。それは遺体処理隠滅が不可能になった未来では現在へ拘束着をつけて標
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.0

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西川美和監督による家族コメディ。

一貫しているのは「一般的な社会悪の存在も“ある場面”では正義になり得る事もある」という視点、それは今回の周治だ。

ごく平和に暮らす家族。しかしその家族を平和足らし
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

十年連れ添った桐子(鈴木京香)が銃で自殺を図る。ショックを受けたパートナーの合田(塚本晋也)は自殺の動機より、なぜか使われた銃に執心する。「は?」と思う方がいるかもしれないが、これはこれでこういう事は>>続きを読む

(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

3.5

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新しい切り口のSF。

落雷を受けてから主人公のリアムに変異が起こり、15m以内に近寄った者は死んでしまう。
何が起こったのかわからないまま。近くの民家に身を潜める。
ここまでの記憶がなくなってしまっ
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