ザムさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ザム

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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.7

観た
母と義父に搾取され生きる女性が微かな希望にも裏切られ、暴力へと走っていく話。労働者三部作の中では最も希望がなく、殆ど台詞がない演出には正直あまり面白味を感じなかったが、一夜限りの男性に両親を紹介
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

観た
淡々とシリアスな日常を描くノワール物だが、何処かコミカルな感触があるのはカウリスマキの手腕なのだろう。74分の上映時間の為、恐ろしくテンポも良いがカット割りの取捨選択が巧く違和感を感じないのも見
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

観た
社会の片隅に生きる貧しき労働者2人を描いた恋愛映画。現代にも通ずる社会の厳しさを痛感しながらも、陰気な2人が小さな幸せを噛み締めていく様が微笑ましかった。別に大切な人とタバコがある人生なら、毎日
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市子(2023年製作の映画)

4.0

観た
突如姿を消した"市子"という女性の過去や秘密を周囲の人間が絡み紐解いて行く形式のヒューマンサスペンス。戸籍やヤングケアラー問題と言った激重なテーマを扱っているが、サイコスリラーとも取れる要素を兼
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.0

観た
実在した娼婦連続殺人事件を元に女性蔑視やイスラム宗教、国家への風刺を描いた実録サスペンス。ジャーナリストと殺人鬼の視点が同時進行で進み、法廷劇へと話が繋がる構成が新鮮で面白い。絞殺の描写や主人公
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ビジターQ(2000年製作の映画)

3.7

観た
偏頗な見方からただの激狂い映画だと思っていたが、再生をテーマとした家族映画だった。(狂い映画なのには違いないが)まぁ母乳の描写だけは流石に不快度が優ったが、それ以外は笑いと暴力のバランスが紙一重
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セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

3.8

過去鑑賞
ただのグロゴア映画ではなく、社会的メッセージや魅せ方等、映画的面白さが立っていて好印象。逆に大量のグロゴアを求めると肩透かしを喰らう印象。

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.5

過去鑑賞
ニューヨークの魅せ方やテレビを蹴るシーン、救いの無いラストが好き。この映画において妄想か現実かの論争は重要ではない。

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.2

観た
主人公含め全員が底辺故に酒に溺れている様が超面白い。直接的な暴力描写は殆ど無いのに汚しだけであそこまで不快にさせる演出も見事。全編通して漂う汚さの中にアートスティックな画作りが成されているのも良
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

観た
劣悪な戦後日本と人間の醜悪さを妖怪を通して描いた強烈な反戦映画。前半は人怖村ミステリー、中盤はバディブロマンス物、後半は「ゲゲゲの鬼太郎」と、ファンと新規が両方楽しめるエンタメ性も兼ね備えている
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怪物の木こり(2023年製作の映画)

2.5

観た
サイコパスというワードを連呼してるだけの寒いヒューマンドラマ。まぁドラマと言っても練り込みは甘く、間に挟む三池バイオレンスも不十分な為、全てにおいて中途半端な作り。予告編通りバイオレンスアクショ
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ブリッツ(2011年製作の映画)

3.6

観た
不良刑事対サイコ犯罪者のステイサム版ダーティハリー。粗暴だが根は優しいステイサムの魅力とバディ物としての作りが良い。意外なオチの付け所も良かった。ただ、婦警がヤクに落ちる展開は確実に要らなかった
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イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

4.5

観た
思っていた数倍ハードボイルドで美しい暴力映画。日常に潜む暴力の描き方には北野武の作風を感じ、恋愛描写や哀愁漂うラストには思いっ切りやられた。ヒストリーオブバイオレンスもそうだったが、クローネンバ
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

2.5

観た
まずホラー映画として超つまらん。説教臭い無駄な会話が目立ち、意味の無いジャンプスケアだらけで全く魅せ場が無い。はっきり言って一作目の下位互換の様な構成。しかもその上「何年前に考えたんだよ」とツッ
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FEAR X フィアー・エックス(2003年製作の映画)

2.0

観た
エレベーターや赤で統一された描写の魅せ方には痺れたが、退屈過ぎる話運びと難解的な演出が多くいまいち意味を汲み取れなかった。レフンの特色である突発的な暴力描写も全く無かったし、そりゃコケるわな。

悪の教典(2012年製作の映画)

4.0

過去鑑賞
どぎついホラー×バイオレンスだが、ちゃんとエンタメに昇華させてんのが良い。

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.0

観た
前半はパニック物、後半はサバイバル物にジャンルが一変するアクションスリラー。飛行機不時着の緊張感や集団心理、墜落後のテロ組織との戦闘など、リアルに徹した作風が堪らなく良い。機長の覚悟や殺人犯との
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ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー(1981年製作の映画)

4.0

マイケル・マンと言えば派手な銃撃戦が最初に思い浮かぶ為、ドンパチ系かと思っていたが、まさかの激渋仕事人映画だった。金庫破りのプロ感や自身の人生の為に全てを無にするカタルシス、そして何より溜めて溜めての>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.0

再見
実質一作目という荒々しさが良い。平和な日常に乾き切った暴力を溶け込ませるのはこの頃から既に巧い。今作を洗練させるとソナチネになるのだが、俺はこの完成し切ってないドライさの方が好きだな。

(2023年製作の映画)

4.2

観た
北野武よりもビートたけしの側面が強く押し出された戦国時代の新解釈。「暴力」「お笑い」「ロマンス」の3軸を立てながら、戦国の動乱を皮肉を効かせて描いているのが良い。まぁ言ってしまえばほぼコントで、
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

5.0

再見
ソナチネの様に死生観や美学を押し出した作品も良いが、俺は今作の様にカタルシスや美学が一切存在しないドライな暴力の方が好きだな。まぁ荒削り感はあるものの、初期から暴力と笑いの混同が成立しているのは
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.0

再見
女性同士の妬みや承認欲求、「美」への追求を描き出したサスペンススリラー。一見女性蔑視の様な脚本に思えるが、レフンが自分自身を劇中のカメラマンに投影し、女性世界を描いている為、他作品と同じ様に根底
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ブリーダー(1999年製作の映画)

4.5

再見
暴力とロマンスを同時進行で進め、破滅と成功の対比をさせる描き方が巧い。映画オタクの自虐ネタに他作品にも通ずる女性恐怖のテーマ性がこの頃から含まれているのも面白い。レフン作品の中でも有数で好きだ。

プッシャー3(2005年製作の映画)

4.2

観た
平穏な日々が訪れず、部下に舐められ、何事も上手くいかない元麻薬王の哀愁感や人間臭さが良い。セラピーに通う描写やヤクとの葛藤なんかもリアル。ただ、哀愁で全編通すのでは無く、ヤクをキメてからはどぎつ
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プッシャー2(2004年製作の映画)

4.5

観た
1作目を軽く超えて来た傑作。前作とは打って変わってドラマ性が強く、クズのダメ男で、何をしても父親に認められないトニーが、自らの息子を通して父性に目覚めていく様には普通に泣かされた。あのラストカッ
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麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.8

再見
初見時は微妙だったが、改めて観ると面白い。同情の余地が一切ないクズが一直線で破滅へ向かう構図が面白いし、ドキュメンタリータッチな構成がリアルさを底上げしてて良い。全てを失った男が魅せるラストカッ
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コブラ(1986年製作の映画)

3.3

再見
正味話はつまらんが、刑事の生活面やスタローンの名言が存分に堪能出来るので良し。冷えたピザのシーンは堪らんね。

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

3.8

過去鑑賞
ゾンビ映画でいっちゃん好き。続編作ってくれ。

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

微妙
3人のコミカルな掛け合いやキャロルの人間的側面、新鮮味溢れる入れ替わりアクションは良かったが、予定調和が過ぎる破綻した脚本と漫画を2ページ飛ばしで読んでいる感覚の雑な編集が酷すぎるせいで純粋に楽
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ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(2013年製作の映画)

4.0

観た
脳筋3人組の純粋な暴力性とクズは何をやっても成功しないという教訓的描き方が良い。結構どぎつい実話だが、ブラックコメディとしてエンタメに昇華させているマイケルベイの手腕にも感心。面白かった。

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)

4.0

再見
初見時は微妙だったが、改めて観るとまぁまぁ面白い。弾倉交換の渋さやリロード練習、ヒートっぽいハードな銃撃戦など、プロ同士の無駄の無い戦闘が良い。ただ折角ヒートっぽさを出しているのに、大将同士の駆
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