瀬戸内ジャクソンさんの映画レビュー・感想・評価

瀬戸内ジャクソン

瀬戸内ジャクソン

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異人たち(2023年製作の映画)

3.5

あの住まいの設定からしてもう苦しく、しかしこれはゲイに限らずあらゆるマイノリティに通じる
『見えない者たち』
の苦しみの吐露であったのだと感じた。

あの光の向こうへ行きさえすればと思ってしまう辛さが
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

『パストライブス』
彼らの心のあり様や感情、時間の流れを演出する情景描写、フォーカスの移動が絵画のように美しく写真のように力強い。
女性の強かさと男の弱さ、自分が自分である為に何を選択してきたのか改め
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

良い事ばかりでは無かったけどそれはやはりかけがえの無い思い出で、少女が彼だけを見て成長し、かの地で孤独に耐えやがて1人の大人として再び歩き始めるまでの回顧録。

物語としては史実の焼き直しでやや物足り
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.7

ホラー要素は意外に少なく今風の巧い作りといった印象。
ダミアン誕生の影に埋もれた悲しき物語を、教会の巨大なシステムへの皮肉も交えつつ描いていた。

しかしこれは新たなシリーズの誕生と見て良いんでしょう
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

この悲劇を助長したのはベトナム戦争時の社会の歪みと悪魔の粉か。

かつて見た理想の父親を信じる囚われし兄弟がそのエゴから逃げる為に魂の解放を求め、再び自分を取り戻して行く悲しき兄弟愛の物語。家族全員被
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

天才ゆえに踏みとどまった者と、その高みに近づくべく禁忌を犯した者。その目で結果を見る為には世界を滅ぼす事も厭わず、破壊者となった男達の裏側とその後について。

何も変わっていないこの世界で。

台詞が
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.0

『コール・ジェーン📞』
目に見えぬ鎖を断ち切る術に気付き始めた彼女らのエネルギーと、それを認め受け入れて来た社会の違いが各国の実力差になって現れているようにも思った。

現実は更に辛く大変だったろうな
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.0

『ビニールハウス』
2段目以降のシュール過ぎる予測不能展開は確かに宣伝通りで面白いんだけど、一番肝心な初手の無理筋で完全にスベッたと感じたイメージを終始引きずったまま乗り切れずにフィニッシュ。

『半
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

『落下の解剖学』

人生とは
結婚とは
夫婦とは
親子とは
愛とは

観ている自分もまた登場人物の心の揺らぎに翻弄され落ちていく感覚を味わう。

その題名と重なり合う様々なテーマが味わい深い作品でした
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

『DUNE2』

とにかく凄いIMAX案件。

今のところ2回観たけど凄いとしかw

流石にこれは前作を観ておかないと勿体無いってところにきちんとサブスクで予習できる親切設計。この先も楽しみで仕方がな
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.5

『コヴェナント 約束の救出』

この勝者不在の不毛な闘いに明確な解決策など見当たらない。アーメッドがキンリーを必死に運ぶ際の苦悶の表情と映像は、武力による解決など到底不可能なのだというドロ沼の苦しみを
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

『夜明けのすべて』
渋川清彦さんと光石研さん出てたらそりゃ良いよなと。
夜明け前が一番暗い。でも夜明けがいつなのかも分からないしもしかしたら明けないかも知れない。互いに寄り添い助け合って、なんて単純な
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.5

相変わらず痛快なフルコンタクトマブリー劇場は気持ち良かったが、ラストの盛り上がりには少し欠けた印象。また良い役者が出ていたのでもう少し幅広い物語を期待したが予想を超える展開までには至らず。
それなりに
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

-

『ダム・マネー💰』
2024年度トップ10入り決まり。
その原動力がコロナ禍で刷られまくったお金の行き先の一つだったってのもなかなかにシュールだけど、Dumbなんて言われちゃってる連中が一矢報いる小気
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.5

『カラーパープル』
苦しみの中で必死に生きる彼女らの人生に僅かな希望が見え始めた時、彼女らを鮮やかな光が照らしていく。
現代社会においてもまだまだ改善されない苦しみや不満が夜明け前のこの黎明色なのかな
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

『哀れなるものたち』
男性社会が女性に求めた

『身体は大人で心は子ども』

の象徴でもある彼女の成長に愚かに振り回された男達の結末と、殻を破り自立して自我を取り戻していく女達の未来。

予想した以上
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

素晴らしい俳優陣の演技と超絶アクション、そしてトム走り。体感2時間くらいとダレ場の無い至福の164分でした。

ガブリエルの物真似する人たくさん出てきそうw
それにしてもこれでパート1、次はどこまでの
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

さすがA24、今作もお洒落な導入〜なんて呑気に構えてたらエンドロールが流れる頃には
『お母ちゃ〜ん!!』
と叫びかけてました。
ミア・ゴス、この人なんて可愛くて恐ろしい子。。。

パンフレットのXカッ
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

4.0

・登場人物が皆愛おしいクソッタレ揃い。
・今の時代完全にアウトのネタ満載。
・監督目線のサービス全開。

冒頭からもうノリノリで笑わせに来まくりやがってました。


日曜日の映画館にまさかのほぼ満席で
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

花き農家の仕事の様子が無垢で若々しい彼らの成長していく様子、傷付いていく様子と重なり美しくも無慈悲、残酷で、自分の少年期にもこんな事あったなと終始息苦しさも覚えながらの鑑賞でした。

残された者たちの
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小説家の映画(2022年製作の映画)

3.5

誰もがその日常の中に共感する部分を作品中の第三者としてずっと見ている感覚。
ラストの爽やかな美しさも含めてホン・サンスって感じ。

白黒で静かな作品、音楽は肝心な所までほぼ無しという作品なので少し寝ち
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

『アフターサン』
ビデオテープに残る少女と大人の境目にいた20年前の自分とそんな自分を見守る当時の父親。
我が子の幸せをただ願う父親の気持ちとその葛藤がとにかく切ない。
見た目よりも大人びた娘の無垢な
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大名倒産(2023年製作の映画)

3.5

柏原市出身の前田哲監督作品
『大名倒産』観ました
神木君の顔芸に心のほぐれたアヴァンタイトルからの小気味良い展開、後半に向けての上手い脚本と楽しめました。ウォッチパーティー向き。
ワイルド過ぎるスイカ
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.5

安定の導入からの目眩く展開は面白いんだけど、時を超えたバリーが束の間手にしたものと引き換えに犠牲になった多くのものについてや時間軸の設定を含めさすがに引っかかる部分の多さが気になってしまい、その超絶ス>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

5.0

『怪物』
今年度No.1決まりました。

視点を変える事でこれ程までに印象が変わるものかという驚き、幼少期にありがちな葛藤や苦しみと子ども達の残酷さ、彼らの持つ実は大人びた諦めの様なものそれぞれが見事
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』
前作もだけど音楽との親和性の高さが突き抜けているというか、あ〜なんかもう凄いもん観てるなという痺れのようなものに終始浸っちゃう感じ。スパイダーマンと
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.5

『65』
アダムによるアダム好きの為のアダムを愛でる映画。

超進んだ文明の割にアナログ感強めのガジェットの数々、言葉は通じないけどゲリラ兵並に身体能力の高い少女とのコンビネーション、てかそもそも同じ
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

2.8

前作の高揚感あるエンディングから何故こうなってしまったのか。主演のシン・シアさんは良かったんだけど、最高の序章を鈍く焼き直したような展開はやや退屈な印象。
シリーズはまだまだこれから、という段階にある
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

ベルリンフィルの常任指揮者にまで登り詰めたリディア。長年夢見たその高みに居続ける事が実際にはどれほどハードで彼女自身をも蝕んでいくのか。

この難役を当て書きされたケイト・ブランシェットの美しさと、そ
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.0

花火ボカーン🎇爆弾ドカーン💥ってそんなアホな展開からワイスピオールスターズアッセンブル。

次から次に現れる超強力助っ人陣にダンテの存在感がやや薄れ気味になるも、ファンの気持ちを分かってるな〜って終始
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ハマのドン(2023年製作の映画)

4.0

欲の為なら何でもする政治家と違い、そこには戦後の復興を支えてきた男の『夢』があった。現在まで連綿と続く横浜港湾の歴史とそれを一番近くで見守ってきた漢。
真のリーダー像と政治への大衆参加の重要性を改めて
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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.0

単に不器用な料理人と施設の少年達とのサクセスストーリーでは無く、移民問題にも強くフォーカスした作品でした。様々な国の自慢料理が食べられるお店、あると良いなと思いました。

ぜんはん、かなり神経質な主人
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

愛する者との別れ、家族への愛、支えてくれる人への感謝と自身の生きる意味との葛藤が息苦しい。
チャーリーの財産に我を失った彼女らを傍観するリズのイシュメール感。
あのラストに救われたのは誰なのでしょうか
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.7

こんなに優しいチェ・ミンシク初めて❤️w

元脱北学者の警備員と経済的ハンデを抱える苦学生のベストキッド的展開に加え青春ラブコメ追加と大盛りの内容だがとても上手く纏められていた。割と既視感のある展開や
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.0

だからモノクロだったのかと観てから気付く。

せかいのおきくというよりうんこのせかいやんかと(食事中の方申し訳ありません)。

とにかくもう最初から最後までアレの描写があり過ぎてストーリーに今一歩入り
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

導入からバディ感溢れる展開に加え、チームとして成長していく様子も素晴らしかったんですが、しっかりと前フリがあった割に後半はあっさりしていたなと感じました。

当然ながら昼間の劇場はお母さんと一緒状態😅
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