okdさんの映画レビュー・感想・評価

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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

3.5

ろくでもない若者ポジションで出て来る武田鉄矢が今の倫理観からすると線を越えてて大分ひいてしまった。高倉健が捕まってた理由がただの犯罪なのに反省の色があんまり見えず主人公に感情移入しづらかった。高倉健が>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

3.5

授業で鑑賞。特撮映画として当時の技術が凄いのは伝わった。水爆実験で生まれた怪物ゴジラが東京の街を破壊する話は明らかに第五福竜丸事件と東京大空襲を連想させるのにアメリカに対する言及は一切ないのがとても不>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.7

授業中に投票で選ばれ鑑賞することになった作品。戦後の女性の厳しい現実がテーマ。夫の帰りを待つ間に女性がどのような状況に置かれていたか、夫婦の権力関係が当時どうであったかが垣間見える。階段を落ちるシーン>>続きを読む

The Birth of Korea(英題)(2024年製作の映画)

1.0

前評判は最悪だけど話題の映画だからとりあえず観に行った。正直なところ自分の現代史の理解が不十分なせいか「そしたらそうなのかも」と思ってしまう部分もあった。ただ少なくとも四・三事件とか朝鮮戦争中の民間人>>続きを読む

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.0

黒澤明が戦後直後に撮った映画。授業中に見た。野毛と糸川の二項対立を軸に話が展開する。野毛みたいに生きろっていうメッセージを込めた作品のはずだけど個人的には糸川みたいな人間的な人間の方に共感しながら観て>>続きを読む

天命の城(2017年製作の映画)

4.0

丙子胡乱の際に仁祖が南漢山城で籠城した歴史を素材とした映画。清への徹底抗戦か降伏かをめぐる家臣同士の対立を軸に話が進む。満洲族を野蛮族扱いする割には朝鮮王朝も中々ひどかったみたいな描き方。誰の為の戦争>>続きを読む

八月のクリスマス(1998年製作の映画)

4.0

昔泊まりで夜更かしして観た記憶があるけどあまり覚えていなくてもう一回観た。音楽が静かで温かい感じで良かった。リモコンのシーンとか写真をもう一回撮りに来るおばあちゃんのシーンとか立ちションのシーンとか印>>続きを読む

四月物語(1998年製作の映画)

4.0

1時間でさくっと観られる映画の割にはすごい満足感があった。四月の大学の雰囲気とそこに適応しようとひたむきな主人公の性格が画面越しにひしひしと伝わってくる。普通の大学生活ってこんな感じなんだと思うと何か>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

タイミングを逃したと思っていたけど、韓国映像資料院の特集上映で観ることができた。無料で観られるのすごい。上映後の対談も面白かった。映画に出てくる過酷な労働環境がリアルでえげつないかつ主人公の周囲の大人>>続きを読む

殴打誘発者たち(2006年製作の映画)

4.0

邦題の殴打誘発者達は韓国語の原題を直訳したもの。何かインパクトがすごい。映画を観ると原題を付けた理由に納得が行くし、原題を直訳して邦題にした理由にも納得が行った。世の中の至る所で暴力がはびこる理由の一>>続きを読む

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

4.0

映画館で観られると知って半ば衝動的に観に行った。アニメの内容をかなり忘れていて最初付いていくのが大変だった。やっぱり終盤の映像表現と音楽が圧巻だった。映画館が映るシーンは映画館で観ると妙に引き込まれる>>続きを読む

The Dream Songs(英題)(2023年製作の映画)

4.0

セウォル号事件を背景に思春期の少女の心情を描いた作品。聖水大橋崩壊事故をベースに同年代の少女の心情を描いた『はちどり』と重なる。『はちどり』が子供と大人の関係の方にある程度重心があったとすればこの作品>>続きを読む

光州5・18(2007年製作の映画)

4.0

光州事件を扱う映画としてはタクシー運転手が有名だけどタクシー運転手よりも事件全体を包括的に描いていて勉強になった。主人公の俳優見たことあると思ったら殺人の追憶の刑事だった。殺人の追憶で共演した二人が共>>続きを読む

キム・ポッシブル:タイムトラベル(2003年製作の映画)

4.0

本当は『道の上の金大中길위에 김대중』という映画を見た。行動する良心金大中が大統領になるまでの過程を描いたドキュメンタリー作品。日韓国交正常化交渉に対する徹底的に合理的な姿勢が印象的だった。自らに死刑>>続きを読む

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

3.5

ホン・サンス作品を初めてみた。登場人物が少しずつ異なる三つの章から成る構成が面白い。どのシーンにどういう意味があるのか、作品全体として何を伝えたいのかはあまり伝わって来ないけど、そもそも伝えようとして>>続きを読む

Noryang: Deadly Sea(英題)(2023年製作の映画)

3.5

李舜臣三部作の最終作で露梁海戦を描く。三作を通じて見ると本作は鳴梁よりは面白いけど、前作閑山にはやや劣るように思う。李舜臣含め前作のキャストはほぼ出て来ないけど、前作で降倭として登場した俳優が今作にも>>続きを読む

ハンサン ―龍の出現―(2022年製作の映画)

3.5

個人的には前作よりもはるかに面白く感じた。パクヘイルの李舜臣役が想像以上に良かった点、海戦の流れが前作よりも分かりやすかった点とかが要因に思える。李舜臣が壬辰倭乱を国同士の戦いではなく義と不義の戦いで>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

3.5

12・12クーデタを描いた映画。ファンジョンミン含む俳優の演技が迫力があって凄かった。全斗煥を肯定できる要素が全くないとしても一人の人間をここまで徹底的に悪人として描くことには少し違和感を覚えた。だけ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

トイレ清掃員の日常を描いた映画。見ていて居心地の悪くなる内容も多少あるかと身構えたけど、そんなことは全くなかった。むしろ見ていて心地良い内容ばかりで、それが逆に少し嫌になった。特にトイレ清掃員という職>>続きを読む

バトル・オーシャン 海上決戦(2014年製作の映画)

3.5

朝鮮出兵の際に活躍した朝鮮の武将、李舜臣を主人公に当時の海戦を描いた三部作の第1作。今上映中で、三部作の最終作になる露梁を見るための予習として見た。この時代に対する理解不足のせいか、個人的には内容はそ>>続きを読む

ボストン1947(2023年製作の映画)

3.5

シュリ、ブラザーフッドの監督の最新作で歴史を扱っている映画ということで見に行った。感動・メッセージ・ユーモアがコンパクトに詰まった映画だった。インド映画のRRR同様に色んな意味で日本では作りえない映画>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

元々ストーリーがやや複雑な上に言語の問題が重なって正直よくわからない部分が多かった。それでも他のノーラン映画同様に映像的に迫力のある部分が多い映画だったので映画館で見て良かった。原爆の被害を直接的に表>>続きを読む

イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

4.0

ペパーミントキャンディーを除くと、政治的なテーマと直接関係がなさそうな映画を撮ってきたイチャンドンが民主化とか経済発展とかとかそういう政治的なテーマをかなり意識してたのが意外だった。また作品を一から見>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

少し複雑でわかりにくく感じたけど、ストーリー構成が巧みで面白いだけでなく、社会派としての監督の個性が強く出ていてすごい良かった。音楽が坂本龍一だということを知らずに見ていた。

バービー(2023年製作の映画)

4.0

バービーの目線を通じてジェンダー的な意味で今の世界のおかしさを映し出した映画。人形会社の社長が全員男性という設定がかなりグロテスクだけど、実際そういう会社多い気がする。バービー達が車とゴッドファーザー>>続きを読む

グリーンフィッシュ(1997年製作の映画)

4.0

イチャンドンの処女作をやっと見た。ただのノワール映画かと思って何となく見ずにいたけど、さすがにそんなわけはなく、どちらかと言えば都市化や経済発展の暗部を主題とする作品だった。オアシスを撮る以前のこの映>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

家族であっても自分の苦しみを伝えることは難しい。むしろ家族だからこそ自分の苦しみを押し殺す必要があるときがある。小津安二郎はそういう家族の間にある溝を描くのが上手いと感じた。もちろん家族でない他人同士>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

何となく食わず嫌いしていたけど見ることができて良かった。内容はやや複雑でカオスだけど、物語の核心的なテーマは普遍的だしわかりやすい。うまくいかない自分の人生をどう引き受けるかということだと思う。SNS>>続きを読む

柳川(2021年製作の映画)

4.0

群山、福岡に続く三部作の最後。朝鮮族の監督が韓国の映画制作スタッフと一緒に日本で撮影した中国資本の映画。少しずつ監督の作家性に慣れてきたけど、映画を見る時のわくわく感は消えない。どのシーンにも人と人が>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.0

応答せよで修学旅行先として登場する慶州が舞台。監督の独自のユーモアのセンスがいかんなく発揮されている。特に日本人観光客とパクヘイルが絡むシーンは多分に悪意を感じるけど、どうしようもなく可笑しい。けれど>>続きを読む

福岡(2019年製作の映画)

4.0

劇的な展開があるわけではないけど、一つ一つのシーンに見入ってしまう。話す言語は違うけど意思疎通ができるという唐突なファンタジー要素があるものの、映画のふわふわした雰囲気の中で簡単に受け入れることができ>>続きを読む

群山:鵞鳥を咏う(2018年製作の映画)

4.0

見たかったけど見る手段の無かった作品を上映する映画館が都内にあり鑑賞。特に事件が起きるわけではないのに、わくわくしながら見てしまう。それは何より人を描くのが上手いからな気がする。今作は全羅道の群山を舞>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.8

第二次大戦後のシベリア抑留を扱った作品。山本の姿が、黒澤明映画を想起させるのは、その2つがロシア文学という共通項を持つからか。俳優の演技が素晴らしくて、映画自体はとても面白かった。一方で、反戦は訴える>>続きを読む

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

4.2

応答せよ1988の冒頭で出てきて、見たくなって見た。ストーリーはそこまで斬新ではないけど、画面構成とセリフと人情あるキャラクター設定がすごい魅力的だった。ホモソーシャルな関係性を描いているところも含め>>続きを読む

空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯(2015年製作の映画)

4.0

音楽とモノクロの映像、尹東柱の静謐な詩の世界観が上手くマッチしていた。映画は民族運動にのめり込む宋夢奎とそこから距離を取る尹東柱の二項対立を軸に展開する。個人的にはとても好きな映画だったが、四方田の批>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.5

映像美はたしかにすごい。でもストーリーは微妙に感じた。基本的な物語の構造はアバター1とほぼ変わらない。地球人側がほぼ白人しか登場しないのはなぜなんだろう。地球人側がサリーに固執する理由もよくわからない>>続きを読む

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