satoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

浅田家!(2020年製作の映画)

4.0

家族愛や立ち直る力みたいな温かな力が込められた作品だった。壁一面に貼られた大量の写真から、震災の被害に遭った人が大勢いたことを改めて認識する。
”浅田家!”の写真集作りの際、お兄さんは困惑してた素振り
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.8

人間の表に出ないような内なる想いが詰まった作品だった。全てを見終わった後でこのポスターをみると切なくなる。
一見能天気そうで突飛な行動に出やすい佐々木の根底に、孤独感がみえたのが印象的だった。明るそう
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名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

4.0

もの凄い上質な韓国ノワールだった…。”名もなき野良犬の輪舞”って邦題つけた人めっちゃいいセンスしてる。
最初こそ野心を持つジェホと新進気鋭のヒョンスのシンプルなバディものかと想定していたけど、お互いが
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.7

最小限の表現で充分に満足できるような映画だった。色ごとのMr.○○ってコードネーム、シンプルだけどカッコいい。
基本全員が逃げてきた倉庫を舞台に話が進んでいって、ちょっとした会話劇が中心になってるのが
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CURE キュア(1997年製作の映画)

3.7

はっきりとしない薄気味悪さがここまで恐ろしくなるとは思わなかった。
なんと言っても何を考えてるかわからない間宮の存在感が凄まじかった。あんなにあやふやな言動をしてるようでいて、知らずのうちに術中に嵌っ
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.7

なんとも言えない独特の雰囲気があった映画だった。タイトルが出て来る時のフォントがオシャレ。
鑑賞した後で振り返ってみても、セシリアの飛び降り自殺や終盤のあの展開があった理由が漠然としていて、ものすごい
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RRR(2022年製作の映画)

5.0

なんとかこのアクション大作を劇場で体感することができてよかった。アカデミー歌曲賞を受賞したけど、それ以外の要素もかなり高かったと思う。
火が間近に迫る中で子供を救出するとこや、パーティで野生動物が放た
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.2

公務から離れて自由を満喫するアン王女が天真爛漫で可愛かった。行く機会があったらローマで聖地巡礼してみたいし、ジェラートなしでもスペイン広場は行きたい。
お互い正体を隠していて一方は打算的な目的のために
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.7

目を背けたくなるくらい酷いし、この惨状を観ているだけしかできないことが心苦しかった。子役の子達がほんとに心に傷を負ってないか心配になる…。
この映画では虐待している親が悪いのは言うまでもないけど、介入
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.6

悔恨や愛情、体制に挑む闘志みたいな人間の熱意が詰まった濃密な3時間だった。出版社が「!」って返したエピソードがあるのも十分納得できる気がする。
基本的な話は善行を尽くすジャン・バルジャンをメインに進ん
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処刑人(1999年製作の映画)

3.7

怒涛の射撃技術をもって悪事を成敗していく二人が様になってた。どことなく必殺仕事人みたい。
街の人のインタビューみたいに彼らのやっている方法は賛否両論あるし、少なくとも法律には背いていて義賊とは呼べない
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

物凄い傑作だった…。九死に一生が10連続で続く、危機的状況の緊迫感が凄まじい。
30年たっても相変わらずマーヴェリックの航空技術は卓越してたのが流石。そしてその反面、昔とは違って指導者の立場があったり
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トップガン(1986年製作の映画)

3.8

高度数千フィートの上空で繰り広げられる戦闘機の戦いが想像通り圧倒的だった。とにかく爽快。
旋回や射撃、コックピットの様子が目まぐるしく変わるから、状況が激変する航空戦を視覚だけで堪能できた気がする。そ
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砂の器(1974年製作の映画)

3.9

僅かな手掛かりをもとに真相に近づいていく展開と、あるものに翻弄される数奇な人生を描いた濃密なサスペンス。
”カメダ”の言葉から少しずつ捜査を続けていく姿が、この犯行の真相が徐々に明かされてるのが特徴的
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.9

目まぐるしく変化する七海の身の上と、良い意味で現実離れした世界観があって、他にはない独特の世界観があったと思う。ウエディングドレスを買う一連のシーンが伴奏も相まって綺麗。
独特な世界観だけど、作中で重
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プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.7

王道シンデレラストーリーと言われているだけあって、悔しい出来事を乗り越えたヴィヴィアンが徐々に変わっていく所が素敵だった。意外と過激なシーンは驚いたけど…。
個人的には、ヴィヴィアンと契約を結んだエド
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

3.9

事件の真相が浮き彫りになるサスペンス要素と、冤罪や死刑制度にフォーカスした社会派の要素が上手く構成された作品だった。ビッツィーの体を張った記者魂が凄まじい。
死刑執行までの限られた時間の中で、新事実が
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.9

人が抱えてる虚しさや鬱屈を受け止めてくれるような優しい映画だった。
自分でも苦難ある人生を歩んできて現実を嫌なくらい知っていても、人に真摯に向き合うことができるちひろさんが立派だった。最初はあまりイメ
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居眠り磐音(2019年製作の映画)

3.6

古き良き昔ながらの時代劇を踏襲してた作品だった。忌まわしい過去を抱えつつ、今津屋の警護を担って周囲の人たちを護る磐音が正統派の主人公って感じでよかった。
いくつかある戦闘シーンは、統五郎一味を敵を打ち
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.8

どこか幽玄の雰囲気があって、戦乱の中の男女の価値観が垣間見えた作品だった。
原作の「蛇性の淫」「浅芽が宿」を組合わせつつ、換骨奪胎して独自の物語として完成させてたのがよかった。中でも朽木屋敷の出来事は
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.1

バラバラに動いていた3人の刑事が事件を追っていくうちに、ひとつの真相にたどり着く展開が見事だった。協力・対立関係が複雑な所もあるけど、終盤はそんなことが気にならなくなるくらい濃密な満足できるラストだっ>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.8

200万ドルを巡る男達の逃走・追走劇を緊迫感を醸し出しながら描いた作品だった。
まず、なんといっても独自のルールで行動して会話が成立しない時もある殺し屋シガーが見ていて不気味だった。持ち運びが容易で殺
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箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.7

Jホラーみたいな、陰鬱さと空気の重さがびしびしと画面越しに伝わってくる映画だった。
視点や時系列が食い違ったりして初見じゃ理解しにくい所はあっても、不穏な雰囲気から来る不気味な感じはしっかりとあったと
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.0

電脳化が進んで進歩した人類と、そこから生まれた哲学的な命題をテーマにした本格的なSF作品だった。近未来な世界観の中で時折流れる挿入歌が民謡みたいで、それが違和感を醸し出していて不気味。
専門的な用語や
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.9

韓国ノワールを彷彿とさせる世界観の上に、銃撃戦も交えたアクション要素があって割と楽しめた気がする。雨の中で心の内を吐露する室岡の姿はかなり様になってて格好良かった。
過去の出来事に起因して潜入捜査を実
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.9

音楽の力をもとに、ひとりの少年が人種問題や家庭の悩みに向き合っていく姿が凜々しかった。
どうしようもない状況に陥った時に、自分の現状を綴ってくれる歌があるとそれだけで救われる気持ちになるのは凄く理解で
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ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.0

どこか退廃的な街並が構築された世界観の上に、人工生物たちの命の価値を問うテーマ性がはっきりしてた作品だった。「○本でじゅうぶんですよ」ってこれが元ネタだったんだ…。
香港を元にした、ネオンが煌びやかに
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.8

過ぎゆく冷戦時代の面影と、時代の転換期に左右される家族像をコメディ風に描いた作品。授業で鑑賞したけど、ひとつの家族映画としても上手に完成されてた。
既にベルリンの壁は崩壊したとは知らず、有るはずのない
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地獄の花園(2021年製作の映画)

3.6

ヤンキー漫画のノリの合間に挟まれる小ネタにクスッとなったし、思っていたより割と楽しめたかも。ただこのシュールな笑いのセンスは合う合わないが分かれそうではある。
監督は元々MVを多く制作してきただけあっ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

霧や羊の鳴き声みたいな、なんとも言い難い不穏な雰囲気が不気味な映画だった。大きな展開が特になくてはっきりとした答えが曖昧になってる分、理解しづらい恐怖が充満されていた気がする。
それ以外にも、牧歌的な
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.7

ふたりの響き渡るような歌唱力と、衝突と信頼を繰り返しながら育んでいく絆が素晴らしかった。互いに信じ合える人とセッションできるライブは普段より興奮が半端なさそう。
スターへの道を突き進んでいくアリーは勿
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.9

魔法界で暗躍するグリンデルバルトと、ダンブルドア家に纏わる過去がかなり深掘りされてた気がする。大人の事情で変更することになったけど、マッツミケルセンの気品のある風格もかなり似合ってた。
そんなグリンデ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.8

どこか懐かしさを感じる日本要素と、ウェスアンダーソン監督特有のユーモラスさが堪能できる作品だった。
コミカルに動くストップモーションは勿論、アメリカと日本の実力派俳優によるアテレコも十分良かったと思う
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.3

新年1発目に相応しい善良なエネルギーに満ちた映画だった。
どんな仕事でもそつなくこなして適切な答えを導き出せるビルのハイスペックぶりが凄まじかった。自分には真似できそうにもないけど、せめて人柄の良さだ
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オアシス(2002年製作の映画)

4.2

今年の大締めを飾る映画としてこちらを。
周囲の人からは白い目で見られていても、そんなものに囚われることなくお互いを慈しみ合えるふたりの姿が素晴らしかった。
脳性麻痺を患っているコンジュは、普段は感情が
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アポロ13(1995年製作の映画)

4.0

ある意味月面着陸よりも難解な救出作戦に挑んだ人の熱意が感じられるような作品だった。
爆発で酸素や電気の使用が限られてる中で、帰還するための糸口を模索する乗組員達が凄い立派だった。一歩間違えれば地球に帰
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