satoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.9

予想してた通り面白かった…!。なんとなく劇場版名探偵コナンみを感じる…。
前作よりも時系列や伏線がより緻密に考えられていて、より本格ミステリーらしく作られてた気がする。ネタバレになるからここで詳しく伝
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

4.3

紆余曲折あった19人の恋模様が、5週間後のクリスマスコンサートに向かって善い方に集約されていくのが流石だった。あんな応援したくなるような首相のスキャンダル初めてみた。
ここに出て来る人たちは職業も経歴
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.9

乱れた環境に対する嫌悪感やそこから生まれる孤立みたいな、受け入れがたいけど共感できる要素が多かったのが印象的だった。
だから徐々に危ない考えに取り憑かれていくトラヴィスは不気味に見える反面、不思議と恐
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ルーム(2015年製作の映画)

4.0

見ていて誇張抜きに胸が苦しくなって、一旦停止したくらい辛かった。トラックから飛び降りる所は流石に大丈夫だろと思いつつ、”ひょっとしたら…”と考えてハラハラした。
人生の貴重な時間を奪われつつも、息子を
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

ドラックや酒を楽しんで一見陽気そうに見えて、その実態は(少し大げさだけど)何万回と続く無間地獄と変わらないのがちょっと怖かった。ループ物の地味な怖さを再度確認できた気がする。
酒や性にオープンなナイル
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サイコ(1960年製作の映画)

4.1

出来心で犯した横領事件からとんでもない結末に至るまで、まったく気を抜くことができないストーリー展開がよく練られてた作品だった。
後ろめたさから生じる幻聴や顔に影が掛かる意味深な描写、緊迫感を感じさせる
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ある男(2022年製作の映画)

3.8

夫、父親として生きていた「大祐」の正体を探す単純なミステリーかと思いきや、想定してた以上に底が深い人間の苦悩を見せつけられた映画だった。
妻夫木聡さん、安藤サクラさん始め高い実力を誇る名優が、それぞれ
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

ある豪雪地帯で、不自然な形で凍死した少女の身になにが起こったのか探し出す映画。
この映画では犯人捜しとそれに伴う不意の出来事を正確に描いてた一方で、娘の死に苦しむ家族の姿を顕著に写していたのが印象的だ
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

3.7

ちょっと変わった日本文化をもとにした独特な映画かと思っていたけど、以外としっかりとしたテーマがある作品だった。
出て来る日本文化がいかにも海外の人が想像するようなイメージで、この映画独自の雰囲気が醸し
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

領土問題に揺れ動く時代背景の中で、お互いにちゃんと信頼しつつ、守り会うことが出来る家族像が見られるような映画だった。
街中ではデモが度々奮発して物騒な物言いをする大人達が増える中でも、家族を愛して守ろ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.9

高校生活すべての青春を詰め込んだような一夜だった。若者ならではの馬鹿馬鹿しさや周囲とのぶつかり合いを一緒くたにした感じ。
今までは遊んでばかりの陽キャだと思い込んでいたクラスメートも、一緒に話してみる
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東京物語(1953年製作の映画)

4.2

理想的な家族像よりも、移りゆく時間の中で僅かな幸せが垣間見えるような関係性を写しだした作品。
ここに登場する幸一や志げの親への対応は少し素っ気なくて、見方によっては薄情に見せてるのが少し意外だった。け
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麦秋(1951年製作の映画)

4.1

「晩春」と同じく長女紀子(同名の別人)の結婚を描いた作品で、あらすじと結末が似通っているのに、終わった後の印象がまるで違う作品だった。
勿論、「晩春」より劣っているわけじゃなくて、大家族の中での節子に
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グラディエーター(2000年製作の映画)

3.9

血湧き肉躍る野戦や、復讐心に滾る闘志がビシビシ伝わってくる作品だった。血も流れてグロいとこもあるけど、それよりも戦いの熱気が遙かに上回ってた気がする。
将軍の地位や家族、自分の全てを失っても最後までチ
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.6

キリスト教的な思想が根底にある世界観の中で、悪魔を祓うエクソシストが自殺事件の真相を刑事とともに見つけ出すという映画。
上のあらすじに書いた通り、悪い言い方をすればかなり中二病要素が強い話だし、人によ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

前の2作より明確で社会的なメッセージ性があって、少し毛色が異なるように感じられた作品。それから食べ物の作画がかなり向上してて、今までで一番旨そうだった。
旅の途中で神戸、東京、そして宮城を選んでる所や
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

”ちょっと思い出した”ふたりの鮮明な思い出を振り返る映画。クリープハイプが主題歌の映画は良作が多い。
現在から遡ってふたりの6年間を振り返っていくと、これから先の未来を知ってる分、何も知らずに愛し合っ
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

発されるひとつひとつの言葉すべてに、発したその人の想いが十二分に籠もっているほんとに素敵な作品。今これを書いてる途中でも思い出して涙が出そう。
やっぱり登場人物全員が命の限り悩んでもがいて必死に生きる
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

4.5

最近なかなか映画を鑑賞する時間がなかったけど、そんな中でも見ることができて良かったと思わせられた作品だった。傑作。
知的好奇心に溢れる所や職務に全うする律儀さがある反面、自分のコンプレックスと向き合う
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.9

死神と出会ったことで時間が残り僅かなことを知ったビルを始め、色んな人間が少しずつ何かに気づかされていく所が素敵だった。
特に千年を15回と永遠を生き続けていても、人の心が分からなかったジョーが様々な事
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美女と野獣(1946年製作の映画)

3.8

マルチタスクな芸術の才能があったコクトーなだけあって、装飾や台詞に美的センスが感じられる映画だった。ディズニー版とはまた違った幻想感があったと思う。
歌舞伎の化粧を元にされた厳つい野獣は最初こそ物騒に
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.9

妻の描いていた漫画に、自分の不倫が描かれていたっていう奇妙な形で展開されていった映画。編集者の人いくらなんでもメンタルおかしすぎる。
漫画の中のストーリーと現実の出来事が入り混じってる点がはっきりしな
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クラウン(2014年製作の映画)

3.4

段々怪物に変貌する恐怖と、それを止める手立てがない悲しさが際立ってた映画だった。
あんなやつがゲームセンターにいたら怖いしトラウマになりそう。けれど息子のいじめ相手に復讐したりと、人間の心が残ってる部
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.8

落ち着いたポスターのジャケットとは裏腹に、強盗や殺人と躊躇なく犯罪に手を染めていく様子が意外だった。
主人公カルリートスも偏った万能感に溺れているというよりも、自分の本能に律儀に従って、それを行動に移
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プレステージ(2006年製作の映画)

4.0

マジックに対する執念と憎悪に取り憑かれたふたりが印象的な作品だった。
何気ない台詞や仕草に伏線が鏤められていて、終盤で大々的に明かされた所がマジックそのもので、筋道の構成が本当に上手だと思う。見直して
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.8

アメリカとメキシコの国境があんな物騒な場所だとは思いもしなかった。今はそれ程でもなくなってるとは言え、街の目立つところにあんなものがぶら下がってるのがエグい。
タイトルが”ボーダーライン”と付けられて
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.3

高校の時に友達と見に行って、鑑賞後にもの凄い満足感に浸りながら帰ったのを今でも覚えてるくらいの傑作。桑原さんと武田さんが出てたのが意外だった。
都会と田舎それぞれの光度や陰影の描写だったり、場面ごとに
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.7

監督がお手本にしたアガサクリスティみたく、個性的な私立探偵だったり互いに後ろめたい事がある一族みたいに、古典的で上質な探偵小説みたいな作品だった。
ストーリー展開も、もう1人の主人公マルタの視点から少
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

出会えなかった天竺鼠のライブから、ふたりが過ごしてきた5年間を辿っていく映画。ゴールデンカムイ終わっちゃいましたね。
その5年間で色んな出来事やポップカルチャーがあったみたいに、価値観が短い時間の中で
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.7

時間旅行して謎の組織を探し出すストーリー展開と、役者さんの演技力が素晴らしかった。中でもやっぱり少し狂気のあるブラピが印象的だったし、あまりこういうことをしない分ちょっと意外。
話自体は荒廃した街にい
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.7

粗暴な刑事とヤクザが連続殺人犯を追うっていう、ありそうで意外となかった設定が斬新で面白かった。
3人とも何かしらの枠組みから外れた所はあるけれど、組織の中で自分の正義感に従うチョン刑事と、狡猾でありな
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アメリ(2001年製作の映画)

3.9

微妙な陰影と、淡くて可愛い色合いが印象的な映画だった。あの豚のスタンドどこかにないかな…。
ストーリー自体は正直理解できてない部分もあるけど、アメリの「世界と調和が取れた」っていう行動原理は凄く共感で
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.9

こんな会社が本当に存在していたのかと思うくらいぶっ飛んだ映画だった。史上最もFU○Kが使われた映画に認定されてるだけあって、お金やドラッグに振り回される狂騒的な場面ばっかだったし、全員変なアドレナリン>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.1

激動のアメリカ史と、同じくらい劇的なフォレストの半生が綴られた熱量のある映画だった。
人より知能指数が低いっていうハンデがあっても、目の前の物事に真摯に向き合い続けていけば(多少運要素があっても)成功
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パーマネント野ばら(2010年製作の映画)

3.6

このジャケットからは想像つかないほど、それぞれの薄幸さが根底にあるような物語だったけれど暗い気分にはならない不思議な作品だった。
みんな男運がなかったりみっともない所はあるけど、それを各々自覚していて
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.8

際どいシーンがいくつか挟み込まれるために人には勧めづらいけど、それ抜きでなら色んな人に勧めたい映画だった。
章ごとに二転三転する展開は流石だったし、R-18なだけあって過激な演出こそ目立つけど、統治下
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