satoさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

アリス(1988年製作の映画)

3.8

世界的に有名な”不思議の国のアリス”に監督のアレンジを大幅に加えたような作品だった。ギョロ目のウサギが絶妙に可愛くない。
キャラが骨で出来たトカゲだったり靴下で出来た芋虫だったりするから、ストーリーが
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.5

ボクサーを目指すマギーの奮闘と、それを見届けるフランキーとの師弟愛が素晴らしかった。特にマギーの瞬発力と筋力はあまり詳しくない自分でもわかるくらいに向上してたし、その努力が実っていく部分は観てるこっち>>続きを読む

ザ・コール(2020年製作の映画)

3.4

20年前から現在への電話のやり取りで進む展開が画期的だったし、まだ主演二作目なのに凄まじい怪演を見せたチョン・ジョンソさんが素晴らしかった。
ただ最後まで気が抜けないハラハラ感は良かった反面、もうちょ
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

実在に起きた元韓国大統領の暗殺事件を元に作られた作品。次第に追い詰められていく心境を表現してたイ・ビョンホンが流石だった。
その40日前の動向をほぼ忠実に再現しつつ、登場人物の各々の感情・思想をしっか
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.7

障害を持って生きることは確かに辛いことかもしれないけど、この映画はただただ”可哀想”だけで終わらせないような執念が感じられた気がする。
兄が自閉症の妹にやらせてることは端から見たら下劣な事だけど、よく
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ターミナル(2004年製作の映画)

4.2

人が持つ温かい人情を感じさせられるような傑作だった。
最初こそコミカルな一面が強調されてたけど、誠実な人柄で諦めずに奮闘したビクターが人間的に素晴らしかったし、それを演じのけたトムハンクスの人柄があっ
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滑走路(2020年製作の映画)

3.7

いじめや自殺みたいな、逃れられない問題に苦しんでる3人の姿をありのままに写した真摯な作品だった。どのシーンも辛かったけど、小さい頃のホームビデオが映るシーンは思わず一時停止するぐらい見てられなかった…>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

3.8

全体的に静かな、大人の恋って感じのする映画だった。
少し離れた場所から撮影する所や、ふたりの伴侶の姿が全く見えない所が、ふたりの行動を無意識に注目させてて効果的に使われてたと思う。
オールバックにスー
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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

3.8

アニメに引き続いて劇場版の方も鑑賞。
この第五層での物語は容赦ない自然よりも、そこで研究する探窟家の研究心の方が不気味で印象に残ってた気がする。
特にネット上で度々話題になるボンボルドは予想以上に常軌
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.7

心が欠けたパパラッチ役、ジェイクギレンホールの不気味さが際立った映画だった。ニーナに迫る時の顔怖すぎ。
不必要な道徳感や倫理観を無くしてまで(というか元からない?)成果を出すルイスが不気味だった反面、
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.8

敗戦直後のイタリアで、元電気工の一般人を主役に抜擢した作品。それがあるせいで、経済難に苦しむ余裕のない大衆の姿を描いていた部分が生々しいリアリティを残してた気がする。
一応息子と気を取り直して食事をす
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.9

テーマ性自体は”過去との決別”みたいなよくある物だったけれど、波に乗る団地だったり、苦境の中で追い詰められる子供の姿を容赦なく描いていたのが新鮮だった。
精神的に追い詰められたり大怪我をする部分はかな
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.0

台湾の学生の恋模様を描いためっちゃ爽やかな映画。amazon primeの配信終了ギリギリだったけど、間に合ってよかった。
3人が相手に抱える恋心やそれに伴う葛藤をはっきりと台詞で表してる分、それぞれ
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.8

日本でも放送された”クイズ・ミリオネア”のことはなんとなく知ってはいたけれど、この作品のもう一つの話の軸になるインドの貧困問題については自分の知っている以上に過酷だったし、かなりリアリティのある描写だ>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.7

誰にでも訪れる”老い”や”病気”みたいな概念的な恐怖があったことが、他のホラー映画とは少し趣が異なった個性的な部分だと思う。特に身体的に衰えていくシーンが個人的に恐ろしかったし、連続骨折のシーンは本当>>続きを読む

ユナイテッド93(2006年製作の映画)

3.8

ここまで感情移入した作品はないくらい凄まじい作品だった。
この日に発生したテロ事件については何度も耳にしたことはあるけど、情報が錯綜する中で、対処した管制塔の人たちの当時の雰囲気がまじまじと伝わってき
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

体全体で表現するダンスだったり、登場人物の心情をそのまま投影した唄だったり、まさに王道的なミュージカル映画の傑作だった。
特にドンの嬉しさを表す"Singin' in the Rain"だったり、キャ
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

国家の陰謀に巻き込まれていく前半も面白かったけど、真相が明らかになる後半の、主人公の苦悩の物語も素晴らしかった。その時点まで現実と違和感なく溶け込んでいるのが、演出的に良く出来ていたし溶け込めていた所>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.9

お互いに葛藤しながらも互いに向き合った夫婦の愛が素晴らしかった。
誰にも理解されない、身体にどんな影響があるか分からない事に挑んで、それでも本来の自分に向き合ったリリーが本当に凛々しかった。
現在、同
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

3.6

子供の頃遊んでいたレゴのキャラ達が活躍してたのが感慨深かったし、大人でもクスッとなるネタも多かったのが意外だった。
縦横無尽に展開される世界観や、想定外の組み合わせで対抗してたのが新鮮だったし、この作
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.9

"ベイビードライバー"のエドガーライト監督作品だけあって音楽を効果的に活かしてたし、赤を基調とした照明の使い方も流石。
一見華々しい時代に見えても、その裏で人知れず苦渋を味わった人がいる事が伝わったし
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トリック 劇場版(2002年製作の映画)

3.6

ゆるいコメディ要素と、割とロジカルなトリックがサイコー。
これ以降とは違って大掛かりなトリックは使われてないけど、サスペンス要素は十分にあるから、気軽に楽しめるのがこのシリーズの良さ。
ナポリタン美味
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

公開から少し時間が経っちゃったけど、鑑賞できて良かったと感じられるような映画。
障害を持つことの過酷さを伝える作品はいくつかあっても、家族を支援しつつ夢のために努力するルビーは凄く心労が重なっているよ
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

最初はもっとシンプルなサスペンス物だと勝手に思っていたけど、役者さん達の熱演にしろ作品自体のテーマにしろ、色んな深みのある良作だった。
ある問題に葛藤して苦悩する父親役を佐藤二郎さんが見事に表現してい
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.3

期待以上に面白かった…!
伊坂幸太郎先生原作だけあって、登場人物同士の掛け合いや、同時進行で進む群像劇がしっかりと展開されてたのが凄い良かった。
それ以外にも登場人物の主義主張をより細かく映し取ってい
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仁義なき戦い 完結篇(1974年製作の映画)

3.9

広島での25年間の抗争を描いたシリーズの完結編。
天政会として一つに纏まったとしても、内部争いや銃撃戦が未だに残ってたのが暴力の根深さを象徴してて悲しかった。けれどその中で兄貴分の武田を敬って、命懸け
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仁義なき戦い 頂上作戦(1974年製作の映画)

3.8

前作に引き続いて、組同士の抗争が激化してきたシリーズ4弾目。
けれど今までと違うところで、それまで取り上げられなかった警察の大規模な検挙や一般市民からの反対運動が多く描写されていたのが印象的だった。そ
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仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

3.7

登場人物が増えた分、組織構造や兄弟分の関係性が複雑になってきたって感じがする。
そのせいで少し理解しにくい部分はあるけれど個々の野望や利害がはっきりしてる分、群像劇として纏まってるし、自分本位な人達の
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

3.6

今作は菅原文太演じる昌三の出番が少なかった分、北大路欣也と千葉真一ふたりの熱演が凄まじかった。
なりふり構わず本能的に暴れ回る大友の姿は、ヤクザということを差し引いても無茶苦茶で、演技だとしてもあそこ
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.0

大戦後に起こった”広島抗争”を基にしてるだけあって、義理人情みたいな綺麗事じゃない、無法者たちの血生臭い争いを正確に描写してたのが流石。演出面でも15分に1回は容赦ない暴力的なシーンがあるのも、まさに>>続きを読む

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.8

雪国のスウェーデンが舞台なだけあって、全体的に静謐で厳かな雰囲気があったし、その雰囲気が更に吸血鬼であるエリの幻想感を増してた。
そんな幻想的な雰囲気も美しかったけど、お互いに異なる存在のふたりが徐々
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.7

前々から話題になってたウタ役のadoさんの歌唱力も素晴らしかったし、普段とは少し違った演出とは言え、その場の雰囲気に合った選曲をしていたのも良かった。
何より、原作も過渡期を迎えようとする中で、麦わら
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呪詛(2022年製作の映画)

3.5

村での不気味過ぎる儀式だったり、関わった人が全員怪死してるのが気味が悪くて最高に恐ろしかった。弟子のおばさんのシーンはなんとなく予想できてもびっくりする。
何よりもこの映画が実話を基にしてる上で、観て
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.7

入り組んだ香港の街並みだったり、少しぼやけた夜の明かりみたいな演出があったせいなのか、いい意味で現実感のない幻想的な雰囲気のある映画だった。
そしてそんな印象があるせいなのか、登場人物たちの恋模様もロ
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スティング(1973年製作の映画)

4.2

50年ぐらい前の昔の映画なのに、テンポのいい展開と効果的なBGMがうまく使われていることもあって、十分に楽しめるような作品だった。
中でも、特別な仕掛けはほとんど行わずに、巧みな話術と仲間との協力だけ
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.0

少女を誘拐した犯人を探すサスペンス要素はもちろん、自分の正義に揺らぐ父親や、底の読めない容疑者を演じた俳優さん達の演技力もレベルが高かった作品。
父親も刑事も八方塞がりになった状態から徐々に真相が明か
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