satoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

晩春(1949年製作の映画)

4.7

巨匠、小津安二郎の初鑑賞作品。
鎌倉を舞台に自分の結婚に悩む娘と父親の姿を観て、今と価値観が変遷していく所があっても、いつの時代でもお互いを想い合う家族愛は普遍的なんだなーと感じた。
その中でも笠智衆
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.2

色んな人が高評価にしているだけあって、文句もないほど面白かった。全編3時間あるのに起承転結の転が何度も起こって、その間にクスッとする場面やダンスシーンもあったりするから凄い濃密で見所が多い作品だった。>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.7

静寂な村や、清らかな子供たちの様子がありのままに伝わってくる映画だった。
とは言っても台詞も少なめ・おおよそ抽象的な内容で、はっきりと物事を伝えるような作品じゃなかったから、少し難解な風に自分は感じた
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.7

実際に発生した連続殺人事件をもとにしてるだけあって、警察の縦社会に端を発する弊害や、犯人の身勝手さが細かく描写されてる暗い作品だった。
けれど、その中で小さな子供がいる母親を救い出そうと、徐々に覚醒し
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

見始めた時は大学生の暇な夏の日常を描いた話かと思っていたのに、そんな認識が吹っ飛ぶくらい壮大なSF映画だった。
作品の舞台がサークルの一室とその近辺だけなのに、ちゃんと理論立った時間軸の流れと、作中の
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.0

すごい熱のある映画だった。
この作品のテーマの"映画作りに賭ける情熱"ももちろん、自分が目指す夢やそのための取捨選択も90分の中でしっかり描いてたと思う。
多分filmarksを使っている映画好きの人
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

全て見終わった今でも、この映画の全体像がつかめないくらい奇妙で底が見えない映画だった。具合が悪いときに見る悪夢みたい。
ただ、途中で人魚やクトゥルフみたいな存在が仄めかされてたり、全編白黒で画面サイズ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ガブリエルを探すサスペンス要素や、非常階段のアクション要素だったり、今までのホラー映画とは一線を画したことを感じさせられる映画だった。
特にガブリエルの正体は想像を絶するような発想だったし、あれを思い
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

4.0

前作の主人公四人組に加えて、ニュートのお兄ちゃん率いる魔法省側、若き日のダンブルドア先生と登場人物が増えていよいよこのシリーズが本格的に動き出したって感じがする。
そして何よりも彼らが立ち向かうグリン
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.9

ハリポタシリーズの前日譚。
個性的な魔法動物達だったり、アメリカの魔法使いの組織体制だったりと、前作で語られてなかった世界観がしっかりと構築されてたのが嬉しかった。ニフラー可愛すぎ。
今作の主人公ニュ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

惑星の環境とかテクノロジーみたいな世界観や、絡み合った複雑な人間関係の所が壮大なSF超大作って感じがしたし、その中でも登場人物の個性が埋もれてないのが良かった。兄貴分でポールを命懸けで守るダンカンが格>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

謎の生命体と人類が交戦する映画は数多くあっても、難解な象形文字を理解して、少しずつ歩み寄っていく展開が凄い新鮮だった。
独創的で複雑な"彼ら"の秘密を、論理的に理解できるようにしていて、物語上矛盾が生
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ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

3.9

自分の想像した"彼女”が現実に現れるファンタジー色のある変わった恋愛映画。
この映画は、カルヴィンの相手に向ける何気ない理想像の押しつけが少し不気味だったし、恋愛関係においてはお互いの妥協点も必要なん
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.1

単なる復讐劇じゃなくて、デスのアクションシーンや監禁した相手を探るサスペンスな部分だったり、色んな要素が詰め込まれた映画だった。
中でも、やっぱりチェ・ミンシク、ユ・ジテの主演ふたりの怪演が凄まじかっ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.9

この映画に誘発された事件が発生したって話があるくらい、良くも悪くも独創的で強いメッセージ性のある映画って感じがした。
まず、音楽を挿入するタイミングや独特なカメラワークは元々カメラマンだったキューブリ
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テッド(2012年製作の映画)

3.6

ある程度想定はしていたものの、下ネタだったりと大人向けのネタが満載なところで好みが分かれそうな映画だった。
けれど成長するために、割り切って何かを手放さなきゃいけないことみたいなテーマ性もしっかりと作
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

是枝監督らしい、人が人に対する優しさを感じられるような温かい作品だった。
成り行きで仕方なく集まったブローカーの一行が次第に家族みたいに団結していくのが観ていて微笑ましかったし、ひとつの命の将来にみん
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.2

今年見た中でも凄くいい映画だった。
フランクやエブリンのどちらの考え方も100%正しいわけじゃない分、観てるこっちまでも子育てに必要なことを自然と考えさせられるし、"子供にとって何が大切なことか"につ
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エレファント(2003年製作の映画)

3.8

高校で起こった銃乱射事件に至るまでの生徒の日常を描いた作品。
犯人の生徒だけにフォーカスせずに、色んな生徒の群像劇として写しているから俯瞰的な視点で事件を垣間見えるし、あえて明確な答えを提示してないの
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.6

”入れ替わりもののパニックホラー”っていうのがシンプルに面白かったし、引っ込み思案なミリーが精神的に段々と成長していくのもなかなかよかったと思う。
ランドン監督の前作ハッピーデスデイの時みたく、シリア
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

シリーズの最後を締めくくる最終決戦なだけあって、全員の死闘とある人物の深い想いが感じられた話だった。
出てきた全員の守りたい物にかける熱意と勇気がひしひしと伝わってきたし、中でも啖呵を切って主人公並み
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年製作の映画)

3.8

今回の舞台が荒涼とした荒野だったり、夜の森林だったりしたせいで少し陰鬱とした感じだった。その上、途中で(分霊箱の影響とはいえ)三人の仲間割れがあったせいで、今までの中でかなり不穏な作品になってたと思う>>続きを読む

ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年製作の映画)

3.9

この作品にとっての精神的支柱だったあの人の死だったり、分霊箱の存在や”謎のプリンス”の先の読めない立ち回りだったりと、クライマックスに向けて物語が動き出してた感じがする。
特にホグワーツの全員があの人
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

4.0

死喰い人と不死鳥の騎士団員との戦いがまさに熟練の魔法使い同士の戦いって感じがして圧迫感が凄まじかった。特にハリーたちが窮地の時にあの決め台詞と同時に登場したのは素直に格好いいなと思ってしまった。
そし
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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

3.9

ロンのハリーに対する劣等感からふたりの間で仲違いが起きたり、ダンスパーティーでの相手が中々決まらない所が年頃の少年って感じがした。
対抗試合の金色の卵や水魔の試練はどっちも迫力があって見応えがあったけ
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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年製作の映画)

4.1

後ろから投げられた石や、ハリーを助けた光る人物みたいな伏線が後半で回収されてく流れが上手で、話の構成が凄く洗練された回だった。
他にも新しく教授に就任したハグリットやルーピン先生の授業のシーンが親しみ
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ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002年製作の映画)

3.8

生徒が石化される事件の解明や空飛ぶ車だったりと、ストーリーの展開と構成が前作よりも高くなってて、2時間40分もある上映時間があっという間に感じられるほど面白かった。
特に大蜘蛛や今回のラスボスとの戦い
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ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

4.0

何年も前に金曜ロードショーで鑑賞して、記憶があやふやになってきたので改めて再鑑賞。
魔法がまだ十分に使えない分、知恵と機転で困難に立ち向かっていく所がジュブナイル要素があって終盤の展開とはまた違う良さ
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.7

銀行強盗だったり銃撃戦だったりと、想像以上にアクティブな映画。特に主人公のふたりが思いのほか縦横無尽に暴れまくってたのが印象的だった。
けれど人生の最後のわずかな時間で、気の置ける仲間とやりたいことを
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.5

なんといっても不気味な隣人、西野役の香川照之さんの怪演が素晴らしかった。距離感が掴みにくい分得体のしれなさの拍車がかかってた気がする。

ライフ(2017年製作の映画)

3.6

適切な判断能力と知識を携えた6人の宇宙飛行士が、小さな生命体に弄ばれていくのが怖かった。特に船外に出たキャプテンの最期が悲惨で、観ているこっちまで苦しくなった。
ラストの展開も安心させたところで最悪の
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.2

戦争が基になる哀しみや悲劇を描いた作品はたくさんあっても、こんな残酷な真相に至る物語はなかなかないと思う…。

真相を知った時のジャンヌの呻き声が耳から離れない。

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.8

所々に映る町並みや服装が違和感なくカラフルで、全体的な色彩感覚が冴え渡ってた映画だった。そして、どんな服を着ていても似合ってたこの映画のカトリーヌ・ドヌーヴは本当に綺麗。
話の内容自体は主役ふたりの悲
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.3

この映画に登場する”生き物”は一見不気味だけど、思いのほか優しそうだったし、似たところのあるイライザだから彼も心を開いたのかなと思った。
そして、ふたりの間に似た境遇みたいな通ずるものがあれば、見た目
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.8

悪党たちがそれぞれの特性を組み合わせて難関なセキュリティを突破していくのが観てて爽快だった。
ストーリーの展開上、少し強引なところもあったけど、それを抜きにしても見応えはあったし十分楽しめるような映画
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.8

有名な物理法則が逆行する一連のシーンは正確に理解出来なくても十分見応えがあったし、それをうまく伏線として後に繋げていく所が流石だと思う。
逆行の原理や登場人物の関係性が掴みにくい所があるけど、主役ふた
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