奥さんの映画レビュー・感想・評価

奥

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正欲(2023年製作の映画)

3.0

目の前の者を理解する。

わからないものを、わかろうとする難しさ。

生々しいフェチではなく、性でもなく、
ゆるやかに揺蕩う水に浮きながら地球の真ん中にいる感じを、体感させてくれそうな作品でした。
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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

3.0

重圧と成熟。

汚れていく白さ。

バレエとホラーという珍しい組み合わせ。

美しさと怖さが違和感なく共存する独特な雰囲気に引き込まれました。

過激なシーンも多々あるが、とても素晴らしい作品だなと思
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市子(2023年製作の映画)

3.8

普通に生きたいだけ。

市子のアイディンティティ。

孤独で寂しく辛くて悲しいのに誰かに手を差し伸べる市子を杉咲花が素晴らしく怖ろしく感じました。

産まれた時から存在が肯定されていたら
市子はどんな
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.8

報われない世界でも。

逃げているばかりだと誰も救えない。
逃げないと自分を救えない。

生きづらい人生を三上が終えるとともに物語は終わり、そこに「すばらしき世界」のタイトルが現れる。

小さな幸せを
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.0

世にも奇妙な物語的な…映画でした。

ほぼずっとマンホールの中で描かれるワンシチュエーションスリラー。

前半はあまり入り込めなかったが後半の方は一気に惹き込まれました。

映像としてはほぼマンホール
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最後まで行く(2023年製作の映画)

2.8

2人それぞれの視点から描かれる構成でハラハラして楽しめました。

どう考えても死ぬところから起死回生を繰り返すあたりはちょっとどうなんだろうと思いつつも、岡田准一と綾野剛の狂気に満ちた表情が良かったで
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きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

3.5

深く刻み込まれた罪悪感。

それはどのように癒されるのか、あるいは、永遠に癒されることはないのか。

大事な人を沢山傷つけた。
自らもたくさんの傷を負った。
だからこそシーグラスのように優しくなりたい
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.5

住む世界が誓うけど、最高の日もあれば憂鬱な日もある。
ないものねだりだけど、誰もが頑張っているんだなと思った。

残酷なまでの格差もあり、誰もがそれなりの行き詰まり感を感じながらも、刹那的な喜びはある
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星の子(2020年製作の映画)

3.0

思春期の少女の「わからない」や「不安」といったセンシティブな感情を、信仰というセンシティブな環境に当て嵌めて描写されているなと思いました。

宗教を非難している訳ではなく肯定している訳でもありませんが
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空白(2021年製作の映画)

2.5

明日、自分が主人公になるかもしれない物語。

加害者の一人である娘を亡くした母親の、自分の悲しみ苦しみを脇に追いやり、娘の為に生き抜く覚悟、愛の深さに共感します。
父親と店長、二人の生き地獄にも陽は射
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

青春彩る磯の味。

爽やかな透明感と、ひたすら真っ直ぐに突き進む推進力。

主人公が「好きなことをやり続ける」ために歯を食いしばり、失敗や挫折の経験がいつしか弧を描くように実を結んでいく様に、静かな感
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呪詛(2022年製作の映画)

3.0

噂の台湾ホラー。

母親が子供を思う気持ちというのがメインに据えられており、エンタメ性もしっかりあるのでちゃんと面白い。

謎の信仰や儀式、祭壇、蟲毒などいかにも何かありそうな要素の描写がリアルで気持
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.0

美しくも儚い空気感をまとった作品でもあり、残酷な世界で最も美しい物語でもあった。

しょっぱい街のしょっぱい人々。

この世の中の生きづらさと、対照的に、
自由で美しい一果のバレエ。

本当の自分を隠
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地獄の花園(2021年製作の映画)

3.0

華やかでばかばかしくてとても楽しい。

ストーリーも単純で話もどんどん進んでいくので
何も考えずに観れました。

単なるおバカ映画。
それを徹底して真剣にやると、本当の意味でコメディーになる、典型的な
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.5

日常に溶け込む殺し屋稼業。

アクションが映える青春劇。

飾り気のない日常の中で、まるでバイトのように殺しを行うのが面白かったです。

日常の会話の積み重ねで進められていく感じがよかった。テンポも良
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嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.5

人間の中には、優しいものも残酷なものも同時に宿ってる。そこを誤魔化さないので、胸にせまってくるのです。

少し小さいセーター、静かでまだほの暗い朝、想像できる朝の匂い。

あまりにも救いのない物語のよ
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.8

性的露出を完全に抑えながら、異常な純愛を描く。

映像が本当に美しく耽美。

"あなたの未解決事件になりたい"というセリフが最高に官能的。

演出と緻密に練られた伏線や今まで見た事ないような大胆かつ斬
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「A」(1998年製作の映画)

3.5

オウム真理教青山本部と幹部荒木浩を中心に撮影したドキュメンタリー。

逮捕される様な薬品開発だの殺人部署ではなく、一般信者の寝泊まりしている施設の内部が写っている。

メディアの暴力と正義のあり方を問
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.8

たった12分の言葉もないアニメだけど、大きな悲しみに包まれた夫婦の姿に、なんとも言えない感情が溢れた。

セリフが一切なく画のみ、そしてこれだけ短い作品にも関わらず、深いテーマをストーリーと共にしっか
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

人の怖さが体感できる作品。

狂気じみた母の愛から逃れるために、娘が行動する。

薬漬けの毎日。
気の毒な程の副作用。
極め付けはリドカインによる、下半身の麻痺。

賛否の分かれるラストについて、自分
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名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

3.0

謎ときと恋愛要素のバランスが、ちょうどよくて最後はどうなるのか緊張感をもった良い作品だった
と思います。

キャラクターが自分の役割をしっかり果たしていて
推理も難解な用語とかいっぱいありますけど、し
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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

3.5

狙撃という見えない恐怖を描くというのは劇場で観たときは新鮮さを感じました。

ただの一般人の犯人を探し当てるというのではなく、狙撃手というその手のプロらの攻防に入り、真っ向勝負するのでいつもと違った緊
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名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

3.0

黒の組織や警察、FBIの攻防というか思惑など見応えもありました。

アクション、ラブコメ、ミステリーを詰め込みまくった今年の映画よりも見やすかったと感じていました。

終わり方も悲しくも美しく、素晴ら
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名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.5

なかなかストーリー性が高い作品です。

安室透がポアロから出てくる時のスローモーション、夜明けの電話ボックス、雨が降りしきる日本橋など、随所で印象的なシーンが光ります。

この演出の美しさが、安室透を
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.0

コナンの信念を軸に描いた良作。

大人はストーリー、子どもは映像で楽しめます。

一番印象に残ったのは最後のジョディ先生のところです。

最後に電車が通過して犯人の叫びを消し去る演出はお見事でした。

名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン(2023年製作の映画)

3.0

元々、黒の組織・怪盗キッドが複雑にからみわかりにくい部分ですが今回は整理されていた印象です。

ミステリートレイン編は登場人物が豪華なのでその点でも面白いです。

地味な謎解きの推理に徹しているように
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ひとくず(2019年製作の映画)

3.5

残酷な幼児虐待と家族愛の物語。

現代日本が抱える負の社会問題をあからさまに描き出している。貧困により底辺に生きるシングルマザー弱者親子の悲劇がリアルに描写されていました。

現実にはこんなヒーローは
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

淡々と進んでいく女性たちの会話。それぞれの生活を覗き見している感じで面白い。

静かに、ただ静かに人間の心情がうごめいている。

実は、示唆しているのは、ガミを通して見える、この作品を観る人自身の状況
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許された子どもたち(2019年製作の映画)

2.8

今のネット事情をリアルに表現してる分かりやすい作品。

実際の時間をモチーフにということですが、報道されていた事件のそのままような印象です。

このような事件が発生したとき、報道されない部分で何が起こ
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

2.5

凄絶なイジメの果ての惨劇。

映画という短い時間内で生活背景や生い立ち、格差、感情がしっかり伝わってきました。

みんな誰かに陶酔してて、狂信者でとにかく狂ってました。

復讐シーンの映像もB級感を感
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

アイスランドが舞台の静かで不気味で悲しいスリラー。

母がマリアだから、きっとキリスト教のなにかとかかっているのだろうけれど、そんなのよりも「仇」と思うと怖い。

「彼」とともに去っていったアダはその
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.5

近づけば近づくほど、自分とちひろさんとの間に分厚い壁があることに気が付いてしまう。

何も大きな事件は起こらない、たんたんと話は進んでいくが、ここぞという所では確実にこちらをぶっ刺してくる。細かな感情
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

感情が揺れ動く女性とボクシングと人間ドラマ。

素朴なストーリーと演出に耳を澄ませる。

音楽もなく、淡々とした演出が印象的で、喧噪、雑踏だけが際立つ。耳を澄ませてしまう。
そして、岸井ゆきののちょっ
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.5

80年代ならではのブラックジョーク感。

主人公が、とてもとても悪いことをしているはずのに、周囲は日常どおり。

何をしても満たされない心には闇が広がり
殺人でしか快楽を得られなくなっていく。
猟奇的
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ミスト(2007年製作の映画)

2.0

人間は間違える生き物だと痛感する映画。

主人公が愛する我が子を守ろうと必死で起こしてきた行動一つ一つが、全てあの救いようの無いラストに繋がっている。

ヒーローあり、言うこと聞かない奴あり、精神的に
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純平、考え直せ(2018年製作の映画)

3.0

純愛、最近無いタイプ。見え見えの美しさじゃなく、本当に切なくなりました。

主人公はSNSと無縁で、自分の行動が注目されていることを最後まで知らない。この構図も面白かった。

「幼い時いつも月が付いて
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