奥さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

奥

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轢き逃げ -最高の最悪な日-(2019年製作の映画)

2.8

真の友人とはを考えさせられる作品。

加害者側と被害者側の心情がリアルに描かれており、心に突き刺さるものがありました。

何が起きても引き受けて生きていくしかない人間の業。
当たり前ではない今を感謝し
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ノイズ(2022年製作の映画)

2.8

閉鎖的な島。

小さな綻びは放っておくと、だんだん大きくなってしまう。

光が輝かしく光るほどに影が深くできる。

胃もたれ感もありつつ、久々に、トリックアートを見ているような、夢と現実の狭間の奇妙な
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気まぐれな唇(2002年製作の映画)

3.0

一人目と気持ちが離れていくときは川を見ているときに彼女からの電話を聞きながらだし、二人目と離れるのはラストの雷雨。ともにあふれる思いを水が断ち切っている。

これといった事件が起こるわけでもなく、ちょ
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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

3.5

平凡な日常をヒョイと飛び越える職人技を見せつけられた思いがしました。

「撮るとその人の人生を変えてしまう」というカメラの存在は、何よりもカメラ(写真、映画に限らず)の力を知るホン・サンスならではの着
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なっちゃんの家族(2022年製作の映画)

4.0

登校中に思い立ち家出をして婆ちゃんの家を訪れて巻き起こる話。

おばあちゃんが何かをするたびに声をかけてくれる。
なっちゃんの心境が本当に伝わってくる。
なっちゃんの心が圧迫されている感じとか孤独感と
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

イハとタナベが青に恋をしているようで、これからも一悶着ありそうな予感。イハ役の人が可愛い。関西弁が良い。

いたたまれなさ、みたいなものが素晴らしく映像に置き換わっている映画だと思う。生きてることはい
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.0

フリーの殺し屋を密着取材するモキュメンタリー形式が生む絶妙なリアリティとおかしさ。

殺し屋というヒリヒリした日常をイメージするかと思いきや案外あっさりしていたり、抜けていたりと、どこかクスっと笑って
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.0

過酷な時代に翻弄される正義と夫婦愛。

妻という1人の女の大胆な独占欲、内容がどうであれ犠牲もかえりみないで共犯者になるという愛情表現。

蒼井優さんが、「私、少しも狂っておりませんの」と言ってほほ笑
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.5

モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか。

切ない気持ちが残ってしまう物語。

悪夢のような気分。

所々のフラッシュバックや夢のシーンがとても美しく、儚い。

島の歴史背景と主人公のバックボーン
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.5

緩急自在の知的アクション。

見所満載なので上映時間が短く感じられた。
完成度の高い王道の知的アクション作品として堪能できる。

味方の一枚上手をいく敵の、さらに一枚上手をいく主人公。
まさにイーサン
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.0

主人公と悪役の化学反応。その表現が上手い。

凄腕の殺し屋と不運なタクシー運転手の長い夜の物語。

追って追われてというよくあるスリラーではなく、常に背後にいる恐怖、そして逆転という展開は本当によくで
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

5.0

ホン・サンスの個人的な恋文なのか、そう見えるように作ったフィクションなのか、その境目が溶けていくような感じがたまらない。

明確な答えを知りたくない自分がいる。そんなことを知らずとも、この何も起こらぬ
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冬のメイ(2016年製作の映画)

3.0

夢を追いたいけど、お金がない。

支えてくれない親。

自らの腕で、生きていく。

何を生きがいにして生きていけばいいのか。
答えは簡単には出てこない。

左様なら(2018年製作の映画)

3.0

左様なら。

友人の死を境に孤立していく様が実に残酷で、それでいてとても説得力がありました。

学生、教師、周りの大人、さまざまな目線で考えさせられ、楽しめる作品だと感じました。

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.0

哀しさや虚しさが残る作品。

私達が日々重ねている瞬間のなかで、ある点がキラキラと輝くのか、鈍く暗く灯されるのか、それは振り返ってみなければわからないと思いました。

「このまま沈黙を、続けますか?」

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.0

異質なものを疎外する人間の性。

世間と距離を置き、男を通じて社会での身の置き所のなさにもがく女性が描かれていました。

水と緑溢れる湿地帯には、さまざまな動植物が生息しており、その豊かな自然と動植物
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

応答せよ、応答せよ。こちら、あみ子。応答せよ。

子どもの視点から、周りの出来事が淡々と描かれてく物語。

誰もが通り過ぎた子供の頃の"あの感覚"。
それを持ったまま成長"しない"あみ子。

優しいけ
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.5

亡くなった父親の姿に重なる息子の生き方を描いた作品。

団地暮らし、晩夏、手作りカルピスアイス。私には全く経験ない事なのに、なぜか哀愁が漂っていて切なく感じました。

「男はなぜ今を生きられないのかね
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

幻想的で不気味。

芸術性が高く、映像や色づかいはじめ音楽が素晴らしい。音楽によって神秘性を孕んだ恐怖を煽られる。

口先だけで「愛してる」と言いながら実際は服従を求める男の実相をこれでもかと描く。
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

実像、虚像、偶像、増殖する自己。

普遍的なテーマを複雑な多重構造で奥深く描いている作品。

リアルと非リアルの境が途中から混雑してきて、どんなオチになるのかワクワクします。

「あなた誰なの?」って
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娚の一生(2015年製作の映画)

3.0

大人の恋のお話。

独特のテンポで綴られる片田舎での日常。
都会では当たり前の出来事が田舎ではそうとはならない。
原作読んでないのだけども不思議な印象でした。

都会の生活に疲れて田舎に来たつぐみ、田
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夏の終り(2012年製作の映画)

2.5

夏の終わりを感じさせる静けさ。

年上の作家と不倫関係にある女性が、年下の男性の出現で揺れ動く。

人は生涯、何人の人を愛し、愛されるのだろうかと考えさせられました。

馬鹿な女だと思う反面、本能のま
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.5

躁鬱のリアル。

分かり合えたほんの一瞬で私は生きている。

生きていると、自分のことが嫌になることって誰にだってあると思う。

どんな英雄でも、スターでも、成功した人も、うまくいっていない人も。
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

「魔法みたいな時間」を描いた作品。

甘酸っぱい青春と突き付けられる現実。

社会人1,2年の頃はまだオールもできて、明け方まで楽しめて、大学生の頃よりはお金があって、マジックアワーという言葉に頷いて
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殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

3.0

アルツハイマー殺人者の苦悩。

じわじわと無くなる記憶、自分が何者かわからなくなる恐怖。次々と起こる殺人。

なぜ、彼は連続殺人犯になり、
なぜ、痴呆症になったのか。
その理由を考えてると切なくなる作
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.0

多種多様な人生を時間内に表現。

主人公はデリヘルのスタッフとして、デリヘル嬢の面倒を見ていた。

職業柄、いろんな人たちが、あからさまな人生を生きていく群像劇。

生きづらい世の中だけれど、
たぬき
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幼い依頼人(2019年製作の映画)

3.5

幼き少女のトラウマ。

傷付いた少女を護ろうとする男性の姿が描かれていました。

直接的に痛い描写はそれほど多くはないですが、抑えた表現が、むしろ恐怖をしみじみと感じました。

救いといえばそうだけど
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

2.0

立方体空間に閉じ込められた男女の脱出劇。

CUBEに出てた人はみんな影があるように思いました。
人間極限下におけると本性現れるし、人皆それぞれ背景があります。

様々なトラウマを背負いながらも生きて
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.5

美しい巡りあいの連鎖。

日常に潜む目に見えない大切さ。

各話が絶妙な距離感で絡み合う、コンセプト・アルバムのような映画。

リアルなんだけどでもそれでもこんなことありそうで本当にあるのかなあと思う
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嘘喰い(2022年製作の映画)

2.8

ギャンブルものとしてはシンプルでそれは楽しかったけど命がけに説得力がないように思いました。

主人公が堂々としていて、信頼が熱いのも納得がいきます。
頭の回転が速い、機転が利く、知識も豊富だと、自信に
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.5

人工的に作られた能力者達のバオレンスアクション作品。

普通人に見せて悪魔。

無敵の強さ。怖いようで、悪者を倒すシーンではある意味ヒーローにも見える。

オープニングから不気味な実験写真が挟み込まれ
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.0

どこにも救いのない映画。

共依存という言葉が重い。

「私の子なんだから、どう育ててもいいでしょ」
と子供を”所有物”扱い。

生きていくため、母親を支え続ける少年は
ある種のストックホルム症候群の
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.0

阿部サダヲの“遊び”を心まで堪能する作品。

瞳孔という闇の中へ。

既成事実と信じた真実の崩壊。

別の次元に思考が言ってる人を前にすると自分のような一般人はなす統べなく処理されてしまうんだなぁと染
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.0

暴力を暴力で返すことでしか正義が成りたたない世界。

穴を覗き込んだ時に聞こえる「何か」の回収が想像していなかったので、自然と感心の息を吐いてしまった。

噂や家族のおかしたものを息子がずっと罪を着せ
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子宮に沈める(2013年製作の映画)

3.0

ドキュメンタリーのようなカメラワーク。

監督が理解させるのではなく、観客が理解し思考を咀嚼する為の映画だと思った。

幼い長女の在り方が演技とは思えないほど。胸に詰まる。

人様の家庭を覗き見ている
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母性(2022年製作の映画)

3.5

母と娘。

愛されるか愛すか。

愛情の受け手と、注ぐ側との対峙というか、愛というものの深さと悍ましさをいっぺんに喰らわされたようだった。

何が真実なのかもわからなくなるような、愛の姿を描いた素晴ら
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