奥さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

奥

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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5

月夜に輝く作品。

今作幼少期からティーンエイジャーにかけて重く悲しい展開の連続がシャロンの身に降りかかり心が折れそうになるが、その中で唯一の希望とも言えるのがファンとテレサ夫妻。

海で泳ぎを教えな
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

映画と言っても、私にはほとんどドキュメンタリーに思えました。

この映画を見てスタンディングオベーションできるなんて、私は胸を押しつぶされて、しばらく立ち上がることができなかったです。

「計画」もよ
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FRIED DRAGON FISH(1996年製作の映画)

3.5

数秒感、映像と音楽にグッと心を掴まれる感覚。

その瞬間、もはや時間を忘れてしまう。

岩井俊二監督の映画に必ず存在するその数秒感、それはこの作品の頃から一緒。

部屋の中心に寝転がり、魚たちが見守る
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海を感じる時(2014年製作の映画)

3.0

「好きじゃないけど、キスしたい」
という洋の突然の申し出を、戸惑いながらも、好きだから受け入れてしまう恵美子が、洋との付き合いの中で、変化していく様子と海のさざ波のように揺れる二人の心の不安定さが、こ
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ハン・ゴンジュ 17歳の涙(2013年製作の映画)

3.0

ラスト1分に詰まった作者の思い。

痛ましい実話をもとにしているということはあまりにもわかりきったことで、そのことに忠実であるというだけでは映画としての存在意義は弱いかなと思いました。

しかし、事件
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.0

絶望の中で展開する怒涛の人間ドラマ。

ゾンビ役者の演技のうまさと演出が、かなり計算されていました。
演技指導を細部までこだわったのを感じました。

今までになかったリアリティがある。
今までのゾンビ
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.8

残酷で美しい。

彼女の口からこぼれ落ちる言葉には機微が溢れて、自分の事みたいにスルスルと涙が落ちてしまいました。

流れに乗れない日々、そもそも流れに乗った事などない。そんな淡々とした生活に、儚い希
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.0

愛って愛おしい。

恋をしたら、絶対に絶対に味わう嬉しい感情や悲しい感情をどの役の人も上手く表現していて、私も忘れていた若き日の恋する感情を思いだしてしまいました。

マモルみたいな優柔不断なソフトな
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

5.0

「深い愛って、何だ?」

いろんな人がいろんな生き方で、日々過ごしている今。
当たり前になりつつあるのは、過去にいろんな人が涙してきたからこそあるんだと思う。

弁護士ポールは、最初ゲイであることを職
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.5

恋愛の熱を冷まし、雨も凍らせる戦争。

ギラギラした世界で常に歌いながら、コテコテの男女の愛が語られる。

しかもカットカットの違和感など無視してどんどん話が進む…、正直ついていけない。無理これ…、そ
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懲戒免職(2006年製作の映画)

4.0

これは思わぬ掘り出し物に出会った気分でした。

意味不明な冒頭シーンから短編作品にありがちな抽象的な展開なのかと思わせたけど、きちんと起承転結のある作品に仕上がっていて良かったです。

エロい吉高由里
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ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

3.5

私世界狂想曲。

若者も辛い。

何者かわからない、何ができるか何がしたいのかわからない葛藤をこう表現したんだな、という映画らしい映画。

歩くだけで風に傷つけられて、
立ち止まったら居場所がわからな
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

4.5

「服を着るために生まれてきたような人だ。」

満たされた幸せな生活は恐怖。
永遠には続かない。

幸せも不幸せも自身の受け取り方で度合いが変わる。
他人の目はその他の自身の受け取った感情でしかないし、
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

4.0

ポップで、パンクな作品でした。

めちゃくちゃ尖っていて、めちゃくちゃシュールオブシュール。

高校生って、ちょっと無鉄砲で危うくて、世間を知らない分グイグイいって、ヤバい目にあって学ぶというか…、
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四季~ユートピアノ(1979年製作の映画)

5.0

1才 母のミシンの音を聞いた
2才 父の靴音を聞いた
3才 古いレコードの音を聞いた
4才 兄とピアノを見た、氷のようなピアノだった。
触るとダイヤのような音がお腹の中に響いた。


音へのこだわり、
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ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)

3.5

アンチジャパンポルノ感。

生殖機能が影響して、女性の身体やそれから発するオーラが男性を魅了します。

それが前提となって社会が機能していることは誰も否定できない。
おそらく多くの女性は、成長過程のど
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.0

生活がリアルで生々しくて重い群像劇。

人生って筑前煮みたいだよね。
この映画もまさに筑前煮。

現代を生きる自分たちにとって目を背向けたくなる様なシーンが多く、社会的弱者を強制的に目の当たりにさせら
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パターソン(2016年製作の映画)

5.0

なんか好きなんだよなぁこの映画。

淡々とした日常なのに魅入っちゃいました。
平和なのに、どこか不穏に感じるのがたまらなかったです。

何か起きそうで起きない。

「我が家にはたくさんのマッチがある」
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[Focus](1996年製作の映画)

2.5

盗聴マニアのテレビ取材から思わぬ殺人事件に。
その流れがとてもリアルでした。

ドキュメンタリーをテレビで観てる様な錯覚を起こすような作品。

カメラアングルが本当の編集前の一人称アングルでリアル。
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.0

あなたは、これを愛と呼べるのか…。

登場人物みんなクズ。一人残らずクズ。
すれ違う人さえもクズ。クズクズクズ。

陣治の切ない究極愛。

何故あんなにも深く愛されるのか…。

微塵も愛を返されないが
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スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

3.0

スマホを落とした事をきっかけに…。

今のSNS社会、誰の身にも起こりうるかもしれない身近な恐怖を描いたミステリー小説を、ジャパニーズ・ホラーの名手・中田秀夫が映画化。

スマホを落としたのが本人では
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コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

3.5

過去に起こったことは変えられない、でも、心は変わる。

過去に起こったことは変わらない、でも、とらえ方は変えられる。

過去の後悔にとらわれることなく、今を生きる。

でも、そのためのには「希望」が必
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渋谷(2009年製作の映画)

3.0

シンプルだけどじんわりきました。

都会に潜む哀愁を描いた作品。

誰しもが心の中に抱えるリアルさ。

自分を演じてしまう自分。
これは多かれ少なかれ、誰もが経験していることかもしれません。
この映画
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四月物語(1998年製作の映画)

3.5

昭和の青春ラブストーリー。

大好きだった先輩の後ろを追って、東京の大学へ入学を果たし、親元を初めて離れて1人暮らし…色々な人との出会い、とうとう憧れの先と、
first impression
淡い恋
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夜のピクニック(2006年製作の映画)

3.0

甘酸っぱい青春の1ページ。

若い子には自分の学生生活と重ねて共感出来る作品なのかなと思いました。

学生時代から遠ざかった者からすると、懐かしく甘酸っぱい気持ちで満たされる作品だと思います。

ああ
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.0

明快なストーリーと構図。
一切の無駄がない。
それでいてテーマは奥が深い。

こんなに素晴らしい作品とは思いませんでした。

鞘に収まらない刀のように「キレる」剣豪浪人と「金魚のうんこ」か雛鳥のような
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buy a suit スーツを買う(2008年製作の映画)

4.0

市川準監督の最後の作品。

わざと手持ちのデジタルビデオカメラで、ラフな演出をして、学生映画のノリを出していました。
日常の一こまを切り取っているだけの退屈な学生作品とみせかけているけど、実は格差社会
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.8

ただただ面白さを追求することの尊さ、そんな映画でした。

なんでこんなに観終わった後に清々しい気分になれるんだろう…。
一応ゾンビ要素もスプラッター描写もある作品なのになぁ。

2回見るとより面白く楽
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

4.0

人は個々の空間で生きる孤独な生き物なのか、そんなことを考えさせられてしまう映画でした。

なぜ、人は覚醒剤にはまるのか?

当事者でない限り、否、当事者すら意識していないちょっとした気の緩み、好奇心、
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グリーンブック(2018年製作の映画)

5.0

この映画は観客を選ばない。
分かりやすく楽しく、魂のうねりに触られる作品でした。

差別と孤独。

身をもって差別を暴くドク。

天才的なピアノで観客を魅了するけど、、本当に表現したかったことは、音楽
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.0

閉じた心を開く瞬間を捉えた青春映画。

良い意味で現実感の無い映画。

クーラーも風呂も備えていない安アパートで住む若いフリーターの、でも抜群の育ちの良さを感じさせる女性がきれいな洋服・浴衣を着てカフ
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.5

20代後半の切ない青春の幕切れ。

全部、全部、愛おしかったです。
思い出が詰まり過ぎた、アパート、お風呂場、彼の匂いが残った服、砂時計に置かれた三万円 妙に目立つ オレンジのバスタオル 映画の中で一
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娼年(2018年製作の映画)

3.0

艷やかで哀しい、深みがありエロさがある物語。

さまざまな性癖を抱える女性客たちが、娼夫リョウとの行為を通じて解放されていくというパターンが繰り返されるのだが、セックス描写は生々しくも美しく、そしてど
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

くだらない、なのにそこが良い。

3つの出来事が交差して繋がりを持つ作品、クスリ、銃声、ギャング映画としては少しパンチも薄い気もしましたが、ものすごいくだらない言い合いや、fxxxkが反発する会話もな
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空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

3.5

中小企業と財閥に銀行員、毎度の味付け、展開、食傷気味かと思いきや見始めると引き込まれるのは登場人物の多彩さ、池井戸マジックですね。

判っているのに観てしまいました。

若干尺不足な感じはしましたが、
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アフタースクール(2008年製作の映画)

3.5

大大大どんでん返し。

平凡な日常を営む一般人が人生最初で最後の、大活躍をするとすればこのくらいが限界かなと教えてくれる映画でした。

名作スティングの10分の1くらいの規模のどんでん返しを見せてくれ
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