ジョーじいちゃんを演じたデイビッド・ケリーがファンタジー性の担保となっている。
韓国映画のモテ男女のキャラは容易に納得できるものの、中国映画のそれはいま二つほどわからない。
中国のまともな高校生が高考(一発勝負の大学受験)に輝かしい青春を捧げている。瑞々しい肌ツヤの彼らが机にかじりついて黙々と耐える姿にこそ不可逆的な生命力の濃縮を感じる。
若葉竜也が発する「えっ!?」「はい!?」の声質が良い、涙で潤んだような右眼が良い、髪型が良い。6人の女の中で古川琴音と若葉竜也のやりとりが一番映画的。
中勘助の「銀の匙」を大絶賛した漱石がこの作品を観たら何と言うだろう。ドニ・ラヴァンそっくりな大沢一菜はもとより、登場する広島の子供たちもみんな愛おしい。重い話なのだが、森井監督のジャック・タチのような>>続きを読む
これが憲兵役を日本人がネイティブの日本語で演じていたら진짜見るにたえないし、日本語を強制される彼らの抵抗の朝鮮語を日本語字幕で読んで涙するねじれに忸怩たる思いです。
日本の悪しき「製作委員会方式」では絶対に作れない映画。コロニアリズムの幻影をエンタメ要素に仕立てあげる貪欲な咀嚼力と資本力、パク監督の演出に応える役者の振り抜き方、いやまったく大したもんだよ韓国映画っ>>続きを読む
ソル・ギョングは大杉漣、アン・ソンギは内村光良、イム・ウォニは若い頃の勝新太郎に似てるなあ。制作は2003年だけど、事件は1970年頃なのでわざと古めかしい演出でやったのかしらん?
トムが裁判で闘う前に家族親類にその旨を告げる。世間からの差別とバッシングに彼らも巻き込むからだ。だからこそ勝訴後の病室での「また明日ね」という別れの場面は、トムではなく彼らの表情を一人ひとり撮ったのだ>>続きを読む
瀕死のカン・ドンウォンの「僕は、誰も、裏切ってません」というセリフに涙したが、エンディングの脳天気ぶりに私は裏切られた思いでいっぱいです。
炎に包まれた家の前で認知症のオンマが駄目息子を慰める「朝鮮戦争の時は国中がこうだった。生きてさえいればなんとかなる」。そのとおりだと思う。棚ぼたで大金を手にした妻からこの後で必ずや離婚を切り出されたと>>続きを読む
赤ちゃんを探していた釜山の暴力団員は二人。一人はソウルのモーテルで死体で発見された。ソン・ガンホは知り合いの息子のテホを殺した。ソン・ガンホが行方をくらましているのは、もう一人の暴力団員を殺すか、手を>>続きを読む
詩集の表題「空と風と星と詩」からしてそうだが、尹東柱の詩はもろ白樺派。これを抗日的と言われては詩なんて少しも書けないだろう。映画では秀才で革命家の宋夢奎の方が魅力的なキャラになっている。
大統領執務室の威容さに驚く。軍事独裁権力の象徴として、そして朴正熙の卑小さの対比として描かれている。
韓国映画の殺害方法はおしなべてそうなのだが、とりわけパク監督のそれは屠殺感が強い。
なんか既視感があるエピソードは脚本の問題だろうし、ハッとするような踏込みがないのは演出の問題だろうし、劇中の現実を実際の現実の予定調和内で落とし前をつけるというのは監督の志向のあり方なのだろう。
ジヨンのどん詰まり感は、いまだに父権主義が根強い韓国における女性のデフォルトなんだろうが、これがソウルから遠く離れた地方の女性だとジヨンの暮らしぶりに「사치스럽다! 」とムカつくそうだ。
韓国人にとっては、たとえ劇中であれ登場人物が借りを作ったら必ず返したかどうかが肝どころであり、そこをきちんと描いていないと俳優や監督を説教したくなるのだそうだ。この映画もそこは抜かりなかったが、いかん>>続きを読む
これほどまでに罵倒語の씨발と씨발새끼が頻出する映画も滅多になく、キレる韓国人を知る上で格好の作品。ラストの語り口でわかるようにヤン監督は映画手法に通暁している。
波平頭のフーコー先生が存外女好きなせいで瓢箪から駒みたいになるのが2回もあるから、やはりそこは腐ってもフランス人であり金八先生とはちがう。
最初の犠牲者が窓ガラスに顔を押しつけられてへちゃむくれになるカットに笑ってしまいました。ごめんなさい。
韓国人朝鮮人は手より先に足が出る。蹴り倒し蹴り上げ踏み潰す。足は手より酸鼻を極める。かつて日本はこの苛烈な民族を三十五年間にもわたってよく蹂躙できたなとつくづく思う。韓国の社会派映画の大傑作!
取り調べを任された立松のような同情的共感者が体制側にも稀にいたそうだ。韓国では批判されたそうだが、映画はそこをシーンを重ねて丁寧に描いていたのが好感。
号泣したり叫んだりするよりも、妻夫木聡と高畑充希のカフェでのやりとり、あれぐらいで良い。高畑は目で演技してた。
この悪人って「自力本願叶わず阿弥陀如来に救いを求める凡夫」という浄土真宗の悪人正機説の意味なのかしらん。それにしても岡田将生の演技には瞠目した。
アメリカが対日戦に本気になるのはわかるけど、つれションみたいな対独戦にここまで犠牲を払えるのはすごい、Saving Europeだよね。
スポーツカー、洋館の邸宅、女中、別荘…、この時代のこの暮らしぶりが現代の富裕層よりもまばゆく見えるのは映画の力なんだろうか。
芦川いづみの「あっ、みんな、ショートパンチをはいてテチボウの下にあちまれー」に思わず吹いてしまった。しかしこの時代の田園調布はアメリカだなぁ。
夏のマンハッタンの蒸し暑さや夕立のつかの間の涼しさ、セットでありながら臨場感がすごく伝わってくる。
魚市場でのドロンのすばしっこい目の動きこそ育ちの卑しさが垣間見えた瞬間(見事な演出と演技)
単なるゴシップコラムニストのヘッダ・ホッパーが赤狩りを先導している異常さよ。