このキッチュさ&大仰さが角川映画の面白味。裸体を見せない薬師丸のラブシーンで、AORをBGMにする角川春樹はさすが。
ローラという名の少女が出てこなかったので変だなぁと思ったが、ローラーだったとは!
同時代だったベートーヴェンやハイネも、こんな雰囲気で生活していたんだとリアルに感じられるようになった。
韓国の教会では奇跡や精霊を信じて、感極まってぶっ倒れたりする信者が多くて、韓国人はすげえなーと感心するが、この映画もそう。
お目付け役のウィルフリッド・ハイド=ホワイトの存在が、クレマン財閥の担保になっている。なで肩のモンタンはカーディガンが良く似合う。
スクールじゃなくてアカデミー、名門大学のキャンパスみたいで、こういう設定が上手いんだよな。
姉のソンファと弟のドンホは、どう見てもオジとメイ、歳の離れた兄妹にしか見えないよー。実際、ドンホ役は1960年生まれ、ソンファ役は1971年生まれ。無茶してる。
苦労して撮影したフィルムが使い物にならなくなって、それで苦肉の策で編集したシーンがこの映画のハイライトになったというからねー、神さまはいるんだ。
ぼくのおじさんというタイトルだけで、おじさんのキャラが見えてくるのがもったいない。松田龍平なら猟奇的快楽殺人者のおじさんだって十分にやれそうだ。
この映画、出だしのオックスのエピソードが重要なんやけど、みんなあんまし気づいてない。
映画ではなくポスターの勝利。夏目雅子の胸、あれ、男の手で寄せてるよね。女優の脱ぎっぷりとケレン味で話題を集める映画の走り。
あっ、これはあきらかに駄目だ。深沢七郎の原作がこうも無惨なものになるとは、木下恵介恐るべし。
ボー・デレクをのぞくためにクローゼットに隠れたダドリー・ムーアが、興奮して双眼鏡を慌てて持ち出すセンスが最高!
本当に死んでいるのかを確かめるには、足の親指を噛めば良い。ためになった。
のどかな畑で銃撃戦、銃声も雲雀の声のように風景になじんでいる。台詞も劇伴もなく点描する演出が素晴らしい。
春先になるとなぜか無性に見返したくなるんだけど、こういう人って他にいるのかしらん。
トレイシー・ハイドのちょっとおしっこ臭い体臭が匂ってくるリアルさが素晴らしい。
濡れ場がやたらと多くて、当時は大島渚も今村昌平も土着性を描くにあたり濡れ場を多用したけど、竹下景子も濡らされていて感心した。
男児のいない女児だけの孤児院という設定が独特の静けさを生んでいて良い。レイプも殺人もないが、あきらめと哀しみの深さはやはりこの民族ならでは。
レツゴー三匹の長作に似た教授役が美女にちょっかいを出すときに「ムフッ」「アハン」「ウフ」と意味不明のあえぎ声をアフレコしてるのがいかにも香港映画。