古典的とも言える題材を「今」の空気に合わせて構成できる監督(80歳超)の手腕が凄い。アクションも凄い。
独善的な人の心を動かすには、自分を滅し続けるしかない。卑屈になるのではなく。自分が不幸の底にいても滅私できる人の精神力は独善的な人のそれとは比較にならない。
子どもの頃テレビで何となく観ていた映画を改めて劇場で観返すと、こんなに面白かったのかと感じることは良くある。
窮地に陥っても全く動じない、骸を蹴飛ばして寝床をつくるルパンがとってもかっこいい。
誘拐の発覚してからの対応と葛藤、警察の地道な捜査をまとめあげる署内のうだるような暑さ、身代金受け渡し時の緊張感、ジャンキー達の溜まり場、そういった場面ごとの空気の密度が濃すぎてひたすら映画の世界に没頭>>続きを読む
自分には携わることのない、でも実際に存在する人々の世界を垣間見る。フィクションでありノンフィクションでもある不思議な感覚。
ニッチな趣味を持つ有村架純と出会える、それがどれほど幸運なことかを菅田将暉に切々と伝えたいと思ったけど、大きなお世話でした。
希望とかフラグを丁寧に、あるいは雑に排除していく。さまざまな角度の不快さが積み重なる。どういう映画かを一発で分からせるタイトルの出方が超かっこいい。
色々スケールがデカすぎて、羨ましいとか人としてどうなのという感情が置き去りになり、ただただイカれたおとぎ話をぼーっと見ている感覚に陥る。
どこの劇場も満席、何軒目かにかろうじて空席を見つけるという経験は久々で、そんなハードル爆上がりの状態で見ても期待を大きく上回る傑作だった。
まず秀逸なのが、クレヨンしんちゃんというアニメでしか出来ない>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この監督は意地が悪いなと思う。
他作品で人気だったキャラの中の人をオープニングでカッコよく撮ったら秒でヘタレ退場させる。ついでに前作のキャラもサクッと退場させる。ハーレイクインも今回は添え物的な扱いか>>続きを読む
人が薦めた映画を見る時は、薦めた人の人となりをよく考えないといけないなと思った。
他人の中に、ポジティブな記憶として残ることは少なくとも自分は羨ましく思う。
自分の好きなことや、それを共有する人たちとの折り合いのつけ方があっさりしてるというか、なんか皆大人だなと思った。
潔癖な美術、構図でその映画の世界に引きずり込む。ジャックニコルソンがホテルの亡霊と対話している時の形容しがたい感情で、醒めない夢をみている感覚に陥る。
このレビューはネタバレを含みます
見た目だけ徐々にハエ(というか化け物)に変わっていき、中身はある程度そのままというのが、精神ごと化け物になるのよりはるかに残酷だと思う。
取り返しのつかない段階まで来てしまい、見た目が完全に化け物とな>>続きを読む
バディの女刑事は間抜けすぎないかと思ったけど、そういう隙がないと話終わらないしなあとも思う。
お互いにメリットのない入れ替わり。殺人鬼の方はいけてるファッションセンスを発揮したり、女子高校生生活を通して主役の女の子に対して何か感じた部分がありそうな気もしたけど、続編フラグを叩き潰すラストが潔い>>続きを読む
意図が読めない行動。はっきりした意図などそもそも最初からないのかもしれない。汚いドライブ、単身で組にかちこむ菅田俊。
妻が殺されたことに対する哀川翔のリアクションが怖い。