冷たいセメントで作られたアパートと車に貼られたコカコーラのステッカーの対比が共産主義末期だった当時のポーランドをよく表している。
主人公は映画監督という表現者のレベルと家庭のある労働者というレベルの二つの間に立たされるが、どの立場にも一方的に肩入れしない姿勢は真摯であり、今後の監督の作品に説得力を与える作品であると思う。
こういう作風は寒くなってしまうことも多いと思うのだが、ちゃんと面白く笑えるようになっている。いや、ちゃんとはしていない。倫理観を横目にアクセル全開で駆け抜けていく。
殺し屋ランキングという前提から意味不明で、色々と底が抜けている。話の不可解さに対して画面がひたすらクールで退屈しない。
今の時代に中島みゆきをいい音響で聴くというのは奇妙な感じがした