しゃちょーさんの映画レビュー・感想・評価

しゃちょー

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八つ墓村(1996年製作の映画)

3.9

70年代のシリーズ自体からのオマージュも含まれ、また、出演者も市川崑ファミリーとでも言うべきで、ファンとしては面白い。ただ画面が明るい点など、「豪華な2時間ドラマ」は言い過ぎだが、すこしチープ感が感じ>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

4.1

海江田がより不気味になっているが、わりと原作に忠実で驚いた。
冒頭が静かに始まり、なにかとうるさい最近の邦画とは一線を画す感あり。
潜水艦映画として大変丁寧なつくりで、レッド・オクトーバーを追えを彷彿
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不夜城 SLEEPLESS TOWN(1998年製作の映画)

4.0

誰も信頼できず誰にも信頼されない男と女の物語。だから二人には他人に枕を預ける夜は常に存在せず、不夜城でしか生きられない。
90年代の東京の風景が良い。

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

3.6

双子設定をはじめストーリーはすこし強引だったが、終盤はそんなのがまったく気にならないくらい圧倒的なガンアクションが格好良い。チョウ・ユンファの背後で一階まるごと爆発するシーンがお気に入り。
しかし一作
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Winny(2023年製作の映画)

3.0

私は2010年代前半に大学工学部で学んでいたが、技術者倫理というのは悪用可能な技術を注釈なしで(にやにやしながら)ほったらかしにするのではなく、社会の構成員として社会で有効に使わせるところまで責任をも>>続きを読む

マルサの女(1987年製作の映画)

5.0

主人公の能力・機転とチームとしての地道な仕事によって問題に対処していくという点で好きな類型の映画であるし、題材が面白いし、演出がよいので、やっぱり何度見ても面白い映画。

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説(1997年製作の映画)

3.8

幼い頃にテレビ放映を録画したVHSを繰り返し見ていた映画がBlu-rayでようやく発売されたため購入。昔のアナログ放送の荒い感じがあの怖さを醸し出す要因だったのだなとも思いつつ、懐かしく視聴。ただ、謎>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.0

オリジナルの知識はまったくなく見に行ったが十分に面白かった。庵野の映像演出が好きなのだと思う。浜辺の雰囲気が合っていたのが良かったし、意外に西野が映画に馴染んでいた。

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.2

主人公が格好良い映画。遠隔地から銃を放ち、電話で弄ぶという犯人の卑怯さ、臆病さが際立つ。しかし最後の採石場のあたりなど、あれだけ弾が飛んできているのによくイーストウッドに当たらないなあ。

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.5

みんな張り切って演技していて見やすい娯楽映画。ちゃんと(?)与野が大宮と浦和に小さく挟まれているところが良かった。

喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

4.0

今時流行らないかもしれないが、人生をかけて奉職するということ、結婚するということを考えさせる。人生はどちらかというと選択よりも偶然の連続であるが、その偶然性を受け入れることを、ある人は諦めと言い、ある>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.8

同窓会の気分。12年前にリアルタイムで四畳半神話大系の最終回を見た記憶が蘇ってきた。空気感が愛おしい。なお、私も中華屋でビールを傾け遅い夕食をとったのであった。

キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.9

情報部長が多少戯画的だったが、全体的には良い雰囲気でまとまっていた。しかしキングメーカーが表に出ようとする動機があまり描かれておらず、最終的に大人金大中(ウンボム)の前の小人厳昌録(チャンデ)という金>>続きを読む

しなの川(1973年製作の映画)

3.3

主人公は自ら枷にはまり嫁に行くことで、逆説的に初めて父の子となりえた。波瀾の親子邂逅の物語だが、その影で竜吉は犠牲となってよいのだろうか。彼の背後には戦争と破局が近づいていることが暗示されている。運命>>続きを読む

エスパイ(1974年製作の映画)

3.4

イスタンブールの当時の風景も見られて、それなりに面白かった。雰囲気は好き。そういえばジュリエッタは最後どこに行ったのだろう。

チルソクの夏(2003年製作の映画)

3.3

筋はベタなロマンス。であれば、寅さんばりに下関や釜山の風景が映るとなお良かった感じがする。ただ主人公が段々良い顔つきになっていくのが良い。

肉弾(1968年製作の映画)

4.2

日本のいちばん長い日と視点において好対照の映画。
昭和20年の大日本帝国という国家システムは戦争のために個人を動員するくせに、終わった途端に個人まで構っていられなくなる。きちんと終わらせることができな
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.9

なぜ最近の邦画にはこういうポリティカルサスペンスがないのだろう。そんなものを作ったところで誰も見ないのか。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

絵と筋の取捨選択が良い。画面の情報量がリッチで映画らしい映画という感じを受ける。吉岡が古館、前野に大声を上げるシーンが良い。

JSA(2000年製作の映画)

4.5

ディテールが正確かは判断できないが、リアリティを持たせることに成功しているので、全篇通して荒唐無稽感はなく、よく楽しめる良い映画。抑えた色合いで板門店の枯木のわびしさがよく感じられる。

Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

4.9

いわゆるハートフルコメディの傑作。経済成長の終わった時代の雰囲気、立ち止まり休憩を考える時期の社会が重なる。柄本明がすっかり社交ダンスにはまっているところが特におかしい。

知りすぎていた男(1956年製作の映画)

4.2

主人公一家が上等な服を着ているのが印象深い。
ヒッチコックの手堅いサスペンス。

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.3

中途半端なミスリーディングのせいでいまいち消化不良。ただいるよなあこんな人間、という人間の見本市という意味ではそれなりに面白かった。

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.2

ウルトラマンを今日の映像技術でやったらこうできるという点で面白かった。変な大作映画感もなくテンポも良い。

お嬢さん(2016年製作の映画)

3.8

なんだかよく分からない映画だったが、一方で演出と画面は飽きさせない構成で、その点でよくできた映画だなと思った。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

合唱祭のシーンの演出はああなるほどと思った。母親は保護者としてやや視野狭窄ではなかろうかとも思ったが、家族を新たな段階へ導くのは今のところまともに社会との接点を持ち得ている娘であるのは、その構造から仕>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.6

鉄雄はなぜ死ななければならなかったのか。タカシと出会ってしまったのは罪なのか。あの程度の感情の高ぶりは、ふつうであれば思春期の環境の中で乗り越えていくものであるはず。未知の力と出会った人間の悲劇性を増>>続きを読む

熱海殺人事件(1986年製作の映画)

3.4

仲代達矢のコントが面白いのでそれは見る価値があるかもしれない。皆が劇的なるものに仕立て上げられる必要はあるのだろうか。

文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年製作の映画)

3.7

ほぼしょうもない連中しか出てこない娯楽映画。
原作者筒井の怪演が良い。

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

3.6

意外に面白かった。特に序盤のカメラワークと画面の質感が良く、引き込まれる。コンドウのシーンは香港や韓国のノワール映画らしい暗さを感じるが、それはあくまでパロディであって、町の片隅に悪人がいない感じが、>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.4

ラストがすぱっと終わりエンドロールに行く点は、だらだらエンディングを長引かせる邦画が多い中で大変評価できる点。「未来人は自分の物語に忙しい」という投げかけは考えさせられる。個人的にはもう少し(主人公の>>続きを読む

ブルークリスマス(1978年製作の映画)

4.0

一方で70年代らしい陰謀映画だが、全体主義への警告を基層にするところが岡本喜八らしい。最後の射殺シーンも余韻なく一気に引き金を引くところがよいが、語られざる所が良い余白でもあり不気味なところでもある。

(1957年製作の映画)

3.2

退屈せずに見られたプログラムピクチャー。ラストの真犯人をはめていく場面が良い。しかし殺された行員の妹は、兄が殺されたのに淡泊に過ぎやしないか。

(1985年製作の映画)

2.9

冒頭から違和感。そもそも阿蘇の特殊な草原で撮る必要があったのか。衣装を含めてある種のオリエンタリズムの香りがする。
それからピーター演じる道化は中途半端に上滑りしていて興がさめる。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.0

筋は面白いが、今日のアニメっぽいわざとらしい演出と多すぎる台詞のせいですこし苦手。原作から見ている人のための映画という印象。

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.3

人間の情念というものが充満した日本映画の一つの名作。親子を演じる緒形拳と三國連太郎が素晴らしい。