ayさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.5

過去鑑賞

アサイヤス「冬時間のパリ」の着想元となったロメールの会話劇。ゆるくおだやか、議論はなかなかの聞き応えのコメディ。「冬時間のパリ」がデジタル化が進む出版界の未来についての予感の映画なら、本作
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

3.0

Filmarks試写会にて鑑賞。
これまでエンニオ・モリコーネの名前を意識して映画をみたことはなくて、一度聴いたら忘れられない「ニュー・シネマ・パラダイス」のメインテーマをつくった人、という事前知識だ
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

3.0

Filmarksオンライン試写会にて鑑賞。

自然が美しい山あいの村のプール教室のインストラクターで、アデル・エグザルコプロス演じるジョアンヌ。彼女とセネガル人の夫ジミーとのあいだの娘で、嗅覚に関する
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四季~ユートピアノ(1979年製作の映画)

3.0

映画をまだほとんどみてなかったころ、どうしてか出かけた是枝裕和監督の講演で、監督がすごく影響を受けたというNHKドラマの映像が一瞬流れた。海辺を走る馬がひく荷車に女性が乗りこむシーンをうっとりと解説す>>続きを読む

ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実(1974年製作の映画)

3.5

過去鑑賞
貴重な資料と証言と丹念な編集のドキュメンタリーだった記憶。

意志的な選択の結果としての状況ではなく、最悪の結果に導かれるよう選択をくり返すという倒錯のはてにあった歴史として、ベトナム戦争が
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彼女と彼(1963年製作の映画)

3.5

東京五輪前年、戦後が濃かった東京郊外の百合ヶ丘第一団地という舞台設定がよかった。当時のホワイトカラー層のモダンな生活とジェントリフィケーションの記録。

芸術的な構図、よく動く長野重一の撮影。
溌剌と
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砂の女(1964年製作の映画)

3.5

夢まぼろしみたいなのを想像してたら激しくニヒルな男女の密室劇だった。
人肌の極端なクロースアップ、滑らかな砂丘のイメージ。みおわって身体にずっしりくる重厚感。

LIVE FOREVER リヴ・フォーエヴァー(2002年製作の映画)

3.5

90年代後半の短期間にイギリスが発信した文化政策、クール・ブリタニアについてのドキュメンタリー。

1994年、Nirvanaカート・コバーンの自殺。グランジ人気の後退、英音楽シーンにぽっかり穴があい
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エイリアンとの交信を追い求めて(2020年製作の映画)

3.0

トンデモ話かと思ってみはじめたら、たしかにトンデモ話ではあったのだけれど、人と違うことのどうしようもなさと途方もない孤独、運命の出会いを求めて宇宙に広がる探求のはてなさ、両親を失った少年への祖父母の惜>>続きを読む

バスキアのすべて(2010年製作の映画)

3.0

(Netflixドキュメンタリー「アンディ・ウォーホル・ダイアリーズ」とあわせて視聴)

眠りに生きる子供たち(2019年製作の映画)

3.5

●The Ezra Klein Show
When You Can’t Trust the Stories Your Mind Is Telling

https://open.spotify.com
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あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.0

"胡蝶の夢"を映画にしたみたいだなって感じた。成熟した女性サンオクの眠りの場面からはじまって眠りの場面で終わる。過去に女優として輝いた自分と、ままならないものを抱えた現在の自分。夢のより深いところに彼>>続きを読む

イントロダクション(2020年製作の映画)

3.0

いつも以上に淡白なホン・サンス。コロナ禍の製作で、人を抱きしめることについての、祈りみたいな気持ちをスケッチしておきたかったのかな。会話劇においてフェアであること、変な気遣いをしないこと、思ったことを>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.5

きっかけはおのれの未熟さにあったとしても、大人たちの圧倒的な負債を引き受けるのが子どもなんだっていう点で「カモンカモン」ともテーマが重なって、ほんとなんも言えなかった。
こういう成長物語って日本だと長
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

4.5

スパイダーマンの最新作を人に勧められた流れでみはじめたMCUだけど、ルッソ兄弟が監督する「ウィンター・ソルジャー」とこの「シビル・ウォー」は、思いがけず、硬派で知的でわかりやすい高次元のエンタメでおも>>続きを読む